JPS595771B2 - タ−ボ過給機付多気筒エンジンの排気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、エンジンの排気通路に介装したタービンに
より吸気通路に介装されたブロアを駆動して吸気過給す
るターボ過給機付多気筒エンジンの排気装置に関するも
のである。

ターボ過給機付エンジンは、排ガスの圧力を利用して吸
気過給することにより、エンジンの充填効率をたかめ、
エンジン出力の向上を図って排気エネルギを有効に利用
し得る利点がある。

しかしながら、エンジンの運転域は広範囲にわたるため
、全運転域にわたって各運転状態に適応した吸気過給量
を確保することは実際上きわめて困難であり、通常は高
速高負荷域における吸気過給量が過剰にならないように
タービン側の性能を設定している。

このようなタービン仕様では、逆に低速側でタービン出
力が不足し、と（に低速高負荷域では有効なエンジン出
力を得ることができず、ターボ過給機の意義を損う問題
がある。

この発明は上記従来の問題に鑑みなされたもので、エン
ジンの高速高負荷運転時の排ガス圧力をむやみに上昇さ
せることな（エンジンの低速運転時、とくに低速高負荷
運転時におけるタービン出力を向上させることによって
、ブロアの過給効率の向上を図り、エンジンの低速高負
荷運転時の出力性能を向上させるターボ過給機付多気筒
エンジンの排気装置を提供することを目的とする。

以下、この発明の実施例を図面にしたがって説明する。

第１図において、１は多気筒エンジンで、複数の気筒１
ａ、ｌｂを備えている。

２はターボ過給機を示し、上記多気筒エンジン１の排気
通路３に接続されたタービン４および、このタービン４
と同時回転可能に連結されて吸気通路５に介装されるブ
ロア６とからなり、タービン４によってブロア６を駆動
して吸気過給する。

上記排気通路３は、上記多気筒エンジン１における一方
の気筒１ａとタービン４との間に接続される排気通路３
ａと、この排気通路３ａに対してその下流側を開口接続
し、かつ他方の気筒１ｂに対応する排気通路３ｂとから
なる。

上記一方の排気通路３ａに対する他方の排気通路３ｂの
下流を開口接続する手段は、第２図に示すように、ター
ビンハウジング７の内周面によって画成されるタービン
スクロール８の外周方向に向けて他方の排気通路３ｂの
排ガスが一方の排気通路３ａ内に流出するようにしてい
る（矢印Ａ参照）。

上記他方の排気通路３ｂからタービン４の下流に設ゆら
れる排気通路３ｃにかげて、排気バイパス通路９が形成
され、この排気バイパス通路９には、たとえばダイヤフ
ラム装置１０に応動して開閉動作する開閉制御弁１１が
介挿される。

上記ダイヤフラム装置１０は、ダイヤフラム１２によっ
て仕切られた一方の室１０ａと他方の室１０ｂを有し、
一方の室１０ａは圧力通路１３を介して上記吸気通路５
に連通し、他方の室１０ｂには開閉制御弁１１を閉塞さ
せる方向（矢印Ｂ方向）に弾圧付勢するスプリング１４
を介装し、上記開閉制御弁１１とともにいわゆるウェス
トゲートパルプを構成している。

上記構成において、他方の排気通路３ｂからの排気（矢
印Ａ）によって、点線矢印Ａ１で示すように、排ガスの
流れ全体をタービン４に対して大きな角運動量をもつよ
うに、タービンスクロール８の外周方向にかたよったパ
ターンにする。

したがって、タービン４がうけるトルクが増大し、低速
側過給性能、加速応答性などが向上し、ブロア６の過給
効率を向上させて、とくにエンジンの低速高負荷運転時
の出力性能の向上を図ることができる。

一方、エンジンの高速高負荷域において、排ガスの流れ
がタービンスクロール８の外周方向にかたより過ぎると
、流体抵抗が太き（なり、かつ排ガス圧が高（なってエ
ンジン１の出力が低下するが、上記高速高負荷域にあっ
てはダイヤフラム装置１０の一方の室１０ａ内の高圧化
によって他方の室１０ｂ内のスプリング１４に抗して開
閉制御弁１１を矢印Ｂ１方向に移動させて排気バイパス
通路を開放し、上記流体抵抗と排ガス圧を効果的に下げ
てエンジン出力の低下を防止する。

さらに上記実施例では、多気筒エンジン１として、一方
の気筒１ａと他方の気筒１ｂとからなる２気筒エンジン
について説明しているけれど、この発明は、たとえば第
３ａ図および第３ｂ図に例示する４気筒エンジン１にお
いて、気筒１ａ、 １ｂ。

１ｃ、Ｉｄを２つグループＩＡ、ＩＢに分けて、一方の
グループ１Ａとタービン６との間の排気通路３ａに、他
方のグループ１Ｂの気筒の排気通路３ｂを上記実施例と
同様にタービンスクロール８の外周方向に向けて開口接
続する手段を採用することができ、その他、気筒数に応
じて各種の変形接続手段を多種案出できる。

以上説明したように、この発明は複数の気筒を２つに分
け、一方のグループの気筒とタービンとの間の排気通路
に、他方のグループの気筒の排気通路をタービンスクロ
ールの外周方向に向けて開口接続する一方、上記他方の
グループの気筒の排気通路とタービン下流の排気通路と
を連通ずる排気バイパス通路を設け、該排気バイパス通
路にウェストゲートパルプとしての開閉制御弁を介設し
たから、他方の排気通路からの排気流によってタービン
に対して大きな角運動量をもった排気流として送り込む
ことができ、タービン出力とプロアの過給効率を向上し
、とくにエンジンの低速高負荷運転時の出力性能を向上
させることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る排気装置を適用したターボ過給
機付多気筒エンジンの全体概略説明図、第２図は第１図
における■−■線に沿った断面図、第３ａ図および第３
ｂ図は変形手段の例を示す説明図である。 １・・・・・・多気筒エンジン、１ａ、１ｂ・・・・・
・複数の気筒、１Ａ・・・・・・一方のグループ、１Ｂ
・・・・・・他方のグループ、２・・・・・・ターボ過
給機、３・聞・排気通路、３ａ・・・・・・一方の排気
通路、３ｂ・・・・・・他方の排気通路、４・・・・・
・タービン、５・・・・：・吸気通路、６・・曲ブロア
、９・・・・・・排気バイパス通路、１０・・・・・・
ダイヤフラム、１１・・・・・・ウェストゲートパルプ
としての開閉制御弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排気通路に介装されたタービンにより吸気通路に介
   装されたブロアを駆動して吸気過給するようにしたター
   ボ過給機付多気筒エンジンの排気装置において、複数の
   気筒を２つのグループに分け、一方のグループの気筒と
   上記タービンとの間の排気通路に他方のグループの気筒
   の排気通路をタービンスクロールの外周方向に向けて開
   口接続する一方、上記他方のグループの気筒の排気通路
   とタービン下流の排気通路とを連通ずる排気バイパス通
   路を設け、該排気バイパス通路にブロア下流の過給圧が
   所定値以上のとき開くウェストゲートパルプを介設した
   ことを特徴とするターボ過給機付多気筒エンジンの排気
   装置。