JP2548360B2 - 蓄冷材およびその製造法 - Google Patents

蓄冷材およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は蓄冷材およびその製造法に関する。さらに詳
しくは、保冷用、野菜などの鮮度保持用、医療用などと
して好適に使用しうる蓄冷材およびその製造法に関す
る。
[従来の技術] 従来より蓄冷材としては水や粘性のある液体を金属缶
やプラスチックケースなどに封入したもの、ゲル状物を
疎水性フィルムからなる袋体内に封入したものなどが用
いられている。これらの蓄冷材のなかでは、水や粘性の
ある液体を用いたものよりもゲル状物、とくに硬いゲル
状物を用いたものが冷凍処理時の取り扱い性および保冷
箱内での均一保冷性の点で望ましい。
そこで近年蓄冷材としてゲル状物が頻繁に使用されつ
つあるが、従来の固いゲル状物の製造法によれば樹脂固
形分濃度を10%以上と高くする必要があり、したがって
ゲル状物の熱量を低下せしめる方向にあるため、樹脂濃
度が低くて硬いゲル状物をつくることが大きな課題とな
っていた。
また、従来のゲル状物は、水分の蒸発を阻止する目的
で疎水性フィルムで包装されているが、ゲル状物はフィ
ルムと密着していないので、とくにゲル状物が大型でか
つ厚さが薄いものであるばあいには、ゲル状物の腰がな
くなり、その取扱いが困難となるなどの問題があった。
そこでゲル化物とフィルムとの密着性を高める方法とし
て、袋状のフィルム中にゲル状物を入れ、減圧下でゲル
状物を袋状のフィルム中に密封する方法などが採られて
いるが、ピンホールなどが発生したときにはゲル状物と
フィルムとが分離してしまうという欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を
重ねた結果、樹脂濃度が低くて硬いゲル化体を見出した
が、さらに鋭意研究を重ねたところ、不透水性の熱可塑
性樹脂層が不織布の一面に設けられた包装基材を用い、
該不織布面がゲル化体と接触するように設けたばあいに
は、意外なことに、従来より不可能とされていた包装基
材とゲル化体の接着をきわめて良好になしうることを初
めて見出し、本発明を完成するにいたった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は不透水性の熱可塑性樹脂層が不
織布の一つの面に設けられた包装基材のゲル化体とから
なる蓄冷材であって、前記包装基材の不織布が設けられ
た面が蓄冷材の内面となるように設けられ、かつ前記ゲ
ル化体が不織布と接着されてなる蓄冷材、不透水性の
熱可塑性樹脂層が不織布の一つの面に設けられた包装基
材からなり、該包装基材の不織布が設けられた面が内面
となるように設けられた袋体のなかにポリビニルアルコ
ールおよび高吸水性樹脂の混合ペーストを充填したの
ち、所望の形状に成形し、ついで該袋体に冷凍処理を施
すことを特徴とする蓄冷材の製造法および不透水性の
熱可塑性樹脂層が不織布の一つの面に設けられた包装基
材からなり、該包装基材の不織布が設けられた面が内面
となるように設けられた袋体のなかにポリビニルアルコ
ールおよび高吸水性樹脂の混合ペーストをゲル化剤とと
もに充填したのち、所望の形状に成形し、ついで該袋体
に冷凍処理を施すことを特徴とする蓄冷材の製造法に関
する。
[作用および実施例] 本発明の蓄冷材は、前記したごとく、不透水性の熱可
塑性樹脂層が不織布の一つの面に設けられた包装基材と
ゲル化体とからなる蓄冷材であり、前記包装基材の不織
布が設けられた面が蓄冷材の内面となるように設けら
れ、かつゲル化体が不織布と接着されたものである。
本発明の蓄冷材は、ゲル化体と不織布とが接着一体化
されたものであるから、たとえば冷凍、冷蔵食品などの
保存容器内の床面に適合しうる大きさを有する薄型のも
のとすることができ、しかも従来のゲル化体とシートを
たとえば真空パックにより一体化させた蓄冷材のように
シート上に発生した微細な傷などによってゲル化体とシ
ートが剥離し、ゲル化体上でシートがずれ動くなどとい
う問題の発生がまったくないので、冷凍、冷蔵食品など
が均一に保冷されるようにするために使用される保存容
器用蓄冷材として好適に用いうるものである。
本発明に用いられるゲル化体は、主としてポリビニル
アルコール、高給水性樹脂および水から構成されるもの
である。
前記ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が88%
以上であり、平均重合度が1000以上、好ましくは1400〜
2000、とくに好ましくは1600〜1900であるものが用いら
れる。ケン化度が88%未満であるばあいや、重合度が10
00未満であるばあいには、ゲル強度は小さくなり、いわ
ゆる腰のないゲル化体となる傾向がある。
なお、前記ポリビニルアルコールには、必要に応じて
たとえば海藻類、植物性粘質物などの天然物;テンプ
ン、セルロース系の半合成高分子化合物;ポリアクリル
アミドなどの合成高分子化合物などを適宜配合してもよ
い。
本発明に用いられる高給水性樹脂としては、たとえば
架橋型ポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋型ポリアク
リル酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリド
ン、スルホン化ポリエチレン、デンプン−(メタ)アク
リロニトリル共重合体のケン化物、デンプン−アクリル
酸共重合体、ポリアクリルアミド、ビニルエステル−不
飽和カルボン酸共重合体またはそのケン化物、ビニルエ
ステル−不飽和カルボン酸誘導体共重合体またはそのケ
ン化物などがあげられ、これらの高含水性樹脂は単独で
または2種以上を混合して用いられる。前記ビニルエス
テル−不飽和カルボン酸共重合体またはそのケン化物お
よびビニルエステル−不飽和カルボン酸誘導体共重合体
またはそのケン化物に用いられる不飽和カルボン酸など
の代表例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸またはその
エステルや塩など;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸またはその部分もしくは完全
エステルや塩など;無水物などで変性されたポリビニル
アルコールなどがあげられる。
なお、本発明は前記高吸水性樹脂の例示のみによって
限定されるものではなく、本発明の範囲内であれば他の
高吸水性樹脂を使用してもよいことは勿論のことであ
る。
前記ポリビニルアルコールと高吸水性樹脂の配合割合
(ポリビニルアルコール/高吸水性樹脂:重量基準)
は、20/80〜90/10、なかんづく40/60〜70/30であること
が好ましい。前記配合割合は20/80よりも小さいばあい
には、えられるゲル化体と包装基材との接着強度が低下
し、また90/10をこえるばあいには、えられるゲル化体
の腰が急激に弱くなる傾向がある。
本発明に用いられるゲル化体をうる際には、前記ポリ
ビニルアルコールと高吸水性樹脂に加えて水が配合され
る。かかる水としては、本発明においてはとくに限定は
なく、通常ゲル化体をうる際に用いられる蒸留水、純水
などがあげられる。前記水の配合量は、前記ポリビニル
アルコールと高吸水性樹脂(以下、樹脂成分という)の
含有率が3〜10%(重量%、以下同様)、好ましくは5
〜8%となるように調整されるのが実用上望ましい。前
記樹脂成分の含有率が3%未満であるばあい、えられる
ゲル化体の形状維持が難しくなると同時にゲル強度が低
下する傾向にあり、また10%をこえるばあい、粘性が急
激に大きくなり、加工性が低下する傾向がある。
前記樹脂成分に水を配合した混合ペーストの製法の一
例をあげれば、たとえば5〜10%程度のポリビニルアル
コール溶液と残りの水を含ませた高吸水性樹脂とを混合
し、練り合せる方法などがあげられる。
前記混合ペーストからゲル化体をうる方法としては、
(イ)混合ペーストをゲル化剤を用いてゲル化する方法
および(ロ)混合ペーストに冷凍処理を施してゲル化す
る方法があげられる。
前記(イ)の方法によって混合ペーストからゲル化体
をうるばあいには、前記ゲル化剤としてたとえばホウ
酸、ホウ砂、グリオキザール、エチレンジアミンなどを
用い、該薬品をポリビニルアルコール100部(重量部、
以下同様)に対して1.0〜20部配合し、充分に混練りす
ることが好ましい。
また、前記(ロ)の方法によって混合ペーストからゲ
ル化体をうるばあいには、たとえば前記混合ペーストを
−10℃以下、なかんづく−20〜−30℃に冷却凍結したの
ち、解凍するのが好ましい。なお、かかる方法によりゲ
ル化体をうる際に、あらかじめたとえばジアミン、ジア
ルデヒド類などを用いて混合ペーストを架橋させてゲル
化体をえ、かかるゲル化体に冷凍処理を施したときに
は、さらに硬度が大きいゲル化体をうることができる。
このようにしてえられるゲル化体は、とくに機械的強度
が要求される用途に好適に使用しうるものである。
また、えられたゲル化体に前記した冷凍処理を繰返し
て施したり、凍結中に真空乾燥処理を施し、ゲル化体よ
り若干量の水分を除去してゲル化体のゲル強度を向上さ
せてもよい。
前記のごとくしてえられるゲル化体は内面に不織布層
が設けられた包装基剤からなるたとえば袋体などに収納
されるが、ゲル化体と不織布との接着強度を大きくする
ために、袋体内に混合ペーストを入れたのち、前記混合
ペーストからゲル化体をうる方法にしたがって混合ペー
ストをゲル化するのが好ましい。
なお、前記混合ペーストが入れられた袋体などには、
所望の形状を有する蓄冷材をうるために、たとえば平滑
な表面を有するロールなどを用いて平たく引き延ばした
り、エンボスロールなどを用いて表面に凹凸を施しても
よい。
本発明において、包装基材としては不透水性の熱可塑
性樹脂層が不織布の一つの面に設けられたものが用いら
れる。
前記不透水性の熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性
樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィン系樹脂やナイロンなどのポリアミ
ド系樹脂などがあげられる。前記熱可塑性樹脂層の厚さ
は、えられる蓄冷材の用途によって異なるが、通常包装
基材としての機械的強度を考慮して20〜50μm程度であ
ることが好ましい。前記熱可塑性樹脂層を不織布上に設
ける方法としては、たとえば前記熱可塑性樹脂を加熱溶
融させ、これを不織布の一つの面に塗布や流延などによ
って熱可塑性樹脂層を設ける方法、前記熱可塑性樹脂か
らなるフィルムをあらかじめ成形しておき、かかるフィ
ルムを不織布の一つの面に積層し、加熱またはバインダ
ーなどを用いて接着一体化して熱可塑性樹脂層を設ける
方法などがあげられるが、本発明はかかる方法のみに限
定されるものではない。
前記不織布としては、たとえばスパンボンド不織布、
ニードルパンチ不織布などがあげられるが、これらの不
織布のなかではとくにニードルパンチ不織布はゲル化体
と絡み合って一体化し、ゲル化体と不織布の剥離強度が
大きくなるので好ましい。前記不織布に用いられる繊維
としては、たとえばポリエステル繊維、ポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリアミド繊維、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、
綿、羊毛などがあげられ、これらの繊維は単独でまたは
2種以上を混合して用いられる。なお、前記包装基材を
袋体として使用し、その内部にゲル化体を入れ、開口部
をたとえば加熱により密閉するばあいには、前記繊維の
なかでは加熱により溶融するポリオレフィン系樹脂繊維
およびポリアミド系樹脂繊維の少なくとも1つが主成分
として含有されていることが好ましい。前記不織布の坪
量は、えられる蓄冷材の用途によって異なるので一概に
は決定することができないが、通常5〜100g/m2、なか
んづく20〜60g/m2であることが好ましい。
また、一般に蓄冷材を用いたばあいには、保冷温度お
よび保冷時間などは、蓄冷材の形状や重量などによって
決定されるが、さらに前記不織布の熱可塑性樹脂層が設
けられた面には、アルミニウムが蒸着された樹脂層を設
けてもよく、また熱可塑性樹脂層のなかにアルミニウム
粉末を練り込んで輻射熱のみを妨げるようにしてもよ
い。
前記したごとく、本発明の蓄冷材は、ゲル化体が包装
基材の不織布と接着し、一体化されたものであり、ゲル
化体が有する冷熱が直接蓄冷材の外皮である熱可塑性樹
脂層に伝導されるため、伝熱効率にすぐれたものであ
る。
なお、本発明の蓄冷材の形状および大きさについては
任意であり、用途に応じて適宜調整すればよいが、たと
えば本発明の蓄冷材を家庭用の冷凍庫内で凍らせて使用
するばあいには、できるだけ場所をとらずに短時間に凍
結処理を施すことが好ましいので、たとえば第1図に示
されるように、包装基材(1)に混合ペーストを入れ、
開口部(2)を密閉させたのち、凹凸状の形状を有する
ように成形し、ついで混合ペーストにゲル化処理を施す
ことにより包装基材とケル化体が一体化された蓄冷材を
用いることが好ましい。このばあい、包装基材の開口部
(2)は、ゲル化体が接着剤の役割を果たし、該ゲル化
体によって閉鎖されているので、ヒートシール処理や縫
合処理などを施す必要がないという利点がある。
つぎに本発明の蓄冷材を図面に基づいて説明する。
第2図は、本発明の蓄冷材の一部破断斜視図である。
第2図において、外面に熱可塑性樹脂層(3)が設けら
れた包装基材(1)の内面には不織布(4)が設けられ
ている。包装基材(1)内に混合ペーストを入れたとき
には混合ペーストの一部は不織布(4)に含浸される。
この状態で混合ペーストにゲル化処理が施されると混合
ペーストはゲル化体(6)となり、不織布(4)と強固
に結合すると同時に不織布(4)の起毛部においては不
織布(4)とゲル化体(6)との結合層(5)が形成さ
れ、包装基材(1)とゲル化体(6)との結合がさらに
強固なものとなるのである。第2図に示された蓄冷材の
形状は偏平状であるが、かかる蓄冷材のゲル化体(6)
の厚さは前記したごとく任意であり、たとえば0.5〜50m
m程度の範囲内から用途に応じて適宜選定される。
つぎに本発明の蓄冷材を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
実施例1ならびに比較例1および2 ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度1800)
の7%水溶液600部に、水400部を含有した架橋型ポリア
クリル酸ソーダ20部を添加し、これに防黴剤(ビオサイ
ド1800、(株)台商製、商品名)1部および安定剤とし
てEDTA−2Na 1部をさらに添加して約10分間混練し、粘
着性のある柔かい餅状の混合ペーストをえた。
ポリエステル繊維60%およびポリエチレン繊維40%か
らなるニードルパンチ不織布(坪量50g/m2)の一つの面
にポリエチレンを厚さが50μmとなるように塗布し、包
装基材をえた。
えられた包装基材を不織布面が内面となるように2つ
折にし、端部を加熱溶着して一端が開口された袋体(縦
330mm、横 280mm)をえた。
えられた袋体のなかに前記混合ペーストを入れ、混合
ペーストの厚さが13mm、重さが1kgとなるように調整し
たのち、袋体の開口部を閉じた。つぎにこの袋体を冷凍
室(室温−25℃)中に24時間放置したのち、冷凍室から
取り出して蓄冷材をえた。えられた蓄冷材を生鮮品を流
通する際に用いられる20容の発泡ポリスチレン容器内
に入れて以下の要領にて保冷性能を調べた。その結果を
第1表に示す。
なお、参考のために、市販品を用いて上記と同様にし
て保冷性能を調べた。その結果を第1表に示す。
(保冷性能) 発泡ポリスチレン容器内に市販のコンニャク(温度:5
℃)を25枚入れ、該発泡ポリスチレン容器の中央部
(X)の温度および底面部(Y)の温度が測定されるよ
うに設定した。つぎに蓄冷材(−20℃)をコンニャクの
上にのせ、容器の蓋を載せて雰囲気温度30℃の恒温室内
に放置し、容器内の温度の経時変化を調べた。
なお、比較のために用いた市販の保冷材としては、保
冷材A(140×180×22mmで500gのものを2個使用)、保
冷材B(80×130×22mmで200gのものを5個使用)を用
いた。
実施例2 実施例1と同様にして餅状のペーストを調製し、これ
を実施例1と同様にしてえられた一端が開口された袋体
(縦 330mm、横 280mm)のなかに入れ、混合ペーストの
厚さが6mm、重さが500gとなるように調製したのち、袋
体の開口部を閉じた。つぎにこの袋体を冷凍室(室温−
25℃)中に24時間放置したのち、冷凍室から取り出して
蓄冷材をえた。
えられた蓄冷材を2個用意し、それぞれを20容の発
泡ポリスチレン容器の上面および下面に設けた以外は実
施例1と同様にして保冷性能を調べた。その結果を第1
表に示す。
第1表に示した結果より、実施例1でえられた本発明
の蓄冷材は、比較例1および2で用いられた従来品より
も保冷性能にすぐれていることがわかる。
また、実施例1および実施例2を対比して明らかなよ
うに、発泡ポリスチレン容器の内表面に合せて保冷材を
容器の上面および下面に設置したばあいには、保冷材の
重量が同一であっても容器内の温度をさらに低い状態で
長時間維持しうることがわかる。
したがって、保冷材としては、容器の内表面をできる
だけ覆うことができるようにすることが望ましいが、本
発明の保冷材は、前記したごとく、シート状に成形され
うるものであるため、これらの用途にも好適に使用しう
ることがわかる。
実施例3〜7 樹脂濃度とゲル化体の腰の強さの関係を調べるために
第1表に示した組成からなる混合ペーストを調製し、該
混合ペースト1kgを、ポリエチレン層(厚さ50μm)が
ポリエステル繊維からなるニードルパンチ不折布(坪量
50g/m2)の一つの面に設けられた包装基材からなり、不
織布面が内面となるように設けられた袋体(280×330m
m)のなかに入れ、実施例1と同様に冷凍処理を施して
蓄冷材を作製した。
えられた蓄冷材を机の端より100mmたれ下げ、下部に
たれ下がった蓄冷材の垂直方向の長さを測定し、これを
ゲル化体の腰の強さとして評価した。その結果を第2表
に示す。
第2表に示した結果より明らかなように、蓄冷材のゲ
ル化体中における樹脂成分濃度が4%をこえると蓄冷材
の腰が急激に低下することがわかる。
実施例8および比較例3〜5 樹脂成分の濃度が6%、高吸水性樹脂の樹脂成分中に
おける濃度が40%となるように調整し、包装基材として
第3表に示したものを用いたほかは実施例3〜7と同様
にして蓄例材を作製した。えられた蓄冷材の物性として
たれの度合を実施例3〜7と同様にして測定した。その
結果を第3表に示す。
実施例9〜11 ポリビニルアルコールのゲル化にホウ砂、ジアルデヒ
ドを用いるかまたは実施例1と同様にして冷凍処理を施
してゲル化体をえた。
えられたゲル化体のたれの度合を実施例3〜7と同様
にして調べた。その結果を第4表に示す。
実施例12〜15および比較例6〜9 樹脂濃度6%、樹脂成分に対する高吸水性樹脂40%の
ゲル化体1kg、500g、300gまたは100gをポリエチレン層
(厚さ50μm)が設けられたポリエステル繊維からなる
不織布(坪量50g/m2)またはポリエチレンフィルム(厚
さ30μm)とナイロン−6,6フィルム(厚さ15μm)の
積層フィルムからなる袋体(280×160mm)に入れ、平滑
に延伸したの、実施例1と同様に冷凍処理を施して蓄冷
材をえた。
えられた蓄冷材の物性としてたれの度合を実施例3〜
7と同様にして測定した。その結果を第5表に示す。
第5表に示した結果より、ゲル化体の厚さが大きくな
るにしたがって包装基材の種類の差によるたれの度合の
変化は小さくなることがわかる。
また、ゲル化体と包装基材とが本質的に接着していな
い比較例6〜9の蓄冷材は、ゲル化体が包装基材のなか
で移動して不安定であり、まったく実用に耐えないもの
であった。
実施例16〜21 第3〜8図に示された形態を有する袋体1kg(280×33
0mm)を試作し、それぞれ5段ずつ積み重ねた状態で室
温が−25℃の冷凍室中に放置し、上から3段目の蓄冷材
が完全に凍結するのに要する時間を測定した。その結果
を第6表に示す。
[発明の効果] 本発明の蓄冷材は、高吸水性樹脂とポリビニルアルコ
ールの混合ペーストをゲル化することによりえられるゲ
ル化体が不織布と熱可塑性樹脂層からなる包装基材の該
不織布面で強固に接着されたものであるから、たとえば
厚さの薄いシート状物として好適に使用しうるものであ
る。
また、本発明の製造法によれば適度な粘度を有する混
合ペーストを不織布面で接着せしめたのち、たとえば型
ロールや型板を用いて押着し、棒状、マット状、基盤状
に成形したのちゲル化せしめたばあいには、型くずれを
おこさず、簡易に種々の形状を有する蓄冷材をうること
ができるという効果を奏する。
さらに本発明の蓄冷材は、その取扱いが容易でしかも
均一な冷却性能を呈し、かつ大きな蓄熱能力を有するも
のであり、また包装基材が破れたばあいであっても液も
れなどの発生がなく、汚染などのおそれがないものであ
るので、たとえば保冷用、野菜などの鮮度保持用、医療
用などとして好適に使用しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の蓄冷材の斜視図、第2〜6図は本発明
の蓄冷材の一部破断斜視図、第7図は本発明の蓄冷材の
斜視図、第8図は本発明の蓄冷材の一部破断斜視図であ
る。 (図面の主要符号) (1):包装基材 (3):熱可塑性樹脂層 (4):不織布 (6):ゲル化体

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不透水性の熱可塑性樹脂層が不織布の一つ
    の面に設けられた包装基材とゲル化体とからなる蓄冷材
    であって、前記包装基材の不織布が設けられた面が蓄冷
    材の内面となるように設けられ、かつ前記ゲル化体が不
    織布と接着されてなる蓄冷材。
  2. 【請求項2】不透水性の熱可塑性樹脂層がポリオレフィ
    ン系樹脂層、ポリアミド系樹脂層またはこれらの樹脂層
    の複合層である請求項1記載の蓄冷材。
  3. 【請求項3】不織布がポリオレフィン系樹脂繊維および
    ポリアミド系樹脂繊維の少なくとも1つを含有したもの
    である請求項1記載の蓄冷材。
  4. 【請求項4】ゲル化体がポリビニルアルコールおよび高
    吸水性樹脂の混合ペーストからなる請求項1記載の蓄冷
    材。
  5. 【請求項5】ゲル化体がポリビニルアルコールと高吸水
    性樹脂を重量比で20/80〜90/10となるように混合してえ
    られた混合ペーストをゲル化剤によるゲル化または冷凍
    処理によるゲル化によってえられたものである請求項1
    記載の蓄冷材。
  6. 【請求項6】不透水性の熱可塑性樹脂層が不織布の一つ
    の面に設けられた包装基材からなり、該包装基材の不織
    布が設けられた面が内面となるように設けられた袋体の
    なかにポリビニルアルコールおよび高吸水性樹脂の混合
    ペーストを充填したのち、所望の形状に成形し、ついで
    該袋体に冷凍処理を施すことを特徴とする蓄冷材の製造
    法。
  7. 【請求項7】不透水性の熱可塑性樹脂層が不織布の一つ
    の面に設けられた包装基材からなり、該包装基材の不織
    布が設けられた面が内面となるように設けられた袋体の
    なかにポリビニルアルコールおよび高吸水性樹脂の混合
    ペーストをゲル化剤とともに充填したのち、所望の形状
    に成形し、ついで該袋体に冷凍処理を施すことを特徴と
    する蓄冷材の製造法。
JP5323389A 1989-03-06 1989-03-06 蓄冷材およびその製造法 Expired - Lifetime JP2548360B2 (ja)

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