JP2548192B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JP2548192B2 JP62127204A JP12720487A JP2548192B2 JP 2548192 B2 JP2548192 B2 JP 2548192B2 JP 62127204 A JP62127204 A JP 62127204A JP 12720487 A JP12720487 A JP 12720487A JP 2548192 B2 JP2548192 B2 JP 2548192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は窒化アルミニウム焼結体の製造方法に係り、
とりわけ高放熱特性が要求されるセラミック回路基板に
適した窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕 窒化アルミニウム焼結体は、高熱伝導性絶縁材料とし
て注目され、とりわけ高い放熱特性が要求される回路基
板材料としての応用が期待されている。
一般に窒化アルミニウム焼結体の製造方法としては、
窒化アルミニウム焼結体が難焼結性材料であるため、ア
ルカリ土類酸化物、希土類酸化物等の焼結助剤を混合、
成形した後、窒素雰囲気中で焼成する方法が行なわれて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の製造方法においては、焼結体の
母材たる窒化アルミニウム粉末中に母材粉末に比して平
均粒径の小さい焼結助剤を均質に分散させることが望ま
しいにもかかわらず、母材粉末に比して十分粒径の小さ
い助剤粉末が得られない。また、得られたとしても、極
めて凝集しやすく、母材粉末中の均質な分散が得られ
ず、従ってその焼結体の特性が十分でなく、かつ再現性
に劣るという問題が生じていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討
した結果、窒化アルミニウム焼結体の主成分たるアルミ
ニウムと、焼結助剤の成分として希土類元素又はアルカ
リ土類金属元素から選ばれた少なくとも一種を含有する
混合溶液を作り、該混合溶液と沈澱形成剤とを混合して
共沈体を形成し、乾燥後、1200℃〜1700℃にて窒化処理
を行なうと、極めて良好に分散したアルミニウムと焼結
助剤成分のサブミクロン級の複合酸窒化物(又は窒化
物)粉末が得られる。この粉末と窒化アルミニウム粉末
とを混合した後、成形、焼成すれば、極めて優れた熱伝
導性を持つ窒化アルミニウム焼結体を得られることを究
明し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも1種の希土類金属ま
たはアルカリ土類金属とアルミニウムとを含む混合溶液
と沈澱形成剤とを混合して共沈体を形成し、それを乾燥
後、窒化処理して得られる希土類金属またはアルカリ土
類金属とアルミニウムの複合酸窒化物又は窒化物のサブ
ミクロン級の粉末に窒化アルミニウム粉末を混合し、成
形し、窒素雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化ア
ルミニウム焼結体の製造方法にある。
希土類金属またはアルカリ土類金属を含む溶液を作成
するには、これらの金属の硝酸塩、塩化物などを水ある
いはアルコールに溶解するほか、これらの金属を酸の溶
液に直接に溶解させてもよい。アルミニウムを含む溶液
を作成するにも、同様に、塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、トリエチルアルミニウム等を水あるいはアル
コールに溶解させるほか、金属アルミニウムを塩酸など
の酸に溶解させて水溶液としてもよい。混合溶液中の希
土類金属あるいはアルカリ土類金属(焼結助剤成分)と
アルミニウム(母材成分)の比率は、特に限定されな
い。共沈体を仮焼してサブミクロン級の焼結助剤成分と
母材成分の良く分散した粉末を得、それを窒化アルミニ
ウム粉末と混合することによって、窒化アルミニウム粉
末と焼結助剤とを単純に混合した場合よりもより均一に
焼結助剤を母材中に分散させることができ、その結果、
高密度で高熱伝導性の窒化アルミニウムが得られるとい
うところに本発明の特徴がある。従って、混合溶液ある
いは共沈体中の希土類金属あるいはアルカリ土類金属成
分に対するアルミニウム成分の混合比にかかわらず、基
本的には本発明の効果は奏せられるものである。一般的
には、希土類金属あるいはアルカリ土類金属の合計モル
数に対して2.0倍〜6倍のアルミニウムを用いることが
好ましい。2.0より小ないと効果が十分でなく、6倍よ
り多くしても効果の向上は見込めない。
沈澱形成剤としては、例えば、アンモニア、炭酸アン
モニア、苛性アルカリ、しゅう酸、しゅう酸アンモニウ
ム、アミン、オキシン等の有機試薬が用いられる。
混合溶液と沈澱形成剤を混合して共沈を行なわせるに
は、沈澱形成剤を溶解した溶液を撹拌しながらそれに前
記混合溶液を徐々に添加して沈澱させる方法が一般的に
採用されるが、これに限定されない。共沈体は、一般的
に、水酸化物の複合体である。
得られた共沈体は、分離、洗浄し、乾燥後、1200℃〜
1700℃で窒化処理を行なう。この窒化処理は典型的には
窒素あるいはアンモニア雰囲気中で行なう。この窒化処
理によって共沈体はサブミクロン級の良く分散された複
合酸窒化物ないしは窒化物に変化する。
次いで、窒化処理した粉末と、窒化アルミニウム粉末
とを混合した後、常法に従って窒素含有雰囲気中1500〜
2100℃で焼結すると所望の窒化アルミニウム焼結体が得
られる。
〔実施例〕
<実施例1> 希土類金属のイットリウムの硝酸塩溶液である硝酸イ
ットリウム水溶液(1.0/mol濃度)88.56ccと、アルミ
ニウムの塩化物である塩化アルミニウム水溶液(1.0/
mol濃度)731.71ccとを混合した溶液を、6N−アンモニ
ア水5中に徐々に添加して、Y3+とAl3+の水酸化物共
沈体を得た。
この粉末をアンモニア気流中(10/min)にて1500℃
にて4hr加熱し、窒化処理を行なった。得られた粉末の
平均粒径は、0.35μmであった。
この粉末20gと市販のAlN粉末(平均粒径1.3μm)85g
をポリポット中にてエタノール200ccと共に4hr混合し、
乾燥させた後、2.000kg/cm2の圧力にて成形し、窒素1at
m下にて1700℃、2hrの条件で焼成を行なった。
得られた焼結体は、室温にて、相対密度99%、熱伝導
率210Wの特性を有していた。
<比較例1> 市販のAlN粉末(平均粒径1.3μm)100gと市販のY2O3
粉末(平均粒径1.0μm)5gをポリポット中にてエタノ
ール200ccと共に4hr混合し、乾燥させた後、2000kg/cm2
の圧力にて成形し、窒素1atm下にて、1700℃、2hrの条
件で焼成を行なった。
得られた焼結体は、室温にて相対密度98%熱伝導率17
0Wの特性を有していた。
<実施例2> アルカリ土類金属のカルシウムの硝酸塩溶液である硝
酸カルシウム水溶液(1.0/mol濃度178.31ccと塩化ア
ルミニウム水溶液(1.0/mol濃度)731.71ccとを混合
した溶液を、6N−アンモニア水5中に徐々に添加し
て、Ca+とAl3+の水酸化物共沈体を得た。
この粉末をアンモニア気流中(10/min)にて1500℃
にて4hr加熱し、窒化処理を行なった。得られた粉末の
平均粒径は、0.32μmであった。
この粉末4.0gと市販のAlN粉末(平均粒径1.3μm)97
gをポリポット中にてエタノール200ccと共に4hr混合
し、乾燥させた後、2.000kg/cm2の圧力にて成形し、窒
素1atm下にて1700℃、2hrの条件で焼成を行なった。
得られた焼結体は、室温にて、相対密度99%、熱伝導
率190Wの特性を有していた。
<比較例2> 市販のAlN粉末(平均粒径1.3μm)100gと市販のCaO
粉末1.0g(平均粒径3.0μm)をポリポット中にてエタ
ノール200ccと共に4hr混合し、乾燥させた後、2000kg/c
m2の圧力にて成形し、窒素1atm下にて、1700℃、2hrの
条件で焼成を行なった。
得られた焼結体は、室温にて相対密度98%、熱伝導率
160Wの特性を有していた。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、窒化アルミニウム母材粉末中
にサブミクロン級の焼結助剤がより均一に分散されるた
め、緻密で高熱伝導性の窒化アルミニウム焼結体が得ら
れ、放熱特性に優れた回路基板を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−21764(JP,A) 特開 昭62−70209(JP,A) 特開 昭62−70210(JP,A) 特開 昭62−252373(JP,A) 特開 昭54−138899(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種の希土類金属またはアルカ
    リ土類金属とアルミニウムとを含む混合溶液と沈澱形成
    剤とを混合して共沈体を形成し、それを乾燥後、窒化処
    理して得られる希土類金属またはアルカリ土類金属とア
    ルミニウムの複合酸窒化物又は窒化物のサブミクロン級
    の粉末に窒化アルミニウム粉末を混合し、成形し、窒素
    雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム
    焼結体の製造方法。
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