JPH11292152A - 吸油吸水性包装材料 - Google Patents

吸油吸水性包装材料

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JPH11292152A
JPH11292152A JP11137798A JP11137798A JPH11292152A JP H11292152 A JPH11292152 A JP H11292152A JP 11137798 A JP11137798 A JP 11137798A JP 11137798 A JP11137798 A JP 11137798A JP H11292152 A JPH11292152 A JP H11292152A
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layer
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resin
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Toshibumi Tanahashi
俊文 棚橋
Atsushi Kikuchi
淳 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子レンジ加熱食品、コロッケ、フライ、フラ
イドチキン、フライドポテト、春巻等の揚げ物類やハン
バーガー、焼おにぎり、シュウマイ等のドリップや水蒸
気が出る食品を収納し電子レンジで加熱する際に、食品
中から出る水分や油を吸収し、風味を損わない状態に仕
上げるとともに、手やレンジ、衣服等が汚れるのを防止
することができる包装材料を提供する。 【解決手段】外層となる不通気性フイルム層及び内層と
なる少なくとも一部が親水性を有する熱可塑性樹脂の不
織布層を含む積層体により吸油吸水性包装材料を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジによりそ
のまま加温が可能で、コロッケ、フライ、フライドチキ
ン、フライドポテト、春巻、ハンバーガー、焼おにぎ
り、シュウマイ等の加温時にドリップや水蒸気が出る食
品の包装に好適な吸油吸水性包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子レンジ加熱食品としてコ
ロッケ、フライ、フライドチキン等の揚げ物や米飯類を
調理後冷凍したものを包装袋やトレー等の容器類に収納
したものが市販されている。このような電子レンジ加熱
食品を電子レンジで加熱する際には、食品中の水分や油
が包装袋や容器内にたまり、食品に付着して食品の風味
を損ったり、手やレンジ、衣服等に付着するという欠点
がある。特に、コロッケ、フライ、フライドチキン、フ
ライドポテト、春巻等の揚げ物を電子レンジで加熱する
場合には、食品中から出た水分や油が食品の表面に付着
すると仕上りがカラッとせず、風味が著しく損われると
いう問題点があった。また、ハンバーガー、シュウマ
イ、焼おにぎり等は包材表面への結露による食品のベタ
ツキが発生し食感が悪くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
このような従来技術の問題点を解消し、電子レンジ加熱
食品、コロッケ、フライ、フライドチキン、フライドポ
テト、春巻等の揚げ物類やハンバーガー、焼おにぎり、
シュウマイ等のドリップや水蒸気が出る食品を収納し電
子レンジで加熱する際に、食品中から出る水分や油を吸
収し、風味を損わない状態に仕上げるとともに、手やレ
ンジ、衣服等が汚れるのを防止することができる包装材
料を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、つぎのような構成をとるものである。 1.外層となる不通気性フイルム層及び内層となる少な
くとも一部が親水性を有する熱可塑性樹脂の不織布層を
含む積層体により構成された吸油吸水性包装材料。 2.積層体が外層となる不通気性フイルム層と内層とな
る不織布層の間に接着性樹脂フイルム層を有するもので
あることを特徴とする1に記載の吸油吸水性包装材料。 3.不織布層が親水化処理された疎水性の不織布により
構成されたものであることを特徴とする1又は2に記載
の吸油吸水性包装材料。 4.不織布層の少なくとも片面が親水化処理されたもの
であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の
吸油吸水性包装材料。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の吸油吸水性包装材料で外
層を構成する不通気性フイルムとしては特に制限はな
く、包装材料に用いられる不通気性フイルムやシート類
はいずれも使用することができるが、通常はプラスチッ
ク材料からなるフイルムを使用する。ここで言う、不通
気性とは穴のないという意味であり、必ずしも全く気体
が透過しないことを意味するものではない。外層を構成
するのに適したプラスチック材料としては、例えば結晶
性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合
体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペン
テン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化
物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、
イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポ
リオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、
塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリ
アクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体
の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パ
ラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド
類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネ
ート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセ
タール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。外層
樹脂層は、通常はこれらのプラスチック材料からなる未
延伸の、或いは一軸又は二軸延伸したフイルム又はシー
トにより構成される。
【0006】本発明の包装材料の外層は、これらのプラ
スチックフイルム又はシートを単層で、又は2種以上を
積層して構成することができ、また、これらのプラスチ
ックフイルム又はシートの1種又は2種以上と、アルミ
ニウム等の金属箔、紙、セロファン等を貼合せて構成す
ることも出来る。特に、ガスバリヤー性を必要とする内
容物の場合には、ポリ塩化ビニリデン樹脂層、EVAケ
ン化物の層、アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物
の蒸着膜を有する樹脂層、アルミニウム等の金属箔を含
む積層体を使用することが好ましい。これらの積層体を
製造する際には、各層間に必要に応じてエポキシ系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂等からなる接着剤、
アンカー剤を介在させることもできる。
【0007】包装材料を構成するフイルム又はシートに
剛性や断熱性等を付与するために、各種合成樹脂の発泡
体からなるフイルム又はシートを使用することもでき、
また各種合成樹脂に酸化チタン、炭酸カルシウム、カー
ボン等の添加剤を充填したフイルム又はシートを使用す
ることもできる。外層となるプラスチックフイルム又は
シートを単層とするか、又はどのような層構成のものと
するかは、包装材料に充填する内容物の性状に応じて選
択すればよい。
【0008】本発明の吸油吸水性包装材料では、内層を
構成する不織布として少なくとも一部が親水性を有する
熱可塑性樹脂により構成された不織布を使用することを
特徴とするものである。不織布の製法には特に制限はな
く、例えば乾式、湿式又はスパンボンド、メルトブロー
等の製法によって製造したものを使用することができ
る。使用する熱可塑性合成樹脂としては、加熱成形可能
な樹脂、特に熱接着性を有する樹脂であれば特に限定さ
れない。好ましい樹脂としては、ポリエチレン、エチレ
ン共重合体、ポリプロピレン、ポリブチレン、ブチレン
共重合体等のポリオレフィン類、ポリエステル系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂等が挙げられる。また、上記の樹脂の一つを芯
部、他の一つを鞘部に使用した複合繊維が用いられても
良い。
【0009】不織布の少なくとも一部に親水性を付与す
る方法としては、例えばつぎのようなものが挙げられ
る。 1)不織布の繊維を構成する合成樹脂として、親水性を
有する合成樹脂又は親水性を有する合成樹脂と他の熱可
塑性合成樹脂との混合物を使用する。 2)不織布の繊維を構成する合成樹脂に親水性付与物質
を配合する。 3)不織布の製造中又は製造後に合成樹脂繊維の表面に
親水性付与物質を浸漬、塗布等により付着させる。また
は不織布を構成する合成繊維製造時に親水性付与物質を
付着させる。 4)不織布の製造後に合成樹脂繊維の表面をプラズマ処
理、コロナ処理等により物理的に改質し親水性を付与す
る。
【0010】親水性付与物質はスプレー法、グラビアコ
ーティング法、キスロール法、スクリーン印刷法などに
より塗布される。片面、または両面の表面に部分的また
は全体的に付着させることができる。片面処理を施すこ
とにより、片面で水分を吸収し、他方の面では、油を吸
収するようになる。また同様にして、親水性付与物質を
面方向に部分的に、例えば格子模様、縞模様、水玉模
様、グラビア網点等に塗布すると、塗布部分が水分を吸
収し、他の部分は油をよく吸収するようになる。また、
乾式不織布においては、繊維製造の際、仕上げ剤として
親水性付与物質を塗布し、スルーエアー法やポイントボ
ンド、ニードルパンチ等で不織布にする方法をとること
もできる。
【0011】上記1)の不織布の繊維を構成する親水性
を有する合成樹脂としては、例えばポリビニルアルコー
ル、ビニルアルコール共重合体、ポリオキシエチン共重
合ポリエステル等が挙げられる。また、親水性付与物資
としては、種々の界面活性剤、例えばエチレンオキサイ
ド付加界面活性剤等のノニオン系界面活性剤、高級アル
キルリン酸エステル塩、高級アルコール、多価アルコー
ルの脂肪酸エステル類、ポリアルキレンオキサイド類、
ポリビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、オ
レフィン不飽和カルボン酸共重合体無水物、アクリル系
樹脂、或いは吸湿性無機物の微粉末等が挙げられる。な
かでも、食品衛生上問題のない、蔗糖脂肪酸エステル
や、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が望まし
い。
【0012】不織布を疎水性の熱可塑性合成樹脂材料に
より構成し、不織布の表面を親水性付与物質により、も
しくは物理的に処理して親水性を付与した不織布を内層
として使用し、本発明の包装材料を構成した場合には、
吸油性及び吸水性を兼備した包装材料が得られるので好
ましい。このような表面処理は、不織布の片面もしくは
両面に対して行われるが、片面処理の場合には不織布の
処理面を包装材料の内側(食品側)もしくは外側のいず
れの側とすることもできる。不織布を構成する繊維の太
さは通常は0.1〜60デニール、好ましくは0.5〜
10デニールとし、目付量は通常は5〜200g/
2、好ましくは15〜100g/m2とする。
【0013】不織布は電子レンジ加熱により揚げ物食品
から発生した、油を吸収する作用を有する。不織布の吸
油性能を示す目安としては吸油量がある。吸油量は気温
23℃の雰囲気中、サラダ油中に積層体を1分間浸漬
し、その後2分間、端部を空中で保持、油切りして、そ
の吸収量を求める。吸油量は30g/m2以上、好まし
くは100g/m2以上がよい。吸油倍率(吸油量/目
付量)としては1倍以上、好ましくは2倍以上がよい。
また、電子レンジ加熱時には、油と共に水蒸気が発生す
るので水分を吸収する必要がある。吸水量は吸油量と同
様に水中に積層体を1分間浸漬し、2分間空中で端部を
保持、水切りして、その吸収量を吸水量とする。吸水量
は30g/m2以上、好ましくは100g/m2以上がよ
い。吸水倍率(吸水量/目付量)は1倍以上好ましくは
2倍以上が良い。
【0014】水蒸気が吸収されるには、水蒸気が不織布
の中を通過する性質が必要とされ、透気度で示される
(フラジール法JIS L−1096)。使用されるの
に適した不織布の透気度は1cc/cm2/sec以上
1000cc/cm2/sec以下、好ましくは10c
c/cm2/sec以上500cc/cm2/sec以下
がよい。この範囲以下であると水蒸気が透過し難く、表
面に溜まる。また、この範囲以上であると水蒸気が抜け
すぎ、捕捉できない。また、水蒸気が不織布表面に凝集
する現象が見られるが、この現象は親水化処理により防
ぐことができる。不織布の親水化処理程度としては、水
滴の吸収時間を調べた。すなわち、4μlの水を不織布
上に滴下し、吸収される時間を調べた。使用される不織
布は水滴が60分以内、好ましくは10分以内に吸収さ
れるものが良い。
【0015】本発明の吸油吸水性包装材料は、図1にみ
られるように外層となる不通気性フイルムと内層となる
少なくとも一部が親水性を有する熱可塑性樹脂の不織布
を積層することによって構成することができる。また、
図5にみられるように外層となる不通気性フイルムと内
層となる不織布層の間に接着性樹脂層を介在させて積層
することによって吸油吸水性包装材料を構成してもよ
い。中間に接着性樹脂層を設けた場合には、包装材料の
層間剥離を防止するとともにガスバリヤー性等が改善さ
れるので好ましい。
【0016】中間に設ける接着性樹脂層を構成する材料
としては、加熱時に接着性を有する樹脂はいずれも使用
することができるが、好ましい樹脂としては、ポリエチ
レン、エチレンプロピレン共重合体、ポリプロピレン等
のポリオレフィン類や、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニルを0.5から50重量%含有する)、エチ
レンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル
共重合体、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体
にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和
酸をグラフト重合したもの、これらを単独または、2種
類以上混合したものを成分とするもの、及びこれら樹脂
にロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、スチレン系樹
脂エステルガム、クマロンレジン、塩素化パラフィン、
塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、パラフィンの何れ
か一つ以上のものを5〜50重量%配合したものを樹脂
成分とするものがある。
【0017】アクリル系接着樹脂としては、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシルを主体とし、これとメタクリル酸エステル、スチ
レン、アクリロニトリルなどとの共重合体を樹脂成分と
するものがある。酢酸ビニル系接着樹脂では、酢酸ビニ
ルの重合物、酢酸ビニルアクリル酸エステル共重合体
(アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が
ある)、酢酸ビニルエチレン共重合体(エチレンを10
〜50重量%含有する)を樹脂成分とするものがある。
また、熱可塑性ポリエステル系接着樹脂、熱可塑性ポリ
アミド系接着樹脂等及び、これら樹脂にロジン樹脂、テ
ルペン樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂エステルガム、
クマロンレジン、塩素化パラフィン、塩化ビニル樹脂、
ニトロセルロース、パラフィンの何れか一つ以上のもの
を5〜50重量%配合したものを樹脂成分とするものが
ある。これらの接着樹脂は単独または、2種以上を混合
して使用することができる。
【0018】本発明の包装材料を構成する際には、必要
に応じて外層、中間層、内層の各層間にポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
チレンイミン系樹脂等の接着剤層やアンカーコート層を
設けることができる。また、包装材料を構成する各層を
積層する際に、予め不通気性プラスチックフイルムに熱
可塑性樹脂層を接着剤を介して積層した後、不織布を熱
ロールによりラミネーションすることができる。また、
不織布を押し出しサンドラミネーションのような方法で
積層する場合、通常、不通気性フイルムにアンカー剤を
塗布し、熱可塑性樹脂を中間層になるように押し出し、
不織布を同時にラミネーションしてもよい。この時多く
のエクストルージョンコーターでは、不織布層側から冷
却することになる。したがって冷却効率が悪くなり、カ
ールを生じ易くなる場合がある。この押し出した層の熱
の影響を少なくするために、予め不通気性プラスチック
フイルムに熱可塑性樹脂層を接着剤を介して積層した
後、更にもう一層熱可塑性樹脂を中間層となるように押
し出して、不織布と積層してもよい。この時に、冷却ロ
ールを不通気性フイルム側に当たるようにして冷却する
とカールが少ない積層体が得られる。また、接着層樹脂
を外層となる不通気性フイルムにホットメルトアプリケ
ーターによりスプレーコートし、不織布を熱い内にラミ
ネートすることにより積層体を得ることもできる。
【0019】本発明の吸油吸水性包装材料は、平袋、ピ
ロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ等の各種包
装袋の少なくとも一部、すなわち側壁部、片面、底部
等、あるいは全部を構成するため使用される。また、ト
レー、ボックス等の容器類やこれら容器類の蓋材等を構
成するのに使用される。包装袋類は密封されたものだけ
ではなく、一部が開放された状態で使用されるものでも
よい。本発明の吸油吸水性包装材料を電子レンジ加熱食
品、コロッケ、フライ、フライドチキン、フライドポテ
ト、春巻等の揚げ物やハンバーガー、焼おにぎり、シュ
ウマイ等のドリップや水蒸気が出る食品の包装に使用し
た場合には、包装材料の内層を構成する親水性を有する
熱可塑性樹脂の不織布層が、電子レンジ加熱時に食品中
から出てくる油や水分を吸収するので、風味の良好な調
理食品を得ることができる。また、油や水分が包装袋や
容器内にたまらないので、手やレンジ、衣服等の汚れを
防止することができる。
【0020】このような用途に本発明の積層体を用いる
際、その性能として、不織布側からの水分吸収速度が、
4μlの水滴を60分以内に、好ましくは10分以内に
吸収するものが望ましい。水分吸収速度がこれより遅い
と揚げ物用の電子レンジ加熱の包装材として使用した場
合、包装材内面に水滴が付着し、揚げ物が湿る原因とな
る。また、積層体の吸油量は不織布と同じ浸漬法で求め
るが、外層フイルム側は濾紙で油を十分吸収させる。積
層体の吸油量は50g/m2〜2000g/m2、好適に
は100g/m2〜1000g/m2の範囲にあり、同様
に積層体の吸水量は30g/m2〜1500g/m2、好
適には70g/m2〜750g/m2の範囲にあるのが良
い。吸水、吸油量がこれより少ないと、実際の揚げ物用
の電子レンジ加熱用包装材として使用した場合、内容品
から出た油が包材に吸収されず、べたついたり、水分が
包材面に残り、ふやけたりする。この範囲より吸水、吸
油量が多いと食品がからからになって乾燥したり、油分
が抜けすぎて風味が損なわれる。
【0021】つぎに、図面に基づいて本発明の吸油吸水
性包装材料をさらに説明する。図1は本発明の包装材料
の1例を示す模式断面図、図2は該包装材料により構成
された包装袋の模式断面図、図3は該包装材料により構
成されたスタンディングパウチの正面図(A)及び側断
面図(B)、そして図4は該包装材料により構成された
容器及び蓋材の模式断面図である。この例では、包装材
料1は外層2となる不通気性合成樹脂フイルム及び内層
3となる親水性付与物質を配合した熱可塑性樹脂繊維に
より構成した不織布をウレタン系アンカーコート剤(図
示せず)を介して積層することによって構成されてい
る。
【0022】この包装材料1は、例えば図2にみられる
ように内層3、3を重ね合わせて周縁部をヒートシール
することにより、各種形状の包装袋11を製造するのに
使用される。この包装袋11は、ヒートシール部が透明
となり良好な外観と改善された密封性を有する。また、
包装材料1は、図3にみられるようにスタンディングパ
ウチ31の製造にも使用できる。スタンディングパウチ
を製造するには、側壁部7を構成する包装材料の内層
3、3を重ね合わせるようにし、またパウチの底部も同
様に内層3、3を内側にして周縁部をヒートシールす
る。この際、底部6にのみ、本発明の包装材料を使用し
て、側壁部分7は外層フイルムと接着性樹脂層からなる
ものを用いる構成としても良い。
【0023】さらに、この包装材料1は、図4にみられ
るように容器本体22及び蓋材23からなる種々の形状
の容器21を製造するのに使用される。この際に、容器
本体22または蓋材23のみを本発明の包装材料1によ
り構成し、他の部材は通常の材料により構成するように
してもよい。
【0024】図5は、本発明の包装材料の他の例を示す
模式断面図である。この例では、内層3として疎水性の
熱可塑性樹脂繊維から構成された不織布の片面を親水性
付与物質で塗布処理したものを使用し、被処理面4が内
側(食品側)となるように外層2となる不通気性合成樹
脂フイルムと積層することによって包装材料1を構成し
たものである。外層2と内層3の層間にはポリウレタン
系のアンカーコート剤(図示せず)が使用されている。
【0025】図6は、本発明の包装材料のさらに他の例
を示す模式断面図である。この包装材料1では図5の包
装材料の外層2と内層3の間に接着性樹脂層5が各層間
にアンカーコート剤を介して設けられているほかは、図
4の包装材料と同様の構成を有する。
【0026】図7及び図8は、図6の包装材料により構
成された容器の蓋材を示す模式断面図である。この例で
は容器21の蓋材23のみを本発明の包装材料で構成
し、容器本体22はポリプロピレン等のプラスチック材
料によって形成したものである。この容器に収納した冷
凍食品24を電子レンジで加熱する際には、図8にみら
れるように蓋材23を下にして、その一部を開封して使
用することにより、食品中から出てくる油や水分を吸収
することができる。
【0027】
【実施例】つぎに実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、これらの実施例は、本発明を限定するもので
はない。 (実施例1)厚さ12μの2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフイルム(BOPET)に厚さ30μの直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)フイルムをウレタン
系接着剤によりドライラミネートした。また、グラビア
ロール(線数65)でソルビタン脂肪酸エステル(商品
名ソルゲン90:第一工業製薬株式会社製)の1%イソ
プロピルアルコール(IPA)溶液を、ポリプロピレン
(PP)スパンボンド不織布(目付量40g/m2、厚
さ0.35mm、繊維径5d、通気量190cc/cm
2/sec)に塗布し90℃で乾燥した。この不織布の
吸水量は200g/m2、吸油量は240g/m2で、吸
水倍率5、吸油倍率6、そして吸水速度は1秒以下であ
った。次にBOPET/LLDPE積層体を、140℃
に加熱圧着した熱ロールとゴムロールの間に親水化処理
した不織布とともに通して積層し、LLDPEを中間層
とする3層構成の包装材料を得た。この包装材料は、吸
油量が200g/m2、吸水量は150g/m2で、吸水
速度は1秒以下であった。これを不織布部分が内側にな
るようにして、図3に示すスタンディングパウチの形状
に製袋した。このパウチの中に揚げあがったポテトフラ
イ100gを入れて残りの一辺をヒートシールし、冷凍
保存した。この袋を開封後、電子レンジで3分間加熱し
たところ、フライドポテトから油0.8g、水1.5g
を吸収した。また、袋の内面に水の結露も見られなかっ
た。このため、ポテトフライの食感はカラッとしたもの
となった。また、同様に冷凍シュウマイを袋の内容物と
して、袋の一部を開封して加熱試験を行った。シュウマ
イは表面のベタツキがなく、蒸しあがった。
【0028】(比較例1)実施例1の不織布の代わりに
厚さ40μのブロックポリプロピレン(PP)フイルム
を使用して積層体を構成し、同様の試験を行った。この
積層体は吸油量が70g/m2、吸水量は5g/m2で、
吸水速度は10分以上であった。この吸油量は、表面に
付着した油の量であり、実際にこの積層体を使用して実
施例1と同様のスタンディングパウチを製袋し同様の試
験を行ったところ、油0.3g、水0.1gが袋に残っ
た。また、フイルム内面に水蒸気が結露し、フライドポ
テトは濡れ、底部に油が溜まり、底部のサンプルには油
が多く付着していた。フライドポテトの食感は柔らかく
て、カラッとした感じはなかった。同様に冷凍シュウマ
イを加熱したが表面がべたついた。
【0029】(比較例2)実施例1の不織布の代わりに
親水化処理していない目付30g/m2のPPスパンボ
ンド不織布を使用して積層体を構成したほかは、実施例
1と同様にして包装材料及びスタンディングパウチを形
成し、実施例1と同様の試験を行った。
【0030】(実施例2)実施例1の不織布の代わりに
予め親水化処理した繊維を乾式法で不織布にしたものを
使用して積層体を構成したほかは、実施例1と同様にし
て包装材料及びスタンディングパウチを形成し、実施例
1と同様の試験を行った。
【0031】(実施例3)実施例1の不織布の代わりに
ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート
(PET)からなる複合繊維を割繊した繊維から形成し
た不織布をプラズマ処理したものを使用して積層体を構
成したほかは、実施例1と同様にして包装材料及びスタ
ンディングパウチを形成し、実施例1と同様の試験を行
った。
【0032】(実施例4)実施例1の不織布の代わりに
同じスパンボンド不織布に線数85のグラビアシリンダ
ーでソルビタン脂肪酸エステル(商品名ソルゲン40:
第一工業製薬株式会社製)のIPA溶液を塗布し乾燥し
たものを、塗布面が内容物に接するように積層して積層
体を構成したほかは、実施例1と同様にして包装材料及
びスタンディングパウチを形成し、実施例1と同様の試
験を行った。
【0033】(実施例5)実施例4で作成した不織布の
親水化剤塗布面がLLDPEと接するように積層して積
層体を構成したほかは、実施例1と同様にして包装材料
及びスタンディングパウチを形成し、実施例1と同様の
試験を行った。上記の各例における試験結果を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例6〜8及び比較例3)実施例1と
同様にして、厚さ12μのBOPETと厚さ30μのL
LDPEフイルムをラミネートした後、スパンボンド不
織布(材質PP、目付40g/m2)をLLDPE側に
熱ロールにより積層した。この積層体に各種親水化処理
剤(1%IPA溶液)をグラビアロール(65線)によ
り塗布し、100℃で乾燥後、実施例1と同様にして吸
水量、吸油量を測定した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例9)PP製のトレー(深さ3c
m、幅10cm、長さ15cm)に5個の冷凍調理済み
ミニコロッケを入れて、実施例1で作成した不織布を含
む積層体から構成した蓋材によりシールし、冷凍保存1
カ月後、容器の蓋端部分を一部開封し、蓋材が下になる
ように電子レンジ中に置き、3分45秒(500W)加
熱した。1分間静置後、容器を逆さにして、開封した。
コロッケから出てきた油や水蒸気は蓋材に吸収され、コ
ロッケはカラッとした食感であった。
【0038】
【発明の効果】上記の構成をとることによって、本発明
では電子レンジで加熱した際に食品中から出る水分や油
を吸収して食品の風味を損なわない状態に仕上げること
ができるとともに、手やレンジ、衣服等が汚れるのを防
止することができる包装材料を提供するものである。本
発明の包装材料は、包装袋やトレー、ボックス等の容器
本体、蓋材等の製造に広く使用されるものであり、実用
的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装材料の1例を示す模式断面図であ
る。
【図2】図1の包装材料により構成した包装袋の模式断
面図である。
【図3】図1の包装材料により構成したスタンディング
パウチの正面図(A)及び側断面図(B)である。
【図4】図1の包装材料により構成した容器及び蓋材の
模式断面図である。
【図5】本発明の包装材料の他の例を示す模式断面図で
ある。
【図6】本発明の包装材料の他の例を示す模式断面図で
ある。
【図7】図6の包装材料により構成した容器の蓋材を示
す模式断面図である。
【図8】図7の蓋材を使用した容器を電子レンジで加熱
する状態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 包装材料 2 外層 3 内層(不織布) 4 親水化処理面 5 接着性樹脂層 6 底部 7 側壁部 11 包装袋 21 容器 22 容器本体 23 蓋材 24 内容物 31 スタンディングパウチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層となる不通気性フイルム層及び内層
    となる少なくとも一部が親水性を有する熱可塑性樹脂の
    不織布層を含む積層体により構成された吸油吸水性包装
    材料。
  2. 【請求項2】 積層体が外層となる不通気性フイルム層
    と内層となる不織布層の間に接着性樹脂フイルム層を有
    するものであることを特徴とする請求項1に記載の吸油
    吸水性包装材料。
  3. 【請求項3】 不織布層が親水化処理された疎水性の不
    織布により構成されたものであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の吸油吸水性包装材料。
  4. 【請求項4】 不織布層の少なくとも片面が親水化処理
    されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の吸油吸水性包装材料。
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