JP2548398Y2 - 家具用ステー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、家具本体に設けられた
扉をその家具本体に対して所要の開放角度で保持する家
具用ステーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、先に実公昭４６−１９３２
１号公報に示す家具本体に設けられる扉をその家具本体
に対して所要の開放角度で保持する家具用ステーを開示
した。この家具用ステーは、所要の長さを持った板状の
支持杆の一端に扉側への取付具を枢着し、その支持杆の
他端側に間隔をあけ、且つその案内係合面を扉側への取
付け側に向けた案内係合部を設け、この支持杆に案内係
合部の案内係合面にその扉側への取付け側の反対側位置
をほぼ一致させてこの案内係合部に対面させてその扉側
への取付け側に向けてその扉側への取付側とその反対側
に向いた切欠端縁を係合面とした切欠部を設けるととも
に、こうした支持杆を金属からなる函状保持具の家具本
体側への取付具を枢着した壁体に隣接する相対向した一
対の壁体を摺動自在に貫通させ、更には函状保持具の支
持杆の切欠部側側位に四角形板状の相対向した二辺に支
持杆の案内係合部の案内係合面並びに切欠部の扉側への
取付け側の係合面に係合し、且つ切欠部の扉側への取付
け側と反対側の係合面にその側面が当接するその内部側
に凹んだ凹設部を設けた係止具を回動自在に枢着させ、
函状保持具内面の支持杆との対面側に扉の開閉動作に際
して不快な音を生じないためにフェルトを取付けたもの
である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】こうした家具用ステー
は、家具本体に設けられた扉をその家具本体に対して所
要の開放角度で保持させるのが簡易で、好ましいもので
あるが、家具の相対向した部分に一対の家具用ステーを
設ける場合、支持杆並びに函状保持具に対称形状のもの
を取付ける必要があって取付けに手間どったり、又部品
点数が多くなったりして問題である。又、支持杆を固定
状態にする係止具が支持杆の側位にあって回動自在に取
付けられるため、函状保持具の小型化ができず、更には
函状保持具内面の支持杆との対面側にフェルトを設けな
ければ、扉の開閉動作に際して不快な音を生じるという
問題もある。

【０００４】こうした問題点に鑑みて考案されたのが本
考案に係る家具用ステーで、家具の相対向した部分に一
対設ける場合にも、その内の少なくとも一部に共通の部
材を利用して取付けの手間を省略したり、部品点数を少
なくすることができ、又小型化を可能とするとともに、
扉の開閉動作に際して不快な音をそれを防止するための
特別な部材を設けなくても生じることのないようにする
のを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る家具用テス
ーは、内部中空の合成樹脂体からなり、開閉自在な扉を
有する家具本体の側壁内面のうちの扉の遊端側に対応す
る位置に回動自在に取付けた函状保持具と、先端部を扉
の遊端側に回動自在に取付け、途中部を函状保持具に長
手方向にのみ移動自在に貫通状に装着した所要の長さの
板状の支持杆であって、基端部側の一側に長さ方向に間
隔をあけ且つ互いに係合面を対面させて１対の係合部を
支持杆の一方の表面側に立起状に設けるとともに、基端
部側の幅方向の途中部に係合部と同じ側へ突出する案内
係合部を設け、１対の係合部のうちの基端部側の係合部
の係合面と案内係合部の先端部側の案内係合面の長さ方
向位置をほぼ一致させた支持杆と、中央部を函状保持具
内に回動自在に取付け且つ支持杆の係合部の突出側に重
合わせて配置した四角形板状の係止具であって、相対向
する二辺に先端側の係合面と案内係合面に係合可能な中
央部側へ凹んだ凹設部を設けた係止具とを備え、係止具
が１対の係合面及び案内係合面に順次係合することで扉
を開放状態と閉鎖状態とに位置切換え可能に支持するも
のである。

【０００６】

【作用】而して、こうした家具用ステーは、例えば上面
開口した家具本体に設けられる扉をその家具本体に対し
て所要の開放角度で保持させる場合等に利用されるもの
である。このとき、扉の遊端側の裏面側部に支持杆の取
付具を取付け、この支持杆に対応させて家具本体の側壁
内面に函状保持具の取付具を取付ける。

【０００７】そして、扉を開放させるときには、扉の遊
端部を持ってそれを扉の遊端部と反対側を支点として函
状保持具に設けた係止具の凹設部に支持杆の案内係合部
の案内係合面が係合するまで持ち上げ、この状態ではそ
れ以上扉を持ち上げることができなくなるから、手を離
せば，扉は落下してそれに応じて係止具を案内係合面が
これに係合したまま支持杆の一対の係合部側に回動さ
せ、次いでこの係止具の凹設部に先端側の係合部の係合
面が係合して扉に開放状態を保持させるものである。
又、扉を閉止させるときには、扉の遊端部を持ってわず
かに持ち上げると、支持杆の先端側の係合部の係合面に
係合している係止具は上動してくる案内係合部によって
更に一対の係合部の方に回動してこの一方の凹設部側面
に基端側の係合部の係合面、又他方の凹設部側面に案内
係合部の案内係合面が当接して、それ以上扉を持ち上げ
ることができなくなり、手を離せば、扉は落下して係止
具の凹設部側面に先端側の係合部の係合面が当接して係
止具を一対の凹設部が上下に向いた方向に回動させ、も
って支持杆の下動を許容して扉を閉止させることが可能
になる。

【０００８】

【実施例】本考案に係る家具用ステーの詳細を添付の図
面に基づき更に説明する。こうした家具用ステーは、例
えば図１に示すような上面開口した家具本体１に設けら
れる扉２をその家具本体１に対して図中一点鎖線で示す
ように所要の開放角度で保持させる場合等に利用される
ものである。このとき、家具が大きなものであるときに
は、扉２の遊端部３の両側に一対、家具が小さなもので
あるときには、この一方の側部だけに一つ、この家具用
ステーを図３、図４に示すように家具本体１の側壁４内
面と扉２裏面の間に取付け、家具本体１と扉２の遊端部
３に対面した側端の間には一般的な図示しない蝶番を取
付けて、扉２を家具本体１に対して開閉自在とするもの
である。

【０００９】この家具用ステーは、図２中１０として示
す扉２側に取付けられる支持杆と１１として示す家具本
体１側に取付けられる内部中空の合成樹脂体からなる函
状保持具の組合せからなる。まず、図中１０として示さ
れる支持杆は、その全体が所要の長さを持った板状に形
成され、その先端を残してこの長さ方向の一方の側端を
本体１２から折曲させて折曲片１３を設け、この先端に
は扉２側への取付具１４をピン１５で枢着するととも
に、基端側ではその折曲片１３を一部切欠させて切欠部
１６を形成してこの一対の切欠端縁を支持杆１０の長さ
方向に間隔をあけ、且つ対面した係合面１７として一対
の係合部１８を設け、更には同じく支持杆１０基端側の
折曲片１３と反対側の側端側には基端側の係合面１７と
その円状部分位置をほぼ一致させてＵ字形の切込みを形
成してそれを図示したように折曲片１３側に向けて屈曲
させてその先端の案内係合面１９が支持杆１０の先端側
に向いた案内係合部２０を設けたものである。次に、図
中１１として示す函状保持具は、その全体が合成樹脂体
から一表面が開口２１した内部中空の函状に形成される
とともに、開口２１の反対面側には家具本体１側への取
付具２２をピン２３で枢着し、この取付具２２を取付け
た壁体に隣接する相対向した一対の壁体には折曲片１３
並びに案内係合部２０を開口２１と反対側に向けて支持
杆１０を摺動自在に挿通させるための挿通口２４、２４
が開設されたものである。尚、図中２５は函状保持具１
１の開口２１を閉止する蓋片である。そして、こうした
函状保持具１１内面の開口２１と対面した壁体側には、
図中２６として示す四角形板状の相対向した二辺にその
内部側に凹んだ凹設部２７、２７を設けた係止具が前記
したピン２３に取付具２２とは別に回動自在にして枢着
されている。この係止具２６は、支持杆１０を函状保持
具１１の挿通口２４、２４に摺動自在に挿通させたと
き、その本体１２の折曲片１３並びに案内係合部２０側
と重合状態で対面するようになっている。しかも、この
係止具２６は、その凹設部２７に函状保持具１１に挿通
させた支持杆１０の先端側の係合部１８の係合面１７並
びに案内係合部２０の案内係合面１９が係合でき、しか
もこの凹設部２７側面に支持杆１０の基端側の係合部１
８の係合面１７が当接できる大きさ関係並びに位置関係
にして函状保持具１１内面にピン２３で枢着されたもの
である。又、図中２８は函状保持具１１の相対向した内
面に設けたこの係止具２６が回動できるように設けた断
面円弧状の凹所である。

【００１０】そして、こうした家具用ステーは、家具本
体１側への取付具２２を枢着させた函状保持具１１に対
して支持杆１０をその先端側から挿通させてこの先端に
扉２側への取付具１４を枢着し、函状保持具１１の開口
２１には蓋片２５を取付けて一体物とする。

【００１１】而して、こうした家具用ステーは、扉２の
遊端部３の側部裏面に支持杆１０の取付具１４を取付
け、これに対応させて家具本体１の側壁４内面に函状保
持具１１の取付具２２を取付ける。

【００１２】そして、扉２を開放させるときには、扉２
の遊端部３を持って扉２の遊端部３と反対側の家具本体
１と扉２の間に設けた蝶番を支点として図５に示すよう
にそれを函状保持具１１に設けた係止具２６の凹設部２
７に支持杆１０の案内係合部２０の案内係合面１９が係
合するまで持ち上げ、この図５に示す状態ではそれ以上
扉２を持ち上げることができなくなるから、手を離せ
ば、扉２は図６に示すように落下してそれに応じて係止
具２６を図示したように案内係合部２０がこれに係合し
たまま支持杆１０の一対の係合部１８、１８側に回動さ
せ、次いで図７に示すようにこの係止具２６の凹設部２
７に先端側の係合部１８の係合面１７が係合して扉２に
開放状態を保持させるものである。又、扉２を閉止させ
るときには、扉２の遊端部３を持ってわずかに持ち上げ
ると、図８に示すように支持杆１０の先端側の係合部１
８の係合面１７に係合している係止具２６は上動してく
る案内係合部２０によって更に一対の係合部１８、１８
側に回動してこの一方の凹設部２７側面に基端側の係合
部１８の係合面１７、又他方の凹設部２７側面に案内係
合部２０の案内係合面１９が当接して、それ以上扉２を
持ち上げることができなくなり、手を離せば、図９に示
すように扉２は落下して係止具２６の凹設部２７側面に
先端側の係合部１８の係合面１７が当接して係止具２６
を一対の凹設部２７、２７が上下に向いた方向に回動さ
せ、もって支持杆１０の下動を許容して扉２を閉止させ
ることが可能になる。

【００１３】図示した実施例にかかわらず、支持杆１０
の長さ方向の両側端に折曲片１３、１３を設けることも
可能で、このときには係止具２６の回動を阻害すること
がないように折曲片１３、１３に切欠部１６、１６を相
対向して設けることが考慮される。又、支持杆１０に設
ける一対の係合部１８並びに案内係合部２０は図１０に
示すようにこの本体１２表面からその部分だけ突出させ
て設けることも可能である。更に、こうした家具用ステ
ーは、上方に開放する扉２を持った家具の他、側方に開
放する扉２を持った家具に取付けることもできる。

【００１４】

【考案の効果】こうした家具用ステーでは、家具の相対
向した部分に一対設ける場合には、その内の少なくとも
函状保持具は共通に利用することが可能となって、取付
けの手間を省略でき、しかも部品点数を少なくできる。
又、支持杆を固定状態に係止させる係止具はこの支持杆
と重合状態に設けられるから、函状保持具を小型化する
ことも可能となる。更に、この函状保持具は合成樹脂体
から形成されているから、扉の開閉動作に際して不快な
音をそれを防止するための特別な部材を設けなくても生
じることがないのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る家具用ステーを取付けた家具の斜
視図

【図２】この家具用ステーの分解状態斜視図

【図３】この家具用ステーを家具に取付けた状態の縦断
側面図

【図４】この家具用ステーを家具に取付けた状態の縦断
正面図

【図５】この家具用ステーの動作状態を示す説明図

【図６】この家具用ステーの動作状態を示す説明図

【図７】この家具用ステーの動作状態を示す説明図

【図８】この家具用ステーの動作状態を示す説明図

【図９】この家具用ステーの動作状態を示す説明図

【図１０】支持杆の他の実施例を示す斜視図

【符号の説明】

１ 家具本体 ２ 扉 ３ 遊端部 ４ 側壁 １０ 支持杆 １１ 函状保持具 １２ 本体 １３ 折曲片 １４ 取付具 １５ ピン １６ 切欠部 １７ 係合面 １８ 係合部 １９ 案内係合面 ２０ 案内係合部 ２１ 開口 ２２ 取付具 ２３ ピン ２４ 挿通口 ２５ 蓋片 ２６ 係止具 ２７ 凹設部 ２８ 凹所

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部中空の合成樹脂体からなり、開閉自
   在な扉を有する家具本体の側壁内面のうちの扉の遊端側
   に対応する位置に回動自在に取付けた函状保持具と、 先端部を扉の遊端側に回動自在に取付け、途中部を函状
   保持具に長手方向にのみ移動自在に貫通状に装着した所
   要の長さの板状の支持杆であって、基端部側の一側に長
   さ方向に間隔をあけ且つ互いに係合面を対面させて１対
   の係合部を支持杆の一方の表面側に立起状に設けるとと
   もに、基端部側の幅方向の途中部に係合部と同じ側へ突
   出する案内係合部を設け、１対の係合部のうちの基端部
   側の係合部の係合面と案内係合部の先端部側の案内係合
   面の長さ方向位置をほぼ一致させた支持杆と、 中央部を函状保持具内に回動自在に取付け且つ支持杆の
   係合部の突出側に重合わせて配置した四角形板状の係止
   具であって、相対向する二辺に先端側の係合面と案内係
   合面に係合可能な中央部側へ凹んだ凹設部を設けた係止
   具と、 を備え、係止具が１対の係合面及び案内係合面に順次係
   合することで扉を開放状態と閉鎖状態とに位置切換え可
   能に支持する家具用ステー。