JP2550914Y2

JP2550914Y2 - キャブの前方移動防止装置

Info

Publication number: JP2550914Y2
Application number: JP1991071731U
Authority: JP
Inventors: 裕之表迫
Original assignee: UD Trucks Corp
Current assignee: UD Trucks Corp
Priority date: 1991-09-06
Filing date: 1991-09-06
Publication date: 1997-10-15
Anticipated expiration: 2006-09-06
Also published as: JPH0522275U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、急制動時にキャブの前
方移動や傾動を防止するキャブの前方移動防止装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】キャブオーバ型車両においては、衝突回
避等のために急制動した場合や衝突時に、キャブがキャ
ブをフレームに枢着している前側の支持点を中心に傾動
したり、キャブ全体が前方に移動する。これを防止する
ため、キャブ側部材をフレーム側部材に係止させて防止
する技術が提供されている（例えば実開昭６０−８８６
８４号公報、本出願人による実開昭６２−１５１１８８
号公報。）。

【０００３】上記の従来技術では、キャブの係合部分が
キャブの中央部だけであって移動防止力が弱く、また、
キャブ前方に設けられた支持点を中心とした傾動トルク
によるモーメントに対して強度的に充分でなく、しかも
板金製部材に係合孔を設けているので、製造コストが高
いなどの不具合がある。一方、実開昭５８−１５３１７
２号公報にキャブ側およびフレーム側マウントブラケッ
トの一方にストッパブラケットの一端を固着して他方の
ブラケットに錠止部材を配設したキャブマウント部構造
に関する技術が開示されている。しかし、この技術も、
傾動トルクに対する強度が充分でなく、また、ティルト
キャブに対応できるものではない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】したがって、本考案
は、ティルト装置を有するキャブの急制動時の前方移動
や傾動を防止する構造が簡単で安価なキャブの前方移動
防止装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、フレー
ムの左右サイドレールの側部にそれぞれキャブマウント
ブラケットが立設され、そのキャブマウントブラケット
にはそれぞれフローティングブラケットが立設されてお
り、そのフローティングブラケットのフック部に係合す
るピンとティルトリンクで連結されたティルトロック装
置とが設けられたフックブラケットがキャブのバックパ
ネルの下部両側に設けられたキャブの前方移動防止装置
において、板状のフックサポートが前記キャブマウント
ブラケットの内側とサイドレールの上面とに固着されて
設けられ、そのフックサポートの頂部には後方に向けて
係止部が突設され、棒状のフックが前記フックサポート
の係止部の外側後下方から内側に水平に延びて直角に曲
り前方に延びてフックサポートを囲むように形成され、
そのフックの上端部および下端部がバックパネルの下縁
部に固設されている。

【０００６】

【作用効果の説明】上記のように構成されたキャブの前
方移動防止装置においては、急制動あるいは衝突時に慣
性力により前方への移動方向の力およびフレームに枢着
されているキャブ前方の支持点回りに傾動するモーメン
トが作用し、また、シートベルトを介してシートベルト
アンカをキャブ背面パネルまたはフロアパネルから剥離
させる力が作用する。この際、キャブの前方移動および
傾動は、キャブのバックパネルの下縁部に固設された棒
状のフックが、フレーム側に固着されたフックサポート
の頂部の係止部に係止されて防止される。フックサポー
トは板状で、フックは両端部が固着された棒状で共に力
の作用方向に対して充分な強度を有して、車両左右方向
には自由度があり、そして、ティルトロック装置の近傍
に設けられているので強度部材が共用でき、ティルトロ
ック装置と組合わせコンパクトに形成できる。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

【０００８】図１及び図２において、フレームの両サイ
ドレール１０、１０の側部には、それぞれリヤキャブマ
ウントブラケット１１が立設されており、そのブラケッ
ト１１には、フローティングブラケット１２が立設され
ている。キャブのバックパネル１４の下部両側には、フ
ローティングブラケット１２に着座するフックブラケッ
ト１６、１６が設けられ、そのブラケット１６、１６に
は、ティルトリンク１８で連結された全体を符号１７で
示すティルトロック装置が設けられている。そしてこの
装置のピン１９は、フローティングブラケット１２のフ
ック部１３に係止されている。

【０００９】他方、リヤキャブマウントブラケット１１
の内側とサイドレール１０の上面とには、内方に若干平
行に折れ曲がる板状のフックサポート１が立設され、バ
ックパネル１４のフロアパネル１５に近い部分には、フ
ック２が設けられている。図３及び図４を参照し、フッ
クサポート１は、後縁部が前傾され、頂部には、後方に
向けて係止部１ａが突設されている。これに対しフック
２は棒鋼で係止部１ａの外側後下方から内側に水平に延
び直角に折れ曲って前上方に延びてフックサポート１を
囲むように形成されている。そして、このフック２の上
端部及び下端部は、バックパネル１４の下縁部に固設さ
れた板状のブラケット３にボルト結合されている。

【００１０】次に、作用について説明する。車両の急制
動時又は衝突時に、キャブには慣性力による前方への移
動方向の力及びキャブの前方支持点回りに前方へ傾動す
る力が作用する。この力はキャブ内の乗員にも作用し、
シートベルトを介してシートベルトアンカをキャブのバ
ックパネル１４又はフロアパネル１５から剥離させる力
として作用する。この際、キャブと共に若干前方に移動
した両フック２、２は、フレーム側の両フックサポート
１、１の両係止部１ａ、１ａに係止されるので、それ以
上のキャブの前方移動及び前方への傾動が確実に防止さ
れる。

【００１１】また、フック２は、一般的にキャブの中央
部に位置する重心に対し、従来のフレーム付近にあった
フックより充分に近い位置にあるので、フック２及びフ
ックサポート１にかかる傾動モーメントが小さい。した
がって、前方移動の防止効果は更に向上される。

【００１２】また、フックサポート１は、構造簡単、軽
量で安価である。

【００１３】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので、下記の効果を奏する。（ａ）急制動あるいは衝突時の慣性力による前方移動
およびフレームに枢着されているキャブ前方の支持点回
りの傾動は、キャブ側のフックがフレーム側のフックサ
ポート頂部の係止部に係止されて防止される。（ｂ）フックサポートは板状で、フックは両端が固着
された棒状で、共に力の作用方向に対して充分な強度を
有する一方、車両左右方向には自由度があって、キャブ
のティルト操作時に干渉のおそれがない。（ｃ）ティルトロック装置の近傍に設けられているの
で強度部材が共用できて補強の必要がなく、ティルトロ
ック装置と組合わせコンパクトに設計できる。（ｄ）構造が簡単で、軽量、安価に提供することがで
きる。

【００１４】また、構造簡単、軽量で安価に提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すキャブの後面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】図１の右側要部を示す図面。

【図４】図３の側面図。

【符号の説明】

１・・・フックサポート１ａ・・・係止部２・・・フック３・・・ブラケット１０・・・サイドレール１１・・・リヤキャブマウントブラケット１２・・・フローティングブラケット１３・・・フック部１４・・・バックパネル１５・・・フロアパネル１６・・・フックブラケット１７・・・ティルトロック装置１８・・・ティルトリング１９・・・ピン

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フレームの左右サイドレール（１０、１
０）の側部にそれぞれキャブマウントブラケット（１
１、１１）が立設され、そのキャブマウントブラケット
（１１、１１）にはそれぞれフローティングブラケット
（１２、１２）が立設されており、そのフローティング
ブラケット（１２、１２）のフック部（１３、１３）に
係合するピン（１９、１９）とティルトリンク（１８）
で連結されたティルトロック装置（１７）とが設けられ
たフックブラケット（１６、１６）がキャブのバックパ
ネル（１４）の下部両側に設けられたキャブの前方移動
防止装置において、板状のフックサポート（１）が前記
キャブマウントブラケット（１１）の内側とサイドレー
ル（１０）の上面とに固着されて設けられ、そのフック
サポート（１）の頂部には後方に向けて係止部（１ａ）
が突設され、棒状のフック（２）が前記フックサポート
の係止部（１ａ）の外側後下方から内側に水平に延びて
直角に曲り前方に延びてフックサポート（１）を囲むよ
うに形成され、そのフック（２）の上端部および下端部
がバックパネル（１４）の下縁部に固設されていること
を特徴とするキャブの前方移動防止装置。