JP2551186Y2 - 射出成形装置 - Google Patents

射出成形装置

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JP2551186Y2
JP2551186Y2 JP9818491U JP9818491U JP2551186Y2 JP 2551186 Y2 JP2551186 Y2 JP 2551186Y2 JP 9818491 U JP9818491 U JP 9818491U JP 9818491 U JP9818491 U JP 9818491U JP 2551186 Y2 JP2551186 Y2 JP 2551186Y2
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【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、射出成形装置に係り、
特に、射出成形品の内部に中空部を形成するようにした
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂成形品の成形方法の1つ
として射出成形が知られている。この射出成形は、一般
に、一対の成形型が型閉めされた状態において、この両
型間に形成されるキャビティに溶融樹脂材料を注入した
後、冷却し、この樹脂材料を前記キャビティの形状に対
応した所定形状に成形するようにして行われている。
【0003】また、このような射出成形において、成形
品の剛性の向上を目的として、射出成形品の裏面の一部
にビード状に延びるリブを成形することがある。従っ
て、このようなリブを備えた射出成形品を得るための成
形型は、そのキャビティ面の一部に、成形しようとする
リブの形状に対応させた溝部が形成されている。
【0004】ところが、このようなリブを備えた樹脂成
形品の射出成形にあっては、このリブの成形位置周辺に
おいて成形品の厚さ寸法が変化することにより、この厚
さ寸法の異なる部分において熱収縮量の差が生じ、これ
によってリブの成形位置に対応した成形品表面において
局部的な「引け」が生じてしまうといった不具合があっ
た。
【0005】そこで、この不具合を解消することに鑑み
られた射出成形法として、特開昭63−268611号
公報に開示されているような中空射出成形がある。この
中空射出成形は、図4に示すように、上型aに樹脂注入
ノズルbを配設し、一方、下型cにリブdを成形するた
めの溝部eを形成すると共に、この溝部eにガス供給ノ
ズルfを接続させる。そして、キャビティ内に前記樹脂
注入ノズルbから溶融した樹脂材料gを注入し、その
後、この樹脂材料gの前記溝部eに注入された部分、つ
まり前記リブdとなる部分が冷却されて硬化してしまう
前に、前記ガス供給ノズルfから前記リブd内に向けて
高圧のガスを吹き込む。これにより、前記リブd周辺の
樹脂材料gの熱収縮量を供給ガスによって補うように
し、樹脂成形品の表面に「引け」が発生することを防止
するようにしている。
【0006】また、前記樹脂注入ノズルbは、次の射出
成形における樹脂材料の供給を円滑に行い得るように、
樹脂材料の粘性を低く保持すべく、その樹脂注入口に近
接した位置にヒータが配設されたホットランナノズルで
構成されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな中空射出成形にあっては、樹脂注入ノズルbがホッ
トランナノズルによって構成されているために、該樹脂
注入ノズルbの配設位置周辺が高温度に保持されている
ことから、この樹脂注入ノズルbの配設位置周辺では、
樹脂材料gの硬化速度が遅くなっている。また、前記ガ
ス供給ノズルfから供給されたガスは樹脂材料gの粘度
の低い部分に流れ込む性質がある。そのため、図4に示
すように、前記ガス供給ノズルfから供給されたガスが
未だ硬化していない樹脂材料g内部を通過して樹脂注入
ノズルbの通路内にまで供給されてしまうことがある。
このような状況にあっては、リブd内に供給されるべき
ガスが樹脂注入ノズルb側に漏れ出ることになるため
に、このリブd内に形成される中空部の体積が十分に確
保できず、樹脂成形品表面に上述したような「引け」が
発生してしまうばかりでなく、樹脂注入ノズルb周辺に
おける成形品表面に「膨れ」が生じたり、この表面に孔
があいてしまったりするといった製品不良を招くことに
なる。更には、射出成形後にあっても、樹脂注入ノズル
b内にガスが入り込んでいるために、次の射出成形にお
いて樹脂材料の供給量が不足して製品の外観不良が生じ
るといった不具合も生じることになる。また、このよう
な外観不良を回避するためには、これらを考慮した成形
型を作製せねばならないために、成形品の設計自由度が
制限されることにもなる。
【0008】本考案は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、この中空射出成形において、供給されるガ
スを樹脂注入ノズル側に侵入させることなく、所定域に
のみに供給することが可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案は、ガス供給ノズルからのガス供給動作時
にあっては樹脂注入ノズルの注入口を閉じるようにし
て、この樹脂注入ノズル内にガスが入込まないようにし
た。具体的に、請求項1記載の考案の解決手段は、上型
と下型とを備えるとともに、該上型及び下型の一方に樹
脂注入手段を、他方にガス供給手段を設け、前記上下型
を型閉めすることで上下型間に形成されるキャビティ
に、前記樹脂注入手段によって溶融樹脂材料を注入した
後、前記ガス供給手段によって前記キャビティに注入さ
れた溶融樹脂材料の内部の所定領域にガスを注入するこ
とにより、内部に中空部を有する樹脂成形品を成形する
ようにした射出成形装置を前提とする。そして、前記樹
脂注入手段における樹脂注入通路の下流端部には、前記
ガス供給手段からのガスの供給時に該樹脂注入通路の樹
脂注入口を閉塞するバルブ手段が設けられているものと
する。
【0010】ここで、請求項2の考案では、バルブ手段
は、樹脂注入口を閉塞する閉塞位置と樹脂注入口を開放
する開放位置との間で移動可能なバルブピンと、該バル
ブピンを閉塞位置に付勢するスプリングと、前記バルブ
ピンに形成され溶融樹脂材料の注入時における樹脂注入
通路の内圧を受けて該バルブピンを開放位置に移動させ
る受圧面とを備えてなるものとする。また、請求項3の
考案では、前記請求項1のバルブ手段は、樹脂注入口を
閉塞する閉塞位置と樹脂注入口を開放する開放位置とに
移動可能なバルブピンと、該バルブピンを溶融樹脂材料
の注入時に開放位置に移動させ、ガスの供給時に閉塞位
置に移動させる駆動手段とを備えてなるものとする。
【0011】さらに、請求項4の考案では、前記請求項
1記載の射出成形装置において、樹脂注入手段に、樹脂
注入通路の下流端部周辺にヒータが配設されたホットラ
ンナノズルを備えたものとする。
【0012】
【作用】上記の構成により本考案では以下に述べるよう
な作用が得られる。請求項1〜3の考案では、射出成形
の際に、先ず、型閉めされた上下型のキャビティ内に樹
脂注入手段から溶融樹脂材料を注入する。その後、ガス
供給手段によって前記キャビティに注入された溶融樹脂
材料の内部の所定領域にガスを注入する。このガス注入
の際、前記樹脂注入手段における樹脂注入通路の下流端
部に設けられたバルブ手段によって前記樹脂注入通路の
樹脂注入口を閉塞する。このため、樹脂注入通路内にガ
スが侵入することが防止され、キャビティ内の溶融樹材
料の所定領域のみにガスの注入を行うことができ、該所
定領域へのガスの供給量不足や成形品表面での「膨れ」
や「孔開き」の発生が回避できる。
【0013】また、請求項4の考案では、樹脂注入手段
に、樹脂注入通路の下流端部周辺にヒータが配設された
ホットランナノズルが備えられて、特に、樹脂注入通路
内へのガスの侵入が懸念される場合において、このガス
の侵入が確実に防止される。
【0014】
【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図2には本例に係る射出成形装置1の縦断面を示
している。この射出成形装置1は、成形型としての上型
2と下型3とで成っており、この各型2,3を型閉めし
た状態(図2に示す状態)において各型2,3間にキャ
ビティ4が形成され、このキャビティ4内に樹脂材料が
注入されて所定形状の樹脂成形品を成形するようになっ
ている。以下、各型2,3の構造について説明する。
【0015】上型2は、上型本体2aがベースプレート
2bに支持されて成っており、このベースプレート2b
が図示しない昇降装置に支持されている。これにより、
この上型2は、型閉じ動作にあっては下降移動し、型開
き動作にあっては上昇移動するようになっている。ま
た、前記上型本体2aの下面における中央部分には凹部
2cが形成されており、この凹部2cの底面が前記キャ
ビティ4を構成する上側のキャビティ面2dに形成され
ている。
【0016】そして、この上型2の特徴とする構成とし
て、該上型2の内部には本考案でいう樹脂注入手段とし
てのホットランナパイプ5が備えられている。このホッ
トランナパイプ5は所謂樹脂注入管であって、メイン注
入管5aと、該メイン注入管5aから複数(図2に示す
ものは2つ)に分岐された本考案でいう樹脂注入通路の
下流端部を構成するホットランナノズル5b,5bとで
成っている。前記メイン注入管5aは図2において上下
方向に延びており、その上端はベ−スプレート2bの上
面に開口していて、この上端には図示しない樹脂供給装
置が連繋されている。また、このメイン注入管5aの下
端は前記ホットランナノズル5b,5bに連結されてい
る。一方、前記ホットランナノズル5bは、前記樹脂供
給装置から供給された溶融樹脂材料を前記キャビティ4
の所定位置に案内して注入するものであって、その一端
は上述した如く前記メイン注入管5aの下端に連結され
ており、他端は前記キャビティ面2dに樹脂注入口5c
を介して開口している(この部分の構成については後述
する)。
【0017】下型3は、下型本体3aがスペーサ3b,
3bを介してベースプレート3cに支持されて成ってい
る。また、前記下型本体3aの上面における中央部分に
は、前記上型本体2aの凹部2cの形状に対応した凸部
3dが形成されており、この凸部3dの上面が前記キャ
ビティ4を構成する下側のキャビティ面3eに形成され
ている。従って、図2に示すような型閉め状態にあって
は、各型本体2a,3a夫々のキャビティ面2d,3e
によって前記キャビティ4が形成される。また、この下
型3のキャビティ面3eにおける所定位置には、複数
(本例のものでは2つ)の溝部3f,3fが形成されて
いる。この溝部3fは図2における紙面鉛直方向に延び
ており、これによって射出成形の際には、樹脂成形品の
裏面にビード状のリブを形成するようになっている。
【0018】そして、この下型3の特徴とする構成とし
て、該下型3には本考案でいうガス供給手段としてのガ
ス供給装置6が備えられている。このガス供給装置6
は、ガス供給機6a,6a、ガス供給管6b,6b及び
ガス供給ノズル6c,6cを備えて成っており、高圧の
ガスを前記キャビティ4内(特に、溝部3f内)に向け
て供給するものである。ガス供給機6aは、前記スペー
サ3bによって下型本体3aとベースプレート3cとの
間に形成された空間内において、下型本体3aの下面に
取付けられている。ガス供給管6bは、前記下型本体3
aの内部において図2の上下方向に延びており、前記ガ
ス供給機6aから供給されたガスを前記キャビティ4に
向けて案内するものである。そして、ガス供給ノズル6
cは、前記ガス供給管6bの上端部に取付けられてお
り、その配設位置は、前記下型キャビティ面3eの溝部
3fに対応した位置に設定されている。従って、射出成
形において、このガス供給装置6から供給されるガス
は、前記溝部3fに注入されている樹脂材料、つまり樹
脂成形品においてリブとなる部分の内部に供給されるこ
とになる。
【0019】次に、本例の特徴とする構成について説明
する。本例の特徴としては、前記ホットランナノズル5
bの構成にある。図1には、このホットランナノズル5
b周辺の構造を示している。この図に示すように、前記
ホットランナノズル5bにおける下流端近傍には通路径
が拡大された拡大部5dが形成されており、この拡大部
5dの内部にバルブ手段7が配設されている。以下、こ
のバルブ手段7について説明する。このバルブ手段7
は、前記拡大部5dの中央に配設されたコア部7aと、
該コア部7aに収容されたバルブピン7bとを備えて構
成されている。コア部7aは、その外壁面が前記拡大部
5dの内壁面と所定間隔を存して、この間隔によって溶
融した樹脂材料の流通路を形成するようになっている。
また、このコア部7aの内部には、その上下方向に延
び、且つその下端面に開口するバルブピン挿入空間7c
が形成されている。そして、このバルブピン挿入空間7
cには略円柱状の前記バルブピン7bが挿通されてい
る。このバルブピン7bは、前記コア部7aに対して小
ストロークをもって上下移動自在とされており、その移
動下端位置(図1に示す閉塞位置)では樹脂注入口5c
を閉塞するようになっている一方、図示しない移動上端
位置(開放位置)では前記樹脂注入口5cを開放するよ
うになっている。また、このバルブピン7bの上下方向
略中央位置にはフランジ部7dが形成されており、この
フランジ部7dの上面と前記バルブピン挿入空間7cの
内壁面に形成された段部7eとの間にはコイルスプリン
グ7fが縮装されている。これによって前記バルブピン
7bはコイルスプリング7fによって常に図1における
下方への付勢力が与えられており、このバルブピン7b
にコイルスプリング7f以外の外力が作用していない状
態では、前記樹脂注入口5cがバルブピン7bによって
閉塞されるようになっている。また、このバルブピン7
bによる樹脂注入口5cの閉塞状態について説明する
と、前記樹脂注入口5cの開口部分の内壁部には小寸法
をもって先細り状に形成された傾斜面5eが形成されて
いる一方、前記バルブピン7bの先端近傍には、前記傾
斜面5eに対向した先細り状の受圧面としての傾斜面7
gが形成されている。そして、前記樹脂注入口5cの閉
塞状態にあっては、夫々の傾斜面5e,7g同士が当接
して、バルブピン7bの傾斜面7gのうち上側半分部が
ホットランナノズル5bの通路内に臨むようになってい
ると共に、バルブピン7bの先端面が上型本体2aのキ
ャビティ面2dと面一状態となっている。このような構
成により、溶融樹脂の注入行程においてホットランナノ
ズル5b内の内圧が高くなり、その圧力がバルブピン7
bの傾斜面7gの上側半分部に作用すると、この圧力の
分力がバルブピン7bを上方へ移動させるように働き、
この分力がコイルスプリング7fの付勢力にうち勝つ
と、バルブピン7bが上方へ移動して前記樹脂注入口5
cが開放されるようになっている。尚、図1における5
f,5fはヒータであって、ホットランナノズル5b内
の溶融樹脂材料を加熱することによってその粘性を常時
低く保つようにしている。
【0020】次に、上述の如く構成された射出成形装置
1における射出成形について説明する。先ず、上型2を
下型3に向って下降させて図2に示すような型閉め状態
とし、上型2のキャビティ面2dと下型3のキャビティ
面3eとの間に所定形状のキャビティ4を形成する。こ
の状態から、ホットランナパイプ5によってキャビティ
4内に溶融した樹脂材料を注入する。つまり、溶融した
樹脂材料をメイン注入管5aから各ホットランナノズル
5b,5bに供給する。この際、ホットランナノズル5
b内の内圧が低い状態では、バルブピン7bがコイルス
プリング7fの付勢力によって下端位置(閉塞位置)に
あり、樹脂注入口5cがバルブピン7bによって閉塞さ
れている(図1参照)。そして、樹脂材料の供給が継続
して行われてホットランナノズル5b内の内圧が所定値
に達し、この内圧がバルブピン7bの傾斜面7gに作用
してバルブピン7bに対して上方へ向って働く分力がコ
イルスプリング7fの付勢力に打ち勝つと、バルブピン
7bが上方へ移動して前記樹脂注入口5cが開放され
る。これによって、前記キャビティ4内に溶融樹脂材料
が注入される。
【0021】その後、予め設定された所定量の溶融樹脂
材料が注入されると、この注入動作が停止される。これ
によってホットランナノズル5b内の内圧が低下し、該
内圧が前記所定以下になり、前記コイルスプリング7f
の付勢力が前記内圧の上方へ向う前記分力に打ち勝つ
と、バルブピン7bが下方へ移動して、再び前記樹脂注
入口5cが閉塞される。
【0022】このようにして、キャビティ4内に所定量
の樹脂材料が注入された後、ガス供給動作に移る。この
ガス供給動作においては、前記各ガス供給機6aから同
時にガス供給管6bに高圧ガスを送給する。これによ
り、ガスは、ガス供給管6bを経た後、ガス供給ノズル
6cからキャビティ4内に向けて供給される。つまり、
このガスは樹脂成形品のリブを成形する溝部3fに供給
される。そして、この供給されたガスは図1に仮想線で
示すように、溝部3f内に充填されている樹脂材料の内
部に供給され、その供給量に応じた中空部Sが形成され
る。そして、この場合、前記ホットランナノズル5bの
樹脂注入口5cはバルブピン7bによって閉塞されてい
るために、このガスが、該ホットランナノズル5b内に
侵入することがない。このようにして、リブ内の所定位
置にガスが供給されて所定体積の中空部Sが形成される
ことになるために、この体積分だけ樹脂材料の熱収縮量
を補うことができるので、樹脂成形品の表面での「引
け」の発生を回避できる。また、成形品表面での「膨
れ」や「孔開き」の発生も防止できるので、所定形状の
樹脂成形品を得ることができる。
【0023】上述してきたように、本例の構成によれ
ば、樹脂成形品の表面での「引け」の発生を回避できる
ホットランナノズル5bを備えた中空射出成形におい
て、ホットランナノズル5b内へのガスの侵入が回避で
きることによって、従来技術において課題とされてい
た、リブ内に形成される中空部の容積不足による「引
け」の発生や成形品表面での「膨れ」及び「孔開き」の
発生が回避ができ、所定形状の樹脂成形品を得ることが
できる。また、成形品の外観不良の発生を考慮しながら
上下型2,3を作製する必要がなくなるので成形品の設
計自由度が向上する。
【0024】(変形例) 次に、本考案の変形例について説明する。本例の射出成
形装置は、ホットランナノズル5bの樹脂注入口5cを
閉塞するためのバルブ手段の構成の変形例であって、そ
の他の構成は上述した実施例と同様であるために説明を
省略し、その特徴とする構成のみについて説明する。
【0025】図3に示すように、本例におけるバルブ手
段8は、バルブピン8aと駆動手段としての油圧シリン
ダ8bとによって成っている。バルブピン8aは、ホッ
トランナノズル5bの中央部に挿通されており、前記油
圧シリンダ8bの駆動に伴って上下移動するように構成
されており、その下端位置においてホットランナノズル
5bの樹脂注入口5cを閉塞するように成っている。従
って、射出成形時において、溶融樹脂材料を注入する際
には油圧シリンダ8bを駆動させて、図3に示すよう
に、バルブピン8aを引き込んで、樹脂注入口5cを開
放する。これによって溶融樹脂材料がキャビティ4内に
注入される。その後、ガス供給装置6からのガス供給動
作時にあっては、油圧シリンダ8bを駆動させてバルブ
ピン8aを前進させて樹脂注入口5cを閉塞する。この
際、バルブピン8aの先端面は上型本体2aのキャビテ
ィ面2dと面一状態とされる。
【0026】このように、本例の構成にあっても、バル
ブピン8aによって樹脂注入口5cが閉塞されることに
よってホットランナノズル5b内へのガスの侵入が回避
できることになり、リブ内に形成される中空部の容積不
足や成形品表面での「引け」、「膨れ」及び「孔開き」
の発生が回避ができ、所定形状の樹脂成形品を得ること
ができる。また、本例の構成にあっては、油圧シリンダ
8bによってバルブピン8aの移動を行わせるようにし
ているために、その移動状態を確実に設定することがで
きる。
【0027】尚、上述した各例では上型2にホットラン
ナパイプ5を、下型3にガス供給装置6を夫々配設する
構成としたが、本考案は、これに限らず、これらを逆に
配設する構成としてもよい。また、射出成形品の裏面に
リブを成形するようにして、このリブ内にガスを供給す
るようにしたが、本構成は、リブを成形しない中空樹脂
成形品の中空射出成形にも利用可能である。
【0028】
【考案の効果】上述してきたように、本考案によれば、
以下に述べるような効果が発揮される。請求項1〜3の
考案によれば、樹脂注入手段における樹脂注入通路の下
流端部に、ガス供給手段からのガス供給時、該樹脂注入
通路の樹脂注入口を閉塞するバルブ手段を設けたため
に、ガス供給手段によって供給されるガスが前記樹脂注
入通路内に侵入することを防止でき、キャビティ内の溶
融樹材料の所定領域のみにガスの供給が行え、該所定領
域へのガスの供給量不足による成形品表面での「引け」
や、樹脂注入通路内へのガスの侵入による成形品表面で
の「膨れ」や「孔開き」の発生が回避ができ、所定形状
の樹脂成形品を得ることができる。更に、成形品の外観
不良の発生を考慮しながら成形型を作製する必要がなく
なるために成形品の設計自由度の向上を図ることもでき
る。
【0029】また、請求項4記載の考案では、特に、樹
脂注入通路内へのガスの侵入が懸念されるホットランナ
ノズルを備えたものにおいて、このガスの侵入が確実に
防止されるので、請求項1〜3の考案における効果を維
持しつつ中空射出成形の連続成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホットランナノズル周辺の縦断面図である。
【図2】射出成形装置の縦断面図である。
【図3】変形例における図1相当図である。
【図4】従来例における図1相当図である。
【符号の説明】
1 射出成形装置 2 上型 3 下型 4 キャビティ 5 ホットランナパイプ(樹脂注入手段) 5b ホットランナノズル 5c 樹脂注入口 5f ヒータ 6 ガス供給装置(ガス供給手段) 7,8 バルブ手段 S 中空部

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型と下型とを備えるとともに、該上型
    及び下型の一方に樹脂注入手段を、他方にガス供給手段
    を設け、前記上下型を型閉めすることで上下型間に形成
    されるキャビティに、前記樹脂注入手段によって溶融樹
    脂材料を注入した後、前記ガス供給手段によって前記キ
    ャビティに注入された溶融樹脂材料の内部の所定領域に
    ガスを注入することにより、内部に中空部を有する樹脂
    成形品を成形するようにした射出成形装置であって、 前記樹脂注入手段における樹脂注入通路の下流端部に
    は、前記ガス供給手段からのガスの供給時に該樹脂注入
    通路の樹脂注入口を閉塞するバルブ手段が設けられてい
    る、 ことを特徴とする射出成形装置。
  2. 【請求項2】 バルブ手段は、樹脂注入口を閉塞する閉
    塞位置と樹脂注入口を開放する開放位置との間で移動可
    能なバルブピンと、該バルブピンを閉塞位置に付勢する
    スプリングと、前記バルブピンに形成され溶融樹脂材料
    の注入時における樹脂注入通路の内圧を受けて該バルブ
    ピンを開放位置に移動させる受圧面とを備えてなること
    を特徴とする請求項1記載の射出成形装置。
  3. 【請求項3】 バルブ手段は、樹脂注入口を閉塞する閉
    塞位置と樹脂注入口を開放する開放位置とに移動可能な
    バルブピンと、該バルブピンを溶融樹脂材料の注入時に
    開放位置に移動させ、ガスの供給時に閉塞位置に移動さ
    せる駆動手段とを備えてなることを特徴とする請求項1
    記載の射出成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の射出成形装置において、
    樹脂注入手段は、樹脂注入通路の下流端部周辺にヒータ
    が配設されたホットランナノズルを備えていることを特
    徴とする射出成形装置。
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