JPH10225951A - ガス併用射出成形法 - Google Patents

ガス併用射出成形法

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JPH10225951A
JPH10225951A JP9031532A JP3153297A JPH10225951A JP H10225951 A JPH10225951 A JP H10225951A JP 9031532 A JP9031532 A JP 9031532A JP 3153297 A JP3153297 A JP 3153297A JP H10225951 A JPH10225951 A JP H10225951A
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gas
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秀樹 成瀬
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和治 安田
Susumu Imai
進 今井
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的に厚肉部が突出した非意匠面と、その
反対側の面である意匠面とを有する偏肉成形品のガス併
用射出成形において、樹脂と金型との間に注入する加圧
ガスの圧力を比較的低圧としながらも、意匠面のひけ及
び艶むらを防止でき、外観レベルが極めて良好な成形品
を得る。 【解決手段】 少なくとも成形品の非意匠面に対応する
金型キャビティ面2bの温度T1 (℃)が、成形材料の
ビカット軟化点V(℃)に対して下記(I)式を満たす
ように保った状態で、溶融樹脂を金型キャビティ内に射
出し、溶融樹脂と金型キャビティ面2bとの間に加圧ガ
スを圧入し、この加圧ガスにて成形品の意匠面をそれに
対応する金型キャビティ面2aに押さえ付ける。 V−30<T1 <V−15 ……(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック材料
のガス併用射出成形方法に関するもので、更に詳しく
は、金型キャビティ内に射出した樹脂と金型キャビティ
面との間への加圧ガスの圧入を伴う射出成形法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、片面にリブやボス等の突出した
厚肉部を一部に有する偏肉成形品の射出成形を行う場
合、厚肉部においては、溶融樹脂の冷却固化に伴う体積
収縮により、厚肉部の突出側とは反対面である意匠面
に、ひけと呼ばれる凹部が発生し、成形品の外観を著し
く損なう。
【0003】そこで、この厚肉部のヒケを防止するため
の方法として、従来より、溶融樹脂を充填した金型キャ
ビティにガスを圧入し、偏肉成形品の厚肉部内に中空部
を形成する中空射出成形法が知られている。
【0004】しかし、中空射出成形法による成形品は、
ガスが圧入される厚肉部と、ガスが圧入されない薄肉部
との間に金型キャビティ面に対する押し付け力の差を生
じ、厚肉部の意匠面側に艶むらを生じる場合があり、成
形品の外観不良という問題が起こる。
【0005】一方、特開昭50−75247号公報に
は、金型キャビティ内に射出した樹脂と金型キャビティ
面との間に加圧ガスを圧入し、このガスの圧入側とは反
対側の成形品の意匠面を対応する金型キャビティ面に押
し付ける成形法が記載されている。
【0006】さらに特開平6−254924号公報に
は、高周波誘導加熱により、樹脂充填時に、金型キャビ
ティの表面付近を、材料の弾性率が常温時の1/3以下
に低下する温度以上まで一時的に急加熱して成形を行う
成形法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、家庭電気機器や
OA機器等の製造業から、製品コストの引き下げのた
め、これら製品のハウジングについて、成形後の塗装や
メッキ等の2次加工を省略できる、外観の優れた成形品
を得ることができる成形技術開発への要望が強まってい
る。
【0008】ところで、偏肉成形品の意匠面におけるひ
けや艶むらを防止するために、特開昭50−75247
号公報に記載のガス併用射出成形法を実践するのみで
は、ひけや艶むらの防止にはまだ不十分であるばかり
か、かなり気密度の高い金型を用いない限り、非常に高
い圧力の加圧ガスが必要となる問題もある。
【0009】また特開平6−254924号公報に記載
のガス併用射出成形法を実践する場合、高周波誘導加熱
の設備が高価であるため、製品のコストアップにつなが
る。また、成形品1ショット毎に金型キャビティ面を急
加熱するため、作業工程が増え、成形サイクルがアップ
するという問題が生じる。
【0010】本発明の目的は、樹脂と金型との間に注入
する加圧ガスの圧力を比較的低圧としながらも、前述の
ような偏肉成形品の意匠面のひけ及び艶むらを防止で
き、外観レベルが極めて良好な成形品を得ることができ
るガス併用射出成形法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、部分的に厚肉部が突出した非意匠面と、
その反対側の面である意匠面とを有する偏肉成形品のガ
ス併用射出成形法において、少なくとも成形品の非意匠
面に対応する金型キャビティ面の温度T1 (℃)が、成
形材料のビカット軟化点V(℃)に対して下記(I)式
を満たすように保った状態で、溶融樹脂を金型キャビテ
ィ内に射出し、成形品の非意匠面に対応する金型キャビ
ティ面側から溶融樹脂と金型キャビティ面との間に加圧
ガスを圧入し、この加圧ガスにて成形品の意匠面をそれ
に対応する金型キャビティ面に押さえ付けることを特徴
とするガス併用射出成形法を提供するものである。
【0012】 V−30<T1 <V−15 ……(I) 尚、成形材料のビカット軟化温度Vは、試験法ASTM
・D1525に基づいて測定される値である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0014】図1は、本発明に使用される金型1の一例
を示すもので、先ずこの金型1の概要を説明する。
【0015】図示されるように、金型1は、固定型1a
と可動型1bで構成されている。また、金型1は温調用
水の出入口8a,8bを有し、金型温度を制御すること
ができるようになっている。
【0016】図1に示される金型1により成形される偏
肉成形品は、部分的に厚肉部が突出した非意匠面と、そ
の反対側の面である意匠面とを有するもので、非意匠面
は可動型1b側の金型キャビティ面2bで成形され、意
匠面は固定型1a側の金型キャビティ面2aで成形され
るものとなっている。但し、意匠面を可動型1b側の金
型キャビティ面2bで成形し、非意匠面を固定型1a側
の金型キャビティ面2aで成形するようにしてもよい。
【0017】図示される厚肉部はリブ3となっている
が、厚肉部としては例えばボス等であってもかまわな
い。但し、以下の説明は厚肉部としてリブ3を有する場
合を例にする。
【0018】可動型1bにはガス注入経路5が形成され
ている。このガス注入経路5には加圧ガス源(図示され
ていない)が接続されており、この加圧ガス源から加圧
ガスが供給されるものである。
【0019】上記ガス注入経路5は、可動型1bに嵌め
込まれ、可動型1b側の金型キャビティ面2bから金型
キャビティ2内に頭部を臨ませたガス注入ピン4の基部
にまで伸びている。このガス注入ピン4は、図2
(a),(b)に示されるように、断面が円の一部を削
り取った形状をしており、これによって可動型1bとの
間にクリアランスが形成されている。このクリアランス
は、溶融樹脂が逆流して入り込むことはないが、加圧ガ
スは通過できる大きさとなっている。ガス注入経路5に
供給された加圧ガスは、ガス注入ピン4と可動型1bと
の間のクリアランスを通過し、金型キャビティ2内に圧
入されるものである。
【0020】ガス注入経路5とガス注入ピン4との接続
部における圧力の損失を防止するため、シール材7aが
設置されている。シール材7aについては、ニトリル−
ブタジエンゴム製のOリング等を用いることが好ましい
が、適用する金型温度下での耐熱性に問題が無ければ特
に制限はない。また、金型キャビティ2内に圧入された
ガスの漏れを防止するため、エジェクタピン6と可動型
1bの間もシール材7bでシールされている。このシー
ル材7bも上記シール材7aと同様のものである。
【0021】尚、図1において、9,10はエジェクタ
プレート、11はエジェクタロッド、12はスぺーサブ
ロック、13は固定側取付板、14は可動側取付板であ
る。
【0022】上記金型1を用いた本発明の方法を説明す
る。
【0023】先ず、金型温度を所定の温度に調整する。
一般の射出成形においては、成形サイクルの短縮化を図
るため、金型温度は材料のビカット軟化温度V(℃)に
対し、40〜50℃以上低く設定するのが普通である。
これに対して本発明においては、少なくとも偏肉成形品
の非意匠面に対応する可動型側の金型キャビティ面2b
の温度T1 (℃)が下記(I)式を満たすように行う。
尚、下記(I)式において、V(℃)はASTM・D1
525に基づいて測定された成形材料のビカット軟化点
である。
【0024】 V−30<T1 <V−15 ……(I) 上記金型温度の調整は、偏肉成形品の意匠面に対応する
固定型側の金型キャビティ面2aの温度T2 も下記(I
I)式を満たすように行うことが好ましい。
【0025】 V−30<T2 <V−15 ……(II) 上記のように金型温度を調整し、その状態を保持しつ
つ、金型キャビティ2内に溶融樹脂を射出する。溶融樹
脂の射出量は特に制限はないが、金型キャビティ2の容
積に比較して充分な量であることが好ましく、更に好ま
しくは過量であることが望ましい。それは、金型キャビ
ティ2内に過量の樹脂を射出することにより、樹脂と金
型キャビティ面2a,2bとの密着性が高くなり、後述
するガス層の圧力保持性が向上するためである。
【0026】溶融樹脂の射出後、やはり所定の金型温度
を保持しつつ、ガス注入ピン4と可動型1bとの間のク
リアランスより加圧ガスを圧入し、金型キャビティ2内
に射出された溶融樹脂と金型キャビティ面2bとの隙間
には、加圧ガスによるガス層を形成する。エジェクター
ピン6と可動型1bとの間のシール材7bは、このガス
層の圧力保持を助けるものである。
【0027】偏肉成形品のリブ3の突出側に形成された
このガス層は、溶融樹脂の冷却固化の間、その反対側の
面、すなわち偏肉成形品の意匠面側を金型キャビティ面
2aに対して継続的に押さえ付ける。このとき、図3に
示すようにリブ3の根元はガス圧によって絞り込まれ、
これによってリブ3付近の溶融樹脂が流動して、リブ3
に対応する意匠面を更に金型キャビティ面2aに押さえ
付けることになるため、リブ3の体積収縮が意匠面へ影
響することによる、意匠面のひけの発生を防止すること
ができる。
【0028】ひけの防止においては、偏肉成形品の非意
匠面側にガス層が形成される時点におけるリブ3のスキ
ン層の厚み及びリブ3内部の溶融樹脂の流動性が大いに
関係し、金型キャビティ面2bが前記(I)式を満たす
場合は、比較的低いガス圧にて著しいひけ防止効果が得
られる。つまり、リブ3の突出側である非意匠面に対応
する金型キャビティ面2bが前記(I)式を満たしてい
ると、非意匠面側の急速な冷却が抑制され、ガス層の形
成時に、リブ3のスキン層の厚みが薄く、しかもリブ3
内部の溶融樹脂の流動性が良好に維持され、リブ3の根
本のガス圧による絞り込みが助長されることになる。従
って、比較的低いガス圧にて、確実なひけ防止効果が得
られるものである。
【0029】また、金型キャビティ面2aが前記(I
I)式を満たしていると、ガス層のガス圧による意匠面
の金型キャビティ面2aへの押さえ付けが有効に作用し
やすく、より良好な意匠面の表面状態が得やすくなる。
【0030】加えて、本発明の方法によると、リブ3内
に加圧ガスを圧入する中空射出成形法のように、ガス圧
がリブ3部分に集中せず、リブ3部分とその他の薄肉部
における意匠面の転写性の差が小さいため、艶むらを防
止することができる。従って、冷却終了後に得られる偏
肉成形品は、その意匠面にひけや艶むらのない極めて外
観の優れたものとなる。
【0031】ところで、溶融樹脂の射出を金型キャビテ
ィ2に対して過量に行うことや、金型キャビティ面2b
の温度T1 が前記(I)式を満たすだけでなく、金型キ
ャビティ面2aの温度T2 が前記(II)式を満たすよ
うにすることは、ガス層周囲の樹脂と金型キャビティ面
2a,2bとの密着性を助ける。この密着性が良くなる
と、偏肉成形品の非意匠面と金型キャビティ面2bとの
間に形成されるガス層の機密性が高まり、その圧力保持
性が向上する。それ故に、30kgf/cm2程度の低
いガス圧でも、外観の優れた偏肉成形品を得ることが可
能となる。また、溶融樹脂と金型キャビティ面2a,2
bとの密着性向上は、偏肉成形品の非意匠面側に形成さ
れるガス層が意匠面側に回り込み、リブ3に対応する部
分にひけを誘発したり、金型1外に加圧ガスが漏洩した
りすることを抑制することにもなる。
【0032】本発明で用いる金型1のパーティング面の
シール性が高いと、溶融樹脂射出前の金型キャビティ2
内の空気、溶融樹脂から発生したガス、加圧ガスの一部
等が意匠面側に滞留し、リブ3に対応する意匠面側にひ
けを誘発する場合がある。これを防止する上で、固定型
1aのパーティング面上に溝を形成しておくこと等によ
って、パーティング面に大気開放経路15を設けておく
ことが好ましい。
【0033】偏肉成形品の非意匠面側に形成されるガス
層の圧力はある程度保持されるが、その圧力は経時的に
降下する。このガス層の圧力の大きさ及び圧力降下速度
は、偏肉成形品の意匠面の外観レベルに影響する。当然
のことではあるが、高い圧力のガス層を長時間形成させ
ることができれば、ひけ防止効果は高くなる。従って、
図1に示される金型1のように、可動型1bにシール材
7a,7bが設置された機密性の高い金型1とすること
が好ましい。
【0034】このガス層の圧力の降下速度は、金型1の
機密性、使用する樹脂の種類、成形条件等によって大き
く変化するが、特に金型キャビティ面2bの温度T1
金型キャビティ面2aの温度T2 が前記(I)式及び
(II)式を夫々満たす場合は、樹脂と金型キャビティ
面2a,2bとの密着性が高くなるため、ガス層の圧力
保持が良くなり、ガス注入経路5に注入する加圧ガスの
圧力を、(I)式及び(II)式共に満たされない場合
の半分以下にしても、優れた外観の成形品を得ることも
可能である。
【0035】偏肉成形品の意匠面のひけ防止に必要な加
圧ガスの注入圧力としては、リブ3の肉厚等によっても
変わるが、一般には10〜250kgf/cm2 の範囲
で、好ましくは30〜150kgf/cm2 である。ガ
ス圧保持時間は20秒以上とることが好ましい。尚、ガ
スを金型キャビティ2内に圧入するタイミングとして
は、樹脂射出完了の前であっても、後であってもかまわ
ないが、好ましくは溶融樹脂を金型キャビティ2内に充
分に充填した直後が望ましい。
【0036】更に加圧ガスの漏洩を防止するために、加
圧ガスで偏肉成形品をその意匠面側に押圧すると同時に
樹脂保圧を加え、樹脂を補充することが有効である。
【0037】本発明によるひけ防止が特に有効に作用す
る偏肉成形品は、図4に示すように、厚肉部の肉厚を
w、厚肉部周辺の薄肉部分の肉厚をtとした場合、w≧
(3/5)tとなるような厚肉部を有する偏肉成形品で
ある。このような厚肉部を有する偏肉成形品で、塗装等
の2次加工を省略したい場合に特に本発明は有効であ
る。
【0038】本発明に用いることができる加圧ガスとし
ては、窒素等の不活性ガスが好ましいが、空気や炭酸ガ
ス等でもかまわない。
【0039】また、本発明に用いることができる樹脂と
しては、一般に熱可塑性樹脂と称されるものであれば特
に制限はない。例えば、ポリスチレンや、ハイインパク
トポリスチレン、ミデイアムインパクトポリスチレンの
ようなゴム補強スチレン系樹脂、スチレンーアクリロニ
トリル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリルーブ
チルアクリレートラバーースチレン共重合体(AAS樹
脂)、アクリロニトリルーエチレンプロピルラバーース
チレン共重合体(AES)、アクリロニトリルー塩化ポ
リエチレンースチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂
(例えば、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共
重合体、アクリロニトリルーブタジエンースチレンーア
ルファメチルスチレン共重合体、アクリロニトリルーメ
チルメタクリレートーブタジエンースチレン共重合体)
等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LD
PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピ
レン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重
合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカ
ーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポ
リアミド46等のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレ
ンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポ
リアセタール(POM)樹脂、その他のエンジニアリン
グ樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリ
エーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(P
EI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテル
ケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等や、
セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテート
ブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等の
セルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポ
リエステル等の液晶系ポリマー、熱可塑性ポリウレタン
エラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエン
エラストマー(SBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラ
ストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(T
PVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPA
E)等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また一
種もしくはそれ以上の上記熱可塑性樹脂のブレンド体や
ポリマーアロイと称される熱可塑性樹脂を用いてもよ
い。熱可塑性樹脂は充填材及び/又は添加剤等を含有し
てもよい。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。
【0041】実施例1 図5に示すような曲面形状の偏肉成形品を、本発明に基
づくガス併用射出成形法にて成形した。金型は図1とほ
ぼ同様の構造であり、成形品の肉厚は意匠面を含む曲面
16及び側壁17,23,24の肉厚が2.5mmで、
リブ18〜22の肉厚はリブ18が2.0mm、リブ1
9が1.5mm、リブ20が3.75mm、リブ21が
2.5mm、リブ22が1.25mmである。
【0042】また25の位置に対応する可動型側の金型
キャビティ面にガス注入ピンが設置されており、非意匠
面側のリブ18〜22及び側壁17,23,24で囲ま
れた6つの各エリアにガスを圧入した。
【0043】使用した樹脂はABS樹脂で、旭化成工業
社製「スタイラック191F」(ビカット軟化温度:1
01℃)である。また、加圧ガスとしては窒素ガスを用
いた。成形条件については下記に示す。
【0044】評価の方法としては、得られた偏肉成形品
のひけの評価を3次元表面粗さ測定機により行い、リブ
20(肉厚3.75mm)及びリブ21(肉厚2.5m
m)上の意匠面を測定対象とした。その結果を表1に示
す。
【0045】(測定機) ・機器名:ミツトヨ社製「SURFTEST・500」 ・検出部:ダイアモンド針接触式センサー(円錐形90
°, 先端曲率半径5μm) (測定条件) ・走査速度:2mm/sec ・サンプリングピッチ:10μm ・測定長さ:40mm (成形条件) ・金型温度 可動型側の金型キャビティ面:82℃ 固定型側の金型キャビティ面:74℃ ・加圧ガスの注入圧力:30kgf/cm2 ・加圧ガスの圧入時間:3sec ・金型内加圧ガスの大気開放までの時間:30sec ・シリンダー温度:240℃ ・射出速度:350mm/sec ・樹脂保圧:350kgf/cm2 比較例1 下記に示す条件を除き、その他の条件はすべて実施例1
と同一にして成形を行い、同一の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0046】(成形条件) ・金型温度 可動型側の金型キャビティ面:60℃ 固定型側の金型キャビティ面:53℃ ・加圧ガスの圧力:150kgf/cm2 比較例2 下記に示す条件を除き、その他の条件はすべて実施例1
と同一にして成形を行い、同一の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0047】(成形条件) ・金型温度 可動型側の金型キャビティ面:43℃ 固定型側の金型キャビティ面:41℃ ・加圧ガスの圧力:150kgf/cm2 比較例3 金型温度等の条件は実施例1と同一とし、加圧ガスを用
いない通常の射出成形を行った。その結果を表1に示
す。
【0048】実施例2 実施例1と同一の金型を用い、本発明に基づくガス併用
射出成形法にて成形を行った。使用した樹脂はハイイン
パクトポリスチレンで、旭化成工業社製「スタイロン4
33」(ビカット軟化温度:93℃)であり、加圧ガス
として窒素を用いた。成形条件については下記に示す。
【0049】また評価は実施例1と同様に行った。その
結果を表2に示す。
【0050】(成形条件) ・金型温度 可動型側の金型キャビティ面:66℃ 固定型側の金型キャビティ面:59℃ ・加圧ガスの注入圧力:50kgf/cm2 ・加圧ガスの圧入時間:3sec ・金型内加圧ガスの大気開放までの時間:30sec ・シリンダー温度:220℃ ・射出速度:200mm/sec ・樹脂保圧:350kgf/cm2 比較例4 下記に示す条件を除き、その他の条件はすべて実施例2
と同一にして成形を行い、同一の評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0051】(成形条件) ・金型温度 可動型側の金型キャビティ面:41℃ 固定型側の金型キャビティ面:40℃ ・加圧ガスの圧力:150kgf/cm2 比較例5 金型温度等の条件は、実施例2と同一とし、加圧ガスを
用いない通常の射出成形を行った。その結果を表2に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、比較的低圧のガスを用いて、意匠面側に発生するひ
けや艶むらを防止することができ、塗装等の二次加工の
省略を可能にするものである。また、設備面において
も、金型の温度制御に高周波誘導加熱のような特殊な装
置は不要であるため、製造コストの点においても優位で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる金型の一例を示す断面図であ
る。
【図2】ガス注入ピンの一例を示す断面図である。
【図3】ひけ防止の原理の説明図である。
【図4】厚肉部の寸法を表す図である。
【図5】実施例及び比較例で成形した偏肉成形品を示す
図である。
【符号の説明】
1 金型 1a 固定型 1b 可動型 2 金型キャビティ 2a 固定型側の金型キャビティ面 2b 可動型側のキャビティ面 3 リブ 4 ガス注入ピン 5 ガス注入経路 6 エジェクターピン 7a シール材 7b シール材 8a 温調用水出入口 8b 温調用水出入口 9 エジェクタープレート 10 エジェクタープレート 11 エジェクターロッド 12 スペーサーブロック 13 固定側取付板 14 可動側取付板 15 大気開放経路 16 曲面 17 側壁 18 リブ 19 リブ 20 リブ 21 リブ 22 リブ 23 側壁 24 側壁 25 ガス注入ピンとの接点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分的に厚肉部が突出した非意匠面と、
    その反対側の面である意匠面とを有する偏肉成形品のガ
    ス併用射出成形法において、少なくとも成形品の非意匠
    面に対応する金型キャビティ面の温度T1 (℃)が、成
    形材料のビカット軟化点V(℃)に対して下記(I)式
    を満たすように保った状態で、溶融樹脂を金型キャビテ
    ィ内に射出し、成形品の非意匠面に対応する金型キャビ
    ティ面側から溶融樹脂と金型キャビティ面との間に加圧
    ガスを圧入し、この加圧ガスにて成形品の意匠面をそれ
    に対応する金型キャビティ面に押さえ付けることを特徴
    とするガス併用射出成形法。 V−30<T1 <V−15 ……(I)
  2. 【請求項2】 成形品の意匠面に対応する金型キャビテ
    ィ面の温度T2 (℃)が下記(II)式を満たすことを
    特徴とする請求項1に記載のガス併用射出成形法。 V−30<T2 <V−15 ……(II)
  3. 【請求項3】 溶融樹脂の射出後、樹脂保圧を加えるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のガス併用射出成
    形法。
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