JP2551160B2 - カラー偏向ヨーク装置 - Google Patents

カラー偏向ヨーク装置

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JP2551160B2 JP1211829A JP21182989A JP2551160B2 JP 2551160 B2 JP2551160 B2 JP 2551160B2 JP 1211829 A JP1211829 A JP 1211829A JP 21182989 A JP21182989 A JP 21182989A JP 2551160 B2 JP2551160 B2 JP 2551160B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、陰極線管の画面のX軸上における水平方向
のミスコンバージェンスの補正手段を備えたカラー偏向
ヨーク装置に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、カラーテレビジョン受像機やカラーディスプレ
イ装置における陰極線管の画面(以下テレビ画面とい
う)は高精細化と大型化の傾向にあり、これに伴いビー
ム駆動が広角偏向となり、フォーカス特性をよくするた
めに、水平偏向コイルの磁界分布をよりリニア磁界にす
る傾向がある。しかし、水平偏向コイルの磁界分布をリ
ニアにすると、どうしてもX軸上におけるブルーBのビ
ームとレッドRのビームの色ずれ、つまり、第6図
(b)に示すような水平方向のアンダーミスコンバージ
ェンスXHが現れてしまい、この補正を行う必要性が望ま
れている。
このミスコンバージェンスXHの補正を行うためには、
ブルーBの電子銃GBとグリーンGの電子銃GGとレッドR
の電子銃GRとがスクリーン側から見て左から右にインラ
イン配列されている陰極線管において、上下方向にブル
ーBのビームとレッドRのビームを横切る補正磁界が逆
向きに発生する様に結線された一対の補正コイルを水平
偏向コイルに接続し、この補正コイルに水平偏向パルス
に同期させたパラボラ電流を流せばよいことが知られて
いる。
このパラボラ電流の発生手段として、共振回路の共振
を利用したもの、あるいは、4個の可飽和コイルをブリ
ッヂに接続し、このブリッヂ回路によりパラボラ電流を
発生させるものが考えられる。
しかし、前記共振回路の共振を利用するものは波形の
両端の鈍りのために、適切なパラボラ電流が得られない
という問題があり、また、可飽和コイルのブリッジ回路
によるものは、左右でバランスの取れた波形が得難く、
その上、補正の感度が一般的によくないという問題があ
る。
このような問題を解消するものとして、第7図に示す
ように、4個のダイオード1a〜1dと、感度調整コイル2
と、バランス調整コイル3とからなるダイオードブリッ
ヂ回路がパラボラ電流を発生させる回路として実願平1
−31698号で提案されている。この提案装置は、水平偏
向コイル4からの水平偏向電流を前記ダイオードブリッ
ヂ回路により全波整流してパラボラ電流を発生させ、こ
のパラボラ電流を前記ダイオードブリッヂ回路の出力端
側に接続されている補正コイル5a,5bに供給してミスコ
ンバージェンスXHの補正を行うものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記提案装置によれば、理想的なパラボラ波形の電流
を作り出すことが可能であり、この理想波形のパラボラ
電流により高精度のミスコンバージェンスXHの補正を行
うことができるのであるが、この提案装置は、4個のダ
イオード1a〜1dとコイル2,3を必要とするため、部品点
数が比較的多く、より部品点数の少ない簡素化されたパ
ラボラ電流の発生手段を備えたカラー偏向ヨーク装置の
開発が望まれる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、その目的は、部品点数が少なく、より簡素化された
パラボラ電流の発生手段を備えたカラー偏向ヨーク装置
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、次のように構成
されている。すなわち、本発明は、カラー偏向ヨークの
水平偏向コイルに接続され水平偏向電流を全波整流して
パラボラ電流を発生する全波整流回路と、前記パラボラ
電流を受けて陰極線管の画面のX軸上における水平方向
のミスコンバージェンス補正用の4極の補正磁界を発生
する補正コイルとが設けられているカラー偏向ヨーク装
置であって、前記全波整流回路は、カソード側同志が接
続されている一対のダイオードと、この一対のダイオー
ドのアノード間に接続されている差動コイルとを有して
構成されており、前記補正コイルの一端側は前記一対の
ダイオードのカソード側に、他端側は前記差動コイルの
インダクタンス分割部に接続され、前記一対のダイオー
ドの一方側のアノード側は差動コイルの一端側とともに
水平偏向コイルに接続されていることを特徴として構成
されている。
〔作用〕
本発明では、カラー偏向ヨークの駆動に際し、全波整
流回路には水平偏向電圧が印加され、この水平偏向電圧
の正側、すなわち、帰線期間の区間では水平偏向コイル
側に接続されているダイオードがオン動作し、走査期間
の開始位置で正側に波高値を持ち、走査期間のほぼ中間
位置で0になる右下がりの電流を作り出す。一方、他方
側のダイオードは走査期間で順方向となり、この走査期
間の開始位置で0となり、走査期間の終点位置で正側に
波高値を持つ右上がりの電流を作り出す。この両ダイオ
ードにより作り出される電流を加え合わせた電流が補正
電流となる。この補正電流は前記水平偏向コイル側に接
続されているダイオードにより作り出される走査期間の
開始位置での波高値と、他のダイオードにより作り出さ
れる走査期間の終点位置での波高値が山側となり、走査
期間の中央部で谷側となるパラボラ電流波形となる。
本発明では、差動コイルのコアの進退調整によりイン
ダクタンス分割値を変えることにより、各ダイオードに
流れる水平偏向電流の割合が変化し、前記走査期間の始
点位置と終点位置での補正電流の波高値の調整が可能と
なる。この波高値の調整により、左右対称の理想的なパ
ラボラ波形の補正電流が作り出されるのである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には本発明に係るカラー偏向ヨーク装置の要部
の回路図が示されている。カラー偏向ヨークは、くら型
の水平偏向コイルと、くら型あるいはトロイダル型の垂
直偏向コイルとを有するが、この水平偏向コイルと垂直
偏向コイルとを組み合わせたカラー偏向ヨークの構造は
周知であるのでその説明は省略する。
第1図において、カラー偏向ヨークのトップ側とボト
ム側に配置される水平偏向コイル4は並列に接続されて
おり、この水平偏向コイル4の出力側に全波整流回路6
が接続されている。
この全波整流回路6は一対のダイオード7a,7bと、差
動コイル8とからなる。前記ダイオード7aのアノード側
と差動コイル8の一端側は水平偏向コイル4に共通接続
されており、差動コイル8の他端側にはダイオード7bの
アノード側が接続されている。そして、ダイオード7a,7
bのカソード側は補正コイル5a,5bの直列接続体の一端側
に接続されている。この直列接続体の他端側は前記差動
コイル8のインダクタンス分割部P、本実施例では差動
コイル8のほぼ中央部に接続されている。
前記補正コイル5a,5bは第2図に示すように、コ字形
状をしたコア10a,10bに捲線を巻回して構成されてお
り、この補正コイル5a,5bはカラー偏向ヨークのネック
部11の左右側に対向して配設されている。本実施例で
は、この補正コイル5a,5bに補正電流が流れたときに、
ブルーBのビームを横切る補正磁界BSがトップ側からボ
トム側に向かい、レッドRのビームを横切る補正磁界BS
がボトム側からトップ側に向かうように補正コイル5a,5
bの捲線の極性が定められている。
本実施例は上記のように構成されており、以下、その
作用を説明する。カラー偏向ヨークの稼働時には水平偏
向コイル4に第3図(a)に示すような水平偏向電圧が
発生し、この電圧が全波整流回路6に印加される。そう
すると、同図(b)で示すように、この水平偏向電圧の
プラス側、つまり、帰線期間では、その始点位置t0でダ
イオード7aがオンし、このダイオード7aには帰線期間の
始点位置t0で0となり終点位置t1で波高値がiH1となる
電流が流れる。この帰線期間の終点位置t1ではダイオー
ド7aはオフするが、このダイオード7aのオフによって、
補正コイル5a,5bには補正コイル5a,5b自身により電流を
維持させようとする電流、つまり、電流の減少を妨げよ
うとする電流が流れる結果、前記波高値iH1から走査期
間のほぼ中間位置で0となる右下がりの電流が発生す
る。つまり、ダイオード7a側から補正コイル5a,5bへは
第3図(b)に示すような波形の電流i1が流れる。
一方、走査期間では、ダイオード7b側が順方向となる
ので、ダイオード7bはこの走査期間の開始位置t1でオン
し、第3図(c)に示すように、このt1の位置で0とな
り、走査期間の終点位置t2で波高値iH2となる電流i2
流れ、この電流i2が補正コイル5a,5bに加えられる。つ
まり、走査期間では、第3図(d)に示すように、前記
i1とi2の加算された電流が補正コイル5a,5bに加えられ
るのである。換言すれば、ダイオード7a,7bの整流作用
により、水平偏向電流から第3図(d)に示すような補
正電流が作り出され、この補正電流が補正コイル5a,5b
に加えられる。一般に、補正コイル5bの端子を差動コイ
ル8の中央部に接続した場合には、第3図(d)に示す
ように、波高値iH1がiH2よりも大きくなるという傾向が
ある。このように、補正電流のパラボラ波形が左右でバ
ランスがくずれると、ミスコンバージェンスXHの補正を
適切に行うことができないという問題が生じる。
このようなパラボラ波形のアンバランスを補正するた
めに、本実施例では、差動コイル8を設けて、インダク
タンス分割部Pを境としてダイオード7a側のインダクタ
ンスL1とダイオード7b側のインダクタンスL2との値を変
化できるようにしている。すなわち、L1を小さく、L2
大きくすれば、i1が小さくなり、i2が大きくなる。逆
に、L1を大きくし、L2を小さくすれば、i1が大きく、i2
が小さくなる。通常、L1=L2のときはi1の方がi2よりも
大きい。
上記のように、例えば、差動コイル8のコアを進退調
整することによりインダクタンスL1とL2の大きさを変化
させてi1とi2の大きさを、つまり波高値iH1とiH2の大き
さを任意に調整することが可能となり、これにより、i
H1とiH2を等しくした第3図(e)に示すような左右バ
ランスのとれた理想波形のパラボラ電流波形を作り出す
ことが可能となる。
次にこのパラボラ電流を用いたミスコンバージェンス
XHの補正について説明する。
前記全波整流回路6により作り出された補正電流が補
正コイル5a,5bに流れると、第2図に示すように、ブル
ーBのビーム側ではトップ側からボトム側に向かう補正
磁界BSが発生し、レッドRのビーム側ではボトム側から
トップ側に向かう補正磁界BSが発生する。この補正磁界
によりブルーBのビームはテレビ画面(スクリーン)側
から見て左側に力を受けてその方向に移動し、レッドR
のビームは右方向に受けてその方向に移動する結果、ブ
ルーBのビームとレッドRのビームは第6図(a)に示
すオーバータイプ(ブルーBとレッドRとが電子銃の色
の配列方向と同一方向にずれる方式)のパターンの方向
に移動し、これとは逆パターンの第6図(b)に示すア
ンダータイプのミスコンバージェンスXHの補正が行われ
るのである。
この場合、補正コイル5a,5bの極性を逆向きに結線す
れば、補正磁界BSの向きが逆になり、ブルーBのビーム
およびレッドRのビームの移動方向が上記の場合と逆に
なるから、第6図(a)に示すようなオーバータイプの
ミスコンバージェンスXHの補正が達成されるのである。
なお、本発明は上記実施例に限定されることはなく、
様々な実施の態様を採り得るものである。例えば、上記
実施例では、補正コイル5a,5bを第2図に示すようにカ
ラー偏向ヨークのネック部11の左右側に配置したが、こ
れを第4図に示すようにネック部11の上下方向に配置
し、4極の補正磁界BSを発生するようにしてもよい。
ところで、第5図に示すように、ダイオード7a,7bの
アノード間にインダクタンスL1を有するコイル12aとイ
ンダクタンスL2を有するコイル12bとの直列接続体を接
続し、このコイル12a,12bの接続部(インダクタンス分
割部P)に補正コイル5bの端子を接続するようにするこ
とも考えられる。この場合は、コイル12aのインダクタ
ンスL1とコイル12bのインダクタンスL2の値を変えるこ
とにより同様にダイオード7a側を流れる電流i1とダイオ
ード7b側を流れる電流i2との大きさを調整して補正電流
の波高値iH1とiH2を任意に調整することができ、これに
より左右バランスのとれた理想的なパラボラ波形の補正
電流を発生することが可能となる。ただ、本実施例のよ
うに、インダクタンス素子を差動コイル8で構成すれ
ば、インダクタンスL1とL2の値を任意に変化させた場合
においても、差動コイル8の両端間のインダクタンスは
一定になり、このインダクタンスL1とL2の調整によって
水平偏向振幅が変化することがないという第5図の回路
によっては得られない優れた効果を得ることができる。
さらに、上記実施例では、補正コイル5a,5bを直列に
接続しているが、これを並列に接続してもよい。
〔発明の効果〕
本発明は、全波整流回路を差動コイルと一対のダイオ
ードによって構成することができるので全波整流回路の
部品点数を少なくすることが可能となり、これによりカ
ラー偏向ヨーク装置の製造が容易となり、装置コストの
大幅な低減化を図ることが可能となる。
また、差動コイルのインダクタンス分割部を基準とし
て、一方のダイオード側のインダクタンスと他方のダイ
オード側のインダクタンスとを調整することにより、左
右バランスのとれた理想波形のパラボラ電流を作り出す
ことが可能であり、この理想波形のパラボラ電流を用い
てミスコンバージェンスXHの補正を高精度のもとで行う
ことが可能となる。
しかも、各ダイオード側のインダクタンス調整を差動
コイルによって行うようにしたので、各ダイオード側の
インダクタンスの分割割合を任意に変化させても、差動
コイルの両端間のインダクタンスは一定にでき、各ダイ
オード側のインダクタンスの可変調整によって水平偏向
振幅が変化するということがない優れた効果を奏するこ
とができる。さらに、各ダイオードに流れる電流の大き
さの調整はコイル(差動コイル)成分のインダクタンス
可変によって行われるので、電流可変調整用として周知
な可変抵抗器を用いる場合に問題となる消費電力の増大
の問題も防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るカラー偏向ヨーク装置の一実施例
の要部を示す回路図、第2図は同実施例装置における補
正コイルの配置態様図、第3図は同実施例における全波
整流回路の整流作用を示す波形説明図、第4図は補正コ
イルの他の配置例を示す説明図、第5図はカラー偏向ヨ
ーク装置を構成する全波整流回路として考えられる他の
形態例を示す回路図、第6図はミスコンバージェンスXH
のパターン例を示し、第6図(a)はオーバータイプの
ミスコンバージェンスXHのパターン図、第6図(b)は
ミスコンバージェンスXHのアンダータイプのパターン
図、第7図はカラー偏向ヨーク装置の提案装置の回路図
である。 1a,1b,1c,1d……ダイオード、2……感度調整コイル、
3……バランス調整コイル、4……水平偏向コイル、5
a,5b……補正コイル、6……全波整流回路、7a,7b……
ダイオード、8……差動コイル、10a,10b……コア、11
……ネック部、12a,12b……コイル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー偏向ヨークの水平偏向コイルに接続
    され水平偏向電流を全波整流してパラボラ電流を発生す
    る全波整流回路と、前記パラボラ電流を受けて陰極線管
    の画面のX軸上における水平方向のミスコンバージェン
    ス補正用の4極の補正磁界を発生する補正コイルとが設
    けられているカラー偏向ヨーク装置であって、前記全波
    整流回路は、カソード側同志が接続されている一対のダ
    イオードと、この一対のダイオードのアノード間に接続
    されている差動コイルとを有して構成されており、前記
    補正コイルの一端側は前記一対のダイオードのカソード
    側に、他端側は前記差動コイルのインダクタンス分割部
    に接続され、前記一対のダイオードの一方側のアソード
    側は差動コイルの一端側とともに水平偏向コイルに接続
    されているカラー偏向ヨーク装置。
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