JPH06238706A - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JPH06238706A
JPH06238706A JP2678193A JP2678193A JPH06238706A JP H06238706 A JPH06238706 A JP H06238706A JP 2678193 A JP2678193 A JP 2678193A JP 2678193 A JP2678193 A JP 2678193A JP H06238706 A JPH06238706 A JP H06238706A
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molten resin
cavity
film gate
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穣 江波戸
Yasuki Ookanemasa
泰樹 大兼政
Yuichi Uchiyama
裕一 内山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金型内のキャビティに複数のフィルムゲートを
介して溶融樹脂を射出注入してバンパー等の比較的大型
で薄肉の樹脂製品を射出成形する場合に、ウェルドマー
ク等の発生を確実且つ容易に防止することができる射出
成形方法を提供する。 【構成】メインランナー部5から単一のフィルムゲート
3を介してキャビティ2に溶融樹脂A1 の射出注入を開
始し、この溶融樹脂A1 がフィルムゲート4を介してサ
ブランナー部6に進入してこれを充填した後にサブラン
ナー部6に溶融樹脂A2 をゲートバルブ11を介して加
圧供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製品を射出成形す
る方法に関し、特に、自動車のバンパー等、比較的大型
で薄肉の樹脂製品の射出成形に適した射出成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、比較的大型な樹脂製品を射出成
形する場合には、金型内に形成されたキャビティに複数
のゲートを介して溶融樹脂を射出するようにしている。
そして、特に、自動車のバンパー等、大型で薄肉の樹脂
製品を射出成形する場合には、キャビティに連通するゲ
ートをスポット的なものとすると、得られる樹脂製品の
圧力分布が不均一なものとなり易く、また、該ゲートの
位置で樹脂製品にスポット的な跡が付いて外観的に好ま
しくなく、このため、キャビティに溶融樹脂を射出注入
するためのゲートとして、該キャビティの側縁部にその
長手方向に沿って延在して連通されたフィルムゲートを
用いるのが一般的である。この場合、フィルムゲートに
は、その長手方向に沿って延在するランナー部が連通さ
れ、該ランナー部に加圧供給される溶融樹脂をフィルム
ゲートを介してキャビティに射出注入するようにしてい
る。
【0003】このように、フィルムゲートを介してキャ
ビティに溶融樹脂を射出注入する射出成形方法として
は、従来、例えば特開昭58−1537号公報に開示さ
れているものが知られている。
【0004】この射出成形方法においては、例えば自動
車のバンパーの射出成形に関し、図6に示すように、金
型a内に形成されたキャビティbの中心部の箇所で該キ
ャビティbの側縁部にフィルムゲートcを介してメイン
ランナ部dを連通されると共に、該メインランナー部d
の両側に配置した一対のサブランナー部e,eをそれぞ
れ複数のフィルムゲートf,g,hを介してキャビティ
bの側縁部に連通させ、メインランナー部dのみにスプ
ルーiを介して溶融樹脂jを加圧供給するようにしたも
のである。
【0005】この場合、この射出成形方法においては、
メインランナー部dからフィルムゲートcを介してキャ
ビティb内に射出注入された溶融樹脂jを、その注入圧
によりキャビティb内に拡散させると共に、その拡散時
にフィルムゲートcのすぐ隣のフィルムゲートfを介し
てサブランナー部eに導入し、さらに、該サブランナー
部eに導入された溶融樹脂jをその導入圧により、該サ
ブランナー部eからフィルムゲートg,hを介して再び
キャビティb内に射出注入するようにしている。そし
て、このような射出注入を行うことにより、キャビティ
bの全体にわたって溶融樹脂jを流動せしめると共に、
得られる樹脂製品にフローマーク等が発生するのを抑制
するようにしている。
【0006】しかしながら、かかる射出成形方法におい
ては、同図に示すように、メインランナー部dのフィル
ムゲートcからキャビティb内に射出注入された溶融樹
脂jがその隣のフィルムゲートfの位置に達してサブラ
ンナー部eに進入した直後にフィルムゲートfと離間し
たフィルムゲートg,hを介して順次キャビティb内に
射出注入されるため、これらの各フィルムゲートc,
g,hからそれぞれ射出注入された溶融樹脂jは、その
流頭j1 ,j2 ,j3 同士が、キャビティb内のフィル
ムゲートf,g,hの間の箇所で衝突しつつ融合し、そ
の衝突箇所で樹脂製品にウェルドマーク等を生じ易いと
いう不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、金型内のキャビティに複数のフィルムゲート
を介して溶融樹脂を射出注入してバンパー等の比較的大
型で薄肉の樹脂製品を射出成形する場合に、ウェルドマ
ーク等の発生を確実且つ容易に防止することができる射
出成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、キャビティの側縁部にそれぞれ単一のフ
ィルムゲートを介して連通するメインランナー部及びサ
ブランナー部を備えた金型を用い、前記メインランナー
部に溶融樹脂を加圧供給して該メインランナー部から前
記フィルムゲートを介して前記キャビティ内に溶融樹脂
を射出注入する工程と、該溶融樹脂が前記サブランナー
部に対応するフィルムゲート介して該サブランナー部に
進入し、該サブランナー部を充填した後に、該サブラン
ナー部に溶融樹脂を加圧供給して該サブランナー部から
前記フィルムゲートを介して前記キャビティ内に溶融樹
脂を射出注入する工程とからなることを特徴とする。
【0009】さらに、前記サブランナー部に対応するフ
ィルムゲートを加熱する加熱手段を前記金型に備え、少
なくとも前記メインランナー部から前記キャビティに射
出注入された溶融樹脂が前記サブランナー部に充填され
るまで、前記加熱手段により該サブランナー部に対応す
るフィルムゲートを加熱しておくことを特徴とする。
【0010】あるいは、前記サブランナー部に対応する
フィルムゲートの間隙を調整する調整手段を前記金型に
備え、少なくとも前記メインランナー部から前記キャビ
ティに射出注入された溶融樹脂が前記サブランナー部に
充填されるまで、前記調整手段により該サブランナー部
に対応するフィルムゲートの間隙を拡大しておくことを
特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、まず、前記メインランナー部
からこれに対応する単一の前記フィルムゲートを介して
前記キャビティに射出注入された溶融樹脂は、該メイン
ランナー部のフィルムゲートを中心としてキャビティ内
に拡散する。そして、該溶融樹脂が前記サブランナー部
に対応するフィルムゲートの位置に達すると、その流動
圧により該フィルムゲートを介してサブランナー部に進
入し、その進入した溶融樹脂はサブランナー部内に拡散
して充填される。そして、この状態で、該サブランナー
部に溶融樹脂を加圧供給することにより、該サブランナ
ー部からこれに対応するフィルムゲートを介してキャビ
ティ内に溶融樹脂が射出注入される。この時、前記メイ
ンランナー部からキャビティ内に射出注入された溶融樹
脂は、既にサブランナー部の位置に達して該サブランナ
ー部内に充填されているので、該サブランナー部からキ
ャビティ内に射出注入される溶融樹脂は、該サブランナ
部内においてメインランナー部からの溶融樹脂と融合し
た状態でキャビティ内に射出注入される。従って、サブ
ランナー部からキャビティ内への溶融樹脂の射出注入
は、メインランナー部からの溶融樹脂の内部側から行わ
れることとなり、これにより、メインランナー部からの
溶融樹脂とサブランナー部からの溶融樹脂との流頭同士
がキャビティ内において衝突するような事態が回避さ
れ、ウェルドマークの発生が防止される。
【0012】かかる本発明においては、前記サブランナ
ー部のフィルムゲートを加熱する加熱手段を前記金型に
備え、少なくとも前記メインランナー部からの溶融樹脂
がサブランナー部に充填されるまで、該サブランナー部
のフィルムゲートを加熱しておくことが好ましい。この
ようにすることにより、フィルムゲートの位置における
により、溶融樹脂の流動性が高まって、メインランナー
部からの溶融樹脂を比較的低圧で円滑にサブランナー部
に導入することが可能となる。
【0013】そして、このように、メインランナー部か
らの溶融樹脂を比較的低圧で円滑にサブランナー部に導
入するためには、前記サブランナー部のフィルムゲート
の間隙を調整する調整手段を前記金型に備え、少なくと
も前記メインランナー部からの溶融樹脂がサブランナー
部に充填されるまで、該サブランナー部のフィルムゲー
トの間隙を拡大し、該溶融樹脂がサブランナー部に流入
し易くするようにしてもよい。
【0014】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1乃至図3を参照
して説明する。図1は本実施例の射出成形方法に用いる
金型の説明的断面図、図2は図1のII−II線断面
図、図3(a),(b)は図1のIII−III線断面
おける作動説明図である。
【0015】図1で、この金型1は、例えば樹脂製品で
ある自動車のバンパー(図示しない)を射出成形するた
めの金型であり、その上型1aと下型1bとの間には、
バンパーを成形するための空間であるキャビティ2と、
該キャビティ2にそれぞれ単一のフィルムゲート3,
4,4を介して連通されたメインランナー部5及び一対
のサブランナー部6,6とが形成されている。
【0016】キャビティ2は、その主要部がバンパーの
正面部に対応して略水平方向に平面的に延在する平坦部
2aにより構成されており、前記メインランナー部5及
びサブランナー部6,6は、この平坦部2aの一側縁部
に沿うように延在して形成されている。この場合、図3
に示すように、メインランナー部5は前記キャビティ2
の平坦部2aの一側縁部の中央部にフィルムゲート3を
介して連通され、サブランナー部6,6は、メインラン
ナー部5の両側で平坦部2aの一側縁部の両側部にフィ
ルムゲート4,4を介して連通されている。そして、例
えばサブランナー部6に対応するフィルムゲート4は、
図2に示すように、該サブランナー部6及びキャビティ
2の厚さよりも十分、薄い間隙のものとされており、こ
のことはメインランナー部5に対応するフィルムゲート
3についても同様である。
【0017】図1に示すように、上型1aには、図示し
ない溶融樹脂供給装置から溶融樹脂Aが加圧供給される
ホットランナー7が形成されており、このホットランナ
ー7からメインランナー部5に向かって分岐されたメイ
ン分岐路8がスプルー(樹脂注入孔)9を介してメイン
ランナー部5に連通され、さらに、該ホットランナー7
からサブランナー部6,6に向かって分岐された一対の
サブ分岐路10,10がそれぞれゲートバルブ11,1
1を介してサブランナー部6,6に連通されている。
【0018】図2に示すように、各ゲートバルブ11
は、サブ分岐路10とサブランナー部6との連通箇所に
形成された小径の樹脂注入孔12に向かってサブ分岐路
10に挿着された筒体13と、筒体13に同心に挿入さ
れて図示しないシリンダ等により樹脂注入孔12に向か
って進退自在に設けられたゲートピン14とにより構成
されている。ゲートピン14は、その進退動により先端
部が樹脂注入孔12に挿脱し得るようになっており、図
2実線示のように後退された状態で樹脂注入孔12を開
成し、同図仮想線示のように前進された状態で樹脂注入
孔12を閉塞するようにしている。この場合、図2に示
すように、上型1aには、サブランナー部6に溶融樹脂
が充填されたことを検知するセンサ15が該サブランナ
ー部6に臨んで固設されており、ゲートピン14による
樹脂注入孔12の開閉は、図示しないコントローラによ
り該センサ15の検知信号に応じて行われるようになっ
ている。
【0019】尚、図1及び図2において、下型1bに
は、各サブランナー部6及びこれに対応するフィルムゲ
ート4に近接してその長手方向に延在するヒータ16が
内蔵されている。このヒータ16は、フィルムゲート4
を加熱する加熱手段を構成するものである。
【0020】次に、本実施例の金型1を用いたバンパー
の射出成形方法について説明する。
【0021】図1において、まず、前記ゲートバルブ1
1,11を閉じた状態で、ホットランナー7に溶融樹脂
Aが加圧供給され、この溶融樹脂Aは、さらにメイン分
岐路8及びスプルー9を介してメインランナー部5に加
圧供給される。そして、メインランナー部5に加圧供給
された溶融樹脂Aは、該メインランナー部5を充填しつ
つフィルムゲート3を介してキャビティ2に射出注入さ
れる。
【0022】この時、図3(a)に示すように、メイン
ランナー部5からフィルムゲート3を介してキャビティ
2に射出注入される溶融樹脂A1 は、フィルムゲート3
を中心としてキャビティ2内に略放射状に拡散してい
く。そして、この溶融樹脂A1の流頭の裾部分(キャビ
ティ2の側縁部に接する部分)がメインランナー部5の
隣のサブランナー部6,6の位置に達すると、該溶融樹
脂A1 がフィルムゲート4,4を介してサブランナー部
6,6内に進入し、そのサブランナー部6,6内に進入
した溶融樹脂A1 は瞬間的に該サブランナー部6,6内
を拡散し、これらのランナー部6,6を充填する。
【0023】尚、溶融樹脂A1 がサブランナー部6,6
内に進入する際には、キャビティ2内における拡散時に
金型1との接触により若干冷却されて、その流動性が低
下し易いものとなっていると共に、フィルムゲート4,
4の間隙が狭いものとされているので、そのままでは、
サブランナー部6,6内に進入し難いものとなる。しか
るに、本実施例においては、前記ヒータ16により、サ
ブランナー部6及びフィルムゲート4が加熱されている
ので、これらの位置で溶融樹脂A1 が加熱されてその流
動性が再び向上され、これにより、該溶融樹脂A1 は円
滑にサブランナー部6内に進入する。
【0024】このように、メインランナー部5からの溶
融樹脂A1 がサブランナー部6,6内に充填されると、
これが、前記センサ15により検知される。そして、こ
の検知に応じて、前記ゲートバルブ11,11のゲート
ピン14が前記樹脂注入孔12,12を開成すべく駆動
され、これにより、図2に示すように、前記ホットラン
ナー7から溶融樹脂Aがサブ分岐路10,10及び樹脂
注入孔12,12を介してサブランナー部6,6内に充
填されている溶融樹脂A1 内に加圧供給される。尚、図
2において、参照符号sを付したものは、溶融樹脂Aが
サブランナー部6の壁面に付着してなるスキン層であ
る。
【0025】この時、図2及び図3(b)を参照して、
各樹脂注入孔12からサブランナー部6に加圧供給され
た溶融樹脂A2 は、その供給圧により、各サブランナー
部6内においてメインランナー部5からの溶融樹脂A1
と融合しつつ、フィルムゲート4を介してキャビティ2
内に射出注入される。そして、この時、キャビティ2内
において、メインランナー部5からの溶融樹脂A1 はサ
ブランナー部6の位置に達しているので、フィルムゲー
ト4からキャビティ2内への溶融樹脂A2 の射出注入
は、メインランナー部5からの溶融樹脂A1 の内部側か
ら行われることとなる。従って、サブランナー部6から
射出注入される溶融樹脂A2 とメインランナー部5から
の溶融樹脂A1 とがキャビティ2内において衝突するよ
うな事態が回避され、これにより、最終的にキャビティ
2内に得られるバンパーにウェルドマーク等が発生する
のを防止することができる。
【0026】尚、図2に示すように、サブランナー部6
から射出注入される溶融樹脂A2 は、キャビティ2内に
おいて、その射出圧により、メインランナー部5からの
溶融樹脂A1 の流頭をその内部側から突き破ってキャビ
ティ2内に拡散していく。そして、上記のように、各ラ
ンナー部5,6,6からフィルムゲート3,4,4を介
してキャビティ2内に射出された溶融樹脂Aは、その射
出圧により、キャビティ2の末端部まで拡散して該キャ
ビティ2を充填し、最終的には、冷却工程を経て、キャ
ビティ2内にバンパーが得られることとなる。
【0027】このように、本実施例の射出成形方法にお
いては、メインランナー部5からの溶融樹脂A1 がサブ
ランナー部6の位置に達して該サブランナー部6内に充
填された後に、該サブランナー部6からキャビティ2へ
の射出注入を開始するので、これらの各ランナー部4,
6,6からの溶融樹脂Aの流頭同士がキャビティ2内で
衝突するような事態が回避され、これにより、最終的に
得られるバンパー(樹脂製品)にウェルドマーク等が生
じるのを確実に防止することができる。
【0028】次に、本発明の第2の実施例を図4及び図
5を参照して説明する。図4は本実施例の射出成形方法
に用いる金型の説明的断面図、図5は図4のV−V線断
面図である。尚、以下説明に際して、前述の第1の実施
例と同一構成のものは同一の参照符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0029】図4及び図5において、本実施例の射出成
形方法に用いる金型17は、前述の第1の実施例の金型
1と同様に、上型17a及び下型17bの間に樹脂製品
であるバンパー(図示しない)を成形するためのキャビ
ティ2と、該キャビティ2にそれぞれ単一のフィルムゲ
ート3,4,4を介して連通されたメインランナー部5
及び一対のサブランナー部6,6とが形成されている。
【0030】この場合、本実施例の金型17において
は、フィルムゲート4の間隙を調整する調整手段18が
設けられている。この調整手段18は、下型17bの上
面部に、各サブランナー部6に対応するフィルムゲート
4の位置でその長手方向に沿って形成された溝部19
と、この溝部19に昇降可能に嵌挿された直方体状の補
助型21と、該補助型21の昇降を行うべく下型17b
に装着されたシリンダ20とにより構成され、補助型2
1と上型17aとの間にフィルムゲート4を形成してい
る。そして、この調整手段18は、補助型21を図4及
び図5に実線で示すようにシリンダ20により上昇させ
ることにより、フィルムゲート4の間隙を狭め、また、
補助型21を図4及び図5に仮想線で示すように下降さ
せることにより、フィルムゲート4の間隙を広げるよう
にしている。
【0031】尚、本実施例において、メインランナー部
5には、前述の第1の実施例と同様に、上型17aに形
成されたホットランナー7からメイン分岐路8及びスプ
ルー9を介して溶融樹脂Aが供給されるようになってお
り、各サブランナー部6には、第1の実施例と同様に、
ホットランナー7からサブ分岐路10及びゲートバルブ
11を介して溶融樹脂Aが供給されるようになってい
る。
【0032】また、各ゲートバルブ11は、第1の実施
例と同様に、サブランナー部6に臨んで上型17aに固
設されたセンサ15の検知に応じて開かれるようになっ
ており、また、調整手段18も該センサ15の検知に応
じて後述するように作動する。
【0033】次に、本実施例の金型17を用いたバンパ
ーの射出成形方法について説明する。
【0034】本実施例の射出成形方法は、基本的には前
述の第1の実施例と同様である。すなわち、図3を参照
して、まず、メインランナー部5に溶融樹脂Aを加圧供
給し、さらに、該メインランナー部5からフィルムゲー
ト3を介してキャビティ2に溶融樹脂Aを射出注入す
る。そして、この溶融樹脂Aがフィルムゲート4,4か
らサブランナ部6,6に進入・充填すると、前記センサ
15の検知に応じてゲートバルブ11,11が開かれ
て、該サブランナー部6,6に溶融樹脂Aが加圧供給さ
れる。
【0035】そして、このような射出注入を行うことに
より、前述の第1の実施例と同様に、得られるバンパー
(樹脂製品)にウェルドマーク等が発生するのを防止す
ることができる。
【0036】一方、本実施例においては、メインランナ
ー部5からの溶融樹脂Aがサブランナー部6に充填され
るまでは、フィルムゲート4の間隙を広げておくように
し、その充填後にフィルムゲート4の間隙を狭めるよう
にしている。
【0037】さらに詳細には、図5を参照して、前記調
整手段18は、射出成形の開始時点において、シリンダ
20により補助型21を同図仮想線示のように下降させ
ており、これにより、フィルムゲート4の間隙が広くさ
れている。そして、この状態で、メインランナー部5か
らキャビティ2への射出注入が開始される。従って、該
メインランナー部5からの溶融樹脂Aがサブランナー部
6の位置に達すると、該溶融樹脂Aは広い間隙のフィル
ムゲート4を介して円滑にサブランナー部6内に進入
し、さらに該サブランナー部6を充填する。
【0038】そして、かかる充填がセンサ15により検
知されると、調整手段18は、補助型21をシリンダ2
0により図3実線示のように上昇させ、これにより、フ
ィルムゲート4の間隙を狭める。従って、サブランナー
部6からキャビティ2への射出注入時には、フィルムゲ
ート4の間隙が十分な射出注入圧を得られる間隙となっ
て、該射出注入が支障なく行われる。
【0039】以上説明した各実施例においては、自動車
のバンパーの射出成形について説明したが、バンパーに
限らず、比較的薄肉で大型の樹脂製品においては、本実
施例と同様に、ウェルドマークの発生を防止して良好な
樹脂製品を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、キャビティの側縁部にそれぞれ単一のフィル
ムゲートを介して連通するメインランナー部及びサブラ
ンナー部を備えた金型を用い、メインランナー部からキ
ャビティへの溶融樹脂の射出注入を開始し、その溶融樹
脂がサブランナー部内に進入してこれを充填した後に、
該サブランナー部に溶融樹脂を加圧供給して、該サブラ
ンナー部からキャビティへの射出注入を開始するように
したことによって、各ランナー部からフィルムゲートを
介してキャビティ内に射出注入される溶融樹脂の流頭同
士が該キャビティ内において衝突するのを防止すること
ができ、従って、ウェルドマーク等の発生を容易に且つ
確実に防止して良好な樹脂製品を得ることができる。
【0041】そして、この時、メインランナー部からの
溶融樹脂が少なくともサブランナー部に充填されるま
で、フィルムゲートを加熱し、あるいは、該フィルムゲ
ートの間隙を広げるようにしたことによって、メインラ
ンナー部からの溶融樹脂が円滑にサブランナー部に進入
することができ、従って、本発明による射出成形を支障
なく円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いる金型の説明的断
面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のIII−III線断面における作動説明
図。
【図4】本発明の第2の実施例に用いる金型の説明的断
面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】従来の射出成形方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
1,17…金型、2…キャビティ、3,4…フィルムゲ
ート、5…メインランナー部、6…サブランナー部、1
6…ヒータ(加熱手段)、18…調整手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:30 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティの側縁部にそれぞれ単一のフィ
    ルムゲートを介して連通するメインランナー部及びサブ
    ランナー部を備えた金型を用い、前記メインランナー部
    に溶融樹脂を加圧供給して該メインランナー部から前記
    フィルムゲートを介して前記キャビティ内に溶融樹脂を
    射出注入する工程と、該溶融樹脂が前記サブランナー部
    に対応するフィルムゲート介して該サブランナー部に進
    入し、該サブランナー部を充填した後に、該サブランナ
    ー部に溶融樹脂を加圧供給して該サブランナー部から前
    記フィルムゲートを介して前記キャビティ内に溶融樹脂
    を射出注入する工程とからなることを特徴とする射出成
    形方法。
  2. 【請求項2】前記サブランナー部に対応するフィルムゲ
    ートを加熱する加熱手段を前記金型に備え、少なくとも
    前記メインランナー部から前記キャビティに射出注入さ
    れた溶融樹脂が前記サブランナー部に充填されるまで、
    前記加熱手段により該サブランナー部に対応するフィル
    ムゲートを加熱しておくことを特徴とする請求項1記載
    の射出成形方法。
  3. 【請求項3】前記サブランナー部に対応するフィルムゲ
    ートの間隙を調整する調整手段を前記金型に備え、少な
    くとも前記メインランナー部から前記キャビティに射出
    注入された溶融樹脂が前記サブランナー部に充填される
    まで、前記調整手段により該サブランナー部に対応する
    フィルムゲートの間隙を拡大しておくことを特徴とする
    請求項1記載の射出成形方法。
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