JPH0255874A

JPH0255874A - 内燃機関のピストン

Info

Publication number: JPH0255874A
Application number: JP20854388A
Authority: JP
Inventors: Sakae Mizumura; 水村　栄; Jiro Shimizu; 清水　治郎
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1988-08-22
Filing date: 1988-08-22
Publication date: 1990-02-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］この発明は、内燃機関に用いられるピストンの構造に関
する。

［従来の技術］従来の一般的なピストンは、内燃機関のシリンダ孔内に
遊嵌するよう略円筒状に形成され、その一端を閉じて形
成された頂板部と、筒状部分をなすスカート部と、この
スカート部をピストンピンな介してコネクティングロッ
ドへ連結するためのボス部とを備えている。このボス部
は、例えば、実公昭６１−３９０５０号公報に示すよう
に、スカート部の内側面対向位置に相手方向へ向って水
平に突出するように設けられている。

このようなピストンの成形は、通常、アルミ合金等の鋳
造により行われている。

［発明が解決しようとする課題］ところで、上記のような構造の場合、頂板部の反燃焼室
側（以下、裏面という）とボス部の間にアンダーカット
状の空間が形成されている。この空間は軽量化のために
必須の肉抜き部である。

したがって、ピストンの内部形状を成形する場合、ボス
部を挟んで、その頂板部側と反頂板部側に形成される各
空間をそれぞれ別の金型を用いて成形しなければならず
、ピストンピンの軸方向へ可動な２つの金型を含む３つ
以上の分割金型を必要とする。ゆえに、金型成作費並び
に成型費等のコストが高くなる。しかも、このような内
部形状の場合、ピストンの金属組織をより緻密にして強
度アップを図ることができる鍛造法を採用するのが難し
い。

そこで本発明は、成形が容易でかつ成形の自由度があり
、しかも強度アップ、軽量化並びに冷却効率向上をも図
ることができるピストンの提供な目的とする。

［課題を解決するための手段］上記課題を解決するため、本発明に係るピストンは、一
対のボス部を頂板部の裏面に対向配置して設けたことを
特徴とする。

なお、このボス部を頂板部の外周部よりも内周側寄り位
置に設けることもできる。

さらに、スカート部をボス部の外端部側方を除いて不連
続に設けることもできる。

また、スカート部の各端部に所定高さを有する補強リブ
を頂板部に向って設けるとともに、少なくともボス部の
反頂板部側へ形成された突出端部な前記スカート部側に
形成されたソッと分離することもできる。

［発明の作用］第１項記載の発明によれば、ボス部と頂板部の裏面との
間にアンダーカット状の空間が形成されない。ゆえに、
ピストンの内部形状な一部で成形可能となる。このとき
、少なくとも従来と同程度に頂板部裏面の肉抜きが可能
であり、ピストンの重量を増加させることはない。その
うえ、ボス部が頂板部を補強しかつ頂板部からボス部及
びピストンピンな経てコネクティングロッドへ至る放熱
経路が構成されるので、この放熱経路による伝熱の割合
が多くなる。

また、第２項記載の発明によれば、ボス部の外端部より
外方の頂板部裏面を肉抜き可能となる。

さらに、第３項記載の発明によれば、スカート部がボス
部の外端部側方に形成されないので、その分だけ軽量に
なる。

また、第４項記載の発明によれば、リプによりスカート
部の剛性を向上させ、ボス部と分離しているスカート部
を補強する。そのうえ、リブは少なくともボス部の突出
端部と分離しているので、スカート部とボス部とが複合
変形しにくくなる。

［実施例］第１図乃至第３図に本発明の一実施例を示す。

このピストンは図示を省略した内燃機関のシリンダ孔に
遊嵌するよう略円筒状をなし、その一端は閉じて燃焼室
の一部を形成する頂板部１となっている。また、ピスト
ンの側面部は、頂板部１の裏面側に対向配置される一対
のボス部２と、これらボス部２に両端がそれぞれ隣接す
るように対向配置された一対のスカート部３となりてい
る。

第２図に示すように、ボス部２は頂板部１の裏面の中央
部寄りに対をなして立設され、その外端部４は頂板部１
の外周部分をなすランド部１ａの端面より寸法文だけ内
側へ入っている。また、双方のボス部２を貫いてビン穴
５が形成され、かつ両方のボス部２間には空間６が形成
されている。

この空間６内にはコネクティングロッド７の小端部が収
容され、ボス部２間に挿入したピストンピン８により連
結されている。コネクティングロッド７の小端部は両側
面が各ボス部２の内端部の端面と一定間隔を保つことの
できるように所定の形状に成形されている。

一方、スカート部３は第１図及び第３図に示すように、
シリンダ孔内周面に沿うよう曲面形成された立壁状をな
し、ランド部１ａの端面と路面−状態で連続一体に反頂
板部１側へ延出するが、各ボス部２の外端部４側方には
形成されず、各ピン穴５の中心Ｃを結んだ線、すなわち
、ピストンピン８の軸心線Ｌ（第２図参照）に直交する
よう設けられ、ボス部２部分で不連続となっている。

また、各スカート部３の中央部並びに両側部にはリブ９
及び１０が頂板部１の裏面から一体に立設されている。

この両側部のリブ１０は、スカート部３の両側部に沿っ
て形成されるとともに、第１図に示すように、ピン穴５
の中心Ｃよりも上方部分は頂板部１近くまで寸法りだけ
切れ込んだ湾入部１１をなしている。リブｌＯの先端部
は湾入部１１を越えてボス部２側にも及び、ピン穴５の
中心Ｃに相当するボス部２の側部位置へ連結している。

したがって、ピン穴５の中心Ｃより下方（反頂板部側）
へ延出するボス部２の突出端部２ａを含む部分は、スカ
ート部３側に形成されているリブ１０とは分離されてい
る。

なお、第１図及び第２図に示すように、頂板部１の長径
すなわちボア径をＡ、各リブｌＯの中間点間の距離なり
とすれば、Ｂ／Ａ＝０．４〜０．５程度になるように形成されてい
る。

また、頂板部ｌの側面全周に複数（本実施例では３本）
のピストンリング溝１２ａ乃至１２ｃが形成され、その
うちピストンリング溝１２ｃの底部にはオイル溝１３が
ピストンの中心方向へ水平に穿設され、その内方端部は
凹部１４内へ連通している。四部１４内は肉抜き用に外
端部４より外方のランド部１ａ裏面側に開口形成される
。　このピストンを製造するには、例えばアルミ合金を
用いた鋳造法による。この場合、ボス部２が頂板部ｌの
裏面から連続一体に立設されているため、ボス部２と頂
板：ｆｉＢｌの裏面との間に従来のようなアンダーカッ
ト状の空間が形成されない。

したがって、ピストンの内部形状は一部で成形でき、必
要な金型数は内、外の２型だけで鋳造可能となる。その
うえ、少なくとも従来と同程度に頂板部ｌの裏面側を肉
抜きできるので、ピストンの重量は増加しない。

さらに、この内部形状によれば鍛造法による成形も可能
となる。鍛造した場合には、頂板部ｌの金属組織をより
緻密化可能となるので、より高強度のピストンを得るこ
とができる。これにより同じ馬力であれば、それだけ軽
量化でき、ピストン−クランク系の振動低減等にもつな
がる。したがって、必要強度により鋳造と鍛造を随時選
択可能となる。

次に、ボス部２を頂板部ｌの裏面へ設けたことにより、
ボス部２によって頂板部１が補強され、強度がアップす
るので、この部分が変形しにくくなり、頂板部ｌを軽量
化できる。

また、頂板部１−ボス部２−ピストンピン８−コネクテ
ィングロッド７からなる放熱経路が形成されるので、内
燃機関の運転中に頂板部ｌへ与えられる高熱は、従来の
ピストンリングからシリンダへ伝熱された経路に加えて
、このボス部２を経る放熱経路によってコネクティング
ロッド７へ速やかに伝播される割合が多くなる。ゆえに
、ピストンの冷却効率が向上することになり、シリンダ
に対する耐焼付き性能が向上する。

さらに、ボス部２の両側からピン穴５内へオイルが入る
ようになるので、この部分に設けられる軸受部への給油
が容易となる。その結果、耐久性が向上し軽量化が可能
となる。しかも、従来のように給油穴を特別に加工する
必要がないので、加工性が向上する。

また、本実施例のように、ボス部２を寸法文だけ頂板部
ｌの中央寄りに設ければ、外端部４より外方のランド部
１ａに凹部１４内を設けて肉抜きできるので、頂板部１
をさらに軽量化できる。しかも、凹部１４を設けたこと
により、ピストンリング溝１２裏側並びに頂板部１のオ
イルによる冷却性が向上し、その結果、耐久性が向上し
かつ軽量化可能となる。また、オイル溝１３の加工深さ
が比較的浅くなるので、加工性が向上する。

さらに、スカート部３側に形成されているリブｌＯとボ
ス部２のピン穴５の中心Ｃより下方部分とを分離したこ
とにより、スカート部３の変形がボス部２に影響しにく
くなり、両者が影響し合って変形する複合変形のおそれ
が少なくなる。

但し、リブ１０の先端部が連結する部分は、少なくとも
ボス部２の突出端部２ａに至らない範囲であればよい。

また、リブ１０を立設したことにより、スカート部３は
機能上必要十分な剛性の確保が可能となる。したがって
、この点でも構造を簡素にしてかつ軽量化に貢献できる
。

［発明の効果コ第１項記載の発明によれば、ピストンの内部形状な一部
で成形可能となるので、成形が容易となりかつ金型並び
に成形コストを低減できる。そのうえ、少なくとも従来
と同程度の重量でピストンを製造することができる。

また、鋳造もしくは鍛造等、必要強度に応じて成形方法
を随時変更できるので成形の自由度が増す。そのうえ、
頂板部の補強と冷却効率アップによる耐焼付き性能向上
を図ることができるので、軽量化及び耐久性向上が可能
となる。

第２項記載の発明によれば、頂板部の中央寄りにボス部
を設けるので、ボス部の外端部側方を肉抜きでき、さら
にピストンを軽量化できる。

第３項記載の発明によれば、スカート部を頂板部の全周
に沿って立設することなく、不連続としたので、その分
軽量化に貢献できる。

第４項記載の発明によれば、スカート部にリブを設ける
ことによりスカート部の剛性を確保するとともに、スカ
ート部側に形成されたソッと少なくともボス部の突出端
部とが分離しているので、スカート部とボス部との複合
変形を防止することができる。その結果、さらにピスト
ンの構造の簡素化、軽量化並びに耐久性の向上を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は実施例を示し、第１図は側面図、第
２図は第１図のＩＩ　−ＩＩ線断面図、第３図は一部を
切り欠いた裏面図である。（符号の説明）ｌ・・・頂板部、２・・・ボス部、２ａ・・・突出端部
、３・・・スカート部、４・・・外端部、５・・・ビン
穴、７・・・コネクティングロッ１く、８・・・ピスト
ンピン、ｌＯ・・・リブ。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）シリンダ孔内に遊嵌する略円筒状のピストンであ
って、その一端を閉じて燃焼室の一部を構成する頂板部
と、シリンダ孔内周面に沿うよう曲面形成されたスカー
ト部とからなる本体部分を備えるとともに、この本体部
分をピストンピンを介してコネクティングロッドに連結
する一対のボス部を設けたものにおいて、前記一対のボ
ス部を前記頂板部の反燃焼室側に対向配置して設けたこ
とを特徴とする内燃機関のピストン。
（２）第１項記載のボス部を頂板部の外周部よりも内周
側寄り位置に設けたことを特徴とする内燃機関のピスト
ン。
（３）スカート部を少なくともボス部の外端部側方を除
いて不連続に設けたことを特徴とする第１項又は第２項
記載の内燃機関のピストン。
（４）スカート部の各端部に所定高さを有する補強用の
リブを頂板部に向って設けるとともに、少なくともボス
部の反頂板部側へ形成された突出端部が前記スカート部
側に形成されたリブと分離していることを特徴とする第
３項記載の内燃機関のピストン。