JP2549207Y2 - ノズル装置 - Google Patents

ノズル装置

Info

Publication number
JP2549207Y2
JP2549207Y2 JP2078993U JP2078993U JP2549207Y2 JP 2549207 Y2 JP2549207 Y2 JP 2549207Y2 JP 2078993 U JP2078993 U JP 2078993U JP 2078993 U JP2078993 U JP 2078993U JP 2549207 Y2 JP2549207 Y2 JP 2549207Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
nozzle
injection
liquid
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2078993U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0672648U (ja
Inventor
宏祐 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruyama Manufacturing Co Inc
Original Assignee
Maruyama Manufacturing Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruyama Manufacturing Co Inc filed Critical Maruyama Manufacturing Co Inc
Priority to JP2078993U priority Critical patent/JP2549207Y2/ja
Publication of JPH0672648U publication Critical patent/JPH0672648U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2549207Y2 publication Critical patent/JP2549207Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soil Working Implements (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)
  • Nozzles (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、例えば芝地の穴開け
と防除・施肥との並行作業等に使用されるノズル装置に
係り、詳しくは往復ポンプの吐出圧の脈動サイクルに従
って液体を噴射するノズル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフ場等の芝地は、多数のゴルファー
の歩行やカートの走行等のために、踏み固められて、土
壌が団結状態になり、これは芝生の成育を阻害する。こ
のため、芝地の土壌をほぐして、通気性及び透水性を改
善するため、芝地に走行させつつ、高圧液を連続的又は
間欠的に噴射して、芝地に通気及び透水用の筋や孔を開
けて、芝生のエアレーションを行なうことが提案されて
いる(例:実願昭52−134193号のマイクロフィ
ルム及び特開昭58−9602号公報等)。
【0003】高圧液は連続噴射よりも間欠噴射の方が、
ポンプの負荷が低減されるとともに、芝生の美観保持
上、有利である。国際公開WO91/07077号公報
の間欠噴射型の高圧液噴射作業車では、ポンプの吐出側
とノズルとの間にアキュムレータ及び間欠弁を介在さ
せ、アキュムレータにおいて十分な蓄圧を図るととも
に、間欠弁を作業車のタイヤの回転に同期して開閉させ
て、ノズルから高圧液を噴射している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】芝地の管理では、通気
及び透水のための穴開け作業に並行して、芝生の防除・
施肥作業も行なうことが能率上有利であるが、国際公開
WO91/07077号公報の高圧液噴射作業車は、耐
腐食性及び耐磨耗性に支障の多いアキュムレータ及び間
欠弁の装備が必須となるため、薬品性でかつ微粒子を含
有する防除・施肥用の薬液を扱うことは困難である。
【0005】そこで、特開平6−70604号は、往復
ポンプの吐出口の液体をノズルへ脈動圧付きのまま供給
して、液圧の脈動サイクルに従ってノズルから液体を噴
射させることにより、脈動する液圧の高圧域の噴射で
は、芝地の穴開けを行ない、低圧域の噴射では、芝地の
防除及び/又は施肥を行なって、穴開けと防除・施肥の
作業を並行して行なうとともに、アキュムレータ及び間
欠弁を省略して、耐腐食性及び耐磨耗性に支障が生じる
ことなく、薬液を扱えるようにしている。
【0006】防除・施肥のための液体の低圧噴射は、末
広がりに広がる噴射パターンが有利であり、また、穴開
けのための液体の高圧噴射は直線的な棒状噴射パターン
が望まれる。しかし、同一のノズルによっては、末広が
りの噴射パターンと直線的な噴射パターンとを同時に得
ることは困難であり、防除・施肥及び穴開けを共に最適
化するためには、ノズルを防除・施肥用及び穴開け用に
その都度交換する必要が生じる。
【0007】一方、工場や土木事業等の作業現場におい
ても、バリ取り等の剥離と洗浄とでは最適の噴射パター
ンが相違しており、その都度、ノズルを交換しており、
手間が煩雑となっている。
【0008】請求項1の考案の目的は、液圧の脈動を利
用して液体を噴射するノズル装置において、ノズルの交
換の手間を省略しつつ、それぞれ低圧域及び高圧域の噴
射パターンを最適化することができるようにすることで
ある。請求項2の考案の目的は、請求項1のノズル装置
を芝地の管理に適用した場合に、防除・施肥及び穴開け
にそれぞれ最適な噴射パターンが得られるようにするこ
とである。請求項3の考案の目的は、請求項1のノズル
装置を工場等における作業に適用した場合において、剥
離及び洗浄にそれぞれ最適な噴射パターンが得られるよ
うにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この考案を、実施例に対
応する図面の符号を使用して説明する。請求項1のノズ
ル装置(62,200)は次の(a)〜(c)の構成要素を有し
ている。 (a)脈動圧付き液体(30)を往復ポンプ(58)から供給さ
れる流入口(142) (b)相互に異なる噴射パターンを備える低圧噴射ノズ
ル(154,208)及び高圧噴射ノズル(160,210) (c)流入口(142)の脈動圧の低圧域及び高圧域におい
て流入口(142)をそれぞれ低圧噴射ノズル(154,208)及び
高圧噴射ノズル(160,210)へ接続する切替弁(182)
【0010】請求項2のノズル装置(62)では、低圧噴射
ノズル(154)及び高圧噴射ノズル(160)はそれぞれ防除・
施肥用ノズル(154)及び穴開け用ノズル(160)である。
【0011】請求項3のノズル装置(200)では、低圧噴
射ノズル(208)及び高圧噴射ノズル(210)はそれぞれ洗浄
用ノズル(208)及び剥離用ノズル(210)である。
【0012】
【作用】請求項1のノズル装置(62,200)において、液体
(30)が、往復ポンプ(58)から、その吐出圧の脈動を含み
ながら、流入口(142)へ供給され、流入口(142)の液圧は
往復ポンプ(58)の吐出圧の脈動サイクルに従って脈動す
る。切替弁(182)は、流入口(142)の液圧の大きさに応じ
て、流入口(142)を低圧噴射ノズル(154,208)及び高圧噴
射ノズル(160,210)へ切替えて接続する。流入口(142)の
脈動圧の低圧域では、切替弁(182)は流入口(142)を低圧
噴射ノズル(154,208)へ接続し、液体(30)が低圧噴射ノ
ズル(154,208)の噴射パターンで低圧噴射ノズル(154,20
8)より噴射される。また、流入口(142)の脈動圧の高圧
域では、切替弁(182)は流入口(142)を高圧噴射ノズル(1
60,210)へ接続し、液体(30)が高圧噴射ノズル(160,210)
の噴射パターンで高圧噴射ノズル(160,210)より噴射さ
れる。
【0013】請求項2のノズル装置(62)では、流入口(1
42)の脈動圧の低圧域では、流入口(142)は防除・施肥用
ノズル(154)へ接続され、液体(30)が、防除・施肥に適
した噴射パターンで防除・施肥用ノズル(154)より噴射
される。また、流入口(142)の脈動圧の高圧域では、流
入口(142)は穴開け用ノズル(160)へ接続され、液体(30)
が、穴開けに適した噴射パターンで穴開け用ノズル(16
0)より噴射される。
【0014】請求項3のノズル装置(200)では、流入口
(142)の脈動圧の低圧域では、流入口(142)は洗浄用ノズ
ル(208)へ接続され、液体が、洗浄に適した噴射パター
ンで洗浄用ノズル(208)より噴射される。また、流入口
(142)の脈動圧の高圧域では、流入口(142)は剥離用ノズ
ル(210)へ接続され、液体が剥離に適した噴射パターン
で剥離用ノズル(210)より噴射される。
【0015】
【実施例】以下、この考案を図面の実施例について説明
する。図9は自走式高圧液噴射作業車10の全体の概略斜
視図である。車両本体12は、前輪16及び後輪18により支
持されて自走可能になっているフレーム14を有し、フレ
ーム14の上には、前から順番に、フレーム14の操舵用の
ステアリングホィール22を備え運転者が運転操作のため
に乗り込む運転席20、防除用等の薬液30(図10)を貯
留する薬液タンク24、エンジン34(図10)等を装備す
る動力部26、及び薬液30を芝地へ噴射する高圧液噴射装
置28が配設されている。高圧液噴射装置28は、実施例で
は、車両本体12の後部に任意に着脱自在であるが、自走
式高圧液噴射作業車10に一体化されていてもよい。
【0016】図10は自走式高圧液噴射作業車10の動力
及び油圧の系統図である。運転席20のステアリングホィ
ール22は、ステアリングリンク32を介して左右の前輪16
へ連結され、前輪16を操舵するようになっている。エン
ジン34の回転動力は、運転席20のクラッチペダル36によ
り断接を制御されるクラッチ38を介して変速機40へ伝達
される。変速機40は、運転席20のシフトレバー42により
減速比を切替えられ、変速機40の出力はディファンレン
シャル装置44を介して左右の後輪18へ伝達される。エン
ジン34の回転動力はまた手動式クラッチ46を介して油圧
装置48の可変式油圧ポンプ50へ伝達される。可変式油圧
ポンプ50と油圧モータ52とは油路51a,51bを介して相
互に接続されており、可変式油圧ポンプ50における油圧
の調整により油圧モータ52の回転速度が調整される。油
供給ポンプ54は、可変式油圧ポンプ50と一緒に駆動され
て、油タンク56内の油圧媒体を適宜、油路51a,51bへ供
給する。三連式高圧プランジャポンプ58は、相互に非連
通の各ポンプに対応して3個の吐出部60を備え、油圧モ
ータ52により駆動される。3個の吐出部60は相互に非連
通となっている。ノズル列61は、自走式高圧液噴射作業
車10の左右方向へ一列に配列された複数個のノズル装置
62から成り、三連式高圧プランジャポンプ58の各吐出部
60は、3本の吐出ホース63を介して各ノズル装置62へ接
続されている。三連式高圧プランジャポンプ58は、共通
の吸入口を、吸入ホース66を介して薬液タンク24の底部
へ接続されるとともに、各吐出部60には調圧弁64を接続
される。調圧弁64は、各吐出部60に対応して設けられ
て、余液を複数個の調圧弁64に共通の集合部68へ導く。
集合部68に集められた余液は戻しホース70を介して薬液
タンク24へ戻される。
【0017】図11は高圧液噴射装置28の詳細な斜視図
である。図11及び図9において、高圧液噴射装置28は
自走式高圧液噴射作業車10の後部に着脱自在に装着され
るようになっている。支持枠72(図9)は、フレーム14
の後端に取り外し自在であり、起立状態でフレーム14に
固定されている。可動枠74は、支持枠72により上下方向
へ案内され、油圧シリンダ75(図9)により上下動され
る。1対のステー76は、可動枠74の左右の側辺部に固定
されて、後方へ張り出している。台78は、左右の端部に
おいてステー76の内面側に固定され、水平面を形成し、
油圧モータ52及び三連式高圧プランジャポンプ58を載置
される。油圧モータ52及び三連式高圧プランジャポンプ
58は、動力部26内でなく、高圧液噴射装置28の台78に載
置されて、外部に露出状態になっており、これにより、
保守、点検を容易にするとともに、後述の同期式上下動
駆動装置104の同期機構及び動力源として、利便を発揮
する。カム軸80は、左右方向へ水平に延びて、両端部に
おいて回転自在にステー76の先端部に軸支され、チェー
ン84を介して三連式高圧プランジャポンプ58のクランク
軸82の回転を伝達される。カム86はカム軸80の両端部に
回転方向へ一体的に取付けられている。昇降軸88は、各
ステー76の先端部に固定されているガイド90により鉛直
方向へ案内され、圧縮コイルばね92は、ガイド90より上
側において昇降軸88に嵌装されて、昇降軸88を上方へ付
勢し、昇降軸88の上端部をカム86との接触位置に保持す
る。支軸94は、カム軸80に対して平行に左右方向へ水平
に延び、両端部を各昇降軸88の下端部に固定されてい
る。各ノズル装置62において、保持体96は、摺動自在に
支軸94に嵌装され、固定ねじ98により支軸94に固定され
るようになっている。押圧板100は、ノズル列61の下側
にノズル列61から少し下の高さにほぼ水平に配設され、
左右方向両端部において昇降軸88の下端部に固定されて
いる。長孔102は、各ノズル装置62に対峙して押圧板100
に形成され、支軸94の軸方向へ所定長さ延びている。同
期式上下動駆動装置104は、クランク軸82からカム86ま
での動力伝達機構、及びカム86や昇降軸88等の上下動機
構を含み、ノズル列61及び押圧板100を三連式高圧プラ
ンジャポンプ58の吐出サイクル、したがってノズル装置
62の噴射サイクルに同期して上下動させる。
【0018】図12は三連式高圧プランジャポンプ58の
垂直断面図である。図12では、三連式高圧プランジャ
ポンプ58の3個のポンプのうちの1個を代表して図示し
ているが、他の2個のポンプの構造も同一である。クラ
ンクケース106はクランク軸82の両端部を回動自在に軸
支し、マニホールド108は、クランクケース106の先端側
に当てられて、複数個のボルト110を介してクランクケ
ース106に固定される。弁ケース112は、三連式高圧プラ
ンジャポンプ58の3個のポンプに対応して3個の吐出部
60を有し、各吐出部60の上部に対応する部位には調圧弁
64を取付けられ、マニホールド108の先端部に当てられ
ている。3個のフランジ114は、弁ケース112の3個の先
端部位に当てられて、複数個のボルト116を介して弁ケ
ース112と共にボルト116に固定される。プランジャ118
は、基端部においてクランクケース106のガイド120に嵌
合して、軸方向へ案内され、マニホールド108内を延び
ている。コンロッド122は、両端部においてクランク軸8
2のピン部123とプランジャ118の基端部とに連結され、
クランク軸82の回転をプランジャ118の往復動へ変換す
る。オイルシール124は、ガイド120の先端側に嵌挿さ
れ、内周側においてプランジャ118の周部に摺接し、ク
ランクケース106内の潤滑油がプランジャ118を介して漏
出するのを防止する。
【0019】図13はクランク軸82の斜視図である。ク
ランク軸82のピン部123は、三連式高圧プランジャポン
プ58の3個のポンプの列方向へ3個のポンプの全長にわ
たって延び、3個のポンプの各コンロッド122に共通に
連結される。この結果、三連式高圧プランジャポンプ58
の3個のポンプは同位相で運転される。
【0020】図12において、ポンプ室126は、プラン
ジャ118の先端側に形成され、Vパッキン128及びシール
パッキン130は、プランジャ118の軸方向へそれぞれ先端
側及び基端側に配設され、内周側においてプランジャ11
8の周部に摺接し、プランジャ118の往復動に対してポン
プ室126のシールを保持する。吸入口132は、三連式高圧
プランジャポンプ58の3個のポンプに共通にマニホール
ド108の下部に形成され、各ポンプごとに設けられた吸
入弁134を介して各ポンプ室126へ連通している。吐出弁
136は、ポンプ室126の先端側に配設され、ポンプ室126
から吐出部60への一方向の液体の流れを許容する。
【0021】図14は三連式高圧プランジャポンプ58の
1個のフランジ114を外側から見た図である。3個の吐
出口138が、フランジ114に設けられて、吐出部60へ連通
し、各吐出口138は個々に吐出ホース63を介して各ノズ
ル装置62へ接続される。
【0022】自走式高圧液噴射作業車10の全体の作用に
ついて概略的に説明する。作業者は、運転席20に乗り込
んで、自走式高圧液噴射作業車10を芝地等に走行させ
る。自走式高圧液噴射作業車10は、エンジン34の回転動
力を後輪18へ伝達されて、走行するとともに、ステアリ
ングホィール22の操作により前輪16を操舵されて、進行
方向を制御される。一方、エンジン34の回転動力は、油
圧装置48の可変式油圧ポンプ50へ伝達されて、可変式油
圧ポンプ50を駆動し、可変式油圧ポンプ50の生成油圧
が、油路51a,51bを介して油圧モータ52へ伝達されて、
油圧モータ52を駆動する。三連式高圧プランジャポンプ
58のクランク軸82は、油圧モータ52の駆動により回転し
て、三連式高圧プランジャポンプ58は吸入ホース66を介
して薬液タンク24内の薬液30を吸入して、各吐出部60へ
吐出する。三連式高圧プランジャポンプ58の各ポンプは
同位相で運転され、かつ各吐出部60は相互に非連通とな
っているので、各吐出部60の圧力は大きく脈動する。こ
うして、各吐出部60内の薬液30は、脈動圧と共に各吐出
口138から各吐出ホース63を経て各ノズル装置62へ送ら
れ、脈動圧の正のサイクルでノズル装置62から高圧で芝
地へ向けて噴射される。各吐出部60に複数個の吐出口13
8を設け、各吐出口138ごとに吐出ホース63を介してノズ
ル装置62へ接続することにより、吐出部60からノズル装
置62へ伝達される圧力の脈動は増大し、ノズル装置62か
らの薬液30の噴射時における薬液30の噴射圧が適切に増
大する。
【0023】この高圧液噴射装置28では、吐出部60とノ
ズル装置62との間に、耐薬品性、及び薬液30内の含有微
粒子に対する耐磨耗性に問題のあるピストン型及びブラ
ダ型アキュムレータや、間欠弁が介在せず、吐出部60と
ノズル装置62とが直結状態になっているので、高圧水で
はなく、薬液30のような微粒子含有の薬品性の液体の高
圧噴射に、耐薬品性及び耐磨耗性の点で優れる。
【0024】一方、同期式上下動駆動装置104では、カ
ム軸80がクランク軸82の回転、すなわち三連式高圧プラ
ンジャポンプ58の噴射サイクルに同期して回転し、カム
86は三連式高圧プランジャポンプ58の噴射サイクルに同
期して昇降軸88を上下動させる。カム86の凸部は、三連
式高圧プランジャポンプ58の吐出行程で下向きの回転位
置となって、昇降軸88を下方へ押し下げるように作用
し、この結果、押圧板100は芝生に接地状態になる。三
連式高圧プランジャポンプ58の吐出行程は、三連式高圧
プランジャポンプ58の各吐出部60の脈動圧のピーク範囲
に相当し、ノズル装置62から薬液30の噴射圧のピークを
含む噴射圧の高圧域に一致する。ノズル装置62からピー
ク圧付近で噴射される薬液30は、各長孔102を通過し
て、芝地へ注入され、芝地に通気及び通水用の孔を形成
する。また、芝地への高圧薬液30の注入に伴って、注入
点近傍の土は盛り上がろうとするが、押圧板100により
上から押さえられるので、盛り上がるのを防止され、注
入前の整地面状態を保持する。押圧板100は、また、ノ
ズル装置62の先端が芝地に当接するのを回避する保護部
材としての役目も果たす。三連式高圧プランジャポンプ
58の吸入行程時、すなわち、ノズル装置62から薬液30の
非噴射時では、圧縮コイルばね92により昇降軸88は上昇
され、押圧板100は芝生から離れる。カム86の回転によ
る押圧板100の上下動行程量は、固定され、かつ比較的
小さいので、油圧シリンダ75が伸縮されて、可動枠74が
支持枠72に対して適当に上下動させ、押圧板100が、ノ
ズル装置62からの薬液30のピーク噴射圧を含む範囲で芝
生に適切な押圧力で接地するように、調整される。
【0025】芝生の状況によっては、左右方向の薬液30
の噴射距離を変更するのが適切な場合が生じる。この場
合は、各ノズル装置62において、固定ねじ98を弛めて、
保持体96を支軸94に沿って摺動自在にし、ノズル装置62
の間隔を所望値へ変更してから、保持体96を再度締め付
けて、支軸94の軸方向における保持体96の位置を固定す
る。長孔102は、支軸94の軸方向へ適当に長い寸法とな
っているので、ノズル装置62の間隔の変更にもかかわら
ず、ノズル装置62から噴射される薬液30を支障なく芝地
の方へ通過させる。図11では、長孔102は各ノズル装
置62に対応して形成されているが、長孔102の代わり
に、ノズル列61の全長にわたって又は複数個のノズル装
置62にわたって長く延びるスリットを押圧板100に形成
し、1個のスリットを全部又は複数個のノズル装置62か
らの噴射薬液30に共通に利用することも可能である。
【0026】弾性の吐出ホース63は、内部の薬液30の脈
動圧に従って、弾性的に膨縮し、アキュムレータ作用を
行なう。この結果、三連式高圧プランジャポンプ58の吐
出行程の終了後も、すなわち吸入行程初期時にも吐出ホ
ース63内に適当に高い圧力が保持されて、ノズル装置62
から薬液30が噴射される。これにより、ノズル装置62か
らの薬液30の噴射は、三連式高圧プランジャポンプ58の
吐出行程の時間、すなわち三連式高圧プランジャポンプ
58の半サイクルより長い時間となる。ノズル装置62から
の薬液30の噴射圧は、開始及び終了近辺では小さく、開
始と終了のほぼ真ん中付近でピーク値となる。噴射圧の
ピーク値付近で噴射された薬液30は、芝生に深い孔を開
け、これは通気及び通水に寄与する。脈動圧の低圧域に
噴射された薬液30は、あまり深く地中内へ注入されず、
芝生の根元付近に残り、芝生の根元付近に生息する有害
虫の駆除に寄与する。このように、この自走式高圧液噴
射作業車10では、通気及び通水用の孔開けと、防除とを
同時に行なう。
【0027】自走式高圧液噴射作業車10の走行方向の薬
液30の噴射間隔は、可変式油圧ポンプ50の斜板の傾斜角
を手動で変更して、可変式油圧ポンプ50の生成油圧を増
減し、油圧モータ52の回転速度を変更することにより行
なう。油圧モータ52の回転速度は自走式高圧液噴射作業
車10の走行速度に対して独立に調整できるので、自走式
高圧液噴射作業車10の走行方向の薬液30の噴射間隔も自
走式高圧液噴射作業車10の走行速度に独立に設定でき
る。
【0028】図1、図2及び図3は流入口142の液圧が
それぞれ零、低圧域及び高圧域にあるときの状態で示す
ノズル装置62の断面図、図4はノズル装置62を先端側か
ら見た図である。ボデー140は基端側においてニップル1
44を螺着され。ニップル144は、吐出ホース63の先端側
の端部を装着され、流入口142は吐出ホース63を介して
プランジャポンプ58の吐出口138へ接続されて、プラン
ジャポンプ58から薬液30を脈動圧付きのまま供給され
る。
【0029】噴射ノズルチップ146,148はボデー140の
先端側に並んで螺着される。噴射ノズルチップ146は中
心に噴孔150を有し、中虫152が、噴孔150とは反対側か
ら噴射ノズルチップ146内に嵌挿され、噴孔150に隣接し
ている。噴射ノズルチップ146は、中虫152と共働して、
防除・施肥用ノズル154を構成し、防除・施肥用ノズル1
54は、図2の噴霧183のように、低圧域において末広が
りの噴射パターンで薬液30を噴射するようになってい
る。噴射ノズルチップ148は中心に噴孔156を有し、円錐
状凹所158が、噴孔156とは反対側から噴射ノズルチップ
148の方へ径を漸減させるように形成され、噴孔156へ連
通している。噴射ノズルチップ148は円錐状凹所158によ
り穴開け用ノズル160を構成し、穴開け用ノズル160は、
図3のジェット流184のように、高圧域において直線状
の噴射パターンで薬液30を噴射するようになっている。
【0030】円筒状弁座162は、噴射ノズルチップ146に
中心線を揃えて噴射ノズルチップ146より奥側に配設さ
れ、ボール164は、円筒状弁座162の奥側の端へ就座自在
にボデー140内に嵌入されている。圧縮コイルばね166
は、円筒状弁座162の内側に配設され、軸方向両端部に
おいてそれぞれ中虫152及びボール164に当接し、ボール
164を円筒状弁座162から離れる方向へ付勢している。調
節ねじ168は、噴射ノズルチップ146とは反対側からボデ
ー140に螺着し、ボデー140の外側に操作部170を備え、
軸部172の先端部をボール164に当接させている。Oリン
グ174は、軸部172の中間部に嵌着され、軸部172の軸方
向変位に対してボデー140内のシールを保持する。ボー
ル176は、穴開け用ノズル160の奥側に穴開け用ノズル16
0の軸方向へ変位自在に嵌挿され、ボデー140の内部の段
部178に噴射ノズルチップ148側から就座自在となってい
る。圧縮コイルばね180は、中心線を噴射ノズルチップ1
48の中心線に揃えて噴射ノズルチップ148とボール176と
の間に縮設され、ボール176を段部178へ押圧する。ボー
ル164,176等は、流入口142の液圧がPc(図5)未満
及びPc以上において流入口142をそれぞれ防除・施肥
用ノズル154及び穴開け用ノズル160へ接続する切替弁18
2を構成する。作業者は、調節ねじ168の操作部170を把
持して、回転させることにより、ボール164を円筒状弁
座162に挟着し、ノズル装置62を穴開け用ノズル160専用
とすることができる。
【0031】ノズル装置62の作用について詳細に説明す
る。図5は流入口142の液圧の変化を示している。横軸
はクランク角、すなわちクランク軸82の回転角である。
薬液30が、プランジャポンプ58から、その吐出圧の脈動
を含みながら、吐出ホース63を介して流入口142へ供給
される結果、流入口142の液圧は、図5に示されるよう
に、プランジャポンプ58の吐出圧の脈動サイクルに従っ
て脈動する。すなわち、プランジャポンプ58の吐出口13
8の液圧は、プランジャポンプ58の吸入行程及び吐出行
程においてそれぞれ零及び正となり、正の領域では正弦
的に脈動し、正弦部では、Pc以上のBの範囲と、Bの
前後でかつPc未満のA及びCの範囲に区分けされる。
図6は芝生220の芝面222における噴射軌跡パターンを示
し、図7は芝生220の垂直断面における噴射状態を示し
ている。芝生220は、土壌226の表面の芝面222と、土壌2
26内へ浅く延びている毛根224とを有している。 228は
通気及び透水のために土壌226に開けられた通孔であ
り、図7のA’〜C’は図6のA〜Cに対応している。
なお、図6は、図9の自走式高圧液噴射作業車10とは異
なり、ノズル列61が自走式高圧液噴射作業車10の走行方
向に2段装備されている場合(図1では、ノズル列61は
1段だけ装備されている。)の噴射軌跡パターンであ
り、図6の場合では、ノズル装置62は、自走式高圧液噴
射作業車10の左右方向へ交互に並ぶように、2段のノズ
ル列61にそれぞれ取付けられている。
【0032】流入口142の液圧が零であるときは、噴射
圧が生成されず、防除・施肥用ノズル154及び穴開け用
ノズル160から芝生220へ向けての薬液30の噴射は中止さ
れている。
【0033】流入口142の液圧がA又はCの範囲にある
とき、切替弁182において、ボール164は、圧縮コイルば
ね166の付勢力により円筒状弁座162から離れ、ボール17
6は圧縮コイルばね180の付勢力により段部178に就座し
ている。この結果、流入口142の薬液30は、円筒状弁座1
62の内周側を経て防除・施肥用ノズル154へ導かれ、中
虫152の内孔を経て噴孔150から末広がりの噴射パターン
で噴霧183(図2)となって芝生220へ広範囲に噴射され
る。このときの薬液30の噴射力は小さいので、薬液30
は、土壌226の深くへは達せず、A’,C’のように、
芝生220の近辺に留まり、芝面222および毛根224の防除
・施肥に寄与する。
【0034】一方、流入口142の液圧がBの範囲にある
とき、切替弁182において、ボール164,176は流入口142
側から大きな液圧を受け、ボール164は圧縮コイルばね1
66の付勢力に抗して円筒状弁座162に就座し、また、ボ
ール176は圧縮コイルばね180の付勢力に抗して段部178
から離れる。この結果、流入口142の薬液30は、穴開け
用ノズル160へ導かれ、噴孔156から直線状のジェット流
184(図3)となって、すなわち注入点を絞られて芝生2
20へ噴射される。このときの薬液30の噴射力は大きいの
で、薬液30は、A’,C’より深いB’の範囲に達し、
特に、液圧範囲Bの内のピーク値付近で噴射された薬液
30は、大きい噴射力により土壌226内の十分に深い所ま
で達して、通気及び透水用の通孔228を形成する。
【0035】図8は洗浄及び剥離用のノズル装置200の
構造を示す断面図である。ノズル装置200は、工場や土
木現場等で使用され、図1のノズル装置62とほぼ同一の
構造を備える。ノズル装置62と同一の要素については同
符号で指示して、詳細な説明は省略し、相違点について
のみ説明する。ノズル装置200は、ガンノズル(全体は
図示せず)のランス202の先端部に取付けられ、動力噴
霧機(図示せず)の往復ポンプの吐出口から水を脈動圧
付きのまま流入口142へ供給される。ノズルチップ204
は、図1の噴射ノズルチップ146及び中虫152に代えてボ
デー140の先端側に螺着され、噴孔206を備え、洗浄用ノ
ズル208を構成する。噴射ノズルチップ148はノズル装置
200では剥離用ノズル210を構成する。
【0036】ノズル装置200でも、流入口142の液圧は、
流入口142がランス202及びホース(図示せず)を介して
接続されている往復ポンプの吐出圧の脈動に従って図5
のように脈動している。流入口142の脈動圧の低圧域で
は、切替弁182のボール164,176がそれぞれ開及び閉と
なり、流入口142の水は洗浄用ノズル208へ送られて、噴
孔206から末広がりの噴射パターンで、すなわち広範囲
に噴射されて、洗浄を行なう。また、流入口142の脈動
圧の高圧域では、切替弁182のボール164,176がそれぞ
れ閉及び開となり、流入口142の水は剥離用ノズル210へ
送られて、噴孔156から直線状に、すなわち焦点を絞っ
て噴射して、バリ取り等の剥離を行なう。
【0037】
【考案の効果】請求項1の考案では、それぞれ低圧噴射
及び高圧噴射において最適の噴射パターンを生成する低
圧噴射ノズル及び高圧噴射ノズルが設けられ、往復ポン
プから流入口へ伝達されて来る往復ポンプの吐出圧の脈
動に従って流入口が切替弁により低圧噴射ノズル及び高
圧噴射ノズルを切替えられるようになっているので、ノ
ズルの交換の手間を省略して、低圧及び高圧噴射におけ
る噴射パターンを共に最適化することができる。
【0038】請求項2の考案では、それぞれ防除・施肥
及び穴開けに対して最適の噴射パターンを備える防除・
施肥用ノズル及び穴開け用ノズルが切替弁により切替え
られるようになっているので、芝地等の管理において適
切な防除・施肥及び穴開けを実施することができる。
【0039】請求項3の考案では、それぞれ洗浄及び剥
離に対して最適の噴射パターンを備える洗浄用ノズル及
び剥離用ノズルが切替弁により切替えられるようになっ
ているので、工場等の作業現場において適切な洗浄及び
剥離作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流入口の液圧が零にあるときの状態で示すノズ
ル装置の断面図である。
【図2】流入口の液圧が低圧域にあるときの状態で示す
ノズル装置の断面図である。
【図3】流入口の液圧が高圧域にあるときの状態で示す
ノズル装置の断面図である。
【図4】ノズル装置を先端側から見た図である。
【図5】流入口の液圧の変化を示すグラフである。
【図6】芝生の芝面における噴射軌跡パターンを示す図
である。
【図7】芝生の垂直断面における噴射状態を示す図であ
る。
【図8】洗浄及び剥離用のノズル装置の構造を示す断面
図である。
【図9】自走式高圧液噴射作業車の全体の概略斜視図で
ある。
【図10】自走式高圧液噴射作業車の動力及び油圧の系
統図である。
【図11】高圧液噴射装置の詳細な斜視図である。
【図12】三連式高圧プランジャポンプの垂直断面図で
ある。
【図13】クランク軸の斜視図である。
【図14】三連式高圧プランジャポンプの1個のフラン
ジを外側から見た図である。
【符号の説明】
30 薬液(液体) 58 プランジャポンプ(往復ポンプ) 62,200 ノズル装置 142 流入口 154 防除・施肥用ノズル(低圧噴射ノズル) 160 穴開け用ノズル(高圧噴射ノズル) 182 切替弁 208 洗浄用ノズル(低圧噴射ノズル) 210 剥離用ノズル(高圧噴射ノズル)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脈動圧付き液体(30)を往復ポンプ(58)か
    ら供給される流入口(142)と、相互に異なる噴射パター
    ンを備える低圧噴射ノズル(154,208)及び高圧噴射ノズ
    ル(160,210)と、前記流入口(142)の脈動圧の低圧域及び
    高圧域において前記流入口(142)をそれぞれ前記低圧噴
    射ノズル(154,208)及び前記高圧噴射ノズル(160,210)へ
    接続する切替弁(182)とを有していることを特徴とする
    ノズル装置。
  2. 【請求項2】 前記低圧噴射ノズル(154)及び前記高圧
    噴射ノズル(160)はそれぞれ防除・施肥用ノズル(154)及
    び穴開け用ノズル(160)であることを特徴とする請求項
    1記載のノズル装置。
  3. 【請求項3】 前記低圧噴射ノズル(208)及び前記高圧
    噴射ノズル(210)はそれぞれ洗浄用ノズル(208)及び剥離
    用ノズル(210)であることを特徴とする請求項1記載の
    ノズル装置。
JP2078993U 1993-03-31 1993-03-31 ノズル装置 Expired - Fee Related JP2549207Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2078993U JP2549207Y2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 ノズル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2078993U JP2549207Y2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 ノズル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0672648U JPH0672648U (ja) 1994-10-11
JP2549207Y2 true JP2549207Y2 (ja) 1997-09-30

Family

ID=12036860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2078993U Expired - Fee Related JP2549207Y2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 ノズル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2549207Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0672648U (ja) 1994-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2549207Y2 (ja) ノズル装置
JP2756751B2 (ja) 高圧液噴射作業車
JP4633566B2 (ja) 乗用管理機用潅水装置及び乗用管理機
JP2541356Y2 (ja) 高圧液噴射装置
JP3510369B2 (ja) 噴射装置及び散布自走車
JP3752753B2 (ja) 液体散布機
JP2008154714A (ja) 塗料噴射式ラインマーカー
JP2511004Y2 (ja) 散布装置
JPH074397Y2 (ja) 工作機械用潤滑油噴霧装置
JP2565116Y2 (ja) 散布機
CN219698846U (zh) 一种农业病虫害防治装置
JP2561802B2 (ja) 芝生用灌注装置
JP2584096Y2 (ja) 往復ポンプ
JPH0655301U (ja) 芝生用灌注装置
SU680704A1 (ru) Гидропульт с ножным приводом
JPH046549Y2 (ja)
JP3172857B2 (ja) 往復ポンプ装置、散布装置、及び散布車
JPH0750890Y2 (ja) 田植機用液剤散布装置
DE2819028A1 (de) Einrichtung zum verspruehen, verspritzen oder vernebeln von fluessigkeiten
JPH079275B2 (ja) 工作機械用潤滑油噴霧装置
JP3381106B2 (ja) 洗浄用スプレーガン
JP4388192B2 (ja) 芝生用潅注装置の液体分配機構
JPS5815013Y2 (ja) 噴霧器
JP2504661Y2 (ja) 液体散布装置の噴管体
KR860002621Y1 (ko) 이동식 반자동 분무기

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees