JP2548262Y2 - 印字装置における搬送ローラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は印字装置における搬送ロ
ーラに関するものである。

【０００２】一般に印字装置は給紙カセットから順次記
録紙を繰り出して印字部に搬送し、該印字部で印字操作
を行なった後、スタッカに収容するように構成されるも
のであるが、装置全体をコンパクトに設計する必要か
ら、あるいは印字部の構成上の理由により、記録紙は搬
送過程においてカールした状態でスタッカに搬送され
る。

【０００３】そして、このようなカール状態の記録紙は
スタック性が劣悪であるために、通常、スタッカの入口
部には排紙用の搬送ローラが設けられ、記録紙のカール
をなくすような配慮がなされている。

【０００４】

【従来の技術】かかる目的で使用される搬送ローラとし
ては従来、図５に示すようなものが使用されていた。こ
の搬送ローラはゴム等の弾性材料で形成される駆動側ロ
ーラ１と合成樹脂材料で形成される従動側ローラ２とを
対向配置して構成され、駆動側ローラ１の両端にはフラ
ンジ４が連続状、あるいは不連続状に設けられている。
また、従動側ローラ２は上記駆動側ローラ１のフランジ
４の間隔より狭く形成され、バネ等の付勢手段６により
駆動側ローラ１に押し付けられた状態とされている。

【０００５】かかる構成の下、搬送ローラを経由してス
タッカに排出される記録紙は紙送り方向と直角の方向に
波打ち、カールの修正と、スタック性の向上が図られ
る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
例においては、従動側ローラ２と隅角部２ａと駆動側ロ
ーラ１が記録紙に擦れるために、記録紙上にすじ状の汚
れが生じるという問題を有するものであった。

【０００７】一方、このような問題を解消するために、
図６に示すように、従動側ローラ２の隅角部２ａをなく
して曲面２ｂで形成することも考えられるが、従動側ロ
ーラ２の記録紙との接触圧が高くなり、すじ状の汚れの
発生を完全に防止することができないという欠点を有す
るものであった。

【０００８】本考案は以上の欠点を解消すべくなされた
ものであって、記録紙を汚すことなくカールを修正する
ことのできる印字装置における搬送ローラを提供するこ
とを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案によれば上記目的
は、実施例に対応する図１に示すように、弾性材料にて
形成される駆動側ローラ１と、該駆動側ローラ１に圧接
される従動側ローラ２とからなり、前記駆動側ローラ１
を従動側ローラ２の幅方向寸法Ｗ１より大きな胴部３の
両端にフランジ４を突設して形成するとともに、前記胴
部３の中央部には前記従動側ローラ２の幅方向寸法Ｗ１
より狭く、かつ前記フランジ４より小径の大径部５を膨
隆させたことを特徴とする印字装置における搬送ローラ
を提供することにより達成される。

【００１０】

【作用】上記構成に基づき、従動側ローラ２は弾性材料
で形成される駆動側ローラ１に圧接され、駆動側ローラ
１の大径部５は、図１においてハッチングを施して示す
ように、押し潰される。この結果、従来例のように従動
側ローラ２の隅角部２ａで記録紙が駆動側ローラ１に押
し付けられることがなく、記録紙を汚すことがなくな
る。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の望ましい実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。

【００１２】図２において、本考案に係る搬送ローラが
使用された印字装置を示されている。この印字装置は電
子写真方式によるもので、記録紙７は給紙カセット８か
ら給紙ローラ９により繰り出され、待機ローラ１０に当
接する位置まで搬送される。

【００１３】一方、待機ローラ１０の前方に配置される
感光ドラム１１の表面には図示しない現像器から供給さ
れる現像剤が吸着した像が形成されており、待機ローラ
１０から搬送された記録紙７の表面には該感光ドラム１
１上のトナー像が転写器１２により転写された後、定着
器１３により定着されて印字面を上方に向けた状態で記
録紙７を収納するフェイス・アップ・スタッカ１４、あ
るいは印字面を下に向けて記録紙７を収納するフェイス
・ダウン・スタッカ１５に搬送される。

【００１４】上記スタッカ１４、１５へのスタック性を
改善するために、スタッカ１４、１５の前方には排紙ロ
ーラ（搬送ローラ１６）が設けられている。この搬送ロ
ーラ１６は、図３に示すように、駆動側ローラ１と従動
側ローラ２を対向配置して構成され、記録紙７の幅方向
に複数個配置されている。

【００１５】上記従動側ローラ２は例えば合成樹脂材料
で形成されており、スプリング等の付勢手段６により後
述する駆動軸１７側に付勢されるシャフト回りに回転自
在に装着されている。

【００１６】一方、駆動側ローラ１はゴム等の弾性材料
により形成され、図示しない駆動モータにより回転駆動
される駆動軸１７に固定されている。この駆動側ローラ
１は上記従動側ローラ２より幅広の胴部３の両端にフラ
ンジ４を形成したもので、上記胴部３の中央部にはフラ
ンジ４の外径ＤＦよりやや小径の大径部５が形成されて
いる。この大径部５は上記従動側ローラ２に圧接するも
ので、その幅方向寸法Ｗ２は従動側ローラ２の幅方向寸
法Ｗ１よりやや小さくされている。なお、上記フランジ
４は胴部３の全周に渡って形成されている必要はなく、
外周に沿って離散的に配置したものであってもよい。

【００１７】また、以上の説明においてはスタッカ１
４、１５前方に設けられる所謂排紙ローラについて適用
した場合を示したが、これ以外に、図４に示すように、
紙送り用の搬送ローラ１６に適用してもよく、このよう
に構成することにより、転写器１２に送られる記録紙７
のカールを取り除くことができる。

【００１８】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
による搬送ローラによれば、駆動側ローラに従動側ロー
ラより幅狭の大径部を形成し、従動側ローラを圧接させ
たので、記録紙に対して汚れがつくことを完全に防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す図である。

【図２】印字装置を示す図である。

【図３】図２のＡ方向矢視図である。

【図４】本考案の他の適用例を示す図である。

【図５】従来例を示す図である。

【図６】他の従来例を示す図である。

【符号の説明】

１ 駆動側ローラ ２ 従動側ローラ ３ 胴部 ４ フランジ ５ 大径部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】弾性材料にて形成される駆動側ローラ
   （１）と、該駆動側ローラ（１）に圧接される従動側ロ
   ーラ（２）とからなり、前記駆動側ローラ（１）を従動
   側ローラ（２）の幅方向寸法（Ｗ１）より大きな胴部
   （３）の両端にフランジ（４）を突設して形成するとと
   もに、前記胴部（３）の中央部には前記従動側ローラ
   （２）の幅方向寸法（Ｗ１）より狭く、かつ前記フラン
   ジ（４）より小径の大径部（５）を膨隆させたことを特
   徴とする印字装置における搬送ローラ。