JP2591520Y2 - 射出成形用金型及びそれに用いるノズル - Google Patents

射出成形用金型及びそれに用いるノズル

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JP2591520Y2
JP2591520Y2 JP1993067390U JP6739093U JP2591520Y2 JP 2591520 Y2 JP2591520 Y2 JP 2591520Y2 JP 1993067390 U JP1993067390 U JP 1993067390U JP 6739093 U JP6739093 U JP 6739093U JP 2591520 Y2 JP2591520 Y2 JP 2591520Y2
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cavity
hollow cylindrical
nozzle
cylindrical body
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斉 河内
康平 原田
一喜 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、加圧ガスをほとんど漏
洩させることなく、キャビティ内に射出された溶融樹脂
中に注入して、外表面にヒケ、ソリ等を発生させること
なく、外観に優れた中空部を有する射出成形品を製造す
ることができる射出成形用金型及びそれに用いるノズル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形用金型のキャビティ内に
射出された溶融樹脂中に加圧ガス注入ノズルより加圧ガ
スを注入することによって、外表面にヒケ、ソリ等を発
生させることがなく、外観に優れた中空部を有する射出
成形品を製造する、いわゆるガス注入射出成形法が知ら
れている。
【0003】しかし、加圧ガス注入ノズルの先端部と溶
融樹脂との間や、金型キャビティ面と溶融樹脂との間か
ら加圧ガスの漏洩が生じ易いという問題点がある。
【0004】そして、加圧ガスの漏洩を改善する方法と
しては、例えば、特開平4─41212号公報に記載の
如く、ガスインジェクションノズルのガス排出穴の下方
の周囲に環状間隙を設け、その環状間隙に合成樹脂の一
部を流れ込ませてガスを密封する方法、特開平4─23
2709号公報に記載の如く、ガス注入針の差し込み方
向の溶融樹脂の収縮中心付近にガス注入針を差し込んで
ガスを注入する方法、特開平5─4258号公報に記載
の如く、ガス注入部の周囲に反キャビティ側に凹部とな
り且つキャビティに連通する溝部を設け、この溝部のキ
ャビティ側を広くし、キャビティに充填した溶融樹脂を
ガス注入部周囲の溝部に入り込ませ、ガス注入部周辺の
隙間からガスが漏洩するのを遮断する方法等が提案され
ている。
【0005】しかし、上記の従来の方法では、加圧流体
の漏洩の問題は依然として解消しない。特に加圧ガスの
ガス圧力を高く設定した場合等、成形条件による影響で
加圧ガスの漏洩のバラツキは大きくなりがちである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記の如き
従来の問題点を解消し、成形中に加圧ガスをほとんど漏
洩させることなく溶融樹脂中に注入して、外表面にヒ
ケ、ソリ等を発生させることなく、外観に優れた中空部
を有する射出成形品を製造することができる射出成形用
金型及びそれに用いるノズルを提供することを目的とし
てされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、固定型と可動
型との間にキャビティが設けられ、固定型又は可動型
に、キャビティ内にガス吐出口が開口するようにガス注
入ノズルが挿着された射出成形用金型であって、ガス注
入ノズルが挿着された部分の周辺のキャビティ面に樹脂
溜まり部が設けられ、樹脂溜まり部のキャビティ面に断
熱材が配設され、ガス注入ノズルが樹脂溜まり部に突出
されている金型である。
【0008】本考案において、断熱材は、ガス注入ノズ
ルのキャビティ内に露出する面に配設されていてもよい
し、ガス注入ノズルが挿着された部分の周辺のキャビテ
ィ面に配設されていてもよいし、その両面に配設されて
いてもよい。
【0009】断熱材としては、熱伝導率が0.0002
〜0.1cal/cm・秒・℃で、成形樹脂温度に耐え
得るものが好ましい。断熱材の材質としては、例えば、
アルミナ、ジルコニア等の酸化物焼結体セラミック、あ
るいはポリイミド、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、
成形樹脂温度が150〜250℃の場合では、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑
性樹脂が挙げられる。
【0010】多くの場合、断熱材の肉厚は1mm以下で
十分であり、10〜500μm程度が好ましく、断熱材
の加工あるいは固定方法等との関係から更に厚肉のもの
が使用されても構わないが、成形品を取り出したとき
に、ガス注入部位の断熱材に変形等の問題を生じない範
囲に押さえる必要がある。
【0011】断熱材の配設方法としては、断熱材の配設
位置に、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ジルコニ
ウム等の金属酸化物、酸化珪素等の珪素酸化物、ガラス
等の珪素酸化物、フッ素樹脂などを、蒸着、イオンプレ
ーティング、溶射等のコーティングの手法により断熱層
を形成する方法などが挙げられる。又、コーティング法
以外の断熱材の配設方法としては、配設部に相当する形
状の断熱材を、接着、ネジ止め、ブッシュとして組み込
み他部品で押さえ込んで固定する方法等がある。
【0012】本考案2は、固定型と可動型との間のキャ
ビティ内に射出された溶融樹脂中に加圧ガスを注入する
ノズルであって、中空筒状体の先端に溶融樹脂は通過さ
せないが加圧ガスは通過させることができるガス吐出口
が設けられ、中空筒状体のガス吐出口の設けられた先端
側が小径部とされるともに、中空筒状体の先端部に小径
部から中空筒状体の基端部側の大径部へ移行する段部が
形成され、キャビティ内に露出する小径部の外周面及び
段部面に断熱材が配設されているノズルである。
【0013】本考案2において用いられる断熱材の熱伝
導率、材質及び配設方法は、本考案の場合と同じであ
る。
【0014】ガス吐出口は、溶融樹脂は通過させないが
加圧ガスは通過させることができる構造となされてい
る。このような構造としては、例えば、細孔又は細スリ
ットが形成されたものや、同様の材料からなる微細径の
線体を焼結して直線状の小さな細径を有する連結孔が形
成された多孔質部材からなるもの、ボールチェックの間
隙が形成されたもの等が挙げられる。上記の細孔や連通
孔の径、スリットや間隙の幅としては、0.01〜0.
05mmが好ましい。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】本考案は、固定型と可動型との間のキャ
ビティ内に射出された溶融樹脂中に加圧ガスを注入する
ノズルであって、中空筒状体の先端に溶融樹脂は通過さ
せないが加圧ガスは通過させることができるガス吐出口
が設けられ、中空筒状体のガス吐出口の設けられた先端
側が小径部とされるともに、中空筒状体の先端部に小
径部から中空筒状体の基端部側の大径部へ移行する段部
が形成され、中空筒状体の先端部内にヒーターが配設さ
れているノズルである。
【0020】本考案において、ヒーターの種類は特に
限定されない。ヒーターはその温度調整を加熱部の温度
を計測しながら制御できるものが好ましいが、電圧だげ
で制御するものであっても構わない。 ヒーターによる加
熱温度は、成形樹脂温度〜成形樹脂温度−100℃の範
囲内が好ましいが、加熱部の形状寸法が重要な場合は、
温度を高温に維持することは、離型時の変形の問題が生
じるので、上記の範囲内に限定されるものではない。
ーターは、中空筒状体の先端部の中空部内に設けられ
てもよいし、又、筒状体中に埋設されるように設けら
れていてもよい。
【0021】本考案〜本考案を用いて中空成形体を製
造する際に用いられる、加圧ガスとしてはて、一般的に
は、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスが好ましい。本
考案〜本考案に用いられる、樹脂としては、一般に射
出成形に使用される熱可塑性樹脂等が使用される。
【0022】以下、本考案〜本考案を、図面を参照し
て説明する。図1は、本考案の射出成形用金型の例を説
明する断面図である。1は射出成形用金型であり、固定
型11可動型12との間に、型閉め時、成形すべき成
形品の外面形状に対応する内面形状を有する キャビテ
ィ13が設けられている。キャビティ13には、樹脂溜
まり部131が設けられている。
【0023】固定型11には、図示しないスプルー、ラ
ンナー及び樹脂注入用ゲートがキャビティ13に連通す
るように順次設けられ、スプルーの入口には、図示しな
い射出成形機の樹脂注入ノズルが当接され、樹脂注入ノ
ズルから供給した溶融樹脂を、スプルー、ランナー及び
樹脂注入ゲートからなる流路を経てキャビティ13内に
射出できるようにされている。
【0024】可動型12を貫通して、中空筒状体21内
の中空部にガス流路22が形成されたガス注入ノズル2
が、その先端に設けられたガス吐出口23をキャビティ
13の樹脂溜まり部131の略中央に突出するように挿
着されている。
【0025】ガス注入ノズル2の先端に設けられたガス
吐出口23は、溶融樹脂は通過させないが加圧ガスは通
過させることができる多孔質体からなる。ガス注入ノズ
ル2の挿着された部分の樹脂溜まり部131のキャビテ
ィ面に断熱材31が配設されている。
【0026】以下、この射出成形用金型の使用態様の例
を、同じ図1を参照して説明する。まず、溶融樹脂5
を、樹脂注入ノズルから、スプルー、ランナー及び樹脂
注入ゲートを経てキャビティ13内に射出し、樹脂溜ま
り部131を含めたキャビティ13内に充填する。
【0027】次に、加圧ガスを、ガス注入ノズル2のガ
ス吐出口23より、樹脂溜まり部131内に充填された
溶融樹脂5中に注入する。この際、ガス注入ノズル2の
挿着された部分の樹脂溜まり部131のキャビティ面に
断熱材31が配設されていることにより、次の現象が出
現する。
【0028】即ち、樹脂溜まり部131のキャビティ面
に配設された断熱材31に接する溶融樹脂5の冷却固化
及び収縮を他の部分よりも遅らせることができる。これ
により、両者間に隙間が形成されることがないので、ガ
ス注入ノズル2のガス吐出口23から注入された加圧ガ
スは、キャビティ面伝いに漏洩することがなく、樹脂溜
まり部131内に充填された溶融樹脂から、樹脂溜まり
部131以外のキャビティ13内に充填された溶融樹脂
5に向けて注入され、中空部を形成することができる。
【0029】図2は、本考案2のノズルを説明する断面
図である。ガス注入ノズル2’は、中空筒状体21の中
空部内にガス流路22が設けられ、その先端に溶融樹脂
は通過させないが加圧ガスは通過させることができるガ
ス吐出口23が設けられている。中空筒状体2のガス
吐出口23が設けられた先端側が小径部24とされてい
る。中空筒状体2の先端部に小径部24から基端部側
の大径部へ移行する段部25が形成されている。中空筒
状体21の小径部24の外周面及び段部25に断熱材3
2が配設されている。
【0030】そして、ガス注入ノズル2は、その先端
に設けられたガス吐出口23がキャビティ13の樹脂溜
まり部131に開口し、中空筒状体21の小径部24の
外周面及び段部25面に断熱材32が配設され部分
が、キャビティ13の樹脂溜まり部131に露出するよ
うに装着されて、射出成形用金型が構成されている。そ
の他の構成については、図1に示すものと同じであるの
で、図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
【0031】以下、このノズルを装着した射出成形用金
型の使用態様の例を、同じ図2を参照して説明する。ま
ず、溶融樹脂5を、樹脂ノズルから、スプルー、ランナ
ー及び樹脂注入ゲートを経てキャビティ13内に射出
し、樹脂溜まり部131を含めたキャビティ13内に充
填する。
【0032】次に、加圧ガスを、ガス注入ノズル2’の
ガス吐出口23より、樹脂溜まり部131内に充填され
た溶融樹脂5中に注入する。この際、キャビティ13の
樹脂溜まり部131内に露出するガス注入ノズル2’の
中空筒状体21の小径部24の外周面と段部25面に断
熱材32が配設されていることにより、次の現象が出現
する。
【0033】即ち、ガス注入ノズル2’の中空筒状体2
1の小径部24の外周面と段部25面に配設された断熱
材32に接する溶融樹脂5の冷却固化及び収縮を他の部
分よりも遅らせることができる。これにより、両者間に
隙間が形成されることがないので、ガス注入ノズル
のガス吐出口23から注入された加圧ガスは、ガス注入
ノズル2’の中空筒状体21の先端部伝いに漏洩するこ
とがなく、樹脂溜まり部131内に充填された溶融樹脂
から、樹脂溜まり部131以外のキャビティ13内に充
填された溶融樹脂5に向けて注入され、中空部を形成す
ることができる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】図は、本考案のノズルの例を説明する断
面図である。ガス注入ノズル2’’は、中空筒状体21
の中空部内にガス流路22が形成され、その先端に加圧
ガスは通過させることができるが溶融樹脂は通過させな
いガス吐出口23が設けられている。中空筒状体21の
ガス吐出口23が設けられた先端側が小径部24とされ
ている。中空筒状体21の先端部に小径部24から中空
筒状体21の基端部側の大径部26へ移行する段部25
が設けられている。中空筒状体21の中空部内にヒータ
ー42が配設されている。
【0039】そして、ガス注入ノズル2′′は、その先
端に設けられたガス吐出口23がキャビティ13の樹脂
溜まり部131に開口し、中空筒状体21の小径部24
の外周面及び段部25面が、キャビティ13の樹脂溜ま
り部131に露出するように装着した構造の射出成形用
金型とされる。
【0040】以下、このノズルを装着した射出成形用金
型の使用態様の例を、同じ図を参照して説明する。ま
ず、溶融樹脂5を、樹脂ノズルから、スプルー、ランナ
ー及び樹脂注入ゲートを経てキャビティ13内に射出
し、樹脂溜まり部131を含めたキャビティ13内に充
填する。
【0041】次に、加圧ガスを、ガス注入ピン2′′の
ガス吐出口23より、樹脂溜まり部131内に充填され
た溶融樹脂5中に注入する。この際、キャビティ13の
樹脂溜まり部131内に露出するガス注入ノズル2′の
中空筒状体21の小径部24の外周面と段部25面の背
部に対応する、中空筒状体21の先端部の中空部内にヒ
ーターが配設されていることにより、次の現象が出現す
る。
【0042】即ち、ヒーター42に加熱されたガス注入
ノズル2’’の中空筒状体21の小径部24の外周面と
段部25面に接する溶融樹脂5の冷却固化及び収縮を他
の部分よりも遅らせることができる。これにより、両者
間に隙間が形成されることがないので、ガス注入ノズル
2’’のガス吐出口23から注入された加圧ガスは、ガ
ス注入ノズル2’’の中空筒状体21の先端部伝いに漏
洩させることなく、脂溜まり部131内に充填された
溶融樹脂から、樹脂溜まり部131以外のキャビティ1
3内に充填された溶融樹脂5に向けて注入され、中空部
を形成することができる。
【作用】本考案の射出成形用金型は、固定型と可動型と
の間にキャビティが設けられ、固定型又は可動型に、キ
ャビティ内にガス吐出口が開口するようにガス注入ノズ
ルが挿着された射出成形用金型であって、ガス注入ノズ
ルが挿着された部分の周辺のキャビティ面に樹脂溜まり
部が設けられ、樹脂溜まり部のキャビティ面に断熱材が
配設され、ガス注入ノズルが樹脂溜まり部に突出されて
いることにより、樹脂溜まり部のキャビティ面に配設さ
れた断熱材に接する溶融樹脂の冷却固化及び収縮を他の
部分より遅らせることができ、両者間に隙間が形成され
ることがないので、ガス注入ノズルのガス吐出口から注
入された加圧ガスは、ガス注入ノズルの外周面やキャビ
ティ面伝いに漏洩することがなく、樹脂溜まり部内に充
填された溶融樹脂から樹脂溜まり部以外のキャビティ内
に充填された溶融樹脂に向けて中空部を形成することが
でき、外表面にヒケ、ソリ等を発生させることなく、外
観に優れた中空部を有する射出成形品を製造することが
できる。
【0043】本考案2のノズルは、固定型と可動型との
間のキャビティ内に射出された溶融樹脂中に加圧ガスを
注入するノズルであって、中空筒状体の先端に溶融樹脂
は通過させないが加圧ガスは通過させることができるガ
ス吐出口が設けられ、中空筒状体のガス吐出口の設けら
れた先端側が小径部とされるともに、中空筒状体の先端
部に小径部から中空筒状体の基端部側の大径部へ移行す
る段部が形成され、キャビティ内に露出する小径部の外
周面及び段部面に断熱材が配設されていることにより、
ガス注入ノズルの中空筒状体の小径部の外周面と段部面
に配設された断熱材に接する溶融樹脂の冷却固化及び収
縮を他の部分よりも遅らせることができ、両者間に隙間
が形成されることがないので、ガス注入ノズルのガス吐
出口から注入された加圧ガスは、ガス注入ノズルの中空
筒状体の外周面伝いに漏洩することがなく、キャビティ
内に充填された溶融樹脂に向けて中空部を形成すること
ができ、外表面にヒケ、ソリ等を発生させることなく、
外観に優れた中空部を有する射出成形品を製造すること
ができる。
【0044】
【0045】本考案のノズルは、固定型と可動型との
間のキャビティ内に射出された溶融樹脂中に加圧ガスを
注入するノズルであって、中空筒状体の先端に溶融樹脂
は通過させないが加圧ガスは通過させることができるガ
ス吐出口が設けられ、中空筒状体のガス吐出口の設けら
れた先端側が小径部とされるともに、中空筒状体の先
端部に小径部から中空筒状体の基端部側の大径部へ移行
する段部が形成され、中空筒状体の先端部内にヒーター
が配設されていることにより、ガス注入ノズルの中空筒
状体の、ヒーターにより加熱された小径部の外周面と段
部面に接する溶融樹脂の冷却固化及び収縮を他の部分よ
りも遅らせることができ、両者間に隙間が形成されるこ
とがてないので、ガス注入ノズルのガス吐出口から注入
された加圧ガスは、ガス注入ノズルの中空筒状体の外周
面伝いに漏洩することがなく、キャビティ内に充填され
た溶融樹脂に向けて中空部を形成することができ、外表
面にヒケ、ソリ等を発生させることなく、外観優れた
中空部を有する射出成形品を製造することができる。
【0046】
【実施例】以下、本考案を実施例により説明する。実施例1 図1に示した射出成形用金型を用いて、図1を参照して
説明した実施態様により、リブ付き平板(寸法200×
300mm、肉厚2.5mm)の成形を行った。尚、射
出成形機として、型閉力300トンのものを用いた。樹
脂として、ポリプロピレン(出光石油化学社製、商品名
「J743G」)を用いた。
【0047】ガス注入ノズル2として、ガス吐出口23
が、平均孔径30μmの焼結金属からなり、中空筒状体
21の外径が4mmのものを用いた。このガス注入用ノ
ズル2を、深さ10mm、中央部の幅15mmの樹脂溜
まり部131の略中央にガス吐出口23が開口するよう
に挿着した。
【0048】加圧ガスとして、窒素ガスを用い、加圧ガ
ス圧力設定を70kg/cm2 、ガス注入時間(ガスを
注入し続けている時間)を3秒、ガス保圧時間(ガス注
入時間終了から成形品内のガスを成形品外に人為的に放
出するまでの時間)を15秒とした。断熱材31とし
て、酸化ジルコニウム(熱伝導率0.006cal/c
m・秒・℃)を溶射により500μmの断熱層を形成し
た。
【0049】それぞれ、10ショットの成形を行い、そ
のときのガス圧力の変化を測定した。その結果を表1に
示した。その結果、成形中に加圧ガスの漏洩が少なく、
外表面にヒケ、ソリ等の発生のない外観に優れた中空部
を有するリブ付き平板を得ることができた。
【0050】実施例2 図2に示したノズルを装着した射出成形用金型を用い
て、図2を参照して説明した実施態様により、実施例1
と同様のリブ付き平板の成形を行った。実施例1と同様
にして、ガス圧力の変化を測定した結果を表1に示し
た。尚、断熱材32として、酸化ジルコニウム(熱伝導
率0.006cal/cm・秒・℃)を溶射により50
0μmの断熱層を形成した。それ以外については、実施
例1に準じて行った。その結果、成形中に加圧ガスの漏
洩が少なく、外表面にヒケ、ソリ等の発生のない外観に
優れた中空部を有するリブ付き平板を得ることができ
た。
【0051】
【0052】実施例に示したノズルを装着した射出成形用金型を用い
て、図を参照して説明した実施態様により、実施例1
と同様のリブ付き平板の成形を行った。実施例1と同様
にして、ガス圧力の変化を測定した結果を表1に示し
た。尚、ヒーターとして、100Wのニクロム線ヒータ
ー(外径9mm、長さ10mm)と、熱電対を42の位
置に配設し、加熱温度は140℃とした。それ以外につ
いては、実施例1に準じて行った。その結果、成形中に
加圧ガスの漏洩が少なく、外表面にヒケ、ソリ等の発生
のない外観に優れた中空部を有するリブ付き平板を得る
ことができた。
【0053】比較例 図に示した射出成形用金型を用いて、ヒーター42に
よる加熱を行わなかったこと以外は実施例と同様にし
て、実施例1と同様のリブ付き平板の成形を行った。実
施例1と同様にして、ガス圧力の変化を測定した結果を
表1に示した。その結果、成形中に加圧ガスの漏洩が大
きく、外表面にヒケ、ソリ等の発生のある外観に劣った
中空部を有するリブ付き平板しか得ることができなかっ
た。
【0054】
【表1】
【0055】表1からも明らかな如く、実施例1〜
場合は、いずれも、加圧ガスの漏洩が少なく、これによ
り、外表面にヒケ、ソリ等の発生のない外観に優れた中
空部を有するリブ付き平板を得ることができるのに対し
て、比較例の場合は、加圧ガスの漏洩が大きく、これに
より、外表面にヒケ、ソリ等の発生のある外観に劣った
中空部を有するリブ付き平板しか得ることができない。
【0056】
【考案の効果】本考案の射出成形用金型は、上記の如き
構成とされているので、ガス注入ピンの外周面やキャビ
ティ面伝いに漏洩させることなく、キャビティ内に充填
された溶融樹脂の中央部に向けて中空部を形成して、外
表面にヒケ、ソリ等を発生させることなく、外観に優れ
た中空部を有する射出成形品を製造することができる。
【0057】本考案2のノズルは、上記の如き構成とさ
れているので、ガス注入ノズルのガス吐出口から注入さ
れた加圧ガスを、ガス注入ノズルの中空筒状体の外周面
伝いに漏洩させることなく、キャビティ内に充填された
溶融樹脂の中央部に向けて中空部を形成して、外表面に
ヒケ、ソリ等を発生させることなく、外観に優れた中空
部を有する射出成形品を製造することができる。
【0058】
【0059】本考案のノズルは、上記の如き構成とさ
れているので、ガス注入ノズルのガス吐出口から注入さ
れた加圧ガスを、ガス注入ノズルの中空筒状体の外周面
伝いに漏洩することなく、キャビティ内に充填された溶
融樹脂の中央部に向けて中空部を形成することができ、
外表面にヒケ、ソリ等を発生させることなく、外観
れた中空部を有する射出成形品を製造することができ
る。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の射出成形用金型の例を説明する断面図
である。
【図2】本考案2のノズルの例を説明する断面図であ
る。
【図3】本考案3のノズルの例を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
1 射出成形用金型 2、2’、2’’ ノズル 11 固定型 12 可動型 13 キャビティ 21 中空筒状部 22 ガス流路 23 ガス吐出口 24 小径部 25 段部 31、32 断熱材 42 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 F16L 59/147

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と可動型との間にキャビティが設
    けられ、固定型又は可動型に、キャビティ内にガス吐出
    口が開口するようにガス注入ノズルが挿着された射出成
    形用金型であって、ガス注入ノズルが挿着された部分の
    周辺のキャビティ面に樹脂溜まり部が設けられ、樹脂溜
    まり部のキャビティ面に断熱材が配設され、ガス注入ノ
    ズルが樹脂溜まり部に突出されていることを特徴とする
    射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 固定型と可動型との間のキャビティ内に
    射出された溶融樹脂中に加圧ガスを注入するノズルであ
    って、中空筒状体の先端に溶融樹脂は通過させないが加
    圧ガスは通過させることができるガス吐出口が設けら
    れ、中空筒状体のガス吐出口の設けられた先端側が小径
    部とされるともに、中空筒状体の先端部に小径部から
    中空筒状体の基端部側の大径部へ移行する段部が形成さ
    れ、キャビティ内に露出する小径部の外周面及び段部面
    に断熱材が配設されていることを特徴とするノズル。
  3. 【請求項3】 固定型と可動型との間のキャビティ内に
    射出された溶融樹脂中に加圧ガスを注入するノズルであ
    って、中空筒状体の先端に溶融樹脂は通過させないが加
    圧ガスは通過させることができるガス吐出口が設けら
    れ、中空筒状体のガス吐出口の設けられた先端側が小径
    部とされるともに、中空筒状体の先端部に小径部から
    中空筒状体の基端部側の大径部へ移行する段部が形成さ
    れ、中空筒状体の先端部内にヒーターが配設されている
    ことを特徴とするノズル。
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