JP2545200Y2 - 収納式レバ−型パ−キングブレ−キ - Google Patents

収納式レバ−型パ−キングブレ−キ

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JP2545200Y2
JP2545200Y2 JP291892U JP291892U JP2545200Y2 JP 2545200 Y2 JP2545200 Y2 JP 2545200Y2 JP 291892 U JP291892 U JP 291892U JP 291892 U JP291892 U JP 291892U JP 2545200 Y2 JP2545200 Y2 JP 2545200Y2
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弘文 米川
覚 増田
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Otsuka Koki Co Ltd
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Fuji Jukogyo KK
Otsuka Koki Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、枢着軸によりラチェッ
トプレ−トに起倒自在に取付けられた操作レバ−を前記
ラチェットプレ−トに対して引き起こすことにより、前
記操作レバ−に取付けられたトラニオンピンとこれをブ
レ−キケ−ブルに連結する連結具とを介してブレ−キケ
−ブルを引っ張ってブレ−キを作動させ、前記操作レバ
−に設けられたラチェット爪と前記ラチェットプレ−ト
の歯との係合により、前記ブレ−キケ−ブルが引っ張ら
れブレ−キが作動している状態を維持しつつ、操作レバ
−を倒して収納できる構成とした収納式レバ−型パ−キ
ングブレ−キに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のレバ−型パ−キングブレ−キ
は、通常運転席と助手席との間に設けられるので、ブレ
−キを作動させるべく引起こした操作レバ−が、ブレ−
キを作動させたまま収納できると、例えば運転席と助手
席とを併せて簡易ベットとして使用でき便利である。
【0003】この目的のため、操作レバ−を基部と把持
レバ−とに分割し、操作レバ−をその分割部で折曲げて
収納できる構成としたものが提案されている(実開昭5
7−80355号)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、操作レバ−の基部がなお引き起こされた状
態にあり、操作レバ−全体を略完全に水平に倒した状態
(ブレ−キ非作動状態と略同姿勢の状態)にすることが
できず、未だ前述した目的を達成するためには不十分で
あった。
【0005】また、このように操作レバ−が収納可能と
なると、操作の確実性が阻害されるという問題がある。
例えば、ブレ−キの作動状態を解除すべく操作レバ−を
押し倒そうとしているにもかかわらず、操作レバ−が折
れ曲がって収納されるだけでブレ−キが解除されないと
いう誤操作が生じる。また、収納の意志なく、操作レバ
−を押しても収納されてしまう。
【0006】本考案は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、操作レバ−をブレ−キ非作動状態
と略同姿勢の状態に収納でき、しかも操作の確実性が確
保された収納式パ−キングブレ−キを提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本考案の要旨とするところは、 1 枢着軸(4)によりラチェットプレ−ト(3)に起
倒自在に取付けられた操作レバ−(5)を前記ラチェッ
トプレ−トに対して引き起こすことにより、前記操作レ
バ−に取付けられたトラニオンピン(7)を介してブレ
−キケ−ブルを引っ張ってブレ−キを作動させ、前記操
作レバ−に設けられたラチェット爪(10)と前記ラチ
ェットプレ−トの歯(3a)との係合により、前記ブレ
−キケ−ブルが引っ張られブレ−キが作動している状態
を維持しつつ、操作レバ−を倒して収納できる構成とし
た収納式レバ−型パ−キングブレ−キにおいて、前記ラ
チェットプレ−トは、前記操作レバ−を収納すべく前記
操作レバ−とともに起倒自在になるように、前記枢着軸
に対して平行に設けた支軸(2)によって、ブレ−キケ
−ブルの揺動中心の上方において車体に固定されるベ−
ス部材(1)に起倒自在に取付け、前記ベ−ス部材に
は、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく操作レバ−が引き
起こされる際に、前記ラチェットプレ−トに当接してこ
のラチェットプレ−トの引き起こし方向への揺動を通常
操作位置に阻止する第1当接部(6)と、前記操作レバ
−に設けられた当接部材に当接して、前記操作レバ−の
倒し方向への揺動を前記操作レバ−が略水平となる位置
までに規制する第2当接部(8)とを設け、前記枢着
軸,支軸及びトラニオンピンは、ブレ−キケ−ブルを引
っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバ−が前
記ラチェット爪の係合状態を維持しつつ前記支軸を中心
に前記ラチェットプレ−トとともに前記水平位置まで倒
されたときに、前記揺動中心と前記トラニオンピンとの
距離が略縮まることなく、しかもブレ−キケ−ブルの張
力により前記操作レバ−又はラチェットプレ−トに生じ
る前記支軸回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方
向から倒し方向に反転するように配置し、前記ベ−ス部
材には、前記ラチェットプレ−ト側に揺動した係合位置
で前記通常操作位置にあるラチェットプレ−トに係合し
てこのラチェットプレ−トの倒し方向への揺動を阻止す
る係止爪(31)を揺動自在に取付けるとともに、一端
側の直線状部分(32a)が前記ベ−ス部材に形成され
た案内穴(34)に挿通されて摺動自在に案内され、他
端側が前記係止爪に取付けられて摺動することにより前
記係止爪を揺動させる操作ロッド(32)であって、前
記係止爪を前記係合位置に付勢するべく一方向に付勢さ
れた操作ロッドを設け、前記操作ロッドの外周には、前
記係止爪を前記係合位置から離れた係合待機位置に保持
すべく、前記案内穴の縁に当接して操作ロッドの一方向
への摺動を阻止する突起(39)であって、操作ロッド
が他方向に摺動するときには前記案内穴を滑らかに通過
するように片側のみ緩やかなスロ−プ形状とされた突起
を形成し、前記操作レバ−を収納すべく倒された状態か
ら引き起こされる前記ラチェットプレ−トが前記通常操
作位置の直前の位置を通過する際に、このラチェットプ
レ−トに押されて揺動し、この揺動により前記操作操作
ロッドの直線状部分を前記案内穴において横方向に移動
させて前記突起と前記案内穴の縁との当接状態を解除す
る当接解除リンク(31)を前記ベ−ス部材に設けたこ
とを特徴とする収納式レバ−型パキングブレ−キ。
【0008】2 前記突起の位置により決まる係合待機
位置は、操作レバ−を収納すべく倒された状態から引き
起こされる前記ラチェットプレ−トが、前記通常操作位
置の直前の位置において、前記係合待機位置にある係止
爪の先端に当接してこれを前記係合位置からさらに離れ
る方向に押すような位置に設定し、前記操作ロッドの前
記係止爪に取付けられる他端は、前記ラチェットプレ−
トにより前記係止爪が前記係合位置からさらに離れる方
向に押されたときに、前記操作ロッドの直線状部分を前
記案内穴において横方向に移動させ前記突起と前記案内
穴の縁との当接状態を解除する力のモ−メントが前記操
作ロッドに生じるように、前記直線状部分の延長線上か
らオフセットさせて配置したことを特徴とする収納式レ
バ−型パ−キングブレ−キに存する。
【0009】
【作用】本考案の収納式パ−キングブレ−キであると、
係止爪のラチェットプレ−トへの係合を解除しない限
り、この係止爪と第1当接部によってラチェットプレ−
トは通常操作位置からいずれの方向にも揺動できず、通
常操作位置に固定されるので、確実に通常のパ−キング
ブレ−キ操作が行なえる。
【0010】そして、係止爪のラチェットプレ−トへの
係合を解除すれば、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく所
定角度引き起こした操作レバ−はラチェット爪の係合状
態を維持しつつ、ラチェットプレ−トを支える支軸を中
心に前記ラチェットプレ−トとともに、操作レバ−の当
接部材がラチェットプレ−トの第2当接部に当たるま
で、すなわち水平位置まで倒して収納することができ
る。
【0011】この際、ブレ−キケ−ブルの揺動中心とト
ラニオンピンとの距離はほとんど縮まらないので、ブレ
−キケ−ブルの張力すなわちブレ−キ力が低下すること
はななく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により操作レ
バ−又はラチェットプレ−トに生じる前記支軸回りの回
転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反
転するので、操作レバ−から手を離しても操作レバ−は
収納状態に維持される。また、前記回転モ−メントの向
きが反転することにより変化する手ごたえにより、操作
する者は収納状態になったことが明確に分かり操作感が
良くなる。
【0012】係止爪の係合の解除は、操作ロッドの一端
側を操作してこれを前記他方向に摺動させることにより
容易に行なえる。すなわち、操作ロッドの突起がベ−ス
部材の案内穴を通過するまで操作ロッドを前記他方向に
摺動させると、係止爪はラチェットプレ−トとの係合位
置から離れ、しかも前記突起と案内穴の縁の当接により
この係合位置から離れた係合待機位置に保持されるの
で、ラチェットプレ−トの倒し方向への揺動が可能な状
態が維持され、その後操作ロッドから手を離しても前記
操作レバ−の収納は可能となる。
【0013】そして、操作レバ−の収納状態をもとに戻
すには、ラチェットプレ−トが第1当接部に当接するま
でラチェットプレ−トとともに操作レバ−を引き起こ
し、その後ラチェット爪とラチェットプレ−トとの係合
を解除して操作レバ−をブレ−キケ−ブルの張力にまか
せて倒すだけでよい。
【0014】すなわち、この際、操作レバ−を収納すべ
く倒された状態から引き起こされる前記ラチェットプレ
−トが、通常操作位置の直前の位置において、当接解除
リンクを押して揺動させる。すると、この当接解除リン
クの揺動により操作ロッドの直線状部分を案内穴におい
て横方向に移動させられて前記突起と案内穴の縁との当
接状態は自動的に解除されるから、操作ロッドを操作す
る必要はない。
【0015】しかも、このようにラチェットプレ−トを
引き起こした後は、係止爪は操作ロッドに加わる付勢力
によりラチェットプレ−トと係合し、この状態(ラチェ
ットプレ−トは通常操作位置に、係止爪は係合位置にあ
る状態)に保持され、その後また引き起こした操作レバ
−を収納するには、操作ロッドを操作しなければならな
い。
【0016】また、係止爪が前記当接解除リンクとして
機能する場合も、同様に前記突起の当接状態は自動解除
される。すなわち、この際、操作レバ−を収納すべく倒
された状態から引き起こされる前記ラチェットプレ−ト
が、通常操作位置の直前の位置において、係合待機位置
にある係止爪の先端に当接してこれを係合位置からさら
に離れる方向に押し、これにより操作ロッドに生じる力
のモ−メントにより操作ロッドの直線状部分は案内穴に
おいて横方向に移動して前記突起と案内穴の縁との当接
状態は自動的に解除される。
【0017】
【実施例】以下、図1〜図6に基づき本考案の一実施例
を説明する。本実施例の収納式レバ−型パ−キングブレ
−キは、ブレ−キケ−ブル(図示略)の揺動中心Dの上
方位置において車体に固定されるベ−ス部材1と、支軸
2によりこのベ−ス部材1に起倒自在に取付けられたラ
チェットプレ−ト3と、支軸2に対して平行に設けられ
た枢着軸4によりラチェットプレ−ト3に起倒自在に取
付けられた操作レバ−5と、ベ−ス部材1に設けられて
ラチェットプレ−ト3に当接することによりラチェット
プレ−ト3の引き起こし方向への揺動を通常操作位置ま
でに規制する第1当接部6と、操作レバ−5に取付けら
れたトラニオンピン7と、トラニオンピン7(当接部
材)に当接することにより操作レバ−5の倒し方向への
揺動を操作レバ−5が略水平となる位置までに規制する
第2当接部8と、このトラニオンピン7にブレ−キケ−
ブルを連結する棒状の連結具9と、操作レバ−5に設け
られてラチェットプレ−ト3の歯3aと係合することに
より操作レバ−5がラチェットプレ−ト3に対して引き
起こされた状態を保持するラチェット爪10と、前記通
常操作位置にあるラチェットプレ−ト3に係合自在でこ
れを前記通常操作位置に保持するための係止爪31(当
接解除リンク)と、この係止爪31を操作するための操
作ロッド32とを備える。
【0018】なお、ブレ−キケ−ブルの揺動中心Dと
は、ブレ−キケ−ブルが例えば管状の部材に摺動自在に
挿通されて案内される位置であり、図4に示す如くこの
位置からトラニオンピン7までは、ブレ−キケ−ブルと
連結具9とが一直線をなして張設された状態となる。
【0019】ベース部材1は、図1に示す如く全体とし
て中央部がくびれたコ字状の形状とされたもので、上端
面中央付近には、ブレーキが非作動状態のトラニオンピ
ン7が当接する凹部11が形成されている。そして、こ
の凹部11から操作レバー5の倒し側(図1において左
側)に続くベース部材1の上端面が前記第2当接部8で
ある。前記第1当接部6は、図1,図2に示す如く凹部
11よりも操作レバー5の引き起こし側(図1において
右側)の上端部側面から横方向(図1において向う側)
に突出するピンとして形成されている。また、支軸2
は、図1において凹部11の左斜め下方の位置から向う
側に伸びるように設けられている。
【0020】ここで、凹部11は、ブレーキ非作動状態
におけるトラニオンピン7の中心と前記揺動中心とを結
ぶ直線が若干操作レバー5の倒し側に傾くような位置に
配置されている。また、第2当接部8は、図4に示す如
く操作レバー5が引起こされた後支軸2を中心にラチェ
ットプレート3とともに操作レバー5が倒されて収納さ
れる際の、引起こし角度θ1 と倒し角度(θX +θY
とが等しくなるような曲面に形成されている。
【0021】ラチェットプレート3は、ベース部材1の
片面(図1における向う側の面)に接するように配置さ
れ、支軸2により揺動自在にベース部材1に取付けられ
たもので、爪3aは操作レバー5の倒し側の端面に形成
され、これと反対側一側端には突出部12が形成されて
いる。この突出部12がベース部材1の第1当接部6に
当接すると、ラチェットプレート3は操作レバー5の引
起こし方向(図1において右回転方向)には揺動でき
ず、この位置が通常操作位置となる。なお、突出部12
の先端下側には、図6に示すごとく、ラチェットプレ−
ト3が通常操作位置に向かって揺動してくる過程で、後
述する係合待機位置にある係止爪31の先端を滑らかに
押す傾斜面12aが形成されている。
【0022】枢着軸4は、前記通常操作位置において、
支軸2あるいはトラニオンピン7よりも操作レバー5の
引き方向斜め上方(図1において右斜め上方)に位置す
るように配置され、ラチェットプレート3には、この枢
着軸4を中心としたトラニオンピン7の揺動を許す円弧
状溝13が形成されている。
【0023】操作レバー5は、図1,図2に示すよう
に、レバー部14と、このレバー部14の先端に延設さ
れた把持部15とよりなり、さらにレバー部14は、把
持部15と同一直線上に伸びる断面C字状の管状部16
とこの管状部16の開口する下面側から平行に伸びる板
状部17,18よりなる。そして、このレバー部14に
よってラチェットプレート3とベース部材1の両側面を
部分的に覆うように配設され、板状部17,18におい
て枢着軸4に取付けられている。また、板状部17,1
8の互に対向する位置には、図2,図3に示すように、
両外側に張り出す張出し部17a,18aが形成され、
これらに設けられた穴に挿通させてトラニオンピン7が
取付けてあり、トラニオンピン7は前記円弧状溝13を
貫通している。
【0024】この操作レバー5には、ラチェット爪10
を揺動自在に支持する支持軸19と、把持部15と管状
部16内に配置されてしゅう動自在とされ一端がラチェ
ット爪10に連結されたロッド20と、このロッド20
の他端に取付けられ操作レバー5の先端に突出した操作
ボタン21と、把持部15内に設けられ操作ボタン21
を押してロッド20を把持部15側(ラチェット爪10
の係合を保持する側)に付勢する圧縮ばね22とよりな
るラチェット爪10の係合操作機構が設けられている。
【0025】すなわち、操作ボタン21を操作しない限
り圧縮ばね22の付勢力によりラチェット爪10はラチ
ェットプレ−ト3の歯3aとの係合状態を維持し、操作
ボタン21を押すとこの係合が解除されるよう構成され
ている。なお、このラチェット爪10とラチェットプレ
−ト3の歯3aとの係合は、操作ボタン21を操作しな
くても操作レバ−5の引き上げのみを許すように、一方
向に順次その係合位置が移動することができる。
【0026】前記枢着軸4,支軸2及びトラニオンピン
7の前記揺動中心Dに対する配置位置は、ブレ−キケ−
ブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた操作レバ−
5がラチェット爪の係合状態を維持しつつ支軸2を中心
にラチェットプレ−ト3とともに水平位置まで倒された
ときに、揺動中心Dとトラニオンピン7との距離が縮ま
ることなく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により操作
レバ−5又はラチェットプレ−ト3に生じる支軸2回り
の回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向
に反転するように設定されている。
【0027】すなわち、図4に示すように、操作レバー
5が通常操作される程度以上の角度θ1 に引起こされ、
この状態から操作レバー5がラチェットプレート3とと
もに倒された場合における、揺動中心Dと支軸2の中心
を結ぶ直線と、支軸2とトラニオンピン7の中心を結ぶ
直線のなす角度を、図4に示す如くθX ,θY としたと
きに、θX ≧θY となり、θY ≧0となるように、枢着
軸4,支軸2及びトラニオンピン7の前記揺動中心Dに
対する配置位置が設定されている。
【0028】係止爪31は、図1に示す如く先端がフッ
ク状に成形されたもので、ベース部材1の片面(図1に
おける向う側の面)に接するように配置され、基端が支
軸2と平行な支持軸33によりベ−ス部材1における第
1当接部6の斜め下方の位置に取付けられて、揺動自在
とされている。この係止爪31は、図1に示す如く、ラ
チェットプレ−ト3側に揺動して第1当接部6に当接し
た状態で、通常操作位置にあるラチェットプレ−ト3の
突出部12に係合する構成とされている。なお、このよ
うにラチェットプレ−ト3と係合する位置が係止爪31
の係合位置である。
【0029】操作ロッド32は、一端側の直線状部分3
2aがベ−ス部材1に形成された案内穴34に挿通され
て、図1において左右方向に摺動自在に案内され、他端
32bが係止爪31に取付けられている。すなわち、こ
の操作ロッド32が、他端側(図1において右側であっ
て、本考案における他方向)に摺動することにより係止
爪31が前記係合位置から離れる側に揺動し、また一端
側(図1において左側であって、本考案における一方
向)に摺動することにより係止爪31が前記係合位置に
向かって揺動する構成となっている。ここで、案内穴3
4は、ベ−ス部材1に固定状態に形成された支えプレ−
ト35の一側面(図1において手前側の側面)から直角
に伸びる案内壁36に形成されたもので、その直径は、
操作ロッド32の外径に後述する突起39の大きさを加
えた寸法よりも若干大きな寸法とされている。
【0030】この操作ロッド32の一端の延長線上に
は、操作ロッド32側に小径部37aが形成された操作
ボタン37が取付けられ、この操作ボタン37と前記案
内壁36との間にはコイルばね38が配設され操作ロッ
ド32をその一端側に付勢している。なお、このコイル
ばね38は、操作ボタン37の小径部37aの外周には
め込まれた状態で設けられている。
【0031】また、操作ロッド32の直線状部分32a
の外周には、係止爪31を前記係合位置から離れた係合
待機位置(図4に示す位置)に保持すべく、前記案内穴
34の縁に当接して操作ロッド32の一端側への摺動を
阻止する突起39であって、操作ロッド32が他端側に
摺動するときには前記案内穴34を滑らかに通過するよ
うに片側にのみ緩やかなスロ−プ面39aとされた突起
39が形成されている。
【0032】なお、この突起39の位置により決まる前
記係合待機位置は、操作レバ−5を収納すべく倒された
状態から引き起こされるラチェットプレ−ト3が、前記
通常操作位置の直前の位置において、その突出部12の
傾斜面12aにより前記係合待機位置にある係止爪31
の先端に当接してこれを前記係合位置からさらに離れる
方向に押すような位置に設定されている。すなわち、支
軸2を中心とするラチェットプレ−ト3の最外半径(支
軸2の中心から突出部12の先端までの距離)を図6に
示すようにRとしたとき、係合待機位置にある係止爪3
1の先端はこのRよりもラップ代Sだけ内側に位置する
ように、突起39の位置が設定されている。
【0033】また、操作ロッド32の係止爪31に取付
けられる他端32bは、ラチェットプレ−ト3の突出部
12により係止爪31が前記係合位置からさらに離れる
方向に押されたときに、操作ロッド32の直線状部分3
2aを案内穴34において横方向(図1において上方
向)に移動させ突起39と案内穴34の縁との当接状態
を解除する力のモ−メントが操作ロッド32に生じるよ
うに、直線状部分32aの延長線上から寸法Lだけオフ
セットさせて配置されている。
【0034】次に作用を説明する。ラチェットプレート
3が通常操作位置にあるときに、ブレ−キケ−ブルの張
力によりラチェットプレート3及び操作レバー5に生じ
る支軸2回りのモ−メントの向きは、図1において時計
回り方向となる。また、ラチェットプレート3が通常操
作位置にあるときに、ブレ−キケ−ブルの張力により操
作レバー5に生じる枢着軸4回りのモ−メントの向き
は、図1におい反時計回り方向となる。
【0035】このため、ラチェットプレート3が通常操
作位置にあるときに、操作レバー5を図1に示す位置か
ら引上げると、図4に示す如く操作レバー5のみが起き
上り、揺動中心Dとトラニオンピン7との距離が増大し
てブレ−キが作動し、その後操作レバー5から手を離し
ても、ラチェットプレート3は第1当接部6に当接した
状態を維持し、操作レバー5はラチェット爪10の係合
によって引き起こされた状態を維持してブレ−キ作動状
態が維持される。そして、この状態で操作ボタン21を
押してラチェット爪10の係合を解除すると、操作レバ
ー5は前記ブレ−キケ−ブルの張力によるモ−メントで
もとの図1に示す位置に戻る。したがって、このように
ラチェットプレート3が通常操作位置にあるときには、
通常のハンドブレ−キ操作ができる。
【0036】そして、本考案の収納式パ−キングブレ−
キであると、係止爪31のラチェットプレ−ト3への係
合を解除しない限り、この係止爪31と第1当接部6に
よってラチェットプレ−ト3は通常操作位置からいずれ
の方向にも揺動できず、通常操作位置に固定されるの
で、確実に上記通常のパ−キングブレ−キ操作が行なえ
る。
【0037】そして、係止爪31のラチェットプレ−ト
3への係合を解除すれば、ブレ−キケ−ブルを引っ張る
べく所定角度引き起こした操作レバ−5はラチェット爪
10の係合状態を維持しつつ、ラチェットプレ−ト3を
支える支軸2を中心にラチェットプレ−ト3とともに、
トラニオンピン7(当接部材)がラチェットプレ−ト3
の第2当接部8に当たるまで、すなわち水平位置まで倒
して収納することができる。
【0038】この際、ブレ−キケ−ブルの揺動中心Dと
トラニオンピン7との距離はほとんど縮まらないので、
ブレ−キケ−ブルの張力すなわちブレ−キ力が低下する
ことはななく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により操
作レバ−5又はラチェットプレ−ト3に生じる支軸2回
りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方
向に反転するので、操作レバ−5から手を離しても操作
レバ−5は収納状態に維持される。また、このように回
転モ−メントの向きが反転することにより変化する手ご
たえにより、操作する者は収納状態になったことが明確
に分かり操作感が良くなる。
【0039】係止爪31の係合の解除は、図6において
矢印F1で示すような向きの力を加えて操作ロッド32
の操作ボタン37を押し、これを他端側に摺動させるこ
とにより容易に行なえる。すなわち、操作ロッド32の
突起39がベ−ス部材1の案内穴34を通過するまで操
作ロッド32を他端側に摺動させると、係止爪31はラ
チェットプレ−ト3との係合位置から離れ、しかも突起
39と案内穴34の縁の当接によりこの係合位置から離
れた係合待機位置に保持されるので、ラチェットプレ−
ト3の倒し方向への揺動が可能な状態が維持され、その
後操作ボタン37から手を離しても前記操作レバ−5の
収納は可能となる。
【0040】そして、操作レバ−5の収納状態をもとに
戻すには、ラチェットプレ−ト3が第1当接部6に当接
するまでラチェットプレ−ト3とともに操作レバ−5を
引き起こし、その後ラチェット爪10とラチェットプレ
−ト3との係合を解除して操作レバ−5をブレ−キケ−
ブルの張力にまかせて倒すだけでよい。
【0041】すなわち、この際、操作レバ−5を収納す
べく倒された状態から引き起こされるラチェットプレ−
ト3が、通常操作位置の直前の位置において、その突出
部12の傾斜面12aにより、係合待機位置にある係止
爪31の先端に当接してこれを係合位置からさらに離れ
る方向に押す。
【0042】すると、係止爪31が押されることにより
操作ロッド32の他端32bに加わる力は図6において
矢印F2で示すような方向のものであり、コイルばね3
8により操作ロッド32に加わる力は図6において矢印
F3で示す方向のものであり、これらの力F2,F3の
作用点は前述したオフセットLだけ離れているので、操
作ロッド32には、操作ロッド32の直線状部分32a
を横方向(図6において矢印Xで示す方向)に移動させ
るような、図6において時計回転方向の力のモ−メント
が発生する。
【0043】このため、図6において二点鎖線で示す如
く、突起39は、図6において39cで示す位置から3
9bで示す位置に移動し、突起39と案内穴34の縁
(案内壁36)との当接状態は自動的に解除される。し
たがって、操作レバ−5を収納した状態からもとにもど
す場合には、操作ロッドを操作する必要はない。
【0044】しかも、このようにラチェットプレ−ト3
を引き起こした後は、係止爪31は操作ロッド32に加
わるコイルばね38の付勢力によりラチェットプレ−ト
3と係合し、この状態(ラチェットプレ−ト3は通常操
作位置に、係止爪31は係合位置にある状態)に保持さ
れ、その後また引き起こした操作レバ−5を収納するに
は、操作ロッド32すなわち操作ボタン37を操作しな
ければならない。
【0045】なお、上記実施例は、図6に示すように、
操作ボタン37が押し込まれておらず係止爪31が前記
係合位置にある状態において、操作ロッド32の直線状
部分32bが案内穴34の下面に当接した状態にある。
すなわち、コイルばね38の横方向の復元力を考慮した
場合の操作ロッド32の直線状部分32aの横方向(図
1における上下方向)の中立位置が、案内穴34の中心
に対して突起39のある側(図1において下側)にずれ
ているが、本考案はこの態様に限られない。
【0046】例えば、この横方向の中立位置に戻そうと
する力が突起39と案内壁36との当接の摩擦力を越え
るものでなければ、前記突起39による係止爪31の保
持機能は果たされるので、この条件を満足する範囲で前
記中立位置を突起39と反対側(図1において上方向)
にずらしてもよい。このようにすれば、突起39と案内
壁36との当接状態は解除し易くなり、前述した自動解
除は高い信頼性で確実に機能するという利点がある。
【0047】また、上記実施例は係止爪31を本考案の
当接解除リンクとしても機能させ、部品の共用が図られ
ているものであるが、本考案の当接解除リンクは係止爪
とは別の部材により構成してもよい。例えば、ベ−ス部
材に揺動自在に設けられたレバ−状のリンクであって、
前記通常操作位置に引き起こされるラチェットプレ−ト
に一端が押されて揺動し、この揺動により他端が操作ロ
ッド32を押しあげる構成のリンクを別に設けてもよ
い。
【0048】また、前述した設定条件θX ≧θY は厳密
に満足する必要はなく、ブレーキ力の低下が支障ない範
囲であればこの設定条件から外れてもよい。
【0049】
【考案の効果】本考案にかかる収納式レバ−型パ−キン
グブレ−キによれば、ブレ−キを作動させたまま操作レ
バ−が収納できるので、車両において運転席と助手席を
併せて簡易ベットとして利用する場合に、操作レバ−が
邪魔にならず好都合である。しかも、本考案のものは、
ブレ−キ非作動時とほぼ同じ低く倒れた姿勢に操作レバ
−を収納することができるので、操作レバ−は全く邪魔
にならず、上記効果が大であるとともに、操作ロッドを
操作して係止爪とラチェットプレ−トとの係合を解除し
ない限り前記収納操作は不可能なので操作の確実性も確
保されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるパ−キングブレ−キの
側面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】本考案の一実施例であるパ−キングブレ−キに
おいて、操作レバ−を引き上げた状態を示す図である。
【図5】本考案の一実施例であるパ−キングブレ−キに
おいて、操作レバ−を収納した状態を示す図である。
【図6】本考案の一実施例であるパ−キングブレ−キに
おける係止爪と操作ロッドの構成と作用を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…ベ−ス部材 2…支軸2 3…ラチェットプレ−ト 4…枢着軸 5…操作レバ− 6…第1当接部 7…トラニオンピン 8…第2当接部 9…連結具 10…ラチェット爪 31…係止爪 32…操作ロッド 34…案内穴 39…突起
フロントページの続き (72)考案者 石神 博行 神奈川県横浜市港北区樽町3丁目7番77 号 大塚工機株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−126648(JP,A) 特開 平3−132453(JP,A)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】枢着軸によりラチェットプレ−トに起倒自
    在に取付けられた操作レバ−を前記ラチェットプレ−ト
    に対して引き起こすことにより、前記操作レバ−に取付
    けられたトラニオンピンを介してブレ−キケ−ブルを引
    っ張ってブレ−キを作動させ、前記操作レバ−に設けら
    れたラチェット爪と前記ラチェットプレ−トの歯との係
    合により、前記ブレ−キケ−ブルが引っ張られブレ−キ
    が作動している状態を維持しつつ、操作レバ−を倒して
    収納できる構成とした収納式レバ−型パ−キングブレ−
    キにおいて、 前記ラチェットプレ−トは、前記操作レバ−を収納すべ
    く前記操作レバ−とともに起倒自在になるように、前記
    枢着軸に対して平行に設けた支軸によって、ブレ−キケ
    −ブルの揺動中心の上方において車体に固定されるベ−
    ス部材に起倒自在に取付け、 前記ベ−ス部材には、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく
    操作レバ−が引き起こされる際に、前記ラチェットプレ
    −トに当接してこのラチェットプレ−トの引き起こし方
    向への揺動を通常操作位置に阻止する第1当接部と、前
    記操作レバ−に設けられた当接部材に当接して、前記操
    作レバ−の倒し方向への揺動を前記操作レバ−が略水平
    となる位置までに規制する第2当接部とを設け、 前記枢着軸,支軸及びトラニオンピンは、ブレ−キケ−
    ブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レ
    バ−が前記ラチェット爪の係合状態を維持しつつ前記支
    軸を中心に前記ラチェットプレ−トとともに前記水平位
    置まで倒されたときに、前記揺動中心と前記トラニオン
    ピンとの距離が略縮まることなく、しかもブレ−キケ−
    ブルの張力により前記操作レバ−又はラチェットプレ−
    トに生じる前記支軸回りの回転モ−メントの向きが引き
    起こし方向から倒し方向に反転するように配置し、 前記ベ−ス部材には、前記ラチェットプレ−ト側に揺動
    した係合位置で前記通常操作位置にあるラチェットプレ
    −トに係合してこのラチェットプレ−トの倒し方向への
    揺動を阻止する係止爪を揺動自在に取付けるとともに、 一端側の直線状部分が前記ベ−ス部材に形成された案内
    穴に挿通されて摺動自在に案内され、他端側が前記係止
    爪に取付けられて摺動することにより前記係止爪を揺動
    させる操作ロッドであって、前記係止爪を前記係合位置
    に付勢するべく一方向に付勢された操作ロッドを設け、 前記操作ロッドの外周には、前記係止爪を前記係合位置
    から離れた係合待機位置に保持すべく、前記案内穴の縁
    に当接して操作ロッドの一方向への摺動を阻止する突起
    であって、操作ロッドが他方向に摺動するときには前記
    案内穴を滑らかに通過するように片側のみ緩やかなスロ
    −プ形状とされた突起を形成し、 前記操作レバ−を収納すべく倒された状態から引き起こ
    される前記ラチェットプレ−トが前記通常操作位置の直
    前の位置を通過する際に、このラチェットプレ−トに押
    されて揺動し、この揺動により前記操作操作ロッドの直
    線状部分を前記案内穴において横方向に移動させて前記
    突起と前記案内穴の縁との当接状態を解除する当接解除
    リンクを前記ベ−ス部材に設けたことを特徴とする収納
    式レバ−型パキングブレ−キ。
  2. 【請求項2】前記突起の位置により決まる係合待機位置
    は、操作レバ−を収納すべく倒された状態から引き起こ
    される前記ラチェットプレ−トが、前記通常操作位置の
    直前の位置において、前記係合待機位置にある係止爪の
    先端に当接してこれを前記係合位置からさらに離れる方
    向に押すような位置に設定し、 前記操作ロッドの前記係止爪に取付けられる他端は、前
    記ラチェットプレ−トにより前記係止爪が前記係合位置
    からさらに離れる方向に押されたときに、前記操作ロッ
    ドの直線状部分を前記案内穴において横方向に移動させ
    前記突起と前記案内穴の縁との当接状態を解除する力の
    モ−メントが前記操作ロッドに生じるように、前記直線
    状部分の延長線上からオフセットさせて配置して、 前記係止爪が前記当接解除リンクとして機能する構成と
    したことを特徴とする請求項1記載の収納式レバ−型パ
    −キングブレ−キ。
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