JP4540703B2 - 射出成形方法及び射出成形装置 - Google Patents

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本発明は、金型を閉じた状態でキャビティ内に射出充填された合成樹脂を、この合成樹脂と雄金型キャビティ形成面との間へ加圧ガスを注入して、前記合成樹脂を雌金型キャビティ形成面に押圧して成形する射出成形方法及び射出成形装置に関する。
この種の射出成形装置は、例えば特許文献1などに開示されているように、溶融した合成樹脂を射出する前に成形品の表面側を成形する表面側キャビティ形成面を加熱し、転写性の向上を図る技術が提案されている。
特開平6−254924号公報
しかしながら、特に軟らかい射出成形用合成樹脂を使用したときや、合成樹脂の温度を高めすぎたときのその合成樹脂の種類によっては、合成樹脂を成形するために、加圧ガスをキャビティ内に注入すると、一般に加圧ガスの流れ方向に合成樹脂が寄せられて、キャビティ内の加圧ガス注入範囲全域に加圧ガスが注入できなくなる。すると、合成樹脂全面を雌金型キャビティ形成面に押圧できなくなり、このため成形品の肉厚にバラツキが生じて、成形品の強度面で問題となり、成形品の変形や転写ムラが発生するという事態が起こる。
また、一般に射出成形する場合に、製品にボスやリブ等の厚肉部や薄肉部があると、この厚肉部に対応した製品の表面側にヒケが発生するという問題がある。
そこで本発明は、上記の点に鑑み、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすと共に、更にヒケの発生を極力無くすようにすることを目的とする。
このため第1の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出するようにしたことを特徴とする。
第2の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、
その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする。
第3の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする。
第4の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に設けられた入れ子との間の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする。
第5の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型に形成された凹部内に設けられた多孔質の焼結金属材料で作製された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子内部に導入して各入れ子の微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする。
第6の射出成形方法に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型に形成された凹部内に設けられた多孔質の焼結金属材料で作製された入れ子内部に導入してその微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする。
また第7の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出するようにした
ことを特徴とする。
第8の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
ことを特徴とする。
第9の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に前記キャビティ形成面を形成する入れ子を固定し、
加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路を介して前記雄金型と前記入れ子との間の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
ことを特徴とする。
第10の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
ことを特徴とする。
第11の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に前記キャビティ形成面を形成する多孔質の焼結金属材料で作製された複数の入れ子を設け、
前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体を注入する冷却気体注入路を形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記複数の入れ子内部に導入して各入れ子の微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
ことを特徴とする。
第12の射出成形装置に係る発明は、雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
前記雄金型に形成された凹部内に多孔質の焼結金属材料で作製された入れ子を設け、
前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体を注入する冷却気体注入路を形成し、
前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記入れ子内部に導入してその微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
ことを特徴とする。
本発明によれば、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。また、ヒケの発生を極力無くすこともできる。
以下図1乃至図5に基づき、本発明の第1の実施の形態について説明する。先ず、図1に基づいて、本発明の第1の実施の形態の射出成形装置の全体構成について説明する。1は図示しない固定プラテンにボルトによって取り付けられた固定側組立体であり、この固定側組立体1は固定側第1ベースプレート2と、この固定側第1ベースプレート2にボルトによって固定された固定側第2ベースプレート3と、この固定側第2ベースプレート3にボルトによって固定された固定側第3ベースプレート4と、この固定側第3ベースプレート4の凹部内に配設されてこの固定側第3ベースプレート4にボルトにより固定される雌金型部(固定金型部)6と、前記固定側第1ベースプレート2の前記固定プラテン寄りに設けられ固定側第1ベースプレート2を固定プラテンに対して位置決めするロケートリング7と、このロケートリング7に隣設して配設されたスプルーブッシュ8等から成る。
そして、前記スプルーブッシュ8の中心には図示しない射出ノズルから射出される溶融した合成樹脂を通すためのスプルー9が形成され、その下端中央部にはランナー10が形成され、更にランナー10の出口たる複数のゲート11が形成される。また、12は前記雌金型部6のキャビティSに近い部位にこのキャビティSに沿って形成された熱媒体通路で、この熱媒体通路12内に加熱媒体である熱い蒸気や冷却媒体である冷却水を流して雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱又は冷却する。
一方、20は図示しない可動プラテンにボルトによって取り付けられた可動側組立体であり、この可動側組立体20は可動側第1ベースプレート21と、この可動側第1ベースプレート21にボルトによって固定された可動側第2ベースプレート22(エジェクタプレート)と、この可動側第2ベースプレート22を囲むように前記可動側第1ベースプレート21にボルトによって固定された可動側第3ベースプレート23と、この可動側第3ベースプレート23にボルトによって固定された可動側第4ベースプレート24と、この可動側第4ベースプレート24の凹部内に嵌合してこの第4プレート24に固定される金型基体26と、この金型基体26の凹部内に嵌合してこの金型基体26に固定される雄金型部(可動金型部)27等から成る。
そして、前記可動側第3ベースプレート23に立設されたガイド棒(図示せず)が、固定側第3ベースプレート4に設けられたガイド孔に挿入して、このガイド孔に前記ガイド棒が案内されて可動側組立体20が上下可能となる。
次に、平面視四角形の前記雄金型部27の平面図である図2及び図2のA−A断面図である図3において、水平方向に延びる、例えば平面視矩形状の空間とこの空間の外周部から垂直方向に延びる、例えば角筒状の空間とから形成されるキャビティSは上面開口する箱体の上蓋(矩形状の水平面とこの水平面の各辺から垂下する4つの垂直面を有する)のような形状を呈する成形品を成形するが、成形品裏面側には所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部が隣り合わせで2つ形成される。この枠状の薄肉部の各4辺は、全て同じ厚さであっても、それぞれ同じ厚さでなくともよい。
28A、28B、28Cは冷気注入路で、図示しない冷気供給源からの冷気(例えば、窒素ガスや空気など)を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、28D、28E、28Fはガス注入路で、図示しない加圧ガス源からの加圧ガス(例えば、窒素ガスや空気など)を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、29A、29B、29Cは冷気注入路28A、28B、28Cとは対角線上の遠い位置に設けられる冷気・ガス排出路で、その開口上端部がキャビティSに臨み、キャビティS内の冷気又は加圧ガスを排出弁を介して射出成形装置外へ排出するためのものである。
そして、前述したように、金型基体26に形成された凹部内に概ね直方体形状の雄金型部27を嵌合して、この雄金型部27を金型基体26に固定して、キャビティSを雌金型部6と雄金型部27及び金型基体26とで形成し、キャビティSの底面は雄金型部27及び金型基体26とで形成する。
具体的には、前記雄金型部27上面の外周端部において上方へ立ち上げ、その後内側に近づくに従って低く傾斜させてキャビティS内へ入り込む頂角が例えば20〜45度程度の縦断面が概ね直角三角形を呈するように突出部31を突出させる。また、金型基体26の上面開口周縁部にも凹部を形成する各側面を立ち上げ、その後外側に近づくに従って低く傾斜させてキャビティS内へ入り込む頂角が例えば20〜45度程度の縦断面が概ね直角三角形状を呈するように突出部32を突出させる。この場合、前記雄金型部27の突出部31と金型基体26の突出部32との間に加圧ガスGが入り込まない程度の幅(例えば、0.5mm以下の幅)を有する溝33が形成される。
なお、突出部31、32は、平面視四角形の枠状に連続して形成されるが、これに限らず、連続したものでなくともよく、加圧ガスが金型基体26表面に回り込んで射出成形装置外部に漏洩するおそれがある部分(領域)に設ければよい。
35は雄金型部27上面に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の凹部内に嵌合してこの雄金型部27に固定される加圧ガス注入用第1入れ子で、この第1入れ子35の高さレベルは前記キャビティS底面と同じ高さレベルであり、言い換えれば、第1入れ子35は前記キャビティS底面の一部を構成する。
この平面視四角形の枠状を呈する加圧ガス注入用第1入れ子35の右の縦辺部の底面の縦方向の中央部において、幅狭方向の全域に亘って一部切除して前記ガス注入路28Dに連通する水平連通路36を形成する。そして、加圧ガス注入用第1入れ子35の外側面及び内側面には上部を除いて全周に亘って一部切除し、前記水平連通路36に連通する垂直連通路37を形成する。
そして、前記加圧ガス注入用第1入れ子35の内側位置には、成形品裏面に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部を隣り合わせで2つ形成するための薄肉形成部39がキャビティS内へ入り込むように上方へ突出形成される。
即ち、この薄肉形成部39の縦断面は上底が下底より短い等脚台形状を呈しており、この薄肉形成部39の上部の全周に亘って形成された頂部平面と雌金型部6との間隔は他の部分より短く、前述したように、成形品に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部が形成できるように構成される。
また、薄肉形成部39の外周部及び内周部にはキャビティS内へ入り込む突出部40、41を突出させ、この突出部40、41は平面視四角形の枠状に形成され、薄肉形成部39の外側面及び内側面を前記頂部平面よりは低く立ち上げてから内側に行くに従って低く傾斜させて、頂角が例えば20〜45度程度の縦断面が概ね直角三角形を呈するように形成する。即ち、突出部40、41を形成する斜辺部と縦断面が等脚台形状の肉形成部39の斜辺部との交点部の高さレベルはキャビティSを形成する底面と同じ高さレベルであり、両斜辺部が成す角度は約90度でほぼ直角である。
42、43は前記雄金型部27上面の凹部内に嵌合してこの雄金型部27に固定される概ね直方体形状の加圧ガス注入用第2入れ子で、この加圧ガス注入用第2入れ子42、43の長手方向の中間位置における底面には短手方向の全域に亘って一部切除して前記ガス注入路28E、28Fに連通する水平連通路44を形成する。そして、加圧ガス注入用第2入れ子42、43の外側面及び内側面には上部を除いて全周に亘って一部切除し、前記水平連通路44に連通する垂直連通路45を形成する。
以上の構成により射出成形時には、初めに雌金型部6の熱媒体通路12内に熱媒体である熱い蒸気を供給して、雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱して、このキャビティS内に射出するゴム系などの軟らかい合成樹脂の種類に応じた50〜200℃の範囲内の所定温度となるように昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体20とが型閉めされる(図1参照)。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、雌金型部6のキャビティ形成面側が前述した所定温度となると蒸気の供給を止めて昇温を停止し、射出ノズルをスプルーブッシュ8に通して、溶融した合成樹脂Jをスプルー9を介してゲート11から前記雄金型部27と雌金型部6との間のキャビティS内に射出する。この場合、キャビティSの空間容積の80容積%以上〜98容積%以下の、例えば約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jを射出する(図3参照)。
そして、約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jの射出を終えると、キャビティSの空間容積の約10容積%程度の加圧ガスGを加圧ガス源から供給弁及びガス注入路28D、28E及び28Fを介してキャビティS内に供給する(図4参照)。即ち、加圧ガスGはガス注入路28D、加圧ガス注入用第1入れ子35の右の縦辺部の底面の縦方向の中央部に形成された水平連通路36及び垂直連通路37を経て、雄金型部27と加圧ガス注入用第1入れ子35との間の僅かな隙間を介して加圧ガス注入用第1入れ子35周囲からキャビティS内に供給される。また、加圧ガスGはガス注入路28E、28F、加圧ガス注入用第2入れ子42、43の水平連通路44及び垂直連通路45を経て、雄金型部27と加圧ガス注入用第2入れ子42、43との間の僅かな隙間を介して加圧ガス注入用第2入れ子42、43周囲からキャビティS内に供給される。
従って、溶融した合成樹脂J裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に均一に加圧ガスが注入され、これにより溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する(図5参照)。これにより、キャビティ内の加圧ガスを注入したい範囲全域に均一に加圧ガスを供給して保圧できるので、成形品の肉厚にバラツキが生じるという問題が解消され、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。
なお、キャビティS内に加圧ガスが注入される際には、初めに前記キャビティS内に一定量の溶融した合成樹脂Jが射出されると突出部31の斜辺部を越えて溝32内にまで一部入り込み、その後に加圧ガスを前述したように、キャビティS内に供給すると、キャビティS内に射出された溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第1入れ子35との間や、溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第2入れ子42、43との間に加圧ガス層が形成される(図4参照)。更に、加圧ガスが注入されると、この加圧ガスは前記加圧ガス注入用第1入れ子35の突出部31の上部にまで届くが、前記溝33内に合成樹脂Jが入り込んでいるので、加圧ガスはこの突出部31を越えない状態で加圧できる(図5参照)。このため、加圧ガスが突出部31を越えた場合には加圧ガスが両突出部31、32を越えて金型基体26表面に回り込んで金型基体26と雌金型部6との隙間を介して射出成形装置外部に漏洩することがあるが、この回り込みを防止でき、十分に保圧できて加圧される時間内で溶融した合成樹脂Jを硬化させることができる。
また、溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する際には、加圧ガスGが薄肉形成部39の突出部40、41の側面に当接するように届く。
そして、この加圧ガスGの注入の際、即ち注入の直前若しくは直後に、又は注入と同時に、雌金型部6の熱媒体通路12内に冷却水の供給を開始して、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側を硬化させる。そして、この加圧ガスGによる保圧を行いつつ、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側(合成樹脂Jの表面)を冷却して合成樹脂Jがある程度、例えば熱変形温度以下の温度となって製品としてキャビティS内より取り出せる程度に硬化したら前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出する。
この場合、合成樹脂の厚肉部と薄肉部との間で、冷却時間の差により収縮率の差が生じて、合成樹脂の表面に高さレベルが異なる変化面が生じてしまうことがある。そこで、合成樹脂の厚肉部と薄肉部における収縮率の差によって生じる応力を軽減して合成樹脂の表面側の平面度を高めるために、前述したように、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、キャビティS内の加圧ガスGを射出成形装置外へ排出することなく、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度)硬化させ、前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
更には、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化させを必要に応じて繰り返し、この場合の最後の冷却は製品としてキャビティS内より取り出せる程度にまで硬化させ、その後前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
即ち、最初の前記雌金型6の前記キャビティ形成面側の冷却により前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化することにより、合成樹脂の表面側の平面度合が満足できるものであれば、必ずしも、前述したような前記加圧ガスにより保圧状態下での再度の雌金型6の前記キャビティ形成面側の加熱及び冷却は必要はない。
そして、この加圧ガスの射出成形装置外への排出を終えると、代わりに合成樹脂裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に冷気注入路28A、28B、28Cを介して冷気を注入する。
以上説明したような工程を行って、合成樹脂の表面側と裏面側を冷却するタイミングをずらすようにしたから、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができると共にヒケの発生を極力無くすことができる。
そして、この冷気のキャビティS内への注入の際に、冷気がキャビティS内の気体とぶつかって、冷気ガス溜まり部が発生して合成樹脂の硬化にバラツキが生じたり、硬化のための時間をより多く要するが、冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へこの冷気ガスを排出できるので、冷気ガス溜まりを無くし、成形品の肉厚にバラツキを生じさせることを極力防止でき、しかも成形サイクル時間を大幅に短縮できる。
即ち、合成樹脂表面(雌金型部6のキャビティ形成面側)の冷却よりもわずか遅れて且つその冷却温度と同等温度か少し低い温度で合成樹脂裏面(雄金型部27のキャビティ形成面側)を冷却するので、合成樹脂裏面を冷却しない場合には、表面側と裏面側との温度差による収縮率の違いによって成形品に反りが発生することがあったが、前記冷却によって成形時間を短縮できると共に成形品の反りの問題を解消できる。更に、合成樹脂Jの裏面温度を表面温度よりも少し低く冷却するのは、成形品の離型の際のエジェクターピンにより変形を防止するためであり、同等温度に冷却するのはエジェクターピンにより変形の問題が無ければ成形時間をより短縮するためである。
そして、キャビティSより取り出すのに十分なほど合成樹脂が固化したら、キャビティS内への冷気の注入を停止すると共に雌金型部6の熱媒体通路12内へ冷却水の供給を停止し、その後型開きして、エジェクターピンによる成形品を離型して、前述の如く、再び次の成形品の生産に備える。
なお、この第1の実施形態の加圧ガス注入用第1入れ子35は、一体物として外形が平面視四角形の枠状に形成したが、これに限らず、図7に示すように、各辺を分割して作製してもよい。即ち、縦辺部35A、35B、横辺部35C、35Dの4つを突き合わせて、加圧ガス注入用第1入れ子35を形成してもよい。
次に、図8乃至図11に基づいて、第2の実施の形態の射出成形装置について説明するが、第1の実施形態と同一の番号・符号は同一の機能を有するものとし、説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。先ず、50A、50B、50C、50Dは前記雄金型部27上面の凹部内に突き合わせて並設させた状態で嵌合して、この雄金型部27に固定される概ね直方体形状の加圧ガス注入用入れ子で、例えばこの4つに分割された入れ子50A乃至50Dが前記雄金型部27上面の凹部内に嵌合した状態でのこれら全体の中央位置には、入れ子50Bと50Cとに跨るような円筒状に下面から上下の中間位置まで開設された垂直連通路51がガス注入路28Gに連通するように形成される。また、各入れ子50A、50B、50C、50Dは、その長手方向の中間位置において短手方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成されて前記垂直連通路51に連通する水平横連通路52が形成される。
更には、各入れ子50A、50B、50C、50Dには、前記水平横連通路52に交差してそれぞれ連通する水平縦通路53が形成される。即ち入れ子50Aの右側面、前側面、左側面及び後側面(全側面)の上下中間位置に溝を形成し、また入れ子50B、50C及び50Dの右側面を除く前側面、左側面及び後側面の上下中間位置に溝を形成して、前記水平横連通路52に交差してそれぞれ連通する5つの水平縦通路53が形成される。
なお、28A、28Bは冷気注入路で、冷気供給源からの冷気を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、28D、28Gはガス注入路で、加圧ガス源からの加圧ガスを供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、29B、29Cは冷気注入路28A、28Bとは対角線上の遠い位置に設けられる冷気・ガス排出路で、その開口上端部がキャビティSに臨み、キャビティS内の冷気又は加圧ガスを排出弁を介して射出成形装置外へ排出するためのものである。
そして、前記加圧ガス注入用第1入れ子35の内側位置には、成形品裏面に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部を隣り合わせで2つ形成するための薄肉形成部39がキャビティS内へ入り込むように上方へ突出形成される。
即ち、この薄肉形成部39の縦断面は上底が下底より短い等脚台形状を呈しており、この薄肉形成部39の上部の全周に亘って形成された頂部平面と雌金型部6との間隔は他の部分より短く、前述したように、成形品に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部が形成できるように構成される。
以上の構成により射出成形時には、初めに雌金型部6の熱媒体通路12内に熱媒体である熱い蒸気を供給して、雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱して、このキャビティS内に射出する合成樹脂の種類に応じた80〜200℃の範囲内の所定温度となるように昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体20とが型閉めされる。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、雌金型部6のキャビティ形成面側が前述した所定温度となると蒸気の供給を止めて昇温を停止し、溶融した合成樹脂JをキャビティS内に射出する。この場合、例えば約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jを射出する(図9参照)。
そして、約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jの射出を終えると、キャビティSの空間容積の約10容積%程度の加圧ガスGを加圧ガス源から供給弁及びガス注入路28D、28Gを介してキャビティS内に供給する(図10参照)。即ち、加圧ガスGはガス注入路28D、加圧ガス注入用第1入れ子35の右の縦辺部の底面の縦方向の中央部に形成された水平連通路36及び垂直連通路37を経て、雄金型部27と加圧ガス注入用第1入れ子35との間の僅かな隙間を介して加圧ガス注入用第1入れ子35の周囲からキャビティS内に供給される。更に、加圧ガスGはガス注入路28G、入れ子50B及び50Cとに跨るように形成された垂直連通路51、水平横連通路52及び各水平縦通路53を経て、雄金型部27と各入れ子50A、50B、50C、50Dとの間の僅かな隙間や各入れ子同士間の僅かな隙間を介して各入れ子50A、50B、50C、50Dの周囲からキャビティS内に供給される。
従って、溶融した合成樹脂J裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に均一に加圧ガスが注入され、これにより溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する(図11参照)。これにより、キャビティ内の加圧ガスを注入したい範囲全域に均一に加圧ガスを供給して保圧できるので、成形品の肉厚にバラツキが生じるという問題が解消され、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。
なお、キャビティS内に加圧ガスが注入される際には、初めに前記キャビティS内に一定量の溶融した合成樹脂Jが射出されると突出部31の斜辺部を越えて溝32内にまで一部入り込み、その後に加圧ガスを前述したように、キャビティS内に供給すると、キャビティS内に射出された溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第1入れ子35との間や、溶融した合成樹脂Jと入れ子50A乃至50Dとの間に加圧ガス層が形成される(図10参照)。更に、加圧ガスが注入されると、この加圧ガスは前記加圧ガス注入用第1入れ子35の突出部31の上部にまで届くが、前記溝33内に合成樹脂Jが入り込んでいるので、加圧ガスはこの突出部31を越えない状態で加圧できる(図11参照)。このため、加圧ガスが突出部31を越えた場合には加圧ガスが両突出部31、32を越えて金型基体26表面に回り込んで金型基体26と雌金型部6との隙間を介して射出成形装置外部に漏洩することがあるが、この回り込みを防止でき、十分に保圧できて加圧される時間内で溶融した合成樹脂Jを硬化させることができる。
また、溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する際には、加圧ガスGが薄肉形成部39の側面に当接するように届くが、薄肉形成部39の頂部までには至らない。
そして、この加圧ガスGの注入の際、即ち注入の直前若しくは直後に、又は注入と同時に、雌金型部6の熱媒体通路12内に冷却水の供給を開始して、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側を硬化させる。そして、この加圧ガスGによる保圧を行いつつ、合成樹脂Jの表面を冷却して合成樹脂Jがある程度、例えば熱変形温度以下の温度となって製品としてキャビティS内より取り出せる程度に硬化したら前記加圧ガスの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出する。
この場合、合成樹脂の厚肉部と薄肉部との間で、冷却時間の差により収縮率の差が生じて、合成樹脂の表面に高さレベルが異なる変化面が生じてしまうことがある。そこで、合成樹脂の厚肉部と薄肉部における収縮率の差による応力を軽減して合成樹脂の表面側の平面度を高めるために、前述したように、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度)硬化したら、キャビティS内の加圧ガスGを射出成形装置外へ排出することなく、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度硬化させを必要に応じて、1回又は複数回繰り返し、前記合成樹脂がある程度硬化したら前記加圧ガスを装置外へ排出するようにしてもよい。従って、最初の前記雌金型6の前記キャビティ形成面側の冷却により前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化することにより、合成樹脂の表面側の平面度合が満足できるものであれば、必ずしも、前述したような前記加圧ガスにより保圧状態下での再度の雌金型6の前記キャビティ形成面側の加熱及び冷却は必要はない。
そして、この加圧ガスの射出成形装置外への排出を終えると、代わりに合成樹脂裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に冷気注入路28A、28Bを介して冷気を注入する。
以上説明したような工程を行って、合成樹脂の表面側と裏面側を冷却するタイミングをずらすようにしたから、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができると共にヒケの発生を極力無くすことができる。
そして、この冷気のキャビティS内への注入の際に、冷気がキャビティS内の気体とぶつかって、冷気ガス溜まり部が発生して合成樹脂の硬化にバラツキが生じたり、硬化のための時間をより多く要するが、冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へこの冷気ガスを排出できるので、冷気ガス溜まりを無くし、成形品の肉厚にバラツキを生じさせることを極力防止でき、しかも成形サイクル時間を大幅に短縮できる。
そして、キャビティSより取り出すのに十分なほど合成樹脂が固化したら、キャビティS内への冷気の注入を停止すると共に雌金型部6の熱媒体通路12内へ冷却水の供給を停止し、その後型開きして、エジェクターピンによる成形品を離型して、前述の如く、再び次の成形品の生産に備える。
なお、この第2の実施形態の加圧ガス注入用第1入れ子35は、一体物として外形が平面視四角形の枠状に形成したが、これに限らず、図12に示すように、各辺を分割して作製してもよい。即ち、縦辺部35A、35B、横辺部35C、35Dの4つを突き合わせて、加圧ガス注入用第1入れ子35を形成してもよい。
次に、図13乃至図16に基づいて、薄肉形成部が無い第3の実施の形態の射出成形装置について説明するが、以上説明した実施形態と同一の番号・符号は同一の機能を有するものとし、説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。先ず、54A乃至54Eは前記雄金型部27上面の凹部内に突き合わせて並設させた状態で嵌合して、この雄金型部27に固定される概ね直方体形状の加圧ガス注入用入れ子で、例えばこの5つに分割された入れ子54A乃至54Eが前記雄金型部27上面の凹部内に嵌合した状態でのこれら全体の中央位置の入れ子54Cには円筒状に下面から上下の中間位置まで開設された垂直連通路55がガス注入路28Gに連通するように形成される。また、各入れ子54A乃至54Eは、その長手方向の中間位置において短手方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成されて前記垂直連通路55に連通する水平横連通路56が形成される。
更には、各入れ子54A乃至54Eには、前記水平横連通路56に交差してそれぞれ連通する水平縦通路57が形成される。即ち入れ子54Aの右側面、前側面、左側面及び後側面(全側面)の上下中間位置に溝を形成し、また入れ子54B、54C、54D及び54Eの右側面を除く前側面、左側面及び後側面の上下中間位置に溝を形成して、前記水平横連通路56に交差してそれぞれ連通する6つの水平縦通路57が形成される。
なお、28Aは冷気注入路で、冷気供給源からの冷気を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、28Gはガス注入路で、加圧ガス源からの加圧ガスを供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、29Cは冷気注入路28Aとは対角線上の遠い位置に設けられる冷気・ガス排出路で、その開口上端部がキャビティSに臨み、キャビティS内の冷気又は加圧ガスを排出弁を介して射出成形装置外へ排出するためのものである。
以上の構成により射出成形時には、初めに雌金型部6の熱媒体通路12内に熱媒体である熱い蒸気を供給して、雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱して、このキャビティS内に射出する合成樹脂の種類に応じた80〜200℃の範囲内の所定温度となるように昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体20とが型閉めされる。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、雌金型部6のキャビティ形成面側が前述した所定温度となると蒸気の供給を止めて昇温を停止し、溶融した合成樹脂JをキャビティS内に射出する。この場合、例えば約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jを射出する(図14参照)。
そして、約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jの射出を終えると、キャビティSの空間容積の約10容積%程度の加圧ガスGを加圧ガス源から供給弁及びガス注入路28Gを介してキャビティS内に供給する(図15参照)。即ち、加圧ガスGはガス注入路28G、入れ子54Cに形成された垂直連通路55、水平横連通路56及び各水平縦通路57を経て、雄金型部27と各入れ子54A、54B、54C、54D、54Eとの間の僅かな隙間や各入れ子同士間の僅かな隙間を介して各入れ子54A、54B、54C、54D、54Eの周囲からキャビティS内に供給される。
従って、溶融した合成樹脂J裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に均一に加圧ガスが注入され、これにより溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する(図16参照)。これにより、キャビティ内の加圧ガスを注入したい範囲全域に均一に加圧ガスを供給して保圧できるので、成形品の肉厚にバラツキが生じるという問題が解消され、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。
なお、キャビティS内に加圧ガスが注入される際には、初めに前記キャビティS内に一定量の溶融した合成樹脂Jが射出されると突出部31の斜辺部を越えて溝32内にまで一部入り込み、その後に加圧ガスを前述したように、キャビティS内に供給すると、キャビティS内に射出された溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用入れ子54A、54B、54C、54D、54Eとの間に加圧ガス層が形成される(図15参照)。更に、加圧ガスが注入されると、この加圧ガスは雄金型部27の突出部31の上部にまで届くが、前記溝33内に合成樹脂Jが入り込んでいるので、加圧ガスはこの突出部31を越えない状態で加圧できる(図16参照)。このため、加圧ガスが突出部31を越えた場合には加圧ガスが両突出部31、32を越えて金型基体26表面に回り込んで金型基体26と雌金型部6との隙間を介して射出成形装置外部に漏洩することがあるが、この回り込みを防止でき、十分に保圧できて加圧される時間内で溶融した合成樹脂Jを硬化させることができる。
そして、この加圧ガスGの注入の際、即ち注入の直前若しくは直後に、又は注入と同時に、雌金型部6の熱媒体通路12内に冷却水の供給を開始して、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側を硬化させる。そして、この加圧ガスGによる保圧を行いつつ、合成樹脂Jの表面を冷却して合成樹脂Jがある程度、例えば例えば熱変形温度以下の温度となって製品としてキャビティS内より取り出せる程度に硬化したら前記加圧ガスの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29Cを介して射出成形装置外へ排出する。
この場合、合成樹脂の厚肉部と薄肉部との間で、冷却時間の差により収縮率の差が生じて、合成樹脂の表面に高さレベルが異なる変化面が生じてしまうことがある。そこで、合成樹脂の厚肉部と薄肉部における収縮率の差によって生じる応力を軽減して合成樹脂の表面側の平面度を高めるために、前述したように、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、キャビティS内の加圧ガスGを射出成形装置外へ排出することなく、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度)硬化させ、前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
更には、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化させを必要に応じて繰り返し、この場合の最後の冷却は製品としてキャビティS内より取り出せる程度にまで硬化させ、その後前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
即ち、最初の前記雌金型6の前記キャビティ形成面側の冷却により前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化することにより、合成樹脂の表面側の平面度合が満足できるものであれば、必ずしも、前述したような前記加圧ガスにより保圧状態下での再度の雌金型6の前記キャビティ形成面側の加熱及び冷却は必要はない。
そして、この加圧ガスの射出成形装置外への排出を終えると、代わりに合成樹脂裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に冷気注入路28Aを介して冷気を注入する。
以上説明したような工程を行って、合成樹脂の表面側と裏面側を冷却するタイミングをずらすようにしたから、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができると共にヒケの発生を極力無くすことができる。
そして、この冷気のキャビティS内への注入の際に、冷気がキャビティS内の気体とぶつかって、冷気ガス溜まり部が発生して合成樹脂の硬化にバラツキが生じたり、硬化のための時間をより多く要するが、冷気・ガス排出路29Cを介して射出成形装置外へこの冷気ガスを排出できるので、冷気ガス溜まりを無くし、成形品の肉厚にバラツキを生じさせることを極力防止でき、しかも成形サイクル時間を大幅に短縮できる。
そして、キャビティSより取り出すのに十分なほど合成樹脂が固化したら、キャビティS内への冷気の注入を停止すると共に雌金型部6の熱媒体通路12内へ冷却水の供給を停止し、その後型開きして、エジェクターピンによる成形品を離型して、前述の如く、再び次の成形品の生産に備える。
次に、図17乃至図20に基づいて、第4の実施の形態の射出成形装置について説明するが、以上説明した実施形態と同一の番号・符号は同一の機能を有するものとし、説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。先ず、60は所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状を呈する加圧ガス注入用第1入れ子で、加圧ガス注入用第1入れ子60は縦断面が直方体形状を呈し、前記雄金型部27上面に開設された所定の幅を有する連続した平面視四角形の枠状を呈する凹部内に嵌合して雄金型部27に固定される。この第1入れ子60の高さレベルは前記キャビティS底面と同じ高さレベルであり、言い換えれば、第1入れ子60は前記キャビティS底面の一部を構成する。
この平面視四角形の枠状を呈する加圧ガス注入用第1入れ子60の右の縦辺部の底面の縦方向の中央部において、底面を一部切除してガス注入路28Hに中間部で連通する幅狭方向に長い水平連通路61を形成する。そして、第1入れ子60には前記水平横連通路61に連通する2つの垂直連通路62を下面から上下方向の中間部まで上下方向に延びるように形成し、更にこの各垂直連通路62の上端にそれぞれ連通する2つ水平連通路64を第1入れ子60の形状に沿って内部を貫通して連続した状態で平面視四角形に形成する。
そして、前記加圧ガス注入用第1入れ子60の内側位置には、成形品裏面に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部を隣り合わせで2つ形成するための薄肉形成部39がキャビティS内へ入り込むように上方へ突出形成される。即ち、この薄肉形成部39の縦断面は上底が下底より短い等脚台形状を呈しており、この薄肉形成部39の上部の全周に亘って形成された頂部平面と雌金型部6との間隔は他の部分より短く、前述したように、成形品に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部が形成できるように構成される。
65は概ね直方体形状の2つの加圧ガス注入用第2入れ子で、前記薄肉形成部39に囲まれた内側において前記雄金型部27上面の凹部内に嵌合してこの雄金型部27に固定される。この第2入れ子65の長手方向の中間位置における底面を一部切除して各ガス注入路28I、28Jに中間部で連通する幅狭方向に長い水平横連通路66を形成する。そして、第2入れ子65には前記水平横連通路66に連通する3つの垂直連通路67を下面から上下方向の中間部まで上下方向に延びるように形成し、更にこの各垂直連通路67の上端にそれぞれ連通する3つ水平縦連通路68を第2入れ子65の前面から後面まで内部を貫通して直線状に形成する。
なお、前記加圧ガス注入用第1入れ子60及び2つの前記加圧ガス注入用第2入れ子65は、ガス抜きが可能で且つ成形用合成樹脂が流入しない微細孔を有する多孔質の焼結金属材料で作製される。
また、28A、28B、29Cは冷気注入路で、冷気供給源からの冷気を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、28H、28I、28Jはガス注入路で、加圧ガス源からの加圧ガスを供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、29A、29B、29Cは冷気注入路28A、28B、28Cとは対角線上の遠い位置に設けられる冷気・ガス排出路で、その開口上端部がキャビティSに臨み、キャビティS内の冷気又は加圧ガスを排出弁を介して射出成形装置外へ排出するためのものである。
以上の構成により射出成形時には、初めに雌金型部6の熱媒体通路12内に熱媒体である熱い蒸気を供給して、雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱して、このキャビティS内に射出する合成樹脂の種類に応じた80〜200℃の範囲内の所定温度となるように昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体20とが型閉めされる。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、雌金型部6のキャビティ形成面側が前述した所定温度となると蒸気の供給を止めて昇温を停止し、射出ノズルをスプルーブッシュ8に通して、溶融した合成樹脂Jをスプルー9を介してゲート11から前記雄金型部27と雌金型部6との間のキャビティS内に射出する。この場合、キャビティSの空間容積の80容積%以上〜98容積%以下の、例えば約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jを射出する(図18参照)。
そして、約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jの射出を終えると、キャビティSの空間容積の約10容積%程度の加圧ガスGを加圧ガス源から供給弁及びガス注入路28H、28I、28Jを介してキャビティS内に供給する(図19参照)。即ち、この加圧ガスGはガス注入路28H、加圧ガス注入用第1入れ子60の右の縦辺部の底面の縦方向の中央部に形成された水平連通路61、2つの垂直連通路62及び2つ水平連通路64を経ながら、加圧ガス注入用第1入れ子60内部に供給され、その多数の微細孔を介して分散して偏ることなくキャビティS内に供給される。更に、加圧ガスGはガス注入路28I、28J、加圧ガス注入用第2入れ子65の水平横連通路66、3つの垂直連通路67及び3つの水平縦連通路68を経ながら、加圧ガス注入用第2入れ子65内部に供給され、その多数の微細孔を介して分散して偏ることなくキャビティS内に供給される。
従って、溶融した合成樹脂J裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に均一に加圧ガスが注入され、これにより溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する(図20参照)。これにより、キャビティ内の加圧ガスを注入したい範囲全域に均一に加圧ガスを供給して保圧できるので、成形品の肉厚にバラツキが生じるという問題が解消され、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。
なお、キャビティS内に加圧ガスが注入される際には、初めに前記キャビティS内に一定量の溶融した合成樹脂Jが射出されると突出部31の斜辺部を越えて溝32内にまで一部入り込み、その後に加圧ガスを前述したように、キャビティS内に供給すると、キャビティS内に射出された溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第1入れ子60との間や、溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第2入れ子65との間に加圧ガス層が形成される(図19参照)。更に、加圧ガスが注入されると、この加圧ガスは前記加圧ガス注入用第1入れ子60の突出部31の上部にまで届くが、前記溝33内に合成樹脂Jが入り込んでいるので、加圧ガスはこの突出部31を越えない状態で加圧できる(図20参照)。このため、加圧ガスが突出部31を越えた場合には加圧ガスが両突出部31、32を越えて金型基体26表面に回り込んで金型基体26と雌金型部6との隙間を介して射出成形装置外部に漏洩することがあるが、この回り込みを防止でき、十分に保圧できて加圧される時間内で溶融した合成樹脂Jを硬化させることができる。
また、溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する際には、加圧ガスGが薄肉形成部39の突出部40、41の側面に当接するように届く。
そして、この加圧ガスGの注入の際、即ち注入の直前若しくは直後に、又は注入と同時に、雌金型部6の熱媒体通路12内に冷却水の供給を開始して、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側を硬化させる。そして、この加圧ガスGによる保圧を行いつつ、合成樹脂Jの表面を冷却して合成樹脂Jがある程度、例えば熱変形温度以下の温度となって製品としてキャビティS内より取り出せる程度に硬化したら前記加圧ガスの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出する。
この場合、合成樹脂の厚肉部と薄肉部との間で、冷却時間の差により収縮率の差が生じて、合成樹脂の表面に高さレベルが異なる変化面が生じてしまうことがある。そこで、合成樹脂の厚肉部と薄肉部における収縮率の差によって生じる応力を軽減して合成樹脂の表面側の平面度を高めるために、前述したように、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、キャビティS内の加圧ガスGを射出成形装置外へ排出することなく、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度)硬化させ、前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
更には、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化させを必要に応じて繰り返し、この場合の最後の冷却は製品としてキャビティS内より取り出せる程度にまで硬化させ、その後前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
即ち、最初の前記雌金型6の前記キャビティ形成面側の冷却により前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化することにより、合成樹脂の表面側の平面度合が満足できるものであれば、必ずしも、前述したような前記加圧ガスにより保圧状態下での再度の雌金型6の前記キャビティ形成面側の加熱及び冷却は必要はない。
そして、この加圧ガスの射出成形装置外への排出を終えると、代わりに合成樹脂裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に冷気注入路28A、28B、28Cを介して冷気を注入する。
以上説明したような工程を行って、合成樹脂の表面側と裏面側を冷却するタイミングをずらすようにしたから、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができると共にヒケの発生を極力無くすことができる。
そして、この冷気のキャビティS内への注入の際に、冷気がキャビティS内の気体とぶつかって、冷気ガス溜まり部が発生して合成樹脂の硬化にバラツキが生じたり、硬化のための時間をより多く要するが、冷気・ガス排出路29A、29B、29Cを介して射出成形装置外へこの冷気ガスを排出できるので、冷気ガス溜まりを無くし、成形品の肉厚にバラツキを生じさせることを極力防止でき、しかも成形サイクル時間を大幅に短縮できる。
即ち、合成樹脂表面(雌金型部6のキャビティ形成面側)の冷却よりもわずか遅れて且つその冷却温度と同等温度か少し低い温度で合成樹脂裏面(雄金型部27のキャビティ形成面側)を冷却するので、合成樹脂裏面を冷却しない場合には、表面側と裏面側との温度差による収縮率の違いによって成形品に反りが発生することがあったが、前記冷却によって成形時間を短縮できると共に成形品の反りの問題を解消できる。更に、合成樹脂Jの裏面温度を表面温度よりも少し低く冷却するのは、成形品の離型の際のエジェクターピンにより変形を防止するためであり、同等温度に冷却するのはエジェクターピンにより変形の問題が無ければ成形時間をより短縮するためである。
そして、キャビティSより取り出すのに十分なほど合成樹脂が固化したら、キャビティS内への冷気の注入を停止すると共に雌金型部6の熱媒体通路12内へ冷却水の供給を停止し、その後型開きして、エジェクターピンによる成形品を離型して、前述の如く、再び次の成形品の生産に備える。
なお、この第4の実施形態の加圧ガス注入用第1入れ子60は、一体物として外形が平面視四角形の枠状に形成したが、これに限らず、各辺を分割して作製してもよい。即ち、分割した両縦辺部、両横辺部の4つを突き合わせて、加圧ガス注入用第1入れ子60を形成してもよい。
次に、図21乃至図24に基づいて、第5の実施の形態の射出成形装置について説明するが、以上説明した実施形態と同一の番号・符号は同一の機能を有するものとし、特に第4の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。先ず、加圧ガス注入用第1入れ子60は第4の実施形態と同一の構成であり、説明は省略する。
加圧ガス注入用第1入れ子60の内側位置には、成形品裏面に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部を形成するための薄肉形成部39がキャビティS内へ入り込むように上方へ突出形成される。即ち、この薄肉形成部39の縦断面は上底が下底より短い等脚台形状を呈しており、この薄肉形成部39の上部の全周に亘って形成された頂部平面と雌金型部6との間隔は他の部分より短く、前述したように、成形品に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部が形成できるように構成される。
71は概ね直方体形状の加圧ガス注入用第2入れ子で、前記薄肉形成部39に囲まれた内側において前記雄金型部27上面の凹部内に嵌合してこの雄金型部27に固定される。この第2入れ子71の長手方向の中間位置における底面を一部切除してガス注入路28Kに中間部で連通する幅狭方向に長い水平横連通路72を形成する。そして、第2入れ子71には前記水平横連通路72に連通する7つの垂直連通路73を下面から上下方向の中間部まで上下方向に延びるように形成し、更にこの各垂直連通路73の上端にそれぞれ連通する7つ水平縦連通路74を第2入れ子71の前面から後面まで内部を貫通して直線状に形成する。
なお、前記加圧ガス注入用第1入れ子60及び前記加圧ガス注入用第2入れ子71は、ガス抜きが可能で且つ成形用合成樹脂が流入しない微細孔を有する多孔質の焼結金属材料で作製される。
また、28A、28Bは冷気注入路で、冷気供給源からの冷気を供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、28H、28Kはガス注入路で、加圧ガス源からの加圧ガスを供給弁を介してキャビティS内に供給するためのもので、29B、29Cは冷気注入路28A、28Bとは対角線上の遠い位置に設けられる冷気・ガス排出路で、その開口上端部がキャビティSに臨み、キャビティS内の冷気又は加圧ガスを排出弁を介して射出成形装置外へ排出するためのものである。
以上の構成により射出成形時には、初めに雌金型部6の熱媒体通路12内に熱媒体である熱い蒸気を供給して、雌金型部6のキャビティ形成面側を加熱して、このキャビティS内に射出する合成樹脂の種類に応じた80〜200℃の範囲内の所定温度となるように昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体20とが型閉めされる。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、雌金型部6のキャビティ形成面側が前述した所定温度となると蒸気の供給を止めて昇温を停止し、射出ノズルをスプルーブッシュ8に通して、溶融した合成樹脂Jをスプルー9を介してゲート11から前記雄金型部27と雌金型部6との間のキャビティS内に射出する。この場合、キャビティSの空間容積の80容積%以上〜98容積%以下の、例えば約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jを射出する(図22参照)。
そして、約90容積%程度の溶融した合成樹脂Jの射出を終えると、キャビティSの空間容積の約10容積%程度の加圧ガスGを加圧ガス源から供給弁及びガス注入路28H、28Kを介してキャビティS内に供給する(図23参照)。即ち、加圧ガスGはガス注入路28H、加圧ガス注入用第1入れ子60の右の縦辺部60の底面の縦方向の中央部に形成された水平連通路61、2つの垂直連通路62及び2つ水平連通路64を経ながら、加圧ガス注入用第1入れ子60内部に供給され、その多数の微細孔を介して分散して偏ることなくキャビティS内に供給される。更に、加圧ガスGはガス注入路28K、加圧ガス注入用第2入れ子71の水平横連通路72、7つの垂直連通路73及び7つの水平縦連通路74を経ながら、加圧ガス注入用第2入れ子71内部に供給され、その多数の微細孔を介して分散して偏ることなくキャビティS内に供給される。
従って、溶融した合成樹脂J裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に均一に加圧ガスが注入され、これにより溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する(図24参照)。これにより、キャビティ内の加圧ガスを注入したい範囲全域に均一に加圧ガスを供給して保圧できるので、成形品の肉厚にバラツキが生じるという問題が解消され、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができる。
なお、キャビティS内に加圧ガスが注入される際には、初めに前記キャビティS内に一定量の溶融した合成樹脂Jが射出されると突出部31の斜辺部を越えて溝32内にまで一部入り込み、その後に加圧ガスを前述したように、キャビティS内に供給すると、キャビティS内に射出された溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第1入れ子60との間や、溶融した合成樹脂Jと加圧ガス注入用第2入れ子71との間に加圧ガス層が形成される(図23参照)。更に、加圧ガスが注入されると、この加圧ガスは前記加圧ガス注入用第1入れ子60の突出部31の上部にまで届くが、前記溝33内に合成樹脂Jが入り込んでいるので、加圧ガスはこの突出部31を越えない状態で加圧できる(図24参照)。このため、加圧ガスが突出部31を越えた場合には加圧ガスが両突出部31、32を越えて金型基体26表面に回り込んで金型基体26と雌金型部6との隙間を介して射出成形装置外部に漏洩することがあるが、この回り込みを防止でき、十分に保圧できて加圧される時間内で溶融した合成樹脂Jを硬化させることができる。
また、溶融した合成樹脂Jの表面を雌金型部6のキャビティ形成面へ押し付けて保圧する際には、加圧ガスGが薄肉形成部39の側面に当接するように届くが、薄肉形成部39の頂部までには至らない。
そして、この加圧ガスGの注入の際、即ち注入の直前若しくは直後に、又は注入と同時に、雌金型部6の熱媒体通路12内に冷却水の供給を開始して、合成樹脂Jの雌金型部6のキャビティ形成面側を硬化させる。そして、この加圧ガスGによる保圧を行いつつ、合成樹脂Jの表面を冷却して合成樹脂Jがある程度、例えば熱変形温度以下の温度となって製品としてキャビティS内より取り出せる程度に硬化したら前記加圧ガスの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出する。
この場合、合成樹脂の厚肉部と薄肉部との間で、冷却時間の差により収縮率の差が生じて、合成樹脂の表面に高さレベルが異なる変化面が生じてしまうことがある。そこで、合成樹脂の厚肉部と薄肉部における収縮率の差によって生じる応力を軽減して合成樹脂の表面側の平面度を高めるために、前述したように、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、キャビティS内の加圧ガスGを射出成形装置外へ排出することなく、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度)硬化させ、前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
更には、前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させ、前記合成樹脂がある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化したら、再度熱媒体通路12内に冷却水の代わりに熱い蒸気を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度熱媒体通路12内に前記蒸気の代わりに冷却水を供給して前記雌金型6の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂をある程度(製品としてキャビティS内より取り出せる程度か、それまでには至らない形として整えられる程度)硬化させを必要に応じて繰り返し、この場合の最後の冷却は製品としてキャビティS内より取り出せる程度にまで硬化させ、その後前記加圧ガスGの注入を停止して、キャビティS内の加圧ガスGを冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へ排出するようにしてもよい。
即ち、最初の前記雌金型6の前記キャビティ形成面側の冷却により前記雌金型6のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化することにより、合成樹脂の表面側の平面度合が満足できるものであれば、必ずしも、前述したような前記加圧ガスにより保圧状態下での再度の雌金型6の前記キャビティ形成面側の加熱及び冷却は必要はない。
そして、この加圧ガスの射出成形装置外への排出を終えると、代わりに合成樹脂裏面と雄金型部27のキャビティ形成面との間に冷気注入路28A、28Bを介して冷気を注入する。
以上説明したような工程を行って、合成樹脂の表面側と裏面側を冷却するタイミングをずらすようにしたから、成形品の強度面での問題を極力無くし、成形品の変形や転写ムラを極力無くすことができると共にヒケの発生を極力無くすことができる。
そして、この冷気のキャビティS内への注入の際に、冷気がキャビティS内の気体とぶつかって、冷気ガス溜まり部が発生して合成樹脂の硬化にバラツキが生じたり、硬化のための時間をより多く要するが、冷気・ガス排出路29B、29Cを介して射出成形装置外へこの冷気ガスを排出できるので、冷気ガス溜まりを無くし、成形品の肉厚にバラツキを生じさせることを極力防止でき、しかも成形サイクル時間を大幅に短縮できる。
即ち、合成樹脂表面(雌金型部6のキャビティ形成面側)の冷却よりもわずか遅れて且つその冷却温度と同等温度か少し低い温度で合成樹脂裏面(雄金型部27のキャビティ形成面側)を冷却するので、合成樹脂裏面を冷却しない場合には、表面側と裏面側との温度差による収縮率の違いによって成形品に反りが発生することがあったが、前記冷却によって成形時間を短縮できると共に成形品の反りの問題を解消できる。更に、合成樹脂Jの裏面温度を表面温度よりも少し低く冷却するのは、成形品の離型の際のエジェクターピンにより変形を防止するためであり、同等温度に冷却するのはエジェクターピンにより変形の問題が無ければ成形時間をより短縮するためである。
そして、キャビティSより取り出すのに十分なほど合成樹脂が固化したら、キャビティS内への冷気の注入を停止すると共に雌金型部6の熱媒体通路12内へ冷却水の供給を停止し、その後型開きして、エジェクターピンによる成形品を離型して、前述の如く、再び次の成形品の生産に備える。
なお、この第5の実施形態の加圧ガス注入用第1入れ子60は、一体物として外形が平面視四角形の枠状に形成したが、これに限らず、各辺を分割して作製してもよい。即ち、分割した両縦辺部、両横辺部の4つを突き合わせて、加圧ガス注入用第1入れ子60を形成してもよい。
以上のように、成形品に薄肉部を形成する場合において、第1、第2、第4、第5の実施形態の薄肉形成部39を用いて、成形品の裏面側に所定の幅を有する連続した外形が平面視四角形の枠状の薄肉部を形成するようにしたが、このような形状に限らず、枠状に連続していない平面視H形状や十字形状のものや、その他の形状のものでもよい。更には、この成形品に形成される薄肉部は、全て同じ厚さでもよく、直線毎にそれぞれ異なる厚さでもよく、これに対応して雄金型部27と一体に薄肉形成部を形成したり、雄金型部27に形成した凹部内に単数又は複数の薄肉形成用の入れ子を嵌合配設して形成してもよい。
以上のように、本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
第1の実施形態の射出成形装置の縦断正面図である。 同じく第1の実施形態の雄金型部の平面図である。 合成樹脂を射出した状態の図2のA−A断面図である。 加圧ガスを注入した状態の図2のA−A断面図である。 保圧状態の図2のA−A断面図である。 図5の要部拡大図である。 加圧ガス注入用第1入れ子を分割して作製して取り付けた雄金型部の平面図である。 第2の実施形態の雄金型部の平面図である。 合成樹脂を射出した状態の図8のB−B断面図である。 加圧ガスを注入した状態の図8のB−B断面図である。 保圧状態の図8のB−B断面図である。 加圧ガス注入用第1入れ子を分割して作製して取り付けた雄金型部の平面図である。 第3の実施形態の雄金型部の平面図である。 合成樹脂を射出した状態の図13のC−C断面図である。 加圧ガスを注入した状態の図13のC−C断面図である。 保圧状態の図13のC−C断面図である。 第4の実施形態の雄金型部の平面図である。 合成樹脂を射出した状態の図17のD−D断面図である。 加圧ガスを注入した状態の図17のD−D断面図である。 保圧状態の図17のD−D断面図である。 第5の実施形態の雄金型部の平面図である。 合成樹脂を射出した状態の図21のE−E断面図である。 加圧ガスを注入した状態の図21のE−E断面図である。 保圧状態の図21のE−E断面図である。
1 固定側組立体
6 雌金型部
12 熱媒体通路
20 可動側組立体
26 金型基体
27 雄金型部
28A乃至28C 冷気注入路
28D乃至28G ガス注入路
29A乃至29C ガス排出路
35、60 加圧ガス注入用第1入れ子
42、43、65 加圧ガス注入用第2入れ子
50A乃至50D 加圧ガス注入用入れ子
54A乃至54E 加圧ガス注入用入れ子

Claims (12)

  1. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  2. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、
    その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  3. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
    その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
    その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  4. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型とこの雄金型に形成された凹部内に設けられた入れ子との間の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
    その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
    その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  5. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型に形成された凹部内に設けられた多孔質の焼結金属材料で作製された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子内部に導入して各入れ子の微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  6. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、
    この射出を終了した後に加圧ガスを前記雄金型に形成された凹部内に設けられた多孔質の焼結金属材料で作製された入れ子内部に導入してその微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、
    前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、
    その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、
    その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  7. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
    加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
  8. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
    加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
  9. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に前記キャビティ形成面を形成する入れ子を固定し、
    加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路を介して前記雄金型と前記入れ子との間の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
  10. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に突き合わせて並設された前記キャビティ面を形成する複数の入れ子相互に連通する連通路を形成し、
    加圧ガス源からの加圧ガスを前記キャビティ内に供給するためのガス注入路を前記連通路に連通させるように前記雄金型に形成すると共に前記キャビティ内に前記冷却気体を供給するための冷却気体注入路を前記雄金型に形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記ガス注入路、前記連通路を経て前記雄金型と前記複数の入れ子との間の隙間及びこれらの入れ子同士の隙間を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、この保圧を行いつつ前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
  11. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に前記キャビティ形成面を形成する多孔質の焼結金属材料で作製された複数の入れ子を設け、
    前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体を注入する冷却気体注入路を形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記複数の入れ子内部に導入して各入れ子の微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
  12. 雌金型と雄金型との間に形成されたキャビティ内に前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱した後に溶融した合成樹脂を射出し、この射出を終了した後に加圧ガスを前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧するようにした射出成形装置であって、
    前記雄金型に形成された凹部内に多孔質の焼結金属材料で作製された入れ子を設け、
    前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に冷却気体を注入する冷却気体注入路を形成し、
    前記加圧ガス源からの加圧ガスを前記入れ子内部に導入してその微細孔を介して前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に注入して、合成樹脂の表面を前記雌金型のキャビティ形成面へ押し付けて保圧し、前記加圧ガスにより保圧を行いつつ、前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させたら、再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を加熱して前記合成樹脂を軟化させては再度前記雌金型の前記キャビティ形成面側を冷却して前記雌金型のキャビティ形成面側の合成樹脂を硬化させを必要に応じて繰り返し、その後前記キャビティ内から前記加圧ガスを装置外へ排出し、その排出を終えると前記合成樹脂裏面と前記雄金型のキャビティ形成面との間に前記冷却気体注入路を介して冷却気体を注入するようにした
    ことを特徴とする射出成形装置。
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