JP2545103B2 - テレフタル酸スラリ―の分散媒交換方法 - Google Patents

テレフタル酸スラリ―の分散媒交換方法

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JP2545103B2 JP62319889A JP31988987A JP2545103B2 JP 2545103 B2 JP2545103 B2 JP 2545103B2 JP 62319889 A JP62319889 A JP 62319889A JP 31988987 A JP31988987 A JP 31988987A JP 2545103 B2 JP2545103 B2 JP 2545103B2
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C63/14Monocyclic dicarboxylic acids
    • C07C63/15Monocyclic dicarboxylic acids all carboxyl groups bound to carbon atoms of the six-membered aromatic ring
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、テレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリー
の分散媒を水に交換する方法に関し、さらに詳しくは、
本発明は、例えば、パラキシレンを脂肪族カルボン酸分
散媒中で酸化して得られるテレフタル酸の脂肪族カルボ
ン酸スラリーにおける分散媒である脂肪族カルボン酸を
水に変えてテレフタル酸の水スラリーを得る方法に関す
るものである。
発明の技術的背景ならびにその問題点 テレフタル酸は、ポリエステル樹脂等の原料として有
用性の高い物質である。
このテレフタル酸は、通常、酢酸などの脂肪族カルボ
ン酸溶媒中でパラキシレンを酸化することにより、反応
装置から脂肪族カルボン酸スラリーとして得られる。テ
レフタル酸は、水、アルコール、エーテル、クロロホル
ムおよび酢酸等の溶媒に対して不溶であると共に300℃
に加熱することにより溶融せずに昇華するために、反応
装置から排出されたテレフタル酸の脂肪族カルボン酸ス
ラリーから、再結晶あるいは減圧蒸溜等の通常の方法を
利用して高純度のテレフタル酸を得ることは困難であ
る。
このためテレフタル酸の精製には、反応装置から得ら
れるテレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリーから、テ
レフタル酸の粗結晶を分離し、次いでこの粗結晶の水に
分散してテレフタル酸の水スラリーを得、この水スラリ
ーと水素ガスとを接触させる方法などにより水素添加し
て、不純物の溶解性を向上させて不純物を溶媒中に溶出
除去する精製方法が採られている。この精製の工程にお
いては、テレフタル酸の粗結晶が微粉末であり濾過効率
が非常に悪いために濾過による分離方法を採用すること
が困難であり、通常は、遠心分離等の分離方法が採用さ
れている。
しかしながら、テレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラ
リーから粗結晶を遠心分離装置を用いて有効に分離する
ためには、遠心分離操作を2回若しくは3回以上行なう
ことが必要であり、さらにテレフタル酸の粗結晶を粉末
として取り扱うためには、遠心分離により得られた粗結
晶を乾燥させることが必要である。従って、これらの操
作を行なうためは複数の遠心分離装置、乾燥装置および
粒子の貯蔵施設等が必要であるので、テレフタル酸の製
造コスト中における設備比の割合が非常に高くなり、さ
らに、上記のような粗結晶の分離操作が非常に煩雑であ
るという問題点がある。また、一旦粗結晶として得たテ
レフタル酸を水に分散して水スラリーを製造する際に
は、テレフタル酸の粗結晶と水との混合物を高速で撹拌
するなど、水スラリーを調整する操作も非常に煩雑であ
るという問題点もある。
なお、特開昭57−53431号公報には、複数の孔を有す
る仕切板を配置した多段洗浄塔を用いて、粗製テレフタ
ル酸を洗浄することを主な特徴とする洗浄方法が開示さ
れている。この洗浄方法は、具体的には、水性母液中の
テレフタル酸スラリーを上記の多段洗浄塔の頂部から導
入し、底部から水を導入して向流で接触させて、テレフ
タル酸粒子を沈降させる際にテレフタル酸粒子の洗浄を
行なう方法であり、テレフタル酸スラリーを構成する分
散媒と洗浄溶媒とは、両者に純度の差異はあるとして
も、同一の液体、即ち水である。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解消
しようとするものであって、テレフタル酸の脂肪族カル
ボン酸スラリーを構成する分散媒である脂肪族カルボン
酸を水に交換してテレフタル酸粒子の水スラリーを得る
方法を提供することを目的としている。
さらに本発明は、多段塔を用いてテレフタル酸の脂肪
族カルボン酸スラリーを構成する脂肪族カルボン酸を水
に交換してテレフタル酸の水スラリーを得ると共に、脂
肪族カルボン酸スラリーを構成していた酢酸などの脂肪
族カルボン酸を高濃度で回収することができる方法を提
供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒交換方法
は、多段塔の上部からテレフタル酸の脂肪族カルボン酸
スラリーを導入し、下部から水を導入して該多段塔中に
水の上昇流を生じさせると共にテレフタル酸粒子を沈降
させ、該多段塔の上部から脂肪族カルボン酸水溶液を取
り出し、下部からテレフタル酸の水スラリーを取り出す
ことを特徴としている。
本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒交換方法
によれば、多段塔を用いて、この多段塔の上部からテレ
フタル酸の脂肪族カルボン酸スラリーを導入すると共
に、下部から水を導入してこの多段塔内の水の上昇流を
生じさせ、この溶液中をテレフタル酸粒子を沈降させる
ことにより、多段塔の底部から脂肪族カルボン酸の含有
率の低いテレフタル酸の水スラリーを取り出すことがで
き、テレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリーからテレ
フタル酸粒子を分離することなくテレフタル酸の水スラ
リーを容易に調製することができる。
従って、本発明の分散媒交換方法を採用することによ
り、遠心分離塔の分離操作を行なうことなく、テレフタ
ル酸を液体に分散させた状態で取り扱い、テレフタル酸
の水スラリーを得ることができるので、脂肪族カルボン
酸スラリーからテレフタル酸粒子を分離し、さらに水に
分散させるなどの複雑な操作を行なう必要がなく、多大
な設備を必要としない。
さらにまた、多段塔の上部からは、脂肪族カルボン酸
水溶液を得ることができ、この脂肪族カルボン酸水溶液
から水を除去すればパラキシレンの酸化の際の反応溶媒
の一部として循環使用することができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒交換
方法について具体的に説明する。
第1図に本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒
交換方法の工程を含むテレフタル酸の製造工程図の一例
を示す。
第1図において、1で示されている反応装置に導管2
からパラキシレンおよび脂肪族カルボン酸を導入する。
反応装置1内にはコバルト・マンガンおよび臭素化合
物、重金属触媒または酸素を含む貴金属触媒等の触媒が
充填されている。
上記の触媒の存在下に、パラキシレンと酸素(通常は
空気)とを接触させることにより、テレフタル酸を製造
することができる。この反応は、通常は、反応温度を10
0〜240℃、反応圧力を5〜60気圧に設定して行なわれ
る。なお、反応の際に反応促進剤としてアルデヒド類等
を添加することもできる。
このようにしてパラキシレンを酸化することにより、
テレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリーが得られる。
このようなテレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリー中
には、通常は、5〜50重量%の粒子状のテレフタル酸、
50〜95重量%の脂肪族カルボン酸および15重量%以下の
水等が含まれている。
上記のパラキシレンの酸化によるテレフタル酸の製造
において、反応触媒として用いられる脂肪族カルボン酸
としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、
n−吉草酸、トリメチル酢酸、カプロン酸およびこれら
の脂肪酸と水の混合物などを挙げることができ、これら
を単独であるいは組合わせて使用することができる。従
って、本発明の分散媒交換方法において用いられるテレ
フタル酸のスラリーは、上記の脂肪族カルボン酸を分散
媒とするスラリーである。なお、本発明で用いられるス
ラリーは上記の脂肪族カルボン酸の外に、触媒成分等の
他の成分を含むものであってもよい。時にパラキシレン
の酸化反応は、酢酸中で行なうことが好ましいので、本
発明においては、通常は、テレフタル酸の酢酸スラリー
を使用する。
本発明においては、上記のようにして生成したテレフ
タル酸の脂肪族カルボン酸スラリーを直接多段塔に導入
することもできるが、導管3から一旦脱気槽4に導入し
てスラリー中に含まれる空気等を除くことが好ましい。
また、このように一旦脱気槽に導入することにより、多
段塔へ導入するスラリーの導入量の調整が容易になると
の利点もある。
脱気槽4と多段塔6とは、導管5により接続されてい
る。
本発明においては、テレフタル酸の脂肪族カルボン酸
スラリーを、上記の脱気槽4に導入した後、あるいは導
入することなく、導管5から多段塔6上部に導入すると
共に、多段塔6の下部から水を導入する。
本発明で用いる多段塔6は、第1図に示すように、基
本的には有底筒状の形状を有し、この多段塔6の上部に
は、導管5に結合してテレフタル酸の脂肪族カルボン酸
スラリー導入するための脂肪酸カルボン酸スラリー導入
口8と、脂肪族カルボン酸水溶液を排出するための脂肪
族カルボン酸水溶液排出口9どが設けられている。また
多段塔6の底部には、多段塔に水を供給するための水導
入口10および水スラリー排出口11とが設けられている。
なお、この脂肪族カルボン酸水溶液排出口9は、取り出
される脂肪族カルボン酸水溶液中に同伴されるテレフタ
ル酸粒子の量を減少させるために、通常は、脂肪族カル
ボン酸スラリー導入口8よりも上方に設けられている。
また、水スラリー排出口11は、通常は、水導入口10より
も下方に設けられている。
多段塔6内部には少なくとも1枚の仕切板が配置さ
れ、多段塔上部からのテレフタル酸粒子の沈降および多
段塔下部から上部方向への水の上昇が可能なように、多
段塔6を垂直方向に少なくとも2段に区画している。本
発明において、多段塔6の段数は、テレフタル酸の脂肪
族カルボン酸スラリー導入量、多段塔6の下部から取り
出されるテレフタル酸の水スラリー中に含まれることが
許容される脂肪族カルボン酸の量などを考慮して適宜設
定することができる。たとえば、テレフタル酸の水スラ
リー中における脂肪族カルボン酸濃度を10重量%以下に
する場合には、通常は段数が5段以上の多段塔が用いら
れる。この仕切板によってテレフタル酸粒子の降下速度
あるいは水の上昇流の上昇速度などを調整することがで
きる。第1図に示される多段塔6は、仕切板12a〜12gの
7枚の仕切板によって7段に区画されている。
なお、それぞれの仕切板は、多段塔の段数、導入する
テレフタル酸の脂肪族カルボン酸スラリーの導入速度等
に対応させて設定することができるが、少なくとも10cm
の間隔を形成するように配置することが好ましい。各仕
切板の間隔が10cmより狭いと、得られるテレフタル酸の
水スラリー中の脂肪族カルボン酸濃度が高くなることが
あり好ましくない。
さらに、本発明においては、これらの仕切板の他に、
低速で回転するスクレーパー(掻き取り翼)13a〜13gを
組合わせて用いることもできる。このスクレーパー13a
〜13gは、回転手段17によって回転する回転軸16に結合
しており、通常は毎分0.5〜20回転の速度で回転する。
また、仕切板およびスクレーパーには、テレフタル酸
粒子の沈降速度などを調整するためにテレフタル酸粒子
の通過が可能な微細透孔が多数設けられていてもよい。
本発明では、上記のような多段塔6の上部に設けられ
た脂肪族カルボン酸スラリー導入口8からテレフタル酸
の脂肪族カルボン酸スラリーを導入し、また該多段塔6
の下部に設けられた水導入口10から水を供給する。水導
入口10から供給された水は、多段塔6の内部で上昇流を
形成し、一方、テレフタル酸粒子は多段塔内部を沈降す
る。この際、脂肪族カルボン酸もまた多段塔6内を下方
に拡散するが、多段塔6の下方に向かうに従って脂肪族
カルボン酸の濃度は低下し、多段塔6の下部における脂
肪族カルボン酸の濃度は著しく低くなる。
すなわち、テレフタル酸粒子の比重は、通常は、1.5g
/cm3程度であり、このテレフタル酸粒子は重力により自
然沈降する。特に本発明においては、テレフタル酸粒子
のうちの少なくとも90重量%が、5〜600μm、好まし
くは20〜300μmの範囲内の粒子径を有するテレフタル
酸の脂肪族カルボン酸スラリーを用いることにより、有
効にテレフタル酸を沈降させることができる。すなわ
ち、粒子径の小さいテレフタル酸粒子を多量に含む脂肪
族カルボン酸スラリーを用いた場合には、テレフタル酸
粒子の沈降速度が遅すぎて、多段塔上部から回収される
脂肪族カルボン酸水溶液中に同伴されるテレフタル酸粒
子の量が増加し、他方、粒子系が大きい粒子を多量に含
む場合には、沈降速度が速すぎて、沈降するテレフタル
酸粒子によって脂肪族カルボン酸が同伴され、得られる
テレフタル酸の水スラリーの脂肪族カルボン酸濃度が高
くなることがある。
本発明において、水の上昇流を形成する水量は、多段
塔内を沈降するテレフタル酸粒子の重量に対して0.01〜
5倍程度にすることが望ましい。すなわち、多段塔とし
ては、通常は、高さ/直径(L/D)比が大きいものが用
いられるので、理論的には、少量の水の上昇によって、
多段塔内にピストンフローに近い上昇流を形成すること
が可能であり、このような上昇流のために多段塔下部に
は脂肪族カルボン酸は到達しないはずである。しかしな
がら、実際には、沈降するテレフタル酸粒子に同伴され
て少量の脂肪族カルボン酸が多段塔下部にまで到達する
ので、これを有効に防止するためにある程度の水量を上
昇流を形成することが望ましい。ただし、水量が多くな
り過ぎると、脂肪族カルボンン酸水溶液排出口9から回
収される脂肪族カルボン酸水溶液の濃度が低下するの
で、この脂肪族カルボン酸水溶液をテレフタル酸の反応
溶媒として再使用する際に、水の除去操作に伴うコスト
等が増大する。したがって、多段塔内を沈降するテレフ
タル酸粒子の重量と上昇流を形成する水の重量を上記の
ようにすることが好ましい。
また、水の上昇流の流速は、脂肪族カルボン酸水溶液
排出口9近傍における流速を2×10-2m/sec以下、好ま
しくは2×10-4〜−5×10-3m/secにすることが望まし
い。この部分における流速が高すぎると、脂肪族カルボ
ン酸水溶液排出口9から排出されるテレフタル酸粒子の
量が多くなる。さらに、本発明の方法において、仕切板
近傍における流速は1×10-2m/sec以下、好ましくは1
×10-4〜−3×10-3m/secにすることが望ましい。それ
ぞれの部分における上昇流の流速は、たとえば、仕切板
の設置枚数あるいは形状などを変えることにより制御す
ることができる。
上記のような水の上昇流が形成された多段塔6内をテ
レフタル酸粒子が沈降することより、多段塔6下部に
は、テレフタル酸の水スラリーが形成される。このテレ
フタル酸の水スラリーは、水スラリー排出口11から取り
出すことができる。
そして、本発明に係る分散媒交換方法によれば、得ら
れるテレフタル酸の水スラリー中における脂肪族カルボ
ン酸濃度は、通常は、10重量%以下であり、さらに多段
塔の段数、多段塔の高さ等を適宜設定することにより、
水スラリー中における脂肪族カルボン酸濃度を1重量%
以下にすることができる。
このようにして本発明により得られたテレフタル酸の
水スラリーは、導管14から次の工程に導かれる。例え
ば、水素添加反応装置などに導入して、この水スラリー
中に含まれる不純物を選択的に水素添加し、不純物の溶
解度を向上させて溶出除去することにより、非常に高純
度のテレフタル酸を製造することができる。
本発明により得られたテレフタル酸の水スラリーは、
脂肪族カルボン酸濃度が低いので、特に脂肪族カルボン
酸を分離することなく次の操作を行なうことができと共
に、分散媒交換に伴う脂肪族カルボン酸の損失も少な
い。また、この水スラリーをそのまま後の工程で使用し
ても、後の工程で用いる装置の腐蝕を引き起こすことが
少ない。
他方、多段塔6の上部の脂肪族カルボン酸水溶液排出
口9からは、上昇流を形成していた水によって希釈され
た脂肪族カルボン酸を得ることができる。この脂肪族カ
ルボン酸水溶液は、水を除去すれば、パラキシレンの酸
化によるテレフタル酸の製造の際に用いる反応溶媒の一
部として再使用することができる。
発明の効果 本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒交換方法
によれば、多段塔を用い、この多段塔の上部からテレフ
タル酸の脂肪族カルボン酸スラリーを導入すると共に、
下部から水を導入してこの多段塔内の水の上昇流を生じ
させ、この多段塔内でテレフタル酸粒子を沈降させるこ
とにより、多段塔の底部に脂肪族カルボン酸の含有率の
非常に低いテレフタル酸の水スラリーを形成することが
でき、これを取り出すことにより、テレフタル酸の脂肪
族カルボン酸スラリーからテレフタル酸の水スラリーを
容易に製造することができる。
従って、本発明の分散媒交換方法を採用することによ
り、遠心分離等の操作を行なってテレフタル酸粉末を分
離することなく、テレフタル酸の水スラリーを得ること
ができ、テレフタル酸粒子の分離に伴う繁雑な操作およ
び分離装置等を必要としない。
さらに、本発明によれば、テレフタル酸の脂肪族カル
ボン酸スラリーから直接テレフタル酸の水スラリーを得
ることができ、したがって、テレフタル酸粒子を分離
し、これを水に分散して、テレフタル酸の水スラリーを
調製する必要がない。
また、多段塔の上部からは、水分含有率の低い脂肪族
カルボン酸水溶液を得ることができ、この脂肪族カルボ
ン酸水溶液から水を除けば、パラキシレンの酸化の際の
反応溶媒の一部として循環使用することができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこの
実施例により限定されるものではない。
実施例1 第1図に示すような反応装置1、脱気槽4および多段
塔6を用い、これらを第1図に示すように配置した。
多段塔内には、20cmの間隔で20枚の仕切板が配置され
ており、さらに20枚のスクレーパーが配置されている。
スクレーパーは、毎分1回転の速度で回転しており、さ
らにスクレーパーを回転される軸の先端には、多段塔下
端の内壁に沿って撹拌翼が備えられている。
上記の反応装置1に導管2からパラキシレンおよび酢
酸を導入して、酢酸コバルト、酢酸マンガンおよびテト
ラブロムエタン触媒の存在下に、パラキシレンを酢酸溶
媒中で空気酸化してテレフタル酸を製造した。
この時の反応条件は次の通りである。
反応温度 ……190℃ 反応圧力 ……14気圧 反応装置1からテレフタル酸の酢酸スラリーを取り出
し、一旦脱気槽4に導入し5分間脱気させた。
次いで、テレフタル酸の酢酸スラリーをこの脱気槽4
から多段塔6に毎時925kgの導入量で連続的に導入する
と共に、多段塔6の下部から毎時766kgの水を導入し
た。なお、仕切板付近における水の上昇流の流速は7×
10-4m/secであった。
導入した水およびテレフタル酸の酢酸スラリーの温度
は190℃であった。また、この酢酸スラリーは、粒子系2
0〜300μmの範囲内にテレフタル酸粒子の97重量%が存
在してスラリーであった。この酢酸スラリーは、以下に
示す組成を有していた。
[テレフタル酸の酢酸スラリー組成] テレフタル酸粒子 ……27.6重量部 酢酸 ……67.1重量部 水 ……5.3重量部 上記のようにしてテレフタル酸の酢酸スラリーおよび
水を導入すると共に、多段塔の上部に設けられた脂肪族
カルボン酸水溶液排出口9から毎時713kgの酢酸水溶液
を取り出し、下部に設けられた水スラリー排出口11から
毎時978kgの水スラリーを取り出した。なお、塔頂部に
おける水の流速は6×10-3m/secであった。
得られた酢酸水溶液および水スラリーの組成を以下に
示す。
[酢酸水溶液組成] テレフタル酸粒子 ……1.9重量部 酢酸 ……87.0重量部 水 ……11.1重量部 [テレフタル酸の水スラリー組成] テレフタル酸粒子 ……24.7 重量部 酢酸 ……0.03重量部 水…… 75.27重量部 上記に示すように、本発明の分散媒交換方法を採用す
ることによりテレフタル酸の酢酸スラリーからテレフタ
ル酸粒子を分離することなく、スラリーを構成する分散
媒を交換して、実質的に酢酸を含まないテレフタル酸の
水スラリーを得ることができた。さらに、多段塔上部か
らは水分含有率の低い酢酸水溶液を回収することがで
き、この酢酸水溶液は、水を除いた後、パラキシレンの
酸化反応の際の反応溶媒として有効に再使用することが
できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るテレフタル酸スラリーの分散媒
交換方法の工程を含むテレフタル酸の製造工程の一例を
示す工程図である。 1……反応装置、4……脱気槽、6……多段塔、8……
脂肪族カルボン酸スラリー導入口、9……脂肪族カルボ
ン酸水溶液排出口、10……水導入口、11……水スラリー
排出口、12a〜12g……仕切板、13a〜13g……スクレーパ
ー、2,3,5,7,14,15……導管

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段塔の上部からテレフタル酸の脂肪族カ
    ルボン酸スラリーを導入し、下部から水を導入して該多
    段塔中に水の上昇流を生じさせると共にテレフタル酸粒
    子を沈降させ、該多段塔の上部から脂肪族カルボン酸水
    溶液を取り出し、下部からテレフタル酸の水スラリーを
    取り出すことを特徴とするテレフタル酸スラリーの分散
    媒交換方法。
  2. 【請求項2】脂肪族カルボン酸スラリー中のテレフタル
    酸粒子のうちの少なくとも90重量%が、5〜600μmの
    範囲内の粒子径を有することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載のテレフタル酸スラリーの分散媒交換方
    法。
JP62319889A 1987-12-17 1987-12-17 テレフタル酸スラリ―の分散媒交換方法 Expired - Lifetime JP2545103B2 (ja)

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