JP2551142B2 - ペプチド誘導体 - Google Patents

ペプチド誘導体

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JP2551142B2 JP1086484A JP8648489A JP2551142B2 JP 2551142 B2 JP2551142 B2 JP 2551142B2 JP 1086484 A JP1086484 A JP 1086484A JP 8648489 A JP8648489 A JP 8648489A JP 2551142 B2 JP2551142 B2 JP 2551142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薬理活性を有する新規ペプチド誘導体および
医薬として許容されるその塩に関するものである。さら
に具体的にはP物質拮抗作用、ニューロキニンA(K物
質)拮抗作用などの薬理活性をもつ新規ペプチド誘導体
および医薬として許容されるその塩、それらの製造法、
ならびにそれらを含む医薬組成物に関する。
すなわちこの発明の一つの目的は、喘息などの治療お
よび予防に有効なペプチド誘導体および医薬として許容
されるその塩を提供することにある。
この発明のいま一つの目的は、ペプチド誘導体および
医薬として許容されるその塩を製造法を提供することに
ある。
この発明のさらにいま一つの目的は、ペプチド誘導体
または医薬として許容されるその塩を有効成分として含
有する医薬組成物を提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、ペプチド誘導体および
医薬として許容されるその塩を喘息などの治療および予
防に用いることである。
この発明の目的化合物であるペプチド誘導体は次の一
般式(I)で表わすことができる。
(式中、R1は水素またはアシル基であり、R2は水酸基、
R3はカルボキシ基または保護されたカルボキシ基である
か、またはR2とR3が互いに結合して式 の基を表わし、R4は水酸基または保護された水酸基、R5
は水酸基または保護された水酸基、R6は水酸基、保護さ
れた水酸基または低級アルコキシ基、 は単結合または二重結合である) この発明において、新規ペプチド誘導体(I)はさま
ざまな方法で製造することができる。
[合成による製造法] 製造法1 製造法2 製造法3 製造法4 製造法5 製造法6 製造法7 製造法8 製造法9 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6および はそれぞれ前と同じ、R1 aはアシル基、R6 aはアシルオキ
シ基R3 aはエステル化されたカルボキシ基、R1 bは低級ア
ルケニル基で置換されたアリール(低級)アルケノイル
基、R1 cは低級アルキル基で置換されたアリール(低
級)アルカノイル基、R6 bは低級アルコキシ基である) 出発化合物(II)および(III)は新規化合物であ
り、次の方法で製造することができる。
製造法A 製造法B (式中、R1、R4、R5、R6および はそれぞれ前と同じ、R7は保護されたカルボキシ基、R8
は保護されたアミノ基、R9は保護されたアミノ基、R10
は保護されたアミノ基、R11は保護されたカルボキシ
基、R12は保護されたアミノ基、R13は保護されたアミノ
基、R14は保護されたアミノ基) この発明の出発化合物および目的化合物の製造法を次
に説明する。
製造法1 化合物(I a)またはその塩は、化合物(II)または
その塩を環化反応に付すことにより製造することができ
る。
この反応は、通常の環状ペプチド合成法、たとえば混
合酸無水物法、活性エステル法、カルボジイミド法など
によって実施することができる。
反応は、通常、アルコール、テトラヒドロフラン、酢
酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタ
ン、クロロホルムのような慣用の溶媒をはじめとして反
応に悪影響を及ぼさないその他の溶媒中で行われる。
反応温度は特に限定されず、通常冷却下なしい加温下
の範囲で、反応は行われる。
製造法2 化合物(I a)またはその塩は、化合物(III)または
その塩を環化反応に付すことにより製造することができ
る。
この反応は、通常の環状ペプチド合成法、たとえば混
合酸無水物法、活性エステル法、カルボジイミド法など
によって実施することができる。
反応は、通常、アルコール、テトラヒドロフラン、酢
酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタ
ン、クロロホルムのような慣用の溶媒をはじめとして反
応に悪影響を及ぼさないその他の溶媒中で行われる。
反応温度は特に限定されず、通常冷却ないし加温下の
範囲で、反応は行われる。
製造例3 化合(I c)またはその塩は、化合物(I b)またはそ
の塩を脱アシル化反応に付すことにより製造することが
できる。
この反応の適当な方法としては、加水分解、還元等の
慣用の方法が含まれる。
(i)加水分解の場合 加水分解は好ましくは塩基または酸(ルイス酸も含
む)の存在下に行なわれる。
適当な塩基としては、無機および有機の塩基、たとえ
ばアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ
土金属(マグネシウム、カルシウム等)、それらの水酸
化物、炭酸塩または炭酸水素塩、トリアルキルアミン
(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピコリ
ン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,
4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザビ
シクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン等を挙げることが
できる。
適当な酸としては、有機酸(例えばギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等)およ
び無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素、
臭化水素等)を挙げることができる。トリハロ酢酸(例
えば、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等)などのル
イス酸を用いる脱離は、好ましくはカチオン捕捉剤(例
えば、アニソール、フェノール等)の存在下に行われ
る。
反応は、通常、水、アルコール(例えば、メタノー
ル、エタノール等)、塩化メチレン、テトラヒドロフラ
ン、その混合物のような溶媒をはじめとして反応に悪影
響を及ぼさないその他の溶媒中で行われる。液状の塩基
または酸も溶媒として用いることができる。反応温度は
限定されず、通常冷却下ないし加温下の範囲で、反応を
行われる。
(ii)還元の場合 還元は化学還元および接触還元を含む慣用の方法で行
われる。
化学還元に用いられる適当な還元剤としては、金属
(例えば、スズ、亜鉛、鉄等)または金属化合物(例え
ば、塩化クロム、酢酸クロム等)と有機または無機酸
(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢
酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸等)の
組合わせである。
接触還元に用いられる適当な触媒としては、白金触媒
(例えば、白金板、白金海綿、白金黒、コロイド白金、
酸化白金、白金線等)、パラジウム触媒(例えば、パラ
ジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウ
ム−炭素、コロイドパラジウム、パラジウム−硫酸バリ
ウム、パラジウム−炭酸バリウム)、ニッケル触媒(例
えば、還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケル
等)、コバルト触媒(例えば、還元コバルト、ラネーコ
バルト等)、鉄触媒(例えば、還元鉄、ラネー鉄等)、
銅触媒(例えば、還元銅、ラネー銅、ウルマン銅等)な
どの慣用の触媒を挙げることができる。還元は、通常、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、N,N−ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたはその混
合物のような反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒中で
行われる。さらに、化学還元で用いられる上記の酸が液
状の場合、それらを溶媒としても用いることができる。
この還元の反応温度は特に限定されず、通常冷却下な
いし加温下の範囲で、反応は行われる。
製造法4 化合物(I b)またはその塩は、化合物(I c)または
そのアミノ基における反応性誘導体またはその塩をアシ
ル化反応に付すことにより製造することができる。
化合物(I c)のアミノ基における適当な反応性誘導
体としては、化合物(I c)とアルデヒド、ケトンのよ
うなカルボニル化合物との反応によって生成したシッフ
塩基型のイミノ化合物またはそのエナミン型互変異性
体;化合物(I c)とビス(トリメチルシリル)アセト
アミド、モノ(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス
(トリメチルシリル)尿素のようなシリル化合物との反
応によって生成したシリル誘導体;化合物(I c)と三
塩化燐、ホスゲンなどとの反応によって生成した誘導体
などが挙げられる。
このアシル化反応に用いられる適当なアシル化剤とし
ては、慣用のアシル化剤を挙げることができ、これは式
R1 a−OH(XIV)(式中、R1 aは前と同じ)で示される化
合物またはその反応性誘導体またはその塩などである。
化合物(XIV)の適当な反応性誘導体は、酸ハロゲン
化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステル等が挙
げられる。その適当な例としては、酸塩化物;酸アミ
ド;置換されたリン酸(例えば、ジアルキルリン酸、フ
ェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、
ハロゲン化リン酸等)、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、
チオ硫酸、硫酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン
酸等)、アルキル炭酸、脂肪族カルボン酸(例えば、ピ
バリン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪
酸、トリクロロ酢酸等)または芳香族カルボン酸(例え
ば、安息香酸等);対称無水物;イミダゾール、4−置
換イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾールま
たはテトラゾールとの活性化アミド;活性化エステル
(例えばシアノメチルエステル、メトキシエチルエステ
ル、ジメチルイミノメチル〔(CH32N+=CH−〕エステ
ル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニト
ロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステ
ル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニ
ルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾフ
ェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフ
ェニルチオエステル、p−クレシルチオエステル、カル
ボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジ
ルエステル、ピペリジルエステル、8−キノリルチオエ
ステル等)またはN−ヒドロキシ化合物(例えば、N,N
−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ−2−
(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−6−クロ
ロ−1H−ベンゾトリアゾール等)とのエステルなどが挙
げられる。これらの反応性誘導体は使用すべき化合物
(XIV)の種類によって、これらの中から適宜選択する
ことができる。
反応は、通常、アルコール(例えば、メタノール、エ
タノール等)、アセトン、ジオキサン、アセトニトリ
ル、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンのような慣
用の溶媒をはじめとして反応に悪影響を及ぼさないその
他の溶媒中で行われる。これらの慣用の溶媒は水との混
合物の形で使用することもできる。
化合物(XIV)を遊離酸の形またはその塩の形でこの
反応に使用する場合、反応は、N,N′−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−モルホ
リノエチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′
−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミ
ド、N,N′−ジエチルカルボジイミド、N,N′−ジイソプ
ロピルカルボジイミド、N−エチル−N′−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド;N,N′−カルボニ
ルビス−(2−メチルイミダゾール);ペンタメチレン
ケテン−N−シクロヘキシルイミン;ジフェニルケテン
−N−シクロヘキシルイミン;エトキシアセチレン;1−
アルコキシ−1−クロロエチレン;亜リン酸トリアルキ
ル;ポリリン酸エチル;ポリリン酸イソプロピル;オキ
シ塩化リン(塩化ホスホリル);三塩化リン;塩化チオ
ニル;塩化オキサリル;トリフェニルホスフィン;2−エ
チル−7−ヒドロキシベンズイソキサゾリウム塩;2−エ
チル−5−(m−スルホフェニル)イソキサゾリウムヒ
ドロキシド分子内塩;1−(p−クロロベンゼンスルホニ
ルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール;N,N
−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、ク
ロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リン等との反応
によって調製したいわゆるビルスマイヤー試薬などのよ
うな慣用の縮合剤の存在下に行なうことが好ましい。
反応はまた、アルカリ金属炭酸水素塩、トリ(低級)
アルキルアミン、ピリジン、N−(低級)アルキルモル
ホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン等の
無機塩基または有機塩基の存在下に行なってもよい。反
応温度は特に限定されず、通常冷却ないし常温下の範囲
で、反応は行われる。
製造法5 化合物(I e)またはその塩は、化合物(I d)または
その塩をアシル化反応に付すことにより製造することが
できる。
この反応については後述の実施例2、4、5、7、
8、17および18の反応を参照することができる。
製造法6 化合物(I f)またはその塩は、化合物(I a)または
その塩を加水分解反応に付すことにより製造することが
できる。
この加水分解反応については前出の製造法3の反応を
参照することができる。
製造法7 化合物(I g)またはその塩は、化合物(I f)または
その塩をエステル化反応に付すことにより製造すること
ができる。この反応に使用されるエステル化剤として
は、アルコールまたはその反応性等価物(例えば、ハロ
ゲン化物、スルホン酸エステル、硫酸エステル、ジアゾ
化合物等)のような慣用のものが挙げられる。
反応は、通常、アセトン、ジオキサン、アルコール、
塩化メチレン、塩化エチレン、n−ヘキサン、テトラヒ
ドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド
のような慣用の溶媒または反応に悪影響を及ぼさないそ
の他の溶媒中で行われる。
反応温度は特に限定されず、通常冷却下ないし加温下
の範囲で、反応は行われる。
製造法8 化合物(I i)またはその塩は、化合物(I h)または
その塩を還元に付すことにより製造することができる。
この反応に適用できる還元方法としては、接触還元が
挙げられる。
接触還元に使用される適当な触媒としては、白金触媒
(例えば、白金板、白金海綿、白金黒、コロイド白金、
酸化白金、白金線等)、パラジウム触媒(例えば、パラ
ジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウ
ム−炭素、コロイドパラジウム、パラジウム−硫酸バリ
ウム、パラジウム−炭酸バリウム等)、ニッケル触媒
(例えば、還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケ
ル等)、コバルト触媒(例えば、還元コバルト、ラネー
コバルト等)、鉄触媒(例えば、還元鉄、ラネー鉄
等)、銅触媒(例えば、還元銅、ラネー銅、ウルマン銅
等)などの慣用の触媒を挙げることができる。
反応は、通常、アセトン、ジオキサン、アルコール、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドのような慣用の溶媒ま
たは反応に悪影響を及ぼさないその他の溶媒中で行われ
る。
反応温度は特に限定されず、通常冷却下ないし加熱下
の範囲で、反応を行われる。
製造法9 化合物(I j)またはその塩は、化合物(I d)または
その塩をアルキル化反応に付すことにより製造すること
ができる。
この反応については後述の実施例19の反応を参照する
ことができる。
製造法A 化合物(II)またはその塩は、化合物(IV)またはそ
の塩を製造法Aの合成チャートに従って反応させること
により製造することができる。
この合成チャートの各々の反応は、ペプチド合成の分
野における常法により行われる。
出発化合物(IV)またはその塩は、後述の製造例に記
載の方法または同様の方法で製造することができる。
製造法B 化合物(III)またはその塩は、化合物(IX)または
その塩を製造法Bの合成チャートに従って反応させるこ
とにより製造することができる。
この合成チャート中の各々の反応は、ペプチド合成の
分野における常法により行われる。
出発化合物(IX)またはその塩は、後述の製造例に記
載の方法または同様の方法により製造することができ
る。
[発酵による製造法] WS−9326AおよびWS−9326Bは、ストレプトミセス・ビ
オラセオニガー(Streptomyces violaceoniger)No.93
26のごときストレプトミセス属に属するWS−9326Aおよ
び/またはWS−9326B生産菌株を培地中で培養させるこ
とによって製造できる。
WS−9326AおよびWS−9326Bの生産に使用する微生物の
詳細を以下に説明する。
微生物 WS−9326AおよびWS−9326Bの生産に使用できる微生物
は、ストレプトミセス属に属するWS−9326Aおよび/ま
たはWS−9326B生産菌株であり、なかでもストレプトミ
セス・ビオラセオニガーNo.9326は、日本国長野県諏訪
市で採集された土壌試料から新規に分離されたものであ
る。
その新たに分離されたストレプトミセス・ビオラセオ
ニガーNo.9326の凍結乾燥標本が工業技術院微生物工業
技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1−3)に
微工研条寄第1667号として、1988年1月20日付で寄託さ
れている。
新規なWS−9326AおよびWS−9326Bの生産は、単に説明
のためにのみ挙げた本明細書記載の特定の微生物に限定
されるものではないことを、理解されたい。
ストレプトミセス・ビオラセオニガーNo.9326は次の
形態上、培養上、生物学上および生理学上の特性を有す
る。
〔1〕形態学的特徴: この分類学的研究には、シャーリングとゴットリープ
が記載している方法「イー・ビー・シャーリングおよび
ディー・ゴットリープ:メソッズ・フォー・キャラクテ
リゼーション・オブ・ストレプトミセス・スペーシー
ズ,インターナショナル・ジャーナル・オブ・システマ
チック・バクテリオロジー(Shirling,E.B.and D.Gttli
eb:Methods for characterization of Stereptomyces s
pecies.International Journal of Systematic Bacteri
ology),16,313−340,1966」 を採用した。
形態観察を、オートミール寒天、酵母−麦芽エキス寒
天および無機塩類−でんぷん寒天を用いて30℃で14日間
生育させた培養物について光学顕微鏡および電子顕微鏡
を用いて行った。
栄養菌糸は、断片化することなく、より発育した。気
菌糸は単軸型に分岐し、らせん状の胞子鎖を形成した。
1鎖当りの胞子数は10〜30であった。胞子の表面は滑ら
かで、形は卵形で、大きさは0.6〜0.8×0.8〜1.3μmで
あった。菌核顆粒、胞子嚢および鞭毛胞子は観察されな
かった。
〔2〕培養特性: 上述のシャーリングとコットリープが記載している、
およびワクスマン「エス・エー・ワクスマン:ジ・アク
チノミセーティス、第2巻:クラシフィケーション・ア
イデンティフィケーション・アンド・デスクリプション
・オブ・ジェネラ・アンド・スペシーズ,ザ・ウィリア
ムス・アンド・ウィルキンス・カンパニー,バルチモ
ア,1961年(Waksman,S.A.:The actinomycetes,Vol.2:Cl
allification,identification and description of gen
era andspecies.The williams and Wilkins Co.,Baltim
ore,1961)」が記載している培値計10種について培養特
性を観察した。
30℃で21日間培養を行った。この研究で用いた色名
は、メスーエン・ハンドブック・オブ・カラー「エー・
コーネラップおよびジェー・エイチ・ワンシャー:メス
ーエン・ハンドブック・オブ・カラー,メスーエン,ロ
ンドン,1978年(Kornerup.A.and J.H.Wanscher:Methuen
Handbook of Colour,Methuen,London,1978)」 からとった。
結果を第1表に示す。
略号:G=生育、A=気菌糸、R=生育裏面の色、S=可
溶性色素 気菌糸は灰色ないしは茶色がかった灰色であった、コ
ロニーの一部は黒く、湿潤した状態となり、たいていの
寒天培地上で吸湿性を示した。発育の裏側は黄色がかっ
た茶色、茶色および暗い茶色であった。裏側の菌糸体色
素はpH感受性ではなかった。メラノイド色素、その他の
可溶性色素は生産されなかった。
ベッカーらの方法「ビー・ベッカー,エム・ピー・レ
シヴァリエル,アール・イー・ゴードンおよびエイチ・
エー・レシヴァリエル:ラピッド・ディファレンシエー
ション・ビトウィーン・ノカルジア・アンド・ストレプ
トミセス・バイ・ペーパー・クロマトグラフィー・オブ
・ホール・セル・ヒドロリゼーツ:アプライド・マイク
ロバイオロジー(Becker,B.,M.P.Lechevalier,R.E.Gord
on and H.A.Lechevalrer:Rapid differentiation betwe
en Nocardia and Strptomyces by paper chromatograph
y of whole cell hydrolysates:Appl.Microbiol.),1
2,421−423,1964)」および山口の方法(山口:コンパ
リソン・オブ・ザ・セル・ウォール・コンポジション・
オブ・モルホロジカリー・ディスティンクト・アクチノ
ミセーテス:ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Ya
maguchi,T.:Comparison of the cell wall composition
of morphologically distinct actinomycetes:J.Bacte
riol.),89,444−453,1965)」によって細胞壁分析を
行った。菌株No.9326の全細胞加水分解物の分析によ
り、LL−ジアミノピメリン酸の存在が示された。従っ
て、この株の細胞壁はタイプLであると考えられる。
〔3〕生物学的および生理学的性質: 生理学的性質および炭素源の利用をそれぞれ第2表お
よび第3表に示す。
炭素源の利用は、プリドハムおよびゴットリープの方
法「ティー・ジー・プリドハムおよびディー・ゴットリ
ープ:ザ・ユーティリゼーション・オブ・カーボン・コ
ンパウンズ・バイ・サム・アクチノマイセッテールズ・
アズ・アン・エイド・フォー・スペーシーズ・デターミ
ネーション:ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Pr
idham,T.G.and D.Gottlieb:The utilization of cardon
compounds by some Actinomycetales as an aid for s
pecies determination:J.Bacteriol.),56107−114,19
48」に従って調べた。
菌株No.9326の形態および化学的特徴から、該微生物
をストレプトミセス属に明瞭に帰属させることができ
た。
菌株No.9326を、バージーのマニュアル第8版「アー
ル・イー・ブチャナンおよびエヌ・イー・ギボンズ:バ
ージーズ・マニュアル・オブ・ディターミテイティブ・
バクテリオロジー,第8版,ザ・ウィリアムス・アンド
・ウィルキンス・カンパニー,バルチモア,1974年(Buc
hanan,R.E.and N.E.Gibbons:Bergey's manual of detem
inative bacteriology,erght edition.The Williams an
d Wilkins Co.,Baltimore,1974)」 中に記載されているストレプトミセス種、シャーリング
のISPレボート[「イー・ビー・シャーリングおよびデ
ィー・ゴットリープ:コーオペレーティブ・ディスクリ
プション・オブ・タイプ・カルチャー・オブ・ストレプ
トミセス,2,スピーシーズ・ディスクリプション・フロ
ム・ファースト・スタディー,インターナショナル・ジ
ャーナル・オブ・システマティク・バクテリオロジー
(Shirling,E.B.and D.Gottlieb:Cooperative descript
ion of type culture of Streptomyces.2.Species desc
ription from first study.Intern.J.Syst.Bacterio
l.)18:69−189,1968」、「イー・ビー・シャーリング
およびディー・ゴットリープ:コーオペラティブ・ディ
スクリプション・オブ・タイプ・カルチャー・オブ・ス
トレプトミセス,3,アディショナル・スピーシーズ・デ
ィスクリプションズ・フロム・ファースト・アンド・セ
カンド・スタディーズ,インターナショナル・ジャーナ
ル・オブ・システマティク・バクテリオロジー(Shirli
ng,E.B.and D.Gottlieb:Cooperative descriptions of
type culture of Streptomyces.3.Additional species
descriptions from first and second studies.Intern.
J.Syst.Bacteriol.)18:279−392,1968」および 「イー・ビー・シャーリングおよびディー・ゴットリー
プ:コーオペラティブ・ディスクリプション・オブ・タ
イプ・カルチャー・オブ・ストレプトミセス,4,スピー
シーズ・ディスクリプションズ・フロム・ザ・セカンド
・サード・アンド・フォース・スタディーズ,インター
ナショナル・ジャーナル・オブ・システマティク・バク
テリオロジー((Shirling,E.B.and D.Gottlieb:Cooper
ative description of type culture ofStreptomyces.
4.Species descriptions from the second,third and f
ourth studies.Intern.J.Syst.Bacteriol.)19:391−51
2,1969)」に記載されているストレプトミセス種、“ア
プルーブド・リスト・オブ・バクテリアル・ネームズ” 「ブイ・ビー・ディー・スケルマン;ブイ・マックゴー
ワンおよびピー・エイチ・エー・スネース:アプループ
ド・リスト・オブ・バクテリアル・ネームズ,インター
ナショナル・ジャーナル・オブ・システマティク・バク
テリオロジー(Skerman,V.B.D.;V.McGowan & P.H.A.Sn
eath:Approved list of bacterial names.Intern.J.Sys
t.Bacteriol.)30:225−420,1980」にリストされている
種ならびに他の参考文献[「エス・ティー・ウィリアム
ス:エム・グッドフェロー,ジー・アルダーソン,イー
・エム・エイチ・ウェリントン,ピー・エイチ・エー・
スネースおよびエム・ジェイ・サッキィン:ニューメリ
カル・クラシフィケーション・オブ・ストレプトミセス
・アンド・リレーティド・ジェネラ,ジャーナル・オブ
・ジェネラル・マイクロバイオロジー(Williams,S.T.:
M.Goodfellow,G.Alderson,E.M.H.Wellington,P.H.A.Sne
ath and M.J.Sackin:Numerical claasification of Str
eptomyces and related genera.J.Gen.Microbiol.)12
9:1743−1813,1983」および 「エー・ディーツ:クリテリア・フォア・キャラクタリ
ゼーション・オブ・ヒグロスコピカス・ストレインズ
(Dietz,A.:Criteria for characterization of Hygros
copicus strains),新井編“アクチノミセーティス;
ザ・バウンダリー・マイクロオーガニズム(Actinomyce
tes;The Boundary Microorganisms)"PP 183−191,197
6」]に記載されている種と比較した。
その結果、菌株No.9326は、ストレプトミセス・ビオ
ラセオニガーに極めて似ていることが判明した。従っ
て、菌株No.9326をストレプトミセス・ビオラセオニガ
ーと同定し、ストレプトミセス・ビオラセオニガーNo.9
326と命名した。
WS−9326AおよびWS−9326Bの生産 新規WS−9326AおよびWS−9326Bは、ストレプトミセス
属に属するWS−9326Aおよび/またはWS−9326B生産菌株
(たとえばストレプトミセス・ビオラセオニガーNo.932
6、微工研条寄第1667号)を培地で培養することによっ
て生産できる。
一般に、WS−9326AおよびWS−9326Bは、同化性の炭素
源および窒素源を含有する水性栄養培地中で、WS−9326
Aおよび/またはWS−9326B生産菌株を、好ましくは好気
性条件下で(たとえば振盪培養、深部培養など)、培養
することによって生産できる。
該栄養培地中の好ましい炭素源は、グルコース、キシ
ロース、ガラクトース、グリセリン、でんぷん、デキス
トリンなどの炭水化物である。包含されうる他の炭素源
は、マルトース、ラムノース、ラフィノース、アラビノ
ース、マンノース、サリシン、コハク酸ナトリウムなど
である。
好ましい窒素源は、酵母エキス、ペプトン、グルテン
粉、綿実粉、大豆粉、コーンスチープリカー、乾燥酵
母、小麦胚芽、フェザーミール、落花生粉など、ならび
に、アンモニウム塩類(たとえば硝酸アンモニウム、硫
酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなど)、尿素、ア
ミノ酸などの無機および有機窒素化合物である。
炭素源および窒素源は好ましくはそれらの組合わせで
使用されるが、微量の生育因子および相当量の無機栄養
素を含有していれば純度の低い物質も使用でき、必ずし
も純粋な形で使用する必要はない。所望により培地に炭
酸ナトリウムまたは炭酸カルシウム、燐酸ナトリウムま
たは燐酸カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化カリウ
ム、沃化ナトリウムまたは沃化カリウム、マグネシウム
塩、銅塩、コバルト塩等の無機塩を添加してもよい。特
に培養培地が著し発泡する場合には、必要により液状パ
ラフィン、脂肪油、植物油、鉱油またはシリコンのよう
な消泡剤を添加してもよい。
WS−9326AおよびWS−9326Bを大量生産する条件として
は、深部好気培養が好ましい。少量生産にはフラスコま
たはびん中で振とう培養または表面培養が行われる。さ
らにまた、大型タンク内で生育を実施する場合には、WS
−9326AおよびWS−9326Bの生産工程における生育遅延を
回避するために、微生物の前培養を用いて生産タンク中
に菌を接種するのが好ましい。すなわち、比較的少量の
培養培地に微生物の胞子または菌糸を接種し、その接種
培地を培養して微生物の前培養接種物をまず生産し、次
いで培養した前培養接種物を無菌的に大型タンクに移す
のが望ましい。この前培養接種物を生産する培地は、WS
−9326AおよびWS−9326Bの生産に使用される培地と実質
的に同じであってもよく、また異なってもよい。
培養混合物の攪拌および通気は種々の方法で行うこと
ができる。攪拌はプロペラまたはこれに準ずる攪拌装置
を用いるか、醗酵器を回転させるかまたは振とうする
か、種々のポンプ装置を用いるか、または培地中に滅菌
空気を通すことによっても行うことができる。通気は滅
菌空気を醗酵混合物中を通過させることにより行っても
よい。
醗酵は通常、約20℃〜40℃の温度範囲、好ましくは25
〜35℃で、約50〜150時間行われるが、醗酵条件および
醗酵規模によって適宜変化させればよい。
このようにして生産されたWS−9326AおよびWS−9326B
は、他の既知の生物学的活性物質の回収に通常使用され
る慣用の方法で培養培地から回収することができる。生
産されたWS−9326AおよびWS−9326Bは、培養菌糸中およ
び液中に見出され、従ってWS−9326AおよびWS−9326B
は、培養ブロスの過または遠心分離によって得られる
菌糸および液から、減圧濃縮、凍結乾燥、常用の溶媒
による抽出、pH調整、例えば陰イオン交換樹脂または陽
イオン交換樹脂、非イオン性吸着樹脂等の常用の樹脂に
よる処理、例えば活性炭、ケイ酸、シリカゲル、セルロ
ース、アルミナ等の常用の吸着剤による処理、結晶化、
再結晶化等の慣用の方法によって分離、精製することが
できる。
上記のプロセスに従って生産されたWS−9326Aは、次
の物理化学的性質を有する。
(1)形状および色調: 無色の粉末 (2)呈色反応 陽性:硫酸セリウム反応、沃素蒸気反応、塩化第二鉄−
フェリシアン化カリウム反応 陰性:ニンヒドリン反応、モーリッシュ反応、塩化第二
鉄反応、エールリッヒ反応、パウリ反応 (3)溶解性: 可溶:メタノール、エタノール 難溶:アセトン、酢酸エチル 不溶:水、クロロホルム (4)融点:187〜190℃ (5)比旋光度: 〔α〕23 D:−84゜(C=1.0,MeOH) (6)紫外線吸収スペクトル: λMeOH max280nm(ε=34,700) (7)赤外線吸収スペクトル: νKBr max=3300,3050,2950,2920,2860,1730,1650,1610,
1560,1540,1530,1510,1440,1380,1340,1280,1240,1170,
1110,1080,1060,1040,970,920,880,860,830cm-1 上記スペクトルのチャートを図1に示す。
(8)元素分析: 実験値:C 60.18,H 6.61,N 10.32 C54H68N8O13・2H2Oとしての計算値: C 60.43,H 6.76,N 10.44 (9)薄層クロマトグラフィー: (10)分子式:C54H68N8O13 (11)分子量: FAB−MS:m/z 1037(M+H) (12)物質の性質: 酸性物質 (13)13C核磁気共鳴スペクトル: (100MHz,CD3OD)δ 175.69(s),174.70(s),173.73(s),173.38
(s),172.89(s),171.04(s),170.45(s),167.
79(s),167.15(s),159.20(s),140.05(d),13
9.12(s),138.71(s),135.27(d),134.85(s),
132.11(d),132.03(s),131.69(d)x2,130.70
(d),129.90(d),129.61(d)x2,129.22(d)x2,
128.55(d),128.04(d),127.99(d),127.38
(d),126.09(s),123.70(d),115.63(d)x2,7
3.46(d),71.34(d),62.80(t),59.53(d),56.
91(d),56.76(d),55.55(d),53.64(d),52.10
(d),39.85(t),37.18(t),37.09(t),34.58
(q),31.37(t),24.56(d),23.63(t),22.71
(q),22.52(q),21.17(q),17.19(q),14.13
(q), 上記スペクトルのチャートを図2に示す。
(14)1H核磁気共鳴スペクトル: (400MHz,CD3OD)δ 7.80(1H,d,J=8Hz), 7.67(1H,d,J=16Hz), 7.45−7.14(9H,m), 7.06(2H,d,J=8Hz), 6.83(1H,s), 6.65(2H,d,J=8Hz), 6.59(1H,d,J=12Hz), 5.88(1H,dt,J=12および7Hz), 5.55(1H,m), 5.35(1H,ブロードシグナル(broad signal)), 5.10(1H,dd,J=3および9.5Hz), 4.68(1H,d,J=10Hz), 4.55(1H,t,J=6Hz), 4.48(1H,dd,J=3および12Hz), 3.92(2H,d,J=6Hz), 3.70(1H,t,J=7.5Hz), 3.62(1H,m), 3.46(1H,dd,J=3および14Hz), 2.94(1H,dd,J=3および16Hz), 2.89(3H,s), 2.74(1H,dd,J=9.5および16Hz), 2.69(1H,dd,J=12および14Hz), 2.14(2H,m), 1.5−1.4(2H,m), 1.20(3H,d,J=6Hz), 1.08(3H,d,J=6Hz), 1.0−0.8(2H,m), 0.91(3H,t,J=7Hz), 0.6(1H,m), 0.53(3H,d,J=6Hz), 0.51(3H,d,J=6Hz), 上記スペクトルのチャートを図3に示す。
(15)アミノ酸分析: WS−9326A(5mg)を、封管中、塩酸(2ml)により110
℃で20時間加水分解した。混合物を蒸発乾固して加水分
解産物を得て、これを日立835自動アミノ酸分析装置に
より分析した。
アミノ酸分析結果: トレオニン(2)、ロイシン(1)、フェニルアラニ
ン(1)、アスパラギン酸(1)、セリン(1)、メチ
ルアミン(1)およびアンモニア(1) 図2および3に示された13Cおよび1H核磁気共鳴スペ
クトルは、WS−9326AがCD3OD溶液中で少なくとも2つの
安定なコンフォメーション(conformation)をとってい
ることを示している。そして、上記(13)および(14)
に記載された化学シフトはWS−9326Aの主要なコンフォ
ーマー(conformar)の化学シフトである。
上記のプロセスに従って生産されたWS−9326Bは、次
の物理化学的性質を有する。
(1)形状および色調: 無色の粉末 (2)呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、沃素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応 (3)溶解性: 可溶:メタノール 難溶:エタノール 不溶:水、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム (4)融点:165〜170℃(分解) (5)比旋光度: 〔α〕23 D:−64゜(C=1.0,MeOH) (6)紫外線吸収スペクトル: λMeOH max=283nm(ε=27,000) (7)分子式: C54H70N8O13 (8)元素分析: 実験値:C 59.97,H 6.87,N 10.29 C54H70N8O13・2H2Oとしての計算値: C 60.32,H 6.94,N 10.42 (9)分子量: FAB−MS:m/z 1061.6(M+Na) (10)薄層クロマトグラフィー: (11)赤外線吸収スペクトル: νKBr max=3300,3050,2950,1735,1660,1530,1510,1450,
1400,1380,1340,1260,1220,1080,980,920cm-1 (12)13C核磁気共鳴スペクトル: (100MHz,CD3OD)δ 174.99(s),174.54(s),173.60(s),173.41
(s),173.30(s),171.27(s),170.74(s),170.
19(s),168.69(s),157,59(s),140.53(d),13
9.35(s),139.18(s),135.76(d),134.17(s),
131.15(d)x2,130.93(d),130.35(d),29.88
(d)x2,129.39(d)x2,128.70(d),128.58(s),
128.13(d),127.64(d),127.53(d),121.99
(d),116.45(d)x2,72.76(d),70.82(d),62.7
3(t),62.67(d),59.35(d),56.33(d)x2,56.1
9(d),53.36(d),52.24(d),40.24(t),37.55
(t),37.08(t),33.69(t),31.57(t),29.93
(q),24.61(d),23.70(q),23.59(t),22.16
(q),21.36(q),17.12(q),14.23(q), 上記スペクトルのチャートを図6に示す。
(13)H核磁気共鳴スペクトル: (400MHz,CD3OD)δ 7.86(1H,d,J=16Hz), 7.801H,br,d,J=8Hz), 7.12−7.42(11H,m), 6.77(2H,d,J=8.5Hz), 6.61(1H,d,J=11.5Hz), 5.88(1H,dt,J=7.5および11.5Hz), 5.08(1H,dd,J=3.5および10Hz), 5.04(1H,q,J=6.5Hz), 4.66(1H,dd,J=3.5および13Hz), 4.65(1H,d,J=11.5Hz), 4.56(1H,dd,J=2.5および7Hz), 4.48(1H,dd,J=4.5および11Hz), 4.46(1H,s), 3.88(2H,m), 3.64(2H,m), 3.51(1H,dd,J=3.5および14Hz), 3.17(1H,dd,J=4.5および14Hz), 3.01(1H,dd,J=11および14Hz), 2.94(1H,dd,J=3.5および16Hz), 2.71(3H,s), 2.71(1H,dd,J=10および16Hz), 2.64(1H,dd,J=13および14Hz), 2.04(2H,m), 1.43(2H,m), 1.28(2H,m), 1.20(3H,d,J=6Hz), 0.95(3H,d,J=6.5Hz), 0.87(3H,t,J=7.5Hz), 0.53(1H,m), 0.52(6H,d,J=10.5Hz), 上記スペクトルのチャートを図7に示す。
図6および7に示された13Cおよび1H核磁気共鳴スペ
クトルは、WS−9326BがCD3OD溶液中で少なくとも2つの
安定なコンフォメーションをとっていることを示してい
る。そして、上記(12)および(13)に記載された化学
シフトはWS−9326Bの主要なコンフォーマーの化学シフ
トである。
上記の物理化学的性質ならびに化学構造決定を目的と
する諸研究の結果として、前記WS−9326AおよびWS−932
6Bの各化学構造を以下の如く決定した。
WS−9326A [(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)フェ
ニル]プロペノイル] WS−9326B R−:(E)−3−〔2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル〕プロペノイル 目的化合物(I)の医薬として許容される適当な塩の
種類としては、慣用の無毒性の塩、すなわち各種塩基と
の塩ならびに酸付加塩を挙げることができる。より具体
的には、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属(例えば、
カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩の
ような無機塩基との塩、有機アミン塩(例えば、トリエ
チルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールア
ミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルア
ミン塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等)の
ような有機塩基との塩、無機酸付加塩(例えば、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等)、有機カルボン
酸付加塩または有機スルホン酸付加塩(例えば、ギ酸
塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石
酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩等)、塩基性アミノ酸または酸
性アミノ酸との塩(例えば、アルギニン、アスパラギン
酸、グルタミン酸等)などが挙げられる。
化合物(I a)〜(I j)、(II)および(III)の適
当な塩としては、化合物(I)で例示したものと同じも
のが挙げられる。
本明細書における以上の記載ならびに以下の記載にお
いて、本発明の範囲に包含される諸定義の適当な具体例
ないし説明は、以下の通りである。
「低級」とは、特記なき限り炭素原子1〜6個の範囲
を意味する。
「高級」とは、特記ない限り炭素原子7〜20個の範囲
を意味する。
「アシル基」および「アシルオキシ基」の中の「アシ
ル」部分の適当な例としては、脂肪族アシル基、芳香環
をもつアシル基(以下、芳香族アシル基と称する)また
は複素環をもつアシル基(以下、複素環アシル基と称す
る)を挙げることができる。
上記アシル基の適当な具体例としては、 低級または高級アルカノイル基(例えば、ホルミル、
アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロ
パノイル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイ
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナ
ノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、
トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイ
ル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカ
ノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル等)、低級ま
たは高級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、t−ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカ
ルボニル等)などのような脂肪族アシル基 アロイル基(例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフ
トイル等)、アリール(低級)アルカノイル基(例え
ば、フェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニ
ルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタ
ノイル、フェニルヘキサノイル等のフェニル(低級)ア
ルカノイル、ナフチルアセチル、ナフチルプロパノイ
ル、ナフチルブタノイル等のナフチル(低級)アルカノ
イル等)、アリール(低級)アルケノイル基(例えば、
フェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニル
メタクリロイル、フェニルペンテノイル、フェニルヘキ
セノイル等のフェニル(低級)アルケノイル、ナフチル
プロペノイル、ナフチルブテノイル、ナフチルペンテノ
イル等のナフチル(低級)アルケノイル等)、アリール
(低級)アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオ
キシカルボニル等のフェニル(低級)アルコキシカルボ
ニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェ
ノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、ア
リールオキシ(低級)アルカノイル基(例えば、フェノ
キシアセチル、フェノキシプロピオニル等)、アリール
グリオキシロイル基(例えば、フェニルグリオキシロイ
ル、ナフチルグリオキシロイル等)などのような芳香族
アシル基、 複素環カルボニル基(例えば、テノイル、フロイル、
ニコチノイル等)、複素環(低級)アルカノイル基(例
えば、チエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエ
ニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキ
サノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチ
ル、テトラゾリルアセチル等)、複素環グリオキシロイ
ル基(例えば、チアゾリルグリオキシロイル、チエニル
グリオキシロイル等)などのような複素環アシル基が挙
げられ、上記「複素環カルボニル基」「複素環(低級)
アルカノイル基」および「複素環グリオキシロイル基」
中の複素環部分の適当な具体例としては、酸素、硫黄、
窒素その他の少なくとも1つのヘテロ原子をもつ飽和ま
たは不飽和の、単環または多環状の複素環基、が挙げら
れる。
特に好ましい複素環基としては、1〜4の窒素原子を
含む不飽和の3〜8員環、望ましくは5〜6員環の複素
単環基、たとえばピロリル、ピロリニル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、ピリジルおよびそのN−オキシド、ジ
ヒドロピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニ
ル、トリアゾリル(例えば、4H−1,2,4−トリアゾリ
ル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリ
ル等)、テトラゾル(例えば、1H−テトラゾリル、2H−
テトラゾリル等)など、1〜4の窒素原子を含む飽和の
3〜8員環、さらに望ましくは5〜6員環の複素単環
基、たとえばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリ
ジノ、ピペラジニルなど、1〜4の窒素原子を含む不飽
和の縮合複素環基、たとえばインドリル、イソインドリ
ル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、
イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾールな
ど、1〜2の酸原子および1〜3の窒素原子を含む不飽
和の3〜8員環、さらに望ましくは5〜6員環の複素単
環基、たとえばオキサゾリル、イソキサゾリル、オキサ
ジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4
−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル等)な
ど、1〜2の酸素原子および1〜3の窒素原子を含む飽
和の3〜8員環、より望ましくは5〜6員環の複素単環
基、たとえばモルホリニル、シドノニルなど、1〜2の
酸素原子および1〜3の窒素原子を含む不飽和の縮合複
素環基、たとえばベンズオキサゾリル、ベンズオキサジ
アゾリルなど、1〜2の硫黄原子および1〜3の窒素原
子を含む不飽和の3〜8員環、より望ましくは5〜6員
環の複素単環基、たとえばチアゾリル、イソチアゾリ
ル、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾリ
ル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、
1,2,5−チアジアゾリル等)、ジヒドロチアジニルな
ど、1〜2の硫黄原子および1〜3の窒素原子を含む飽
和の3〜8員環、より望ましくは5〜6員環の複素単環
基、たとえばチアゾリジニルなど、1〜2の硫黄原子を
含む不飽和の3〜8員環、より望ましくは5〜6員環の
複素単環基、たとえばチエニル、ジヒドロジチイニル、
ジヒドロジチオニルなど、1〜2の硫黄原子および1〜
3の窒素原子を含む不飽和の縮合複素環基、たとえばベ
ンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど、1つの酸
素原子を含む不飽和の3〜8員環、より望ましくは5〜
6員環の複素単環基、たとえばフリルなど、1つの酸素
原子および1〜2の硫黄原子を含む不飽和の3〜8員
環、より望ましくは5〜6員環の複素単環基、たとえば
ジヒドロオキサチイニルなど、1〜2の硫黄原子を含む
不飽和の縮合含素環基、たとえばベンゾチエニル、ベン
ゾジチイニルなど、1つの酸素原子および1〜2の硫黄
原子を含む不飽和の縮合複素環基、たとえばベンズオキ
サチイニルなどのような複素環基が挙げられる。
前記のアシル部分は1ないし10の同種または相異なる
適当な置換基をもっていてもよく、このような置換基の
例としては、低級アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、低級アルケニル基
(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−、2
−または3−ブテニル、1−、2−、3−または4−ペ
ンテニル、1−、2−、3−、4−または5−ヘキセニ
ル等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ等)、低級アルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、エチルチオ等)、低級アルキルアミノ基(例
えば、メチルアミノ等)、シクロ(低級)アルキル基
(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、シク
ロ(低級)アルケニル基(例えば、シクロヘキセニル
等)、ハロゲン、アミノ基、保護されたアミノ基、水酸
基、保護された水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキ
シ基、保護されたカルボキシ基、スルホ基、スルファモ
イル基、イミノ基、オキソ基、アミノ(低級)アルキル
基(例えば、アミノメチル、アミノエチル等)、カルバ
モイルオキシ基、ヒドロキシ(低級)アルキル基(例え
ば、ヒドロキシメチル、1−または2−ヒドロキシエチ
ル、1−、2−または3−ヒドロキシプロピル等)、シ
アノ(低級)アルケニルチオ(例えば、シアノビニルチ
オ等)などを挙げることができる。
「保護された水酸基」における「水酸基保護基」の適
当な例としては、フェニル(低級)アルキル基(例え
ば、ベンジル等)、上記のアシル基などが挙げられる。
適当な「保護されたカルボキシ基」としてはエステル
化されたカルボキシ基が含まれる。
エステル化されたカルボキシ基のエステル部分として
の適当な例としては、少なくとも一つの適当な置換基を
もっていてもよいメチルエステル、エチルエステル、プ
ロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチ
ルエステル、ヘキシルエステル等の低級アルキルエステ
ル、たとえば低級アルカノイルオキシ(低級)アルキル
エステル(例えば、アセトキシメチルエステル、プロピ
オニルオキシメチルエステル、ブチリルオキシメチルエ
ステル、バレリルオキシメチルエステル、ピバロイルオ
キシメチルエステル、ヘキサノイルオキシメチルエステ
ル、1−または2−アセトキシエチルエステル、1−、
2−または3−アセトキシプロピルエステル、1−、2
−、3−または4−アセトキシブチルエステル、1−ま
たは2−プロピオニルオキシエチルエステル、1−、2
−または3−プロピオニルオキシプロピルエステル、1
−または2−ブチリルオキシエチルエステル、1−また
は2−イソブチルオキシエチルエステル、1−または2
−ピバロイルオキシエチルエステル、1−または2−ヘ
キサノイルオキシエチルエステル、イソブチリルオキシ
メチルエステル、2−エチルブチリルオキシメチルエス
テル、3,3−ジメチルブチリルオキシメチルエステル、
1−または2−ペンタノイルオキシエチルエステル
等)、低級アルカンスルホニル(低級)アルキルエステ
ル(例えば、2−メシルエチル等)、モノ−、ジ−また
はトリ−ハロ(低級)アルキルエステル(例えば、2−
ヨードエチルエステル、2,2,2−トリクロロエチルエス
テル等)、低級アルコキシカルボニルオキシ(低級)ア
ルキルエステル(例えば、メトキシカルボニルオキシメ
チルエステル、エトキシカルボニルオキシメチルエステ
ル、2−メトキシカルボニルオキシエチルエステル、1
−エトキシカルボニルオキシエチルエステル、1−イソ
プロポキシカルボニルオキシエチルエステル等)、フタ
リジリデン(低級)アルキルエステルまたは(5−低級
アルキル2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)
(低級)アルキルエステル[例えば、(5−メチル−2
−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルエス
テル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール
−4−イル)メチルエステル、(5−プロピル−2−オ
キソ−1,3−ジオキソール−4−イル)エチルエステル
等]など、低級アルケニルエステル(例えば、ビニルエ
ステル、アリルエステル等)、低級アルキニルエステル
(例えば、エチニルエステル、プロピニルエステル
等)、少なくとも一つの適当な置換基をもっていてもよ
いアリール(低級)アルキルエステル、たとえば非置換
また置換モノ、ジまたはトリフェニル(低級)アルキル
エステル(例えば、ベンジルエステル、4−メトキシベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、フェネ
チルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエス
テル、ビス(メトキシフェニル)メチルエステル、3,4
−ジメトキシベンジルエステル、4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルベンジルエステル等)など、少なくと
も一つの適当な置換基をもっていてもよいアリールエス
テル(例えば、フェニルエステル、4−クロロフェニル
エステル、トリルエステル、t−ブチルフェニルエステ
ル、キシリルエステル、メシチルエステル、クメニルエ
ステル等)フタリジルエステルなどを挙げることができ
る。
適当な「低級アルコキシ基」としては、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシなどが挙げられる。
「保護されたアミノ基」における「アミノ基保護基」
の適当な例としては、上記のアシル基などが挙げられ
る。
「低級アルケニル基で置換されたアリール(低級)ア
ルケノイル基」における「アリール(低級)アルケノイ
ル基」の適当な例としては、フェニル(低級)アルケノ
イル基(例えば、フェニルプロペノイル、フェニルブテ
ノイル、フェニルメタクリロイル、フェニルペンテノイ
ル、フェニルヘキセノイル等)、ナフチル(低級)アル
ケノイル基(例えば、ナフチルプロペノイル、ナフチル
ブテノイル、ナフチルペンテノイル等)などが挙げられ
る。
「低級アルケニル基で置換されたアリール(低級)ア
ルケノイル基」における「低級アルケニル基」の適当な
例としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−、
2−または3−ブテニル、1−、2−、3−または4−
ペンテニル、1−、2−、3−、4−または5−ヘキセ
ニルなどが挙げられる。
「低級アルキル基で置換されたアリール(低級)アル
カノイル基」における「アリール(低級)アルカノイル
基」の適当な例としては、フェニル(低級)アルカノイ
ル基(例えば、フェニルアセチル、フェニルプロパノイ
ル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェ
ニルペンタノイル、フェニルヘキサノイル等)、ナフチ
ル(低級)アルカノイル基(例えば、ナフチルアセチ
ル、ナフチルプロパノイル、ナフチルブタノイル等)な
どが挙げられる。
「低級アルキル基で置換されたアリール(低級)アル
カノイル基」における「低級アルキル基」の適当な例と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルな
どが挙げられる。
目的化合物(I)の望ましい具体例は次の通りであ
る。
R1は水素、アリール(低級)アルコキシカルボニル基
(さらに望ましくは、フェニル(低級)アルコキシカル
ボニル基)、低級アルカノイル基、高級アルカノイル基
(さらに望ましくはC15−C20アルカノイル基)、アロイ
ル基(さらに望ましくは、ベンゾイル基)、複素環(低
級)アルカノイル基(さらに望ましくは、チエニル(低
級)アルカノイル基)、低級アルケニル基で置換された
アリール(低級)アルケノイル基(さらに望ましくは、
低級アルケニル基で置換されたフェニル(低級)アルケ
ノイル基)または低級アルキル基で置換されたアリール
(低級)アルカノイル基(さらに望ましくは、低級アル
キル基で置換されたフェニル(低級)アルカノイル基)
であり、R2は水酸基、R3はカルボキシ基またはエステル
化されたカルボキシ基(さらに望ましくは、低級アルコ
キシカルボニル基)であるか、またはR2とR3とが互いに
結合して式 の基を表わし、R4は水酸基、アリール(低級)アルコキ
シ基(さらに望ましくは、フェニル(低級)アルコキシ
基)またはアシルオキシ基(さらに望ましくは低級アル
カノイルオキシ基)、R5は水酸基、アリール(低級)ア
ルコキシ基(さらに望ましくは、フェニル(低級)アル
コキシ基)またはアシルオキシ基(さらに望ましくは、
低級アルカノイルオキシ基)、R6は水酸基、低級アルコ
キシ基、アリール(低級)アルコキシ基(さらに望まし
くは、フェニル(低級)アルコキシ基)またはアシルオ
キシ基(さらに望ましくは低級アルカノイルオキシ
基)、 は単結合または二重結合である。
ペプチド誘導体の生物学的性質 ペプチド誘導体(I)は、P物性拮抗作用、ニューロ
キニンA(K物質)拮抗作用などの薬理活性を有し、そ
れゆえ喘息などの治療および予防に有用である。
かかる薬理活性を示す例として、若干の薬理試験デー
タを以下に示す。
(1)ラジオリガンド結合アッセイ (a)粗製膜画分受容体の調製 脳 雌性ウィスター(Wister)ラット(200g)を用いた。
試薬は全てシグマ・ケミカル社から購入した。全脳(4
g)を細かく切って小片とし、容積量で8倍の氷冷緩衝
液I(50mMトリス−HCl pH7.5、5mM MnCl2,0.02%BSA,2
μg/mlキモスタチン、4μg/mlロイペプチンおよび40μ
g/mlバシトラシン)中でウルトラ−ジスパーザー(ヤマ
トLK−21型)を用いてホモジナイズした。このホモジネ
ートを−20℃で保存するかまたは直ちに結合実験に用い
た。
肺 ハートレー系雄性アルビノモルモット(600g)を断頭
屠殺した。気管および肺を摘出し、使用時まで−80℃で
保存した。これらの組織(150g)を解凍し、500mlの緩
衝液(0.25Mスクロース、50mMトリス−HCl pH7.5,0.1mM
EDTA)中でコンパクトミキサー(松電MJ−761)を用い
てホモジナイズした。該組織を、ウルトラ−ジスパーザ
ー(ヤマトLK−21型)を用い、最大レンジにセットし
て、ホモジナイゼーション操作の間に10秒間の冷却時間
をはさんで10秒間づつホモジナイズした(合成ホモジナ
イゼーション時間:60秒間)。ホモジネートを遠心分離
(900×g、10分間)して、組織のかたまりを除去し、
上澄みを14000×gで20分間遠心分離して、ペレットを
得た。これを粗製膜画分と呼ぶ。ペレットを緩衝液Iに
懸濁し、テフロンホモジナイザーを用いてホモジナイズ
し、14000×gで20分間遠心分離した。ペレットを−20
℃で保存した。
(b)膜画分受容体への3H−P物質の結合 3H−P物質(1nM、ニューイングランド・ニュークリ
アー)を緩衝液I中で50μlの膜画分と共に、最終体積
250μlで、4℃にて30分間インキュベートした。イン
キュベーション期間が終ると、内容物を、ワットマンGF
/Bガラス繊維フィルター(使用前に0.1%ポリエチレン
イミンにより3時間前処理したもの)によりセルハーベ
スター(ブランデルM−24S)を用いてすばやく過し
た。つぎにフィルターを、0℃で、洗浄用緩衝液(50mM
トリス−HCL.pH7.5)で10回(合計3ml)洗った。パッカ
ードシンチレーションカウンター(パーカード・トライ
−カーブ4530)を用い、3mlのアクアゾール−2中で放
射能をカウントした。
(2)モルモットの気管に対するWS−9326Aまたはテト
ラヒドロ−WS−9326Aの作用 標準的手法に従って、ハートレー系雄性成熟アルビノ
モルモット(600g)から気管のらせん状条片(ストリッ
プ)を調製し、ジャケットつきの30mlガラス製器官バス
(浴容器)内に懸垂した。気管条片の張力を、ポリグラ
フ(バイオピシオグラフ180システム、三栄)に接続し
たトランスデューサーによって、定量的に測定した。気
管条片(幅2mm、長さ50mm)は、次の組成の酸素付加(9
5%O2:5%CO2)温(37℃)タイロード液を得れた30mlの
器官バス内に500mgの静止張力下に懸垂した:NaCl 137mM
(8g/)、KCl 2.7mM(0.2g/)、CaCl2・2H2O 1.8mM
(0.264g/)、MgCl2・6H2O 1.02mM(0.208g/)、Na
HCO3 11.9mM(1g/)、NaH2PO4・2H2O 0.42mM(0.066g
/)およびグルコース5.5mM(1g/)。組織を90分間
平衡化させ、つぎに各種の気管支収縮剤(P物質10-8M
およびニューロキニンA10-9M)に対してWS−9326Aまた
はテトラヒドロ−WS−9326Aを試験した。三栄レクチグ
ラフ−8Sレコーダー(三栄)により張力を記録した。
(3)ニューロキニンAおよびカプサイシンにより誘発
された気管支収縮に対するWS−9326Aまたはテトラヒド
ロ−WS−9326Aの影響 体重300〜500gのハートレー系雄性モルモットをペン
トバルビタールナトリウム(10mg/動物を腹腔内投与)
により麻酔下に固定した。ニューロキニンA(またはカ
プサイシン)および薬物投与のため、頚動脈にカニュー
レを挿入した。人工換気のため、カテーテルを気管に挿
入した。小型呼吸ポンプ(ハーバードB−34、5ml/行
程、60行程/分)により動物に呼吸させた。肺の膨張に
対する抵抗をコンゼット−レスラー(Konzett−Rssl
er)のオーバーフロー法の変法によって測定した。
作用物質を静脈内投与し、拮抗物質(0.1%メチルセ
ルロース−食塩水中に調製)を下記のように静脈内投与
した。
(4)モルモットでのニューロキニンA誘発気管支収縮
に対するWS−9326Aまたはテトラヒドロ−WS−9326Aの気
管内投与の影響 気管支収縮に対するWS−9326Aまたはテトラヒドロ−W
S−9326吸入の効果を試験するため、WS−9326Aまたはテ
トラヒドロ−WS−9326AをDMSOに溶解し、気管内に投与
した。方法は上記とほとんど同じである。
第8および9表に示されているように、WS−9326Aお
よびテトラヒドロ−WS−9326Aは広範囲に有効であっ
た。
(5)急性毒性 試験化合物を用量を変えて5匹のマウスに単回腹腔内
注射することにより、ddYマウス(5週令、雄)におけ
るWS−9326Aの急性毒性を求めた。WS−9326AのLD50値は
250mg/kgより大きく、500mg/kgより小さかった(500mg/
kg>LD50>250mg/kg)。
この発明の医薬組成物は、外用、腸管内または非経口
適用に適した有機または無機の担体または賦形剤と混合
した形でペプチド誘導体(I)を活性成分として含有す
る医薬製剤の形で、たとえば固体、半固体または液体の
形で使用できる。該活性成分は、たとえば、錠剤、ペレ
ット、カプセル、溶液、乳濁液、懸濁液、その他使用に
適した任意の形態とするための通常の、製薬上許容しう
る無毒性の担体と混合しうる。使用しうる担体は、水、
グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マ
ンニトール、でんぷんのり、三ケイ酸マグネシウム、タ
ルク、とうもろこしでんぷん、ケラチン、コロイド性シ
リカ、ばれいしょでんぷん、尿素、その他、固体、半固
体また液体の形の製剤の製造に当って使用するに適した
担体であり、さらに、助剤、安定剤、増粘剤、着色剤お
よび香料も使用できる。活性目的化合物は、疾患の過程
または状態に所望の効果を及ぼすのに十分な量だけ、該
医薬組成物に含有させる。
ペプチド誘導体(I)の治療に有効な用量は、処置す
べき各個の患者の年令および状態により異なり、またそ
れらに依存するが、1日量として約0.01〜1000mg、好ま
しくは0.1〜500mg、より好ましくは0.5〜100mgの有効成
分を疾患治療のために与えるのが一般的であり、平均一
回用量としては通常約0.5mg、1mg、5mg、10mg、50mg、1
00mg、250mgまたは500mgを投与する。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、保護基など
を、当該分野で慣用されるIUPAC−IUB(生化学命名委員
会)の略語で示すことがある。
但、以下の実施例および製造例においては、IUPAC−I
UBの採択する略語以外の他の略語もまた用いる。
本明細書において用いる略語は以下のとおりである。
Thr:L−トレオニン Ser:L−セリン Tyr:L−チロシン Asn:L−アスパラギン allo−Thr:L−アロトレオニン D−Phe:D−フェニルアラニン Leu:L−ロイシン Z:ベンジルオキシカルボニル Pac:フェナシル Bzl:ベンジル Boc:t−ブトキシカルボニル Me:メチル Tce:2,2,2−トリクロロエチル Mmp:4−メトキシメトキシフェニル Sit:t−ブチルジメチルシリル Ac:アセチル Et:エチル n−Hex:n−ヘキサン 以下に実施例および製造例をあげて、本発明を詳細に
説明する。
製造例1 醗酵 可溶性でんぷん(1%)、スクロース(1%)、グル
コース(1%)、綿実粉(1%)、ペプトン(0.5
%)、脱脂大豆粉(0.5%)および炭酸カルシウム(0.2
%)を含有する種培地(160ml)(pHは6N水酸化ナトリ
ウムで7.0に調整)を500ml容の三角フラスコ20本の各々
に注入し、120℃で30分間滅菌した。
ストレプトミセス・ビオラセオニガーNo.9326の斜面
培養の1白金耳を培値の各々に接種し、ロータリーシェ
ーカー(220rpm、行程5.1cm)上、30℃で3日間培養し
た。得られた種培養を、グリセリン(3%)、脱脂大豆
粉(0.5%)、きな粉(1.5%)、炭酸カルシウム(0.2
%)および沃化ナトリウム(NaI)(0.001%)を含有す
る200スレンテス製ジャーファーメンター中のあらか
じめ滅菌した生産培地160に接種した。通気量160/
分および回転数200rpm、30℃で3日間、培養した。
醗酵液中のWS−9326Aの量を、日立655型ポンプを用い
ての高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって定量
した。R−ODS−5充填スチールカラム(内径4.6mm、長
さ250mm)(YMC−充填カラム)を流速1.0m/分で使用し
た。
使用した移動相は、メタノールと水との混合物(8:
2)であった。HPLCアッセイ用の試料は次のようにして
調製した:等体積のアセトンを醗酵液にはげしく攪拌し
ながら加え、1時間放置し、つぎに遠心分離した。上澄
みの5μlを日立655型サンプルインジェクターに注入
した。
分離および精製 培養液(150)に攪拌下に等体積のアセトンを加え
た。混合物を室温で1時間放置したのち、過した。
液を減圧下に80まで濃縮し、1N塩酸でpHを7.0に調整
し、ついで酢酸エチル80で抽出した。抽出液を減圧下
に濃縮乾個し、シリカゲルカラム(キーゼルゲル60、70
〜230メッシュ、メルク、3)にかけた。カラムをn
−ヘキサン(10)、n−ヘキサン−酢酸エチル〔1:
1〕(10)、酢酸エチル(20)で洗い、アセトン
(6)により活性物質をカラムから溶出させた。活性
画分を減圧下に乾燥し、シリカゲル(キーゼルゲル60、
70〜230メッシュ、メルク、1.2)カラムクロマトグラ
フィーに付した。カラムをクロロホルム−メタノール
[20:1](5)で洗い、クロロホルム−メタノール
[10:1]溶液(6)で目的物質を溶出した。この画分
を減圧下に乾燥して粉末を得た。この粉末を少量のメタ
ロールに溶解し、NSゲル(日本精密、500ml)のカラム
にかけた。目的物質をメタノール−水[8:2](2)
で溶出し、減圧下に300mlに濃縮し、つぎに酢酸エチル5
00mlで抽出した。抽出液を減圧下に濃縮乾個して、粉末
(5g)を得た。この粉末(5g)をメタノール10mlに溶解
し、D−ODS−5充填スチールカラム(内径20mm、長さ2
50mm)(YMC充填カラム)を用いてのHPLCにかけ、メタ
ノールと水との混合物[8:2]により、流速9.9ml/分で
溶出した。こうして得た活性画分を減圧下に濃縮し、つ
ぎに酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧下に濃縮乾個
して、WS−9326Aの純粋な白色粉末(150mg)を得た。
製造例2 WS−9326A(300mg)のピリジン(4.5ml)溶液に、無
水酢酸(1.5ml)および4−ジメチルアミノピリジン(1
mg)を加え、反応混合物を一夜室温で放置した。反応混
合物を蒸発乾個して油状物を得て、これを調製TLC(ク
ロロホルム−メタノール(10:1))により調製した。
得られた生成物をジエチルエーテルで粉末化して、ト
リアセチル−WS−9326A(332mg)を無色の粉末として得
た。トリアセチル−WS−9326Aの物理化学的性質は次の
通りである。
(1)形状および色調:無色の粉末 (2)呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、沃素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応 (3)溶解性: 可溶:メタノール、ジメチルスルホキシド 難溶:クロロホルム、ジエチルエーテル 不溶:n−ヘキサン (4)融点:141〜143℃ (5)比旋光度:〔α〕23 D:−122゜(C=1.0,MeOH) (6)紫外線吸収スペクトル: λMeOH max283nm(ε=32,000) (7)分子式:C60H74N8O16 (8)元素分析 実験値:C 60.19,H 6.42,N 9.27 C60H74N8O16・2H2Oとしての計算値: C 60.09,H 6.56,N 9.34 (9)分子量: FAB−MS:m/z 1163.6(M+H) (10)薄層クロマトグラフィー: (11)赤外線吸収スペクトル: νKBr max=3350,3020,2950,2920,2850,1730,1650,1520,
1440,1360,1230,1200,1160,1100,1060,1040,910cm-1 (12)物質の性質: 中性物質 (13)13C核磁気共鳴スペクトル: (100MHz,CDCl3−CD3OH(10:1))δ 174.20(s),173.23(s),173.06(s),171.32
(s),171.02(s),170.84(s),169.79(s),169.
59(s),169.55(s),168,52(s),167.03(s),16
6.36(s),151.02(s),140.74(d),138.82(s),
138.74(s),137.12(s),135.23(d),133.75
(s),131.31(s),130.20(d),129.96(d)x2,12
9.34(d),129.21(d)x2,128.56(d)x2,127.24
(d),126.95(d),126.74(d),126.63(d),126.
50(d),122.10(d)x2,121.29(d),70.99(d),6
9.22(d),63.73(t),58.13(d),56.10(d),53.
22(d),52.66(d),52.18(d),49.93(d),39.75
(t),39.39(q),39.06(t),35.57(t),30.65
(t),24.26(d),23.15(q),22.79(t),21.42
(q),21.21(q),20.99(q),20.83(q),17.05
(q),16.18(q),13.82(q). 上記スペクトルのチャートを図4に示す。
(14)1H核磁気共鳴スペクトル: (400MHz,CDCl3−CD3OH)10:1))δ 8.25(1H,d,J=8Hz), 8.02(1H,d,J=8Hz), 7.88(1H,d,J=16Hz), 7.86(1H,d,J=8Hz), 7.70(1H,d,J=6Hz), 7.61(1H,d,J=8Hz), 7.45(1H,d,J=7Hz), 7.32−7.15(6H,m), 7.03(2H,d,J=8Hz), 7.00−6.94(3H,m), 6.88−6.79(4H,m), 6.70(1H,s), 6.49(1H,d,J=12Hz), 5.76(1H,dt,J=12および7.5Hz), 5.54(1H,ブロード(broad)s), 5.50−5.45(2H,m), 4.93(1H,m), 4.75(1H,m), 4.65−4.56(2H,m), 4.46(1H,dd,J=6および11Hz), 4.31(1H,t,J=6Hz), 4.22(1H,m), 4.18(1H,dd,J=8および11Hz), 3.56(3H,s), 2.90(1H,dd,J=6および16Hz), 2.85−2.80(2H,m), 2.56(1H,dd,J=4および16Hz), 2.26(3H,s), 2.00(3H,s), 1.96−1.89(2H,m), 1.85(3H,s), 1.58(1H,m), 1.35(3H,d,J=6Hz), 1.32−1.20(3H,m), 1.07(3H,d,J=6Hz), 0.84(1H,m), 0.72(3H,d,J=6Hz), 0.71(3H,t,J=7.5Hz), 0.65(3H,j,J=6Hz). 上記スペクトルのチャートを図5に示す。
製造例3 醗酵 可溶性でんぷん(1%)、スクロース(1%)、グル
コース(1%)、綿実粉(1%)、ペプトン(0.5
%)、脱脂大豆粉(0.5%)および炭酸カルシウム(0.2
%)を含有する種培地(160ml)を、500ml三角フラスコ
10本の各々に注入し、120℃で30分間滅菌した。
ストレプトミセス・ビオラセオニガーNo.9326の斜面
培養の1白金耳をそれら培地の各々に接種し、ロータリ
ーシェーカー上で(220rpm、行程5.1cm)30℃にて3日
間培養した。
得られた種培養を、500ステンレス製ジャーファー
メンター中の、可溶性でんぷん(1%)、スクロース
(1%)、グルコース(1%)、綿実粉(1%)、ペプ
トン(0.5%)、脱脂大豆粉(0.5%)、炭酸カルシウム
(0.2%)、アデカノールLG−109(消泡剤、商標:旭電
化)(0.07%)およびシリコーンKM−70(消泡剤、商
標:信越化学)(0.05%)を含有する、前もって120℃
で30分間滅菌した種培地(160)に接種した。培養
は、通気量160/分および回転数200rpm、30℃で1日
間実施した。
得られた種培養ブロス(60)を、グリセリン(3.0
%)、脱脂大豆粉(1.0%)、鶏肉骨粉(1.0%)、炭酸
カルシウム(0.2%)、沃化ナトリウム(0.001%)、ア
デカノールLG−109(0.07%)およびシリコーンKM−70
(0.05%)を含有する、前もって120℃で30分間滅菌し
た、4,000ステンレス製ジャーファーメンター中の生
産培地に接種し、通気量3,000/分および回転数100rp
mのもとに30℃で4日間培養した。
醗酵の経過を、日立655型ポンプを用いて高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)によりモニターした。逆相シ
リカゲル「YMC−充填カラムR−ODS−5」(商標、山村
化学研究所)を、流速1.0ml/分で用いた。使用した移動
相は、45%アセトニトリル水溶液であった。HPLC検定用
サンプルは次のようにして調製した:ブロスを激しく攪
拌しながら、これに等体積のアセトンを加え、混合物を
1時間放置したのち、遠心分離した。上澄みの5μlを
日立655型HPLCのインジェクターに注入した。
分離および精製 こうして得た培養ブロスを、過助剤として珪藻土
(パーライト・トプコ#34、商標、昭和化学産業)(15
kg)を使用して過した。菌体ケーキを酢酸エチル(16
00)で抽出し、抽出液を過した。液(1400)を
活性炭(白鷺KL、商標、武田薬品工業)(200)のカ
ラムにかけた。カラムを酢酸エチル(120で洗ったの
ち、酢酸エチル−メタノール[5:1]により溶出を行っ
た。活性画分(50から1030までの画分)を合せ、減
圧下に45まで濃縮した。得られた溶液に、攪拌下に、
n−ヘキサン(120)を加えた。混合物を室温で1時
間放置したのち、シリカ#600(中央シリカ)(3kg)を
過助剤として過した。こうして得たケーキをn−ヘ
キサン(15)で洗い、目的物質をメタノール(20)
で溶離させた。
溶出液を減圧下に濃縮乾固した。残渣(500g)をメタ
ノール−酢酸−ジクロロメタン[1:1:2](4)で溶
解し、シリカゲル(キーゼルゲル60、70〜230メッシ
ュ、70)のカラムにかけた。カラムをメタノール−酢
酸−ジクロロメタン[1:1:2](0.5)およびジクロロ
メタン(25)で展開した。目的物質をジクロロメタン
−メタノール[10:1]およびジクロロメタン−メタノー
ル[8:1]で溶出した。活性画分を合せ、減圧下で濃縮
した。残渣をメタノール(1)で溶解した。得られた
溶液に攪拌下にアセトニトリル(9)を加えた。混合
物を室温で1時間放置し、生じた沈殿を取した。この
沈殿工程を3回反復した。こうして得た沈殿をアセトニ
トリル(1)で洗い、乾燥して、WS−9326Aの白色粉
末(190g)を得た。これらの沈殿工程から得た液を合
せて、減圧下に濃縮乾固した。残渣(11.7g)を80%メ
タノール水溶液で溶解し、得られた溶液を活性炭(300m
l)のカラムに通した。カラムを80%メタノール水溶液
(1)で洗い、メタノール(6)で溶出を行った。
活性画分を合せ、減圧下に濃縮乾固した。残渣(3.4g)
をメタノール(12ml)で溶解した。得られた溶液を、50
%含水アセトニトリルで平衡化した逆相シリカゲルカラ
ム(YMC充填カラムR−354S−15/30(ODS)、φ50×3
00mm×2;メーカー、山村化学研究所)にかけた。カラム
を、ウォーターズHPLC(システム500)を用いて、50%
含水アセトニトリルで展開した。WS−9326Bを含有する
溶出液(3から3.5までの画分)を合せ、濃縮乾固
して、WS−9326Bの白色粉末(790mg)を得た。
製造例4 WS−9326A(100mg)のピリジン(1ml)溶液に無水酢
酸(0.01ml)を加え、混合物を一夜室温で放置した。反
応混合物を蒸発乾固して油状物を得、これを調製TLC
(クロロホルム−メタノール(9:1))により精製し
た。
得られた生成物をジエチルエーテルで粉末化して、モ
ノアセチル−WS−9326A(55mg)を無色の粉末として得
た。
モノアセチル−WS−9326Aの物理化学的性質は次の通
りである。
(1)形状および色調: 無色粉末 (2)分子式: C56H70N8O14 (3)分子量: FAB−MS:m/z 1079.4(M+H) (4)薄層クロマトグラフィー: (5)赤外線吸収スペクトル: νKBr max=3300,2920,1730,1650,1500,1360,1190,1170,
910cm-1 (6)物質の性質 中性物質 (7)1H核磁気共鳴スペクトル: (400MHz,CDCl3−CD3OD(5:1)) 上記スペクトルのチャートを図8に示す。
製造例5 WS−9326A(100mg)のピリジン(1ml)溶液に無水酢
酸(0.03ml)を加え、混合物を一夜室温で放置した。混
合物を蒸発乾固して油状物を得、これを調製TLC(クロ
ロホルム−メタノール(9:1))で精製してジアセチル
−WS−9326A(72mg)を無色粉末として得た。
ジアセチル−WS−9326Aの物理化学的性質は次の通り
である。
(1)形状および色調: 無色の粉末 (2)分子式: C58H72N8O15 (3)分子量: FAB−MS:m/z 1121.4(M+H+) (4)薄層クロマトグラフィー: (5)赤外線吸収スペクトル: νKBr max=3300,3020,2950,1730,1650,1520,1500,1360,
1200,1170,1100,1040,980,910cm-1 (6)物質の性質: 中性物質 (7)1H核磁気共鳴スペクトル: (400MHz,CDCl3−CD3OD(5:1)) 上記スペクトルのチャートを図9に示す。
実施例1 WS−9326A(100mg)をメタノール(2ml)に溶解し、
1気圧の水素の存在下、パラジウム黒(25mg)を用い室
温で4時間水素添加する。混合物を過し、液を減圧
乾固する。得られた生成物をジエチルエーテルで粉末化
して、テトラヒドロ−WS−9326A(92mg)を無色粉末と
して得る。テトラヒドロ−WS−9326Aの物理化学的性質
は下記の通りである。
(1)形状および色調:無色粉末 (2)紫外線吸収スペクトル: λMeOH max287nm(ε=13,000) (3)分子式:C54H72N8O13 (4)分子量:FAB−MS:m/z 1041.6(M+H) (5)13C核磁気共鳴スペクトル(100MHz,CD3OD): 上記スペクトルのチャートを図10に示す。
(6)1H磁気共鳴スペクトル(400MHz,CD3OD): 上記スペクトルのチャートを図11に示す。
実施例2 テトラヒドロ−WS−9326A(1100mg)のピリジン(10m
l)溶液に無水酢酸(3ml)および4−ジメチルアミノピ
リジン(3mg)を加え、反応混合物を室温で一夜静置す
る。溶液を蒸発乾固して油状物を得る。これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノー
ル(20:1))で精製する。得られた精製物をジエチルエ
ーテルで粉末化して、テトラヒドロ−トリアセチル−WS
−9326A(998mg)を無色粉末として得る。テトラヒドロ
−トリアセチル−WS−9326Aの物理化学的性質は下記の
通りである。
(1)形状および色調:無色粉末 (2)紫外線吸収スペクトル: λMeOH max280nm(ε=13,000) (3)分子式:C60H78N8O16 (4)元素分析: 実験値:C 61.03,H 6.70,N 9.41 計算値:(C60H78N8O16・H2Oとしての): C 60.80,H 6.80,N 9.45 (5)分子量:m/z 1167.6(M+H) (6)13C核磁気共鳴スペクトル: (100MHz,CDCl3)δ 173.30(s),129.23(d),172.96(s),128.95
(d)x2,172.90(s),128.61(d)x2,172.81(s),
128.52(d),170.87(s),126.80(d),170.56
(s),126.07(d),170.50(s),126.01(d),169.
46(s),125.85(d),169.16(s),121.87(d)x2,
168.48(s),70.46(d),167.99(s),69.10(d),
165.52(s),63.32(t),150.70(s),58.28(d),
140.84(s),56.19(d),138.93(s),52.63(d),
138.58(s),52.07(d),136.83(s),51.63(d),
131.04(s),49.23(d),129.71(d)x2,39.30
(t),39.17(q),22.50(t),38.31(t),21.46
(q),36.52(t),21.00(q),35.22(t),20.74
(q),32.60(t),20.63(q),31.77(t),16.77
(q),30.74(t),16.22(q),27.66(t),13.97
(q),24.08(d),22.82(q), (7)1H核磁気共鳴スペクトル (400MHz,CDCl3)δ 8.18(1H,d,J=8Hz), 7.66(1H,d,J=8Hz), 7.65(1H,d,J=8Hz), 7.29(2H,d,J=8Hz), 7.22(1H,d,J=8Hz), 7.15−7.02(12H,m), 6.96(1H,d,J=7Hz), 6.67(1H,s), 6.21(1H,ブロード s), 5.51(1H,ブロード s), 5.43(1H,m), 5.36(1H,ブロード d J=8Hz), 4.85−4.75(2H,m), 4.66−4.58(2H,m), 4.40(1H,dd,J=11および6Hz), 4.34(1H,m), 4.23(1H,dd,J=11および9Hz), 4.07(1H,m), 3.53(3H,s), 3.04−2.84(5H,m), 2.75−2.50(4H,m), 2.46(1H,dd,J=16および5Hz), 2.28(3H,s), 1.99(3H,s), 1.87(3H,s), 1.66−1.50(3H,m), 1.37−1.27(4H,m), 1.27(3H,d,J=7Hz), 1.19(1H,m), 1.03(3H,dd,J=7Hz), 0.88(1H,m), 0.84(3H,t,J=6Hz), 0.72(3H,d,J=6Hz), 0.65(3H,d,J=6Hz), 実施例3 トリアセチル−WS−9326A(100mg)をメタノール(3m
l)に溶解し、1気圧の水素の存在下、パラジウム黒(3
5mg)を用い室温で3時間水素添加する。
混合物を過し、液を減圧下に蒸発乾固する。
残渣をジエチルエーテルで粉末化して、無色粉末(90
mg)を得る。
この化合物は実施例2で得られたテトラヒドロ−トリ
アセチル−WS−9326Aと全く同一である。
上記の物理化学的性質ならびに化学構造決定を目的と
する諸研究の結果として、前記トリアセチル−WS−9326
A、モノアセチル−WS−9326A、ジアセチル−WS−9326
A、テトラヒドロ−WS−9326Aおよびテトラヒドロ−トリ
アセチル−WS−9326Aの各化学構造を以下の如く決定し
た。
トリアセチル−WS−9326A R−:(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル]プロペノイル モノアセチル−WS−9326A R−:(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル]プロペノイル ジアセチル−WS−9326A R−:(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル]プロペノイル テトラヒドロ−WS−9326A [3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル] テトラヒドロ−トリアセチル−WS−9326A R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 実施例4 出発化合物(a)(3.24g)のジクロロメタン(1000m
l)溶液にトリエチルアミン(350μl)および1−エト
キシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリ
ン(6.17g)を室温で加える。混合物を室温で24時間攪
拌後、溶媒を留去する。残渣にクロロホルムを加え、混
合物を水、1N塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
および水で洗浄する。混合物を硫酸マグネシウムで乾燥
し過後、溶媒を留去する。残渣を「ロバーカラム」
(サイズC)クロマトグラフィーに付し、3%メタノー
ル−クロロホルムで溶出する。目的化合物を含む画分を
蒸発して、目的化合(1)(1.06g)を得る。
〔α〕18 D:−95.30゜(C=0.33,CHCl3) IR(CHCl3):1160,1600,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):0.88(3H,d,J=6Hz),0.93(3H,d,J=
6Hz),1.09(3H,d,J=6.5Hz),1.37(3H,d,J=6.5Hz),
2.82(3H,s),4.87(2H,s),6.93(2H,d,J=8Hz) 実施例5 出発化合物(a)(42mg)をジクロロメタン(4ml)
およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)に溶解し、
これにN−ヒドロキシサクシンイミド(20.4mg)および
水溶性カルボジイミド塩酸塩(8.2mg)を加える。室温
で15時間攪拌後、この混合物に水溶性カルボジイミド塩
酸塩(4mg)を1.5時間間隔で出発化合物(a)が消失す
るまで加える。減圧下に溶媒を除去し、残渣を酢酸エチ
ル(10ml)に溶解後、希塩酸および水で洗浄する。硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去し、残渣を
トリフルオロ酢酸(1ml)およびアニソール(0.1ml)に
溶解する。室温で30分間攪拌後、溶媒を減圧下に留去す
る。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解
し、混合物をピリジン(40ml)に加える。室温で16時間
攪拌後、溶媒を減圧下に留去する。残渣を分取薄層クロ
マトグラフィー(Merck 5744)に対し、クロロホルム−
メタノール(10:1)で展開して、目的化合物(1)(1
5.2mg)を得る。
IR(KBr):1635,1510cm-1 NMR(CD3OD,δ):6.24(s,1H) 〔α〕20 D:18.0゜(C=0.1,MeOH) 実施例6 出発化合物(a)(240mg)をギ酸およびメタノール
(1:24、10ml)の混液中でパラジウム(200mg)を用い4
psiで7時間水素添加する。混合物を過し、液を蒸
発させて、目的化合物(1)(140mg)を得る。
IR(KBr):1730,1650,1510cm-1 〔α〕21 D:−24.04゜(C=0.1,MeOH) 実施例7 出発化合物(a)(22mg)をフッ化水素−ピリジン
(0.8ml)およびアニソール(0.2ml)の溶液に窒素ガス
バッグ中で溶解する。室温で1時間攪拌後、氷を数個こ
の混合物に加え、溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液でpH
8に調整する。混合物をダイヤイオンHP−20(10ml)カ
ラムにのせ、水洗する。生成物をメタノールで溶出し、
薄層クロマトグラフィー(Merck 5715、クロロホルム−
メタノール−水(3:1:0.1v/v))で精製して、目的化合
物(1)(13.0mg)を得る。
IR(KBr):1635,1510cm-1 NMR(CD3OD,δ):7.05(s,1H) 〔α〕20 D:−90.6゜(C=0.1,MeOH) TLC:Rf=0.35〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH−H2O(3:
1:0.1)〕 実施例8 R−:(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル]プロペノイル 出発化合物(a)(6.0mg)をジクロロメタン(1.5m
l)、ビス(ジメチルシリル)アセトアミド(30μl)
およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.3ml)に溶解し、
これに出発化合物(b)の0.02M溶液(0.4ml)を加え
る。室温で1時間攪拌後、この混合物に4−ジメチルア
ミノピリジン(0.1mg)を加える。この混合物に出発化
合物(b)を30分間間隔で出発化合物(a)が消失する
まで加える。これに希塩酸を加え、有機層を水洗する。
減圧蒸留後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(Merc
k 5715)に付し、クロロホルム−メタロール−水(65:2
5:4v/v)で展開して、目的化合物(1)を得る。この化
合物は製造例1で得られたWS−9326Aと同一である。
実施例9 R−:ステアロイル(オクタデカノイル) 出発化合物(a)(11mg)のピリジン(1ml)溶液に
出発化合物(b)のジクロロメタン(0.6ml)中0.02M溶
液を加える。室温で1時間攪拌後、この混合物に出発化
合物(b)を1時間間隔で出発化合物(a)が消失する
まで加える。この混合物にメタノール(2ml)を加え、
溶媒を減圧留去する。残渣を酢酸エチル(10ml)に溶解
し、希塩酸および水で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を減圧留去する。残渣を分取薄層クロマトグ
ラフィー(Merck 5715)に付し、クロロホルム−メタノ
ール−水(3:1:0.1v/v)で展開して、目的化合物(1)
(2.0mg)を得る。
IR(KBr):1640.1510cm-1 実施例10 R−:(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)
フェニル]プロペノイル 出発化合物(a)(49.7mg)のピリジン(1ml)溶液
に出発化合物(b)のジクロロメタン(1.2ml)中0.1M
溶液を窒素雰囲気中で加え、混合物を室温で3.5時間攪
拌する。反応混合物に酢酸エチルを加え、混合物を水、
7%酢酸、水および飽和食塩水で洗浄する。硫酸マグネ
シウムで乾燥し、過後、溶媒を留去し、残渣を分取薄
層クロマトグラフィー(0.5mm×2)に付し、20%メタ
ノール−クロロホルムで展開して、目的化合物(1)
(20.6mg)を得る。この化合物は製造例3で得られたWS
−9326Bと同一である。
実施例11 実施例10と同様にして下記化合物を得る。
(1)R−:ベンゾイル 〔α〕21 D:−45.8゜(C=0.74,MeOH) mp:176−178℃ TLC:Rf=0.48〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH(5:1)〕 IR(KBr):1720(ショルダー),1655,1640cm-1 (2)R−:2−(2−チエニル)アセチル 〔α〕23 D:−16.8゜(C=0.73,MeOH) mp:160−163℃ TLC:Rf=0.24〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH(5:1)〕 IR(KBr):1720(ショルダー),1650cm-1 (3)R−:アセチル 〔α〕21 D:−37.4゜(C=0.72,MeOH) mp:231−233℃ TLC:Rf=0.41〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH(5:1)〕 IR(KBr):1720(ショルダー),1650cm-1 実施例12 出発化合物(a)(100mg)のピリジン(1ml)溶液に
無水酢酸(11μl)を加え、混合物を室温で一夜静置す
る。
混合物を蒸発乾固して油状物を得る。これを分取薄層
クロマトグラフィー(CHCl3−MeOH(9:1))で精製し
て、目的化合物(1)(52mg)を得る。
TLC:Rf=0.17〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH(10:1)〕 IR(ヌジョール):3300,1760,1730,1650,1530,1510,120
0,1160,1070,910cm-1 実施例13 R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 出発化合物(a)(100mg)のピリジン(1ml)溶液に
無水酢酸(25μl)を加え、混合物を室温で一夜静置す
る。
混合物を蒸発乾燥して油状物を得る。これを分取薄層
クロマトグラフィー(CHCl3−MeOH(9:1))に付して、
目的化合物(1)(78mg)を得る。
TLC:Rf=0.36〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH(10:1)〕 IR(ヌジョール):3300,1760,1740,1650,1540,1510,130
0,1220,1200,1170,1050,920cm-1 実施例14 R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 出発化合物(a)(0.2g)のメタノール(3ml)溶液
にジアゾメタンのジエチルエーテル溶液(3ml)を加え
る。5分間攪拌後、溶媒を減圧下に留去する。残渣を分
取薄層クロマトグラフィー(Merck 5744)に付し、20%
メタノール−クロロホルムで展開して、目的化合物
(1)(45mg)を得る。
IR(ヌジョール):3300,1730,1645,1530,1510cm-1 実施例15 R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 出発化合物(a)(1.0g)のメタノール(15ml)溶液
に1N−水酸化ナトリウム(5ml)を0℃で加える。1時
間攪拌後、これに1N−塩酸(5ml)を加える。溶媒を減
圧下に留去し、残渣を酢酸エチル(20ml)および希塩酸
(30ml)の混合物に溶解する。有機層を食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に蒸発させる。
得られた固形物を酢酸エチルで洗浄して、目的化合物
(1)(0.95g)を得る。
IR(ヌジョール):3300,1710(ショールダー),1645,15
10cm-1 実施例16 R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 出発化合物(a)(1.0g)をメタノール(2ml)およ
び酢酸エチル(20m)に溶解し、これに10%トリメチル
シリルジアゾメタンのn−ヘキサン溶液(2ml)を加え
る。5分間攪拌後、溶媒を減圧下に留去する。残渣をシ
リカゲル(Merck 7734)(20g)カラムにのせ、クロロ
ホルム−メタノール(10:1、v/v)で溶出して、目的化
合物(1)(0.55g)を固形物として得る。
IR(ヌジョール):3300,1735,1645,1530,1510cm-1 製造例6 出発化合物(a)(2.53g)、メタノール(10ml)お
よび水(3ml)の溶液に炭酸セシウム(1.63g)を加え
る。溶媒を除去後、残渣をN,N−ジメチルホルムアミド
に溶解し、混合物を臭化フェナシル(1.92g)に加え
る。混合物を室温で30分間攪拌する。溶媒を留去し、残
渣を酢酸エチルに溶解し、水洗する。混合物を硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、過後、溶媒を留去して、目的化合
物(1)(3.7g)の結晶を得る。
〔α〕20 D:−20.3゜(C=1,CHCl3) IR(ヌジョール):1745,1670,1545cm-1 製造例7 出発化合物(a)(1.48g)および出発化合物(b)
(2.5g)をジクロロメタン(80ml)に溶解し、これに1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩(0.764g)および4−ジメチルアミノピ
リジン(0.488g)を0℃で加える。6時か攪拌後、溶媒
を留去する。残渣を酢酸エチルに溶解し、混合物を水、
1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄
する。硫酸マグネシウムで乾燥し、過後、溶媒を留去
して、目的化合物(1)(2.58g)を得る。
〔α〕20 D:+9.76゜(C=0.3,CHCl3) IR(CHCl3):1755,1720,1705,1505cm-1 NMR(CDCl3,δ):1.37(3H,d,J=6Hz),1.45(9H,s),
3.70(1H,m),3.88(1H,m),4.52(2H,m),4.23(1H,
m),5.17(2H,s),5.37(2H,s) 製造例8 出発化合物(a)を90%酢酸水溶液(100ml)に溶解
し、これに亜鉛粉末(11g)を攪拌下に加え、混合物を
氷冷下に2時間、室温で1時間攪拌する。混合物を過
後、液を濃縮し、クエン酸でpH2に調整後、酢酸エチ
ルで抽出する。抽出物を硫酸マグネシウム乾燥し、過
後、溶媒を留去する。残渣を石油エーテルで洗浄して、
目的化合物(1)(5.4g)を得る。
NMR(CDCl3,δ):1.30(3H,d,J=6Hz),1.40(9H,s),
3.60(1H,m),3.82(1H,m) 製造例9 出発化合物(a)(7.7g)のジクロロメタン(60ml)
溶液に2,2,2−トリクロロエタノール(2.105ml)、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(4.2g)および4−ジメチルアミノピリジ
ン(244mg)を攪拌下0℃で加え、混合物を同温で1時
間攪拌後、蒸発させる。残渣を酢酸エチルに溶解し、
水、1N塩酸、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄する。混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、過
後、液を蒸発させて、目的化合物(1)(9.37g)を
得る。
〔α〕19 D:−29.84゜(C=0.4,CHCl3) IR(CHCl3):1755,1690,1610,1510cm-1 製造例10 出発化合物(a)(9.3g)を0℃に冷却し、トリフル
オロ酢酸(15ml)に加える。混合物を0℃で30分間攪拌
し、蒸発させる。残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和
炭酸水素ナトリムウ水溶液および水で洗浄する。硫酸マ
グネシウムで乾燥し、過後、溶媒を留去して、目的化
合物(6g)を得る。
NMR(CDCl3,δ):2.45(3H,s),3.03(2H,m),3.62(1
H,t,J=7Hz),4.75(2H,m),5.06(2H,s),6.94(2H,d,
J=8Hz),7.15(2H,d,J=8Hz),7.3−7.5(5H,m) 実施例11 出発化合物(a)(4.07g)および出発化合物(b)
(4.70g)のジクロロメタン(40ml)溶液に1−エトキ
シカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン
(2.8g)の加え、混合物を室温で24時間攪拌する。溶媒
を留去し、残渣を酢酸エチルに溶解後、1N塩酸、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。硫酸
マグネシウムで乾燥し、過後、溶媒を留去して、目的
化合物(1)(4.35g)を得る。
〔α〕20 D:−27.88゜(C=0.12,CHCl3) IR(CHCl3):1750,1710,1655,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):1.18(3H,d,J=6Hz),1.36(9H,s),
2.92(3H,s),4.69(2H,s),4.91(2H,s),5.01(2H,
s),6.80(2H,d,J=8Hz),7.02(2H,d,J=8Hz) 製造例12 出発化合物(a)(4.35g)を0℃に冷却し、トリフ
ルオロ酢酸(20ml)に加える。混合物を0℃で45分間攪
拌後、溶媒を留去する。残渣を酢酸エチルに溶解し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。溶液
を硫酸マグネシウムで乾燥し、過後、溶媒を留去す
る。残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解する。この
溶液にBoc−Asn(1.2g)、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(990mg)
および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(700mg)を
加える。混合物を0℃で4時間攪拌し、1N塩酸、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄後、溶媒を
留去して、目的化合物(1)(4.75g)を得る。
〔α〕20 D:−15.7゜(C=0.1,CHCl3) IR(KBr):1740,1690,1645,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):1.25(3H,d,J=6Hz),1.43(9H,s),
3.00(3H,s),2.55(1H,m),2.80(1H,m),3.05(1H,
m),3.37(1H,m),3.62(1H,m),3.82(1H,m),6.88(2
H,d,J=8.5Hz),7.09(2H,d,J=8.5Hz) 製造例13 製造例12と同様にして出発化合物(a)を反応させて
目的化合物(1)を得る。
〔α〕22 D:−13.04゜(C=0.11,CHCl3) IR(KBr):1740,1700,1655,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):1.18,1.27(それぞれ3H,d,J=6Hz),
1.43(9H,s),2.52(1H,m),2.80(1H,m),3.00(3H,
s),3.36(1H,m),4.99(2H,s),6.87(2H,d,J=8Hz),
7.10(2H,d,J=8Hz) 製造例14 製造例12と同様にして出発化合物(a)を反応させて
目的化合物(1)を得る。
〔α〕21 D:−15.19゜(C=0.1,CHCl3) IR(KBr):1740,1650,1635,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):1.11(3H,d,J=6Hz),1.27(3H,d,J=
6Hz),1.33(9H,s),3.01(3H,s),4.72(2H,s),4.98
(2H,s),6.87(2H,d,J=8Hz),7.10(2H,d,J=8Hz) 製造例15 製造例12と同様にして出発化合物(a)を反応させて
目的化合物(1)を得る。
〔α〕21 D:−19.07゜(C=0.1,CHCl3) IR(KBr):1740,1635,1510cm-1 NMR(CDCl3,δ):0.81(6H,m),1.13,1.28(それぞれ3
H,d,J=6Hz),1.40(9H,s),3.02(3H,s),4.96(2H,
s),6.87,7.09(それぞれ2H,d,J=8Hz) 製造例16 出発化合物(a)(4.2g)を90%酢酸水溶液(80ml)
に溶解し、これに亜鉛粉末(9g)を0℃で加え、混合物
を0℃で2時間、室温で1時間攪拌する。混合物を過
後、液を濃縮する。残渣にクロロホルムを加え、混合
物を1N塩酸および水で洗浄する。混合物を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、過後、溶媒を留去する。残渣をシリカ
ゲル(150g)カラムクロマトグラフィーに付し、2%メ
タノール−クロロホルム、次いで8%メタノール−クロ
ロホルムで溶出する。目的化合物を含む画分を蒸発させ
て、目的化合物(1)(3.4g)を得る。
〔α〕21 D:−23.42゜(C=0.1,MeOH3) IR(KBr):1635,1510cm-1 製造例17 出発化合物(a)(3.4g)を0℃に冷却後、トリフル
オロ酢酸(20ml)に加える。混合物を0℃で1時間攪拌
後、溶媒を留去する。残渣を塩化水素のジオキサン溶液
に溶解し、ついで蒸発させる。残渣をクロロホルムに溶
解し、水洗する。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、
過後、溶媒を留去して、目的化合物(1)(3.27g)を
得る。
〔α〕21 D:−18.87゜(C=0.12,MeOH) IR(KBr):1650,1510cm-1 製造例18 水酸化カリウム(26.8g)のエタノール(500ml)溶液
にグリシン(14.6g)および4−メトキシメトキシベン
ズアルデヒド(48.5g)を室温で加える。19時間攪拌
後、溶媒を減圧下に留去する。残渣を水に溶解し、塩酸
で酸性にする。溶液を酢酸エチルで洗浄し、炭酸水素ナ
トリウムでpH6.0に調整する。析出する白色固形物を集
めて、O−メトキシメチル−β−ヒドロキシチロシン
(9.2g)を得る。
mp:164−166℃ IR(KBr)1610cm-1 製造例19 O−メトキシメチル−β−ヒドロキシチロシン(21.0
g)の1N水酸化ナトリウム(250ml)溶液に硫酸ジメチル
(16.5g)を加える。90℃で20分間攪拌後、溶液を氷浴
中希塩酸で酸性にする。この酸性溶液をジエチルエーテ
ルで洗浄し、1N水酸化ナトリウムでpH6.0に調整する。
蒸発後、固形物を取して、O−メトキシメチル−N−
メチル−β−ヒドロキシチロシン(5.2g)を得る。
mp:177−178℃ IR(KBr):3100,1600cm-1 製造例20 O−メトキシメチル−N−メチル−β−ヒドロキシチ
ロシン(15.1g)およびビス(トリメチルシリル)アセ
トアミド(25ml)のジクロロメタン(150ml)溶液に塩
化2−ニトロフェニルスルフェニル(11.2g)のジクロ
ロメタン(50ml)溶液を加える。0℃で2時間撹拌後、
この溶液にビス(トリメチルシリル)アセトアミド(10
ml)および塩化2−ニトロフェニルスルフェニル(5.6
g)を加える。混合物を室温で3時間攪拌後、1N−水酸
化ナトリウム(200ml)に加える。有機層を水(300ml)
洗し、水溶液を合わせる。水溶液を希塩酸で酸性にし、
酢酸エチル(300ml)で抽出する。抽出物を水(100ml×
3)洗し、溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧下に留去して、O−メトキシメチル−N−メチル−N
−(2−ニトロフェニルチオ)−β−ヒドロキシチロシ
ン(20.5g)を得る。
mp:59−60℃ IR(KBr):3400,1700cm-1 製造例21 O−メトキシメチル−N−メチル−N−(2−ニトロ
フェニルチオ)−β−ヒドロキシチロシン(20.0g)の
酢酸エチル(100ml)溶液にジアゾメタン−ジエチルエ
ーテル(80ml)を加える。10分間攪拌後、溶媒を減圧下
に留去する。残渣をシリカゲルカラム(Merck 7734:500
g)にのせ、クロロホルムで溶出して、O−メトキシメ
チル−N−メチル−N−(2−ニトロフェニルチオ)−
β−ヒドロキシチロシンメチルエステル[スレオ(thre
o)体:8.82g、エリスロ(erythro)体:6.63g]を得る。
スレオ体 IR(液膜):3500,2950,1735cm-1 TLC:Rf=0.40〔Merck Art 5715,AcOEt−nHex(1:1)〕 エリスロ体 IR(液膜):3500,2950,1735cm-1 TLC:Rf=0.31〔Merck Art 5715,AcOEt−nHex(1:1)〕 製造例22 O−メトキシメチル−N−メチル−N−(2−ニトロ
フェニルチオ)−β−ヒドロキシチロシンメチルエステ
ル(エリスロ体)(3.85g)のジクロロメタン(30ml)
溶液にトリエチルアミン(1.38g)、4−ジメチルアミ
ノピリジン(0.45g)および塩化ベンゾイル(1.92g)を
加える。室温で16時間攪拌後、この混合物に3−ジメチ
ルアミノプロピルアミン(3.3g)を加え、溶媒を減圧下
に留去する。残渣を酢酸エチル(30ml)に溶解し、希塩
酸、炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。蒸
発後、残渣をシリカゲル(Merck 7734,150g)のカラム
にのせ、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:2v/v)で溶出し
て、O−メトキシメチル−N−メチル−N−(2−ニト
ロフェニルチオ)−β−ベンゾイルオキシチロシンメチ
ルエステル(エリスロ体)(4.49g)を得る。
IR(液膜):2950,1740cm-1 TLC:Rf=0.23(Merck Art 5715,酢酸エチル:n−ヘキサ
ン=1:2) 製造例23 製造例22と同様にして下記化合物を得る。O−メトキ
シメチル−N−メチル−N−(2−ニトロフェニルチ
オ)−β−ベンゾイルオキシチロシンメチルエステル
(スレオ体) mp114−115℃ IR(CHCl3):2950,1740cm-1 TLC:Rf=0.26(Merck Art 5715,酢酸エチル:n−ヘキサ
ン=1:2) 製造例24 O−メトキシメチル−N−メチル−N−(2−ニトロ
フェニルチオ)−β−ベンゾイルオキシチロシンメチル
エステル(スレオ体)(4.94g)のジクロロメタン(50m
l)溶液にチオフェノール(4.8ml)およびトリフルオロ
酢酸(2.5ml)を0℃で加える。30分間攪拌後、この混
合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。有機層を炭
酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄する。蒸発
後、残渣をシリカゲル(Merck 7734,100g)のカラムに
のせ、5%メタノール−クロロホルムで溶出して、O−
メトキシメチル−N−メチル−β−ベンゾイルオキシチ
ロシンメチルエステル(スレオ体)(0.32g)を得る。
TLC:Rf=0.31(Merck Art 5715,AcOEt:n−Hex=1:1) 製造例25 製造例24と同様にして下記化合物を得る。
O−メトキシメチル−N−メチル−β−ベンゾイルオキ
シチロシンメチルエステル(エリスロ体) TLC:Rf=0.25(Merck Art 5715,AcOEt:n−Hex=1:1) 製造例26 N−ベンジルオキシカルボニル−L−トレオニン(3.
7g)および0−メトキシメチル−N−メチル−β−ベン
ゾイルオキシチロシンメチルエステル(スレオ体)(3.
11g)のジクロロメタン(50ml)溶液に1.2−ジヒドロ−
2−エトキシ−1−キノリンカルボン酸エチル(2.9g)
を加える。室温で20時間攪拌後、溶媒を減圧下で留去す
る。残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、希塩酸、炭酸
水素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。蒸発後、残
渣をシリカゲル(Merck 7734,100g)カラムにのせ、n
−ヘキサン−酢酸エチル(1:1v/v)で溶出して、N−
(N−ベンジルオキシカルボニル−L−トレオニル)−
O−メトキシメチル−N−メチル−β−ベンゾイルオキ
シチロシンメチルエステル(スレオ体)(2.04g)を得
る。
IR(液膜):3400,2950,1740(ショールダー),1720cm-1 TLC:Rf=0.36(Merck Art 5715,MeOH:CHCl3=3:97) 製造例27 製造例26と同様にして下記化合物を得る。N−(N−
ベンジルオキシカルボニル−L−トレオイル)−O−メ
トキシメチル−N−メチル−β−ベンゾイルオキシチロ
シンメチルエステル(エリスロ体) IR(液膜):2950,1740,1730(ショールダー)cm-1 TLC:Rf=0.23(Merck Art 5715,AcOEt:n−Hex=1:2) 製造例28 β−ベンゾイルオキシ−N−(N−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−トレオニル)−O−メトキシメチル−N
−メチルチロシンメチルエステル(スレオ体)(1.20
g)のトルエン(20ml)溶液に1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデク−7−エン(0.30g)を加える。室温で0.
5時間攪拌後、これに7%塩酸(10ml)を加える。有機
層を水および炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去
して、目的化合物(1)(0.95g)を得る。
IR(液膜):3400,2950,1720cm-1 〔α〕22 D:−7.7゜(C=0.64,MeOH) また、β−ベンゾイルオキシ−N−(N−ベンジルオ
キシカルボニル−L−トレオニル)−O−メトキシメチ
ル−N−メチルチロシンメチルエステル(スレオ体)を
用いる代わりにβ−ベンゾイルオキシ−N−(N−ベン
ジルオキシカルボニル−L−トレオニル)−O−メトキ
シメチル−N−メチルチロシンメチルエステル(エリス
ロ体)を反応させても目的化合物(1)を得る。
製造例29 出発化合物(a)(1.0g)のN,N−ジメチルホルムア
ミド(10ml)溶液に塩化t−ブチルジメチルシリル(0.
75g)およびイミダゾール(0.34g)を加える。室温で16
時間攪拌後、これに酢酸エチル(30ml)および氷(50
g)を加える。有機層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム水
溶液および水で洗浄する。溶媒を減圧下に留去する。残
渣をシリカゲル(Merck 7734,30g)のカラムにのせ、ク
ロロホルムで溶出して、目的化合物(1)(1.21g)を
得る。
IR(液膜):2950,1720cm-1 〔α〕22 D:−55.9゜(C=0.56,MeOH) 製造例30 出発化合物(a)(0.95g)溶液に1N水酸化ナトリウ
ム水溶液(4.8ml)を加える。30℃で2日間攪拌後、溶
媒を減圧下に留去する。残渣を酢酸エチル(20ml)に溶
解し、希塩酸および水で洗浄する。蒸発させて、目的化
合物(1)(0.81g)を得る。
IR(液膜):3300,2950,1720,1700(ショールダー)cm-1 〔α〕22 D:−82.9゜(C=1.06,MeOH) 製造例31 出発化合物(a)(1.60g)および出発化合物(b)
(5.50g)のジクロロメタン(50m)中混合物にトリエチ
ルアミン(1.25g)および1,2−ジヒドロ−2−エトキシ
−1−キノリンカルボン酸エチル(3.04g)を加える。
室温で15時間攪拌後、白色固形物を去し、液に出発
化合物(b)(2.23g)、トリエチルアミン(0.50g)お
よび1,2−ジヒドロ−2−エトキシ−1−キノリンカル
ボン酸エチル(1.24g)を加える。混合物を18時間攪拌
し、溶媒を減圧下に留去する。残渣を酢酸エチル(50m
l)に溶解し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液およ
び水で洗浄する。減圧下に蒸発後、残渣をシリカゲル
(Merck 7734,100g)のカラムにのせ、n−ヘキサン−
酢酸エチル(2:1v/v)で溶出して、目的化合物(1)
(0.87g)を得る。
IR(液膜):2950,1760,1740(ショールダー),1720,166
0cm-1 〔α〕20 D:−31.5゜(C=1.07,MeOH) 製造例32 出発化合物(a)(0.85g)をトルエン(100ml)およ
びアセトン(10ml)に溶解し、これに紫外線ランプ(10
0V)を用いて0℃で1.5時間照射する。蒸発後、残渣を
シリカゲル(Merck 7734,50g)のカラムにのせ、n−ヘ
キサン−酢酸エチル(2:1v/v)で溶出して、目的化合物
(1)(0.18g)を得る。
TLC:Rf=0.22(Merck Art 5715,n−Hex:AcOEt=2:1) IR(KBr):3300,1740(ショールダー),1640cm-1 製造例33 出発化合物(a)(0.17g)を67%酢酸水溶液(10m
l)に溶解する。25℃で28時間攪拌後、溶媒を減圧下に
留去する。残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解し、炭酸水
素ナトリウム水溶液および水で洗浄する。濃縮後、残渣
をn−ヘキサンで洗浄し、溶媒を減圧下に留去して、目
的化合物(1)(0.15g)を得る。
IR(KBr):3250,1740(ショールダー),1635cm-1 TLC:Rf=0.18(Merck Art 5715,n−Hex:AcOEt=1:1) 製造例34 出発化合物(a)(0.14g)のジクロロメタン(5ml)
溶液に出発化合物(b)(0.10g)、水溶性カルボジイ
ミド塩酸塩(65mg)および4−ジメチルアミノピリジン
(4mg)を加える。室温で12時間攪拌後、この混合物に
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(50mg)を加え、
減圧下に溶媒を留去する。残渣を酢酸エチル(20ml)に
溶解し、希塩酸および水で洗浄する。蒸発後、残渣をシ
リカゲル(Merck 7734,10g)カラムにのせ、n−ヘキサ
ン−酢酸エチル(1:1v/v)で溶出して、目的化合物
(1)(0.16g)を得る。
IR(KBr):3300,1700,1640,1495cm-1 TLC:Rf=0.38(Merck Art 5715,n−Hex:AcOEt=1:1) 製造例35 出発化合物(a)(145mg)をジオキサン(3ml)とア
ニソール(0.1ml)の混液に溶解した4N塩化水素溶液に
溶解する。室温で30分間攪拌後、減圧下に溶媒を留去す
る。残渣をジクロロメタン(3ml)に溶解する。この溶
液にN−t−ブトキシカルボニル−L−アスパラギン
(35mg)、トリエチルアミン(13mg)、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(18mg)および水溶性カルボジイミ
ド塩酸塩(29mg)を加える。室温で1時間攪拌後、この
混合物に7%塩酸(5ml)を加える。有機層を水洗す
る。蒸発後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(Merc
k 5744)に付し、6%メタノール−クロロホルムで展開
して、目的化合物(1)(110mg)を得る。
IR(KBr):3300,1650,1505cm-1 TLC:Rf=0.44(Merck Art 5715,CHCl3:MeOH=10:1) 製造例36 出発化合物(a)(105mg)をジオキサン(3ml)とア
ニソール(0.1ml)の混液に溶解した4N塩化水素溶液に
溶解する。室温で30分間攪拌後、減圧下に溶媒を留去す
る。残渣をジクロロメタン(3ml)に溶解する。この溶
液にN−t−ブトキシカルボニル−L−アロトレオニン
(22mg)、トリエチルアミン(9mg)、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(12mg)および水溶性カルボジイミ
ド塩酸塩(19mg)を加える。室温で8時間攪拌後、この
混合物に7%塩酸(5ml)を加える。有機層を水洗す
る。蒸発後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(Merc
k 5744)に付し、6%メタノール−クロロホルムで展開
して、目的化合物(1)を得る。
TLC:Rf=0.73(Merck Art 5715,CHCl3:MeOH=5:1) IR(KBr):3300,1740(ショールダー),1650,1500cm-1 製造例37 出発化合物(a)(58.5mg)を90%酢酸水溶液(1m
l)に溶解し、これに亜鉛粉末(30mg)を加える。室温
で9時間攪拌後、この混合物に亜鉛粉末(30mg)を1時
間々隔で出発化合物(a)が消失するまで加れる。過
後、減圧下に溶媒を留去する。残渣を酢酸エチル(10
m)に溶解し、水洗後、減圧下に蒸発させる。残渣を分
取薄層クロマトグラフィー(Merck 5744)に付し、酢酸
エチル−アセトン−酢酸−水(6:3:1:1v/v)で展開し
て、目的化合物(1)(43.5mg)を得る。
IR(KBr):3300,1650,1505cm-1 TLC:Rf=0.16〔Merck Art 5715,CHCl3−MeOH−AcOH(1
0:1:0.1)〕 製造例38 フタルアルデヒド(6.7g)のジクロロメタン(30ml)
溶液にエトキシカルボンメチレントリフェニルホスホラ
ン(17.42g)を加え、混合物を室温で30分間攪拌する。
溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルに溶解する。混
合物を過後、液を蒸発させる。残渣を減圧蒸留(12
5℃,0.6mmHg)に付して、(E)−3−(2−ホルミル
フェニル)プロペン酸エチルエステル(6g)を得る。
NMR(CDCl3,δ):1.24(3H,t,J=6.5Hz),4.19(2H,q,J
=6.5Hz),6.28(1H,d,J=15Hz),7.5(3H,m),7.77(1
H,m),8.43(1H,d,J=15Hz),10.18(1H,s) 製造例39 ブチルトリフェニルホスホニウム=ブロミド(3.2)
のテトラヒドロフラン(50m)溶液にチッ素雰囲気下に
カリウムt−ブトキシド(900mg)を加え、混合物を室
温で30分間攪拌する。(E)−3−(2−ホルミルフェ
ニル)プロペン酸エチルエステル(2.0g)のテトラヒド
ロフラン(30ml)溶液をこの混合物に加え、1時間攪拌
する。溶媒を留去後、残渣をジエチルエーテルに溶解
し、食塩水および水で洗浄する。溶液を硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、過後、蒸発させる。残渣をシリカゲル
(100g)カラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサ
ンと酢酸エチルの混合溶媒(3:1)で溶出する。目的化
合物を含む画分を蒸発させて、(E)−3−[2−
((Z)−1−ペンテニル)フェニル]プロペン酸エチ
ルエステル(2.00g)を得る。
NMR(CDCl3,δ):0.88(3H,t,J=7Hz),1.34(3H,t,J=
6.5Hz),1.42(2H,m),2.05(2H,m),4.27(2H,q,J=6.
5Hz),5.85(1H,d,t,J=7,11Hz),6.39(1H,d,J=16H
z),6.56(1H,d,J=11Hz),7.3(3H,m),7.61(1H,m),
7.92(1H,d,J=16Hz) 製造例40 (E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)フェ
ニル]プロペン酸エチルエステル(2g)を20%メタノー
ル水溶液に溶解し、これに水酸化カリウム(2.3g)を加
える。混合物を60℃で2時間撹拌し、塩酸でpH1に調整
後、酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫酸マグネシウム
で乾燥し、過後、溶媒を留去する。残渣をn−ヘキサ
ンと酢酸エチルの混合物(4:1)に溶解する。溶液をジ
シクロヘキシルアミン(1.63ml)に加えて結晶を得る。
これを酢酸エチルに溶解し、1N硫酸で洗浄する。溶液を
硫酸マグネシウムで乾燥し、過後、蒸発させて、
(E)−3−[2−(Z)−1−ペンテニル)フェニ
ル]プロペン酸(0.92g)を得る。
IR(ヌジョール):1690,1680,1620cm-1 製造例41 (E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)フェ
ニル]プロペン酸(1.08g)をジクロロメタン(10m
l)、塩化オキサリル(0.5ml)およびN,N−ジメチルホ
ルムアミド(0.05ml)の混合物に溶解する。チッ素雰囲
気下室温で1時間攪拌後、溶媒を留去する。残渣をn−
ヘキサンに溶解し、混合物を過する。液を蒸発させ
て、(E)−3−[2−((Z)−1−ペンテニル)フ
ェニル]プロペノイル−クロリド(1.15g)を得る。
IR(ニート):1750,1730,1605,1585cm-1 NMR(CDCl3,δ):0.88(3H,t,J=6.5Hz),1.45(2H,
m),2.06(2H,m),5.95(1H,dt,J=11,7Hz),6.58(1H,
d,J=11Hz),6.66(1H,d,J=16Hz),7.4(3H,m),7.69
(1H,m),8.12(1H,d,J=16Hz) 実施例17 実施例9と同様にして下記化合物を得る。
R−:3−(2−ペンチルフェニル)プロパノイル 分子量:FAB−MS:m/z 1041.6(M+H)
【図面の簡単な説明】
図1はWS−9326Aの赤外線吸収スペクトルを表わす。 図2はWS−9326Aの13C核磁気共鳴スペクトルを表わす。 図3はWS−9326Aの1H核磁気共鳴スペクトルを表わす。 図4はトリアセチル−WS−9326Aの13C核磁気共鳴スペク
トルを表わす。 図5はトリアセチル−WS−9326Aの1H核磁気共鳴スペク
トルを表わす。 図6はWS−9326Bの13C核磁気共鳴スペクトルを表わす。 図7はWS−9326Bの1H核磁気共鳴スペクトルを表わす。 図8はモノアセチル−WS−9326Aの1H核磁気共鳴スペク
トルを表わす。 図9はジアセチル−WS−9326Aの1H核磁気共鳴スペクト
ルを表わす。 図10はテトラヒドロ−WS−9326Aの13C核磁気共鳴スペク
トルを表わす。 図11はテトラヒドロ−WS−9326Aの1H核磁気共鳴スペク
トルを表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 達 茨城県つくば市並木4―13―1 (72)発明者 重松 伸治 茨城県つくば市梅園2―5―4―601 審査官 平山 美千恵 (56)参考文献 特開 平1−304888(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: (式中、R1は水素または(E)−3−[2−((Z)−
    1−ペンテニル)フェニル]プロペノイル以外のアシル
    基であり、R2は水酸基、R3はカルボキシ基または保護さ
    れたカルボキシ基であるか、またはR2とR3とが互いに結
    合して式 の基を表わし、R4は水酸基または保護された水酸基、R5
    は水酸基または保護された水酸基、R6は水酸基、保護さ
    れた水酸基または低級アルコキシ基、 は単結合または二重結合である)で示される化合物およ
    び医薬として許容されるその塩。
  2. 【請求項2】R1が水素、アリール(低級)アルコキシカ
    ルボニル基、低級アルカノイル基、高級アルカノイル
    基、アロイル基、複素環(低級)アルカノイル基、また
    は低級アルキル基で置換されたアリール(低級)アルカ
    ノイル基である請求項(1)記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が水素、フェニル(低級)アルコキシカ
    ルボニル基、低級アルカノイル基、C15−C20アルカノイ
    ル基、ベンゾイル基、チエニル(低級)アルカノイル
    基、または低級アルキル基で置換されたフェニル(低
    級)アルカノイル基である請求項(2)記載の化合物。
  4. 【請求項4】R1が低級アルキル基で置換されたフェニル
    (低級)アルカノイル基、R2とR3とが互いに結合して式 の基を表わし、R4が水酸基、R5が水酸基、R6が水酸基、 が二重結合である請求項(3)記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1が3−(2−ペンチルフェニル)プロパ
    ノイル基である請求項(4)記載の化合物。
  6. 【請求項6】下記構造式 (式中、R1は請求項(5)と同じ)で示される請求項
    (5)記載の化合物。
  7. 【請求項7】一般式: (式中、R2は水酸基、R3はカルボキシ基または保護され
    たカルボキシ基であるか、またはR2とR3とが互いに結合
    して式 の基を表わし、R4は水酸基または保護された水酸基、R5
    は水酸基または保護された水酸基、R6は水酸基、保護さ
    れた水酸基または低級アルコキシ基、 は単結合または二重結合である)で示される化合物また
    はそのアミノ基における反応性誘導体またはその塩をア
    シル化反応に付して、一般式: (式中、R2、R3、R4、R5、R6および はそれぞれ前と同じ、R1 aはアシル基である)で示され
    る化合物またはその塩を得ることを特徴とする製造法。
  8. 【請求項8】一般式 (式中、R1 bは低級アルケニル基で置換されたアリール
    (低級)アルケノイル基であり、R2は水酸基、R3はカル
    ボキシ基または保護されたカルボキシ基であるか、また
    はR2とR3とが互いに結合して式 の基を表わし、R4は水酸基または保護された水酸基、R5
    は水酸基または保護された水酸基、R6は水酸基、保護さ
    れた水酸基または低級アルコキシ基、 は単結合または二重結合である)で示される化合物およ
    びその塩を還元反応に付して、一般式: (式中、R2、R3、R4、R5、R6および はそれぞれ前と同じ、R1 cは低級アルキル基で置換され
    たアリール(低級)アルカノイル基である)で示される
    化合物またはその塩を得ることを特徴とする製造法。
  9. 【請求項9】請求項(1)記載の化合物または医薬とし
    て許容されるその塩を有効成分とする喘息の予防・治療
    剤。
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