JP5162960B2 - イソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法 - Google Patents
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Description
即ち本発明は、第一分散媒とイソフタル酸結晶からなるイソフタル酸原スラリーを分散媒置換塔上部より導入し、第二分散媒を同置換塔下部より導入し、イソフタル酸原スラリーの第一分散媒を置換して同置換塔上部より主に第一分散媒を抜き出し、主にイソフタル酸結晶と第二分散媒からなる置換スラリーを同置換塔下部より抜き出すイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法であって、イソフタル酸原スラリー導入流量、第二分散媒導入流量及び置換スラリーの抜き出し流量を調節してイソフタル酸結晶が重力により自由沈降する領域(中間部領域)と攪拌することにより均一な分散状態となった下部領域、及び中間部領域と下部領域の間に界面領域を形成し、条件(A)〜条件(D)を満たすイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法に関するものである。
条件(A)分散媒置換塔の内径D(m)が1.00〜5.00である
条件(B)中間部領域の幅LA(m)が分散媒置換塔の内径D(m)の0.3〜4.0倍の範囲にあり、下部領域の幅LB(m)が分散媒置換塔の内径D(m)の0.3〜1.5倍の範囲にある
条件(C)界面領域の幅L(m)が0.10〜1.00の範囲にある
条件(D)下記の式で表される界面領域におけるイソフタル酸含有量の変化量X(重量%/m)が15〜500の範囲にある
X=(CB−CA)/L
(式中、CAは中間部領域のイソフタル酸含有量(重量%)、CBは下部領域のイソフタル酸含有量(重量%)を、Lは界面領域の幅(m)を示す。)
本発明に係るイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法は、イソフタル酸結晶及び第一分散媒を主成分とするイソフタル酸原スラリーを無段の分散媒置換塔上部より導入し、又第一分散媒を置換しようとする他の分散媒である第二分散媒を同置換塔下部より導入し、両液を液/液接触状態に置き、その状態でイソフタル酸結晶を第一分散媒から第二分散媒に重力沈降手段により移行させ、同置換塔上部より第一分散媒を抜き出す一方、第二分散媒とイソフタル酸結晶からなる置換スラリーを同置換塔下部より抜き出し、イソフタル酸原スラリーの分散媒を置換する方法に係るものである。
分散媒置換塔の形状は円筒で、上鏡部及び下鏡部については球形、楕円形又は円錐形等を例示することができ、特に下鏡部については下部領域を均一な分散状態にし易い楕円形が好ましい。
この分散媒置換塔の下部には、内部を攪拌し、下部領域(後述の界面領域の下側の領域)を攪拌して均一な分散状態(均一化)とするため攪拌装置が設置される。この均一化の目的は、下部領域内のスラリーの部分的低比重化による中間部領域と下部領域との間の密度勾配上の不安定化等を防止することにある。設置される攪拌装置は、実質的に下部領域内を均一化する装置であればよく、種々の攪拌羽根付き攪拌機でも、下部に混合流を生ぜしめる外部循環装置でも構わない。攪拌羽根としてはプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、ディスクタービン翼、傾斜パドル翼等を例示することができる。外部循環装置の場合は、該置換塔下部外部に循環パイプを設置し、下部領域内液を抜き出し、循環ポンプを通して下部領域内に戻すことになる。この外部循環の途中に更に攪拌翼による攪拌装置を介在させることも好ましく採られる手段である。また、攪拌を助勢するため置換塔下部にバッフルを入れることも好適に行われる。
界面領域を安定にするためには分散媒置換塔内に導入されたイソフタル酸結晶が自由沈降する距離を保つことが必要である。これは該界面領域がイソフタル酸原スラリー導入口に近づくとこの導入口から飛び出すイソフタル酸原スラリーの勢いが該界面領域を乱してしまうためであり、更にはイソフタル酸結晶が該置換塔内に十分に分散して均一に自由沈降することができないためである。その結果、置換効率が低下してしまう。一方、距離を長くすれば上側のイソフタル酸含有量が低く下側のイソフタル酸含有量が高い界面領域を乱すことなく、イソフタル酸結晶が均一に自由沈降するので置換効率は向上する。ただし、必要以上に距離を長くするのは、分散媒置換塔が巨大な置換塔となるために実装置化は難しくなる。高い置換効率を得るためには、中間部領域の幅LA(m)を分散媒置換塔の内径の0.3〜4.0倍の範囲に操作すればよく、好ましくは0.5〜2.0倍である。
界面領域を安定にするためにはイソフタル酸含有量の高い下部領域を該イソフタル酸含有量が均一な状態として安定に保ち、更に界面領域が揺らいだり波打たないように保つことが必要である。
攪拌装置が攪拌羽根付き攪拌機である場合は、界面領域の下部端面が下がる、つまり界面領域の下部端面が攪拌羽根に近づくと攪拌羽根からの吐出流や旋廻流が界面領域に影響を与えて界面が乱れてしまう。逆に界面領域の下部端面が上がる、つまり界面領域の下部端面が攪拌羽根から離れてしまうと下部領域内でイソフタル酸含有量の不均一化が発生し、均一なイソフタル酸含有量に保つことができなくなる。
高い置換効率を得るためには、下部領域の幅LB(m)を分散媒置換塔の内径の0.3〜1.5倍の範囲に操作すればよく、好ましくは0.5〜1.0倍である。
外部循環装置の場合は、下部領域の幅LB(m)は、界面領域の下部端面と下部タンジェンシャルラインの位置との距離となる。高い置換効率を得るためには、下部領域の幅LB(m)を分散媒置換塔の内径の0.3〜1.5倍の範囲に操作すればよく、好ましくは0.5〜1.0倍である。
もちろん、必要以上に下部領域の幅LB(m)を大きくしすぎると、例え置換効率に問題が無くても分散媒置換装置が巨大化する方向であり、実装置化が困難になり好ましくない。
(1)イソフタル酸原スラリーの導入流量とイソフタル酸含有量、
(2)第二分分散媒の導入流量、
(3)置換スラリーの抜き出し流量とイソフタル酸含有量
によって決まる。
界面領域の幅Lは、界面領域の上部端面と界面領域の下部端面との距離を意味する。界面領域は中間部領域と下部領域のイソフタル酸含有量が異なるために分散媒置換塔内に発生する。その幅Lは分散媒置換塔の内径Dや中間部領域と下部領域のイソフタル酸含有量の差、中間部領域と下部領域の温度差、イソフタル酸結晶の粒径など様々な因子の影響を受ける。高い置換効率を得るためには、界面領域の幅Lを0.10〜1.00mの範囲に操作すればよい。
X=(CB−CA)/L
(式中、CAは中間部領域のイソフタル酸含有量(重量%)、CBは下部領域のイソフタル酸含有量(重量%)を、Lは界面領域の幅(m)を示す。)
この変化量X(重量%/m)は界面領域におけるイソフタル酸含有量の変化であり、単位幅当りのイソフタル酸含有量差と言うことができる。
この変化量Xは界面領域を挟んで中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量がどれだけ急激に変化しているかを意味しており、この数値が大きいほど置換効率が良いことが分かった。ただし、界面領域の幅L(m)の最小値が0.10であり、下部領域のイソフタル酸含有量CB(重量%)と中間部領域のイソフタル酸含有量CA(重量%)の差(CB−CA)の最大値が50と想定されることから計算して変化量Xの最大値は500と想定される。
実装置規模の分散媒置換塔においては、この変化量Xが15〜500の範囲にあるように操作すればよく、好ましくは19〜500の範囲である。
この場合、上記の第二分散媒の導入流量と置換スラリーの抜き出し流量の調節は具体的数値の範囲として特定できるものではなくて、変化量Xを上記の範囲に保つような流量であればよい。
本発明で用いるイソフタル酸原スラリーは、液相酸化反応生成スラリー又は粗イソフタル酸を精製処理した後のスラリーである。
図1に分散媒置換装置の一例を示す。また、図2に分散媒置換塔内の上部領域、中間部領域、界面領域、下部領域、更には界面領域の中間位置、上部端面、下部端面の一例を示す。図3に攪拌が外部循環方式である分散媒置換装置の一例を示す。図4に攪拌機の攪拌軸が分散媒置換塔上部に接続している分散媒置換装置の一例を示す。
分散媒置換装置Aは、分散媒置換塔1を中心とし、この塔にイソフタル酸原スラリー槽8、第二分散媒を導入する第二分散媒槽11、排出される第一分散媒を受ける溢流分散媒槽9及び抜き出された置換スラリーを受ける置換スラリー槽10が接続されており、必要な送液用ポンプ12,14、熱交換器15,17、分散媒置換塔1の下部に設置された攪拌機13、オンライン密度計16から構成されている。
第一分散媒とイソフタル酸結晶からなるイソフタル酸原スラリーはイソフタル酸原スラリー槽8からイソフタル酸原スラリー送液ポンプ12を経てイソフタル酸原スラリー受入れ口2に達し、イソフタル酸原スラリー導入口3から置換塔上部に散布される。散布されたイソフタル酸原スラリーの内、イソフタル酸結晶は概ね分散媒置換塔1の下方に沈降し、第一分散媒とイソフタル酸結晶粒子の内の一部で特に微細なものについては置換塔上部側面の第一分散媒抜き出し口5より第一分散媒槽(溢流分散媒槽)9に溢流する。
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.55トン/h
第二分散媒導入流量 9.67トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.35トン/h
置換スラリー抜き出し流量 12.88トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.30mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.4重量%であり温度は118〜146℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は32.0重量%であり温度は113℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は23.6重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は79であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表1に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 95.8
6 96.2
8 96.1
10 96.2
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.99トン/h
第二分散媒導入流量 6.27トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.81トン/h
置換スラリー抜き出し流量 9.45トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.25mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.6重量%であり温度は122〜145℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は43.9重量%であり温度は114℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は35.3重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は141であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表2に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 97.3
6 97.7
8 97.4
10 97.5
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.56トン/h
第二分散媒導入流量 18.39トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.42トン/h
置換スラリー抜き出し流量 21.53トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.30mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.7重量%であり温度は114〜145℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は18.9重量%であり温度は111℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は10.2重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は34であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表3に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 94.7
6 94.8
8 94.4
10 94.5
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.87トン/h
第二分散媒導入流量 25.35トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.75トン/h
置換スラリー抜き出し流量 28.47トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.30mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.5重量%であり温度は114〜146℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は14.3重量%であり温度は111℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は5.8重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は19であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表4に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 93.1
6 93.3
8 92.8
10 93.0
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.79トン/h
第二分散媒導入流量 30.44トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.70トン/h
置換スラリー抜き出し流量 33.53トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.35mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.4重量%であり温度は112〜145℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は12.0重量%であり温度は110℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は3.6重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は10であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表5に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 90.3
6 89.1
8 90.7
10 89.9
図1の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が2.50mのSUS316製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリーを晶析、固液分離、乾燥して粗イソフタル酸結晶を得、次いで水添工程において水溶媒に加熱溶解して接触水素化反応を行い、得られた精製イソフタル酸スラリーを直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、130℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
イソフタル酸原スラリー導入流量 24.08トン/h
第二分散媒導入流量 16.70トン/h
第一分散媒抜き出し流量 18.07トン/h
置換スラリー抜き出し流量 22.72トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は1.00mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.60mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.5重量%であり温度は93〜127℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は33.3重量%であり温度は91℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は24.8重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は41であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表6に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 96.1
6 96.3
8 96.0
10 96.0
図4の分散媒置換装置を用いた。分散媒置換塔1にはその上部に攪拌機が接続しており、攪拌軸が塔上部から塔下部へ伸びている。イソフタル酸原スラリー導入口は分散用リング形式で、分散用リング30には複数個のスラリー導入口が設けられている。分散媒置換塔1として垂直方向に長い構造をしている内径が1.50mのチタン製筒状塔を用い、商業規模の装置を使い、含水酢酸中でm−キシレンをコバルト、マンガン、臭素触媒の存在下、空気により液相酸化(反応温度200℃、反応圧力16気圧)して得た粗イソフタル酸スラリー(イソフタル酸含有量33重量%、第一分散媒である含水酢酸の水分濃度12重量%)を直列に連結された晶析槽へ導いて順次放圧し、150℃まで冷却したものをイソフタル酸原スラリー槽8に供給した。
各導入流量および抜き出し流量は以下の通りとした。
イソフタル酸原スラリー導入流量 13.67トン/h
第二分散媒導入流量 9.38トン/h
第一分散媒抜き出し流量 10.60トン/h
置換スラリー抜き出し流量 12.45トン/h
また、界面領域の下部端面と攪拌羽根上端位置の距離(下部領域の幅)は0.90mとした。界面領域の位置は置換塔内の垂直方向の温度分布及び置換塔内液サンプリングの結果より確認した。界面領域の幅は0.30mであった。イソフタル酸原スラリー導入口の位置と界面領域の上部端面の距離(中間部領域の幅)は3.00mとした。中間部領域のイソフタル酸含有量は8.7重量%であり温度は117〜145℃であり、下部領域のイソフタル酸含有量は32.4重量%であり温度は113℃であった。中間部領域のイソフタル酸含有量と下部領域のイソフタル酸含有量の差は23.7重量%であり、界面領域のおける変化量X(重量%/m)は79であった。
分散媒置換塔の置換率は、イソフタル酸原スラリー分散媒中に副生成物として含まれる安息香酸量に対する、置換されて第一分散媒抜き出し口5より溢流した分散媒中に含まれる安息香酸量、つまり主流のイソフタル酸結晶を多く含む流れから置換して分けられた安息香酸量の百分率と定義する。時間毎のサンプリングを基に該置換率の変化を経時的に測定した結果を表7に示す。
経過時間(H) 置換率(%)
4 93.2
6 93.0
8 92.7
10 93.2
2・・・・イソフタル酸原スラリー受入れ口
3・・・・イソフタル酸原スラリー導入口
4・・・・分散用邪魔板
5・・・・第一分散媒抜き出し口
6・・・・第二分散媒導入口
7・・・・置換スラリー抜き出し口
8・・・・イソフタル酸原スラリー槽
9・・・・第一分散媒槽(溢流分散媒槽)
10・・・置換スラリー槽
11・・・第二分散媒槽
12・・・イソフタル酸原スラリー送液ポンプ
13・・・攪拌機
14・・・第二分散媒送液ポンプ
15・・・熱交換器
16・・・オンライン密度計
17・・・熱交換器
18・・・分散媒置換塔上部
19・・・分散媒置換塔中間部
20・・・分散媒置換塔下部
21・・・界面領域の中間位置
22・・・分散媒置換塔上部領域
23・・・分散媒置換塔中間部領域
24・・・分散媒置換塔下部領域
25・・・界面領域
26・・・界面領域の上部端面
27・・・界面領域の下部端面
28・・・攪拌ポンプ
29・・・置換スラリー循環ライン戻り口
30・・・イソフタル酸原スラリー導入口(分散用リング)
Claims (4)
- 第一分散媒とイソフタル酸結晶からなるイソフタル酸原スラリーを分散媒置換塔上部より導入し、第二分散媒を同置換塔下部より導入し、イソフタル酸原スラリーの第一分散媒を置換して同置換塔上部より主に第一分散媒を抜き出し、主にイソフタル酸結晶と第二分散媒からなる置換スラリーを同置換塔下部より抜き出すイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法であって、第一分散媒が酢酸、水または水を含んだ酢酸であり、第二分散媒が水若しくは酢酸又はこれらの混合物であり、イソフタル酸原スラリー導入流量、第二分散媒導入流量及び置換スラリーの抜き出し流量を調節してイソフタル酸結晶が重力により自由沈降する領域(中間部領域)と攪拌することにより均一な分散状態となった下部領域、及び中間部領域と下部領域の間に界面領域を形成し、条件(A)〜条件(D)を満たすイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法。
条件(A)分散媒置換塔の内径D(m)が1.00〜5.00である
条件(B)中間部領域の幅LA(m)が分散媒置換塔の内径D(m)の0.3〜4.0倍の範囲にあり、下部領域の幅LB(m)が分散媒置換塔の内径D(m)の0.3〜1.5倍の範囲にある
条件(C)界面領域の幅L(m)が0.10〜1.00の範囲にある
条件(D)下記の式で表される界面領域におけるイソフタル酸含有量の変化量X(重量%/m)が15〜500の範囲にある
X=(CB−CA)/L
(式中、CAは中間部領域のイソフタル酸含有量(重量%)、CBは下部領域のイソフタル酸含有量(重量%)を、Lは界面領域の幅(m)を示す。) - イソフタル酸原スラリーの温度を第二分散媒の温度より高くすることを特徴とする請求項1記載のイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法。
- 攪拌機または外部循環装置で攪拌することにより均一な分散状態となった下部領域を形成する請求項1または2記載のイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法。
- 攪拌機が攪拌軸を用いて攪拌羽根を回転させる攪拌機であって、置換塔の下側に設置された攪拌機で攪拌することにより均一な分散状態となった下部領域を形成する請求項3記載のイソフタル酸原スラリーの分散媒置換方法。
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