JP2544788B2 - 消臭性能を有する合成繊維 - Google Patents

消臭性能を有する合成繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、おしめ、カーペット、カーテン、病院用シ
ーツ、その他、悪臭を嫌う用途に使用するのに適した優
れた消臭性能を有する合成繊維に関するものである。
更に詳しくは、世の中の4大悪臭と言われる肉類等の
腐敗臭の主成分であるアンモニア、魚類等の腐敗臭の主
成分であるトリメチルアミン等の塩基性ガスに対して
も、また野菜等の腐敗臭の主成分であるメチルメルカプ
タン、卵や牛乳等の腐敗臭の主成分である硫化水素等の
酸性ガスに対しても効果を発揮する広範囲の悪臭成分に
対して優れた消臭性能を有する繊維に関する。
(従来の技術) 合成繊維の中でポリエステル繊維、ポリアミド繊維等
は、その優れた寸法安定性、耐薬品性、強度、耐久性な
どの点から、衣料素材として不可欠のものとなつてい
る。しかしながら、使用用途によっては更に特殊機能の
付与が望まれていた。例えば、病院用シーツ、おしめ、
カーペツト等悪臭を嫌う用途では、できるだけ原因とな
る悪臭を軽減させる性能を保持している繊維製品が望ま
れていた。従来のものとしては、天然の針、広葉樹から
の抽出物あるいは緑茶からの抽出物などを後加工法など
により繊維製品表面に付着させたものなどが大部分であ
るが、耐久性が不十分である欠点があつた。特に、繰返
し洗濯などを実施した場合、あるいは繊維製品を染色処
理した場合などに消臭性能が極端に低下してしまう問題
点が発生した。
また耐久性を向上させる目的で樹脂中に練込む消臭剤
タイプとしては鉄の二価イオン化合物とL−アスコルビ
ン酸を配合させたもの等があるが、ポリエステル中へ配
向させるためには耐熱性が不十分であつたり、あるいは
繊維製品となつた時に悪臭物質を脱臭した後に変色して
しまい繊維素材としては特定の用途にしか使用できない
などの問題点があつた。
このような状況から本発明者らは、この問題の解決の
ため鋭意検討した結果本発明に至つたものである。
(発明が解決しようとしている問題点) 即ち本発明の課題は、消臭剤を繊維の表面に付着させ
る従来の後加工法等の前記欠点を根本的に解決するため
に、消臭剤を繊維内部へ含有させた繊維とする場合に、
洗濯耐久性などの耐久性があり、なおかつ広範囲な悪臭
成分の消臭に効果を発揮し、繊維製品の変色等の欠点を
生じない実効のある繊維とするためには、いかなる物を
用い、いかなる構成、条件としたらよいのかという点に
あり、本発明はこの点を究明したものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の合成繊維は、ポリエステル及び/又はポリア
ミドの如き融点が150℃以上の熱可塑性ポリマー中に、
平均粒子径が5ミクロン以下の優れた消臭性能を有する
無機微粉末を0.1〜10重量%含有せしめたことを特徴と
する消臭性能を有する繊維である。
以下、本発明の繊維及びその製造法を詳細に説明す
る。
本発明に用いる無機微粒子は、平均粒子径が5ミクロ
ン以下であることが好ましい。粒径が5ミクロンを超え
ると溶融紡糸時にフイルター詰りや毛羽断糸を起こし易
く使用困難である。特に各種衣料素材、寝装製品等への
応用を考えた場合は、単繊維デニールが1デニール前後
の細デニール糸も必要とされ、粒径が大きくなると延伸
時の糸切れが激しくなり好ましくない。従つて本発明に
用いる無機微粒子は平均粒径5ミクロン以下のものが、
更に好ましくは1ミクロン以下のものが望ましい。
本発明に用いる無機微粒子は、酸化亜鉛と二酸化ケイ
素の比率が重量比で1:5〜5:1の範囲からなる、大部分が
アモルフアスな構造を有している、ケイ酸亜鉛の実質的
に無定形微粒子が好ましい。酸化亜鉛のと二酸化ケイ素
の比率は好ましくは1:4〜4:1の範囲、更に好ましくは1:
3〜3:1の範囲が好ましい。
ケイ酸亜鉛は天然に多量に産出されるが、ほとんどの
ものは結晶構造を有している。おどろくべきことにこの
結晶構造を有している場合には、消臭性能がほとんど発
揮されない。しかるに実質的にアルモフアスな無定形構
造になることにより初めて優れた消臭性能が発現し、な
おかつ、熱可塑性樹脂の中に含有分散されても十分な消
臭性能が維持されることが見い出された。しかも、アン
モニア、トリメチルアミン類の塩基性ガスに対しても、
また硫化水素、メチルメルカプタン等の酸性ガスに対し
ても良好な消臭効果が発現されることがわかつた。
ここで述べている、実質的にアモルフアスな無定形構
造とは、X線回析分折で、結晶ピークが実質的にほとん
ど出てこない状態を言い、このような無機構造にせしめ
ることにより、初めて、優れた消臭性能が発現されたわ
けである。
また、本発明の無機微粒子が消臭性能を有するメカニ
ズムについては現時点では不明でるが、ケイ酸亜鉛中の
酸化亜鉛による、塩基性ガス、酸性ガスの両性に対して
ある種の錯体形成反応が生じて消臭効果を発揮せしめる
と同時に、無機微粒子のアモルフアス構造によるガスの
物理吸着効果も発揮され、総合的に相乗効果によるすぐ
れた消臭性能が発現してくると思われる。更に大きな特
徴は、熱可塑性ポリマー中に該無機粒子を含有分散せし
め、それをもちいて繊維化した繊維形態のものでも十分
な消臭性能が保持されていることが確認された。通常、
消臭剤を樹脂に内添すると、消臭性能が阻害され効果が
減少してくる傾向があり、特に硫化水素等の酸性ガスの
消臭性能が著しく低下してしまうのが一般的であつた
が、本発明の無機微粒子を内添した場合は消臭性能が低
下しないのが大きな特徴である。これについての理由に
ついてはまだ明らかではない。
また本発明の無機微粒子を、例えばポリエチレンテレ
フタレートポリマーに練込み、繊維化したものを、後加
工工程で130℃の高温染色処理を経た後でも消臭性能が
全く低下せず保持されていることがわかつた。更に、該
繊維がアンモニア等のガスを脱臭した後、洗濯処理をす
ると、消臭性能を発揮する無機微粒子と脱臭されたガス
分子の錯体がこわれ、洗濯時に消臭ガス成分を洗い落と
してしまい該繊維としては、消臭性能が再び完全に近い
形で再生されることがわかり、洗濯操作を繰り返すこと
により消臭性能を保持した繊維として実質的に寿命のな
い半永久的に使用が可能となることがわかつた。
熱可塑性ポリマー中に添加する本発明無機微粒子の添
加量は0.1〜10重量%が好ましい。更に好ましくは0.5〜
10重量%が良い。添加量が0.1%より少なくなると、十
分な消臭性能を有した繊維とは言いがたくなる。添加量
が10%以上になると消臭性能としては十分であるが、繊
維化時の工程性が著しく悪くなり好ましくない。特に、
紡糸時にノズル孔周囲の汚れ発生による単糸切れ、断糸
が頻発してくるとともに、延伸性も著しく低下し毛羽、
断糸が多発してくる。更に、工程中での糸走行時の設備
の糸道摩耗が激しく発生してくることになり好ましくな
い。
本発明の無機粒子は、ケイ酸亜鉛の実質的に無定形物
質であることに大きな特徴があり、該無機粒子を製造す
る方法は種々考えられが、例えば、酸化亜鉛粉末と二酸
化ケイ素粉末を所定量混合し、その後高温で焼成し、た
だちに急冷粉砕することによつても製造することができ
る。
消臭性能の測定例を第1図に示す。アンモニアの場
合、アンモニアセンサー1(東亜電波(株)製AE−23
5)とイオンメーター3(東亜電波(株)製IM−IE)と
記録計4を接続し、容器5中のアンモニアガス濃度の経
時変化を読みとる。容器5中に500ppmとなるようにアン
モニアガスを注射器で所定量入れ、その後、測定試験2
をセットし、容器中のアンモニア濃度を2時間放置後、
測定する方法によつた。
硫化水素の場合、所定容器に水硫化ナトリウミ、蒸留
水、濃塩酸を所定量加え一定量の硫化水素ガスを発生さ
せ、測定試料を容器中につるし、25℃に保存後フラスコ
内のヘッドスペースを北川式ガス検知管を用いて24時間
放置後測定した。
本発明の熱可塑性樹脂としては、融点は150℃以上の
繊維形成性に優れたポリマーが好ましい。特に好ましく
は、ポリエステル又はポリアミドが良い。
ポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート又は
ポリブチレンテレフタレートを主成分とするポリエステ
ルであり、テレフタール酸、イソフタール酸、ナフタリ
ン2,6ジカルボン酸、フタール酸、α,β−(4−カル
ボキシフエノキシ)エタン、4′,4′−ジカルボキシジ
フエニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル類と、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどのジオール化合物とか
ら合成される繊維形成性ポリエステルであり、その構成
単位の80モル%以上が、特には90モル%以上がポリエチ
レンテレフタレート単位又はポリブチレンテレフタレー
ト単位であるポリエステルが好ましく、なおかつ融点が
150℃以上であることが望ましい。融点が低くなると耐
熱性不十分等の理由により衣料用等の繊維素材としての
用途がやや限定されてくるため好ましくない。また、ポ
リエステル中には、小量の添加剤、たとえば、酸化チタ
ンなどの艶消し剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、安定剤あ
るいは紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
またポリアミドとは、ナイロン6、ナイロン66、又は
メタキシレンジアミンナイロンを主成分とするポリアミ
ドであり、小量の第3成分を含む共重合ポリアミドでも
良いが、融点は150℃以上を維持することが好ましい。
本発明は長繊維でも短繊維でも同じ効果が期待できる
ことはい言うまでもない。
本発明の繊維とは、織物、編物、不織布またはその加
工製品を構成する繊維をいうが、該繊維以外の繊維、例
えば、木綿、麻、羊毛などの天然繊維、一般のポリエス
テル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維、およびアセ
テート、レーヨンのどの半合成繊維などの混織、混紡、
交編織したものであつても良い。この場合、本発明の繊
維の含有比率は消臭効果の点で30%以上が好ましく、よ
り好ましくは50%以上である。
本発明の繊維は、仮燃捲縮加工等の高次加工により、
5角、6角に類似した形状になつたり、紡糸時の異形断
面ノズルにより、3葉形、T形、4葉形、5葉形、6葉
形、7葉形、8葉形等多葉形や各種の断面形状をとるこ
とができ、その効果は十分に発現される。
次に本発明の消臭繊維の製造例について説明する。例
えばポリエチレンテレフタレート繊維の場合、本発明の
無機微粉末をモノマーであるエチレングリコール中へ所
定量分散させ、振動ミル又はボールミル等で1次粒子が
平均5ミクロン以下まで均一分散させたのち、該無機微
粉末分散エチレングリコールを用い公知の条件でテレフ
タル酸と反応させた後、重合させその後、繊維化させる
方法がある。この場合には、重合速度が遅くなつたり、
所定重合度まで分子量が上昇しないトラブルが時々発生
したり、また、エステル化工程又は重合工程で無機微粉
末が熱凝集しやすく、紡糸、延伸工程での糸切れ等の問
題が発生したりする問題が起こる。より安全な方法は、
ポリエチレンテレフタートポリマーの平均5ミクロン以
下に微粉砕された無機微粒子を二軸混練押出機などで所
定量混練し再ペレツト化したものを繊維化する方法であ
る。この場合、無機微粒子高含有量のマスターポリマー
を作成し、紡糸時にポリマーブレンド方式による所定量
に希釈し繊維化しても良い。
(発明の効果) 本発明の繊維は、すぐれた消臭性能を有する亜鉛無機
微粉末を繊維中に含有されることにより、消臭性能が保
持されたものである。しかも、本発明の繊維は耐久性が
非常に長い消臭性能を保持し、頻繁な洗濯を行なつても
消臭性能が低下しないので、例えば耐洗濯性を高度に要
求される病院用シーツ、おしめ等の分野に用いても、十
分に消臭性能を発揮させることが可能である。
(実施例) 以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する。洗た
く条件は、以下の試験方法によつて行なつた。
<洗濯試験法> JIS L0217−103法に従つて実施。液温40℃の水1lに2g
の割合で衣料用合成洗剤を添加溶解し、洗たく液とす
る。この洗たく液に浴比が1対30になるように試料及び
必要に応じて負荷布を投入して運転を開始する。5分間
処理した後、運転を止め、試験及び負荷布を脱水機で脱
水し、次に洗たく液を常温の新しい水に替えて同一の浴
比で2分間すすぎ洗いをした後脱水し、再び2分間すす
ぎ洗いを行い風乾させる。以上の操作を10回くりかえし
10回後の測定サンプルとした。
実施例1 酸化亜鉛と二酸化ケイ素の重量比が1:3からなるアモ
ルフアス構造のケイ酸亜鉛の粒子径が平均5ミクロン以
下の微粉末を、日本製鋼所(株)社製、二軸混練押出機
を用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂と混練し、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂中に上記無機微粉末を10
wt%含有したペレツトを得た。
次いで、上記無機微粉末10wt%含有ペレツトと、通常
のポリエチレンテレフタレートペレツトを1:4の割合で
ブレンドし、繊維化を実施し、消臭性能を有した無機微
粉末が2wt%含有した繊維を得た。紡糸温度290℃、捲取
り速度1000m/minで紡糸を行い、その後ローラープレー
ト方式により延伸を実施し、75デニール24フイラメント
のマルチフイラメントを得た。紡糸性、延伸性共に良好
で問題なかつた。その後、常法により筒編地を作成し、
リラツクス、水洗い、乾燥、プレセツト処理後、消臭性
能を測定した。
2リツトル容器中500ppmアンモニア濃度に保持された
雰囲気中へ測定試料10gを設置し、2時間後の容器中ア
ンモニア濃度を測定し、消臭率を算出した。初期性能
も、JIS規格10回洗たく後、筒編地の性能もアンモニア
消臭率90%以上の性能が確認された。また、一度アンモ
ニア消臭率を測定した試料を洗たく処理し、再度アンモ
ニア消臭性能を同様にして測定する操作を5回くりかえ
した後の6回目の消臭率は、消臭率90%以上で初期性能
と同じ性能が再び発現していることが確認された。
同様にして、硫化水素についても実施し、2リツトル
に容器中100ppmに保持された硫化水素雰囲気中へ測定試
料10gを設置し、24時間後の容器中硫化水素濃度を測定
し、消臭率をもとめた。初期性能も、JIS規格10回洗た
く後、筒編地の性能も硫化水素消臭率80%以上の性能が
確認された。また、アンモニア測定と同様に5回くりか
えし操作(測定→洗たく)後に6回目の硫化水素の測定
を行なつたところ、初期性能と同様80%以上を消臭性能
が確認された。
比較例1 結晶構造を有した平均粒径5ミクロン以下の酸化亜鉛
微粉末と結晶構造を有した平均粒径5ミクロン以下の微
粉末を重量比1:3で混合し、日本製鋼所(株)社製、二
軸混練押出機を用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂
と混練し、ポリエチレンテレフタレート樹脂中に上記無
機微粉末を10wt%を含有したペレツトを得た。
次いで、上記無機微粉末10wt%含有ペレツトと、通常
のポリエチレンテレフタレートを1:4の割合でブレンド
し、繊維化を実施し、消臭性能を有した無機微粉末が2w
t%含有した繊維を得た。紡糸温度290℃、捲取り速度10
00m/minで紡糸を行い、その後ローラープレート方式に
より延伸を実施し、75デニール24フイラメントのマルチ
フイラメントを得た。紡糸性、延伸性共に良好で問題な
かつた。その後、常法により筒編地を作成し、リラツク
ス、水洗い、乾燥、プレセツト処理後、消臭性能を測定
した。
2リツトル容器中、500ppmアンモニア濃度に保持され
た雰囲気中へ測定試験10gを設置し、2時間後の容器中
アンモニア濃度を測定し、消臭率を算出した。初期性能
も、JIS規格10回洗たく後筒編地の性能もアンモニア消
臭率35%で不十分な性能であつた。また、一度アンモニ
ア消臭率を測定した試料を洗たく処理し、再度アンモニ
ア消臭性能を同様にして測定する操作を5回くりかえし
た後の6回目の消臭率は35%であつた。
同様にして、硫化水素についても実施し、2リツトル
容器中100ppmに保持された硫化水素雰囲気中へ測定試料
を設置し、24時間後の容器中硫化水素濃度を測定し、消
臭率をもとめた。初期性能も、JIS規格10回洗たく後筒
編地の性能も硫化水素消臭率25%で不十分な性能であつ
た。また、アンモニア測定と同様に5回くりかえし操作
(測定→洗たく)後に6回目の硫化水素の測定を行なつ
たところ、初期性能と同様25%の消臭率であつた。
実施例2〜4 第1表に示す条件で実施した。実施例1と同様の無定
形ケイ酸亜鉛を用い、繊維中の含有量を変更して実施し
た。含有量の変更は、無定形ケイ酸亜鉛微粉末10wt%含
有ペレツトと通常のポリエチレンテレフタレートペレツ
トのブレンド割合を変更して実施した。他の条件は、実
施例1と同様に行ない、いずれも繊維化工程性良好で消
臭性能も十分あることが確認された。
実施例5,6 第1表に示す条件で用いるポリマーを実施例5はナイ
ロン6、実施例6はポリブチレンテレフタレートを用い
て行なつた。実施例5は、紡糸温度260℃、紡糸直結延
伸方式により75デニール24フイラメントの延伸糸を得
た。実施例6は、紡糸温度260℃、捲取り速度1200m/min
で紡糸を行ない、その後ローラープレート方式により延
伸を実施し、75デニール24フイラメントの延伸糸を得
た。いずれも繊維化工程性は良好で、消臭性能も良好で
あつた。
実施例7,8 無定形ケイ酸亜鉛の酸化亜鉛と二酸化ケイ素の混合比
率を変更し、実施例7は酸化亜鉛対二酸化ケイ素1:1、
実施例8は3:1で行ない、他の条件は実施例1と同様に
実施した。繊維化工程性良好で消臭性能も十分であつ
た。
比較例2 酸化亜鉛と二酸化ケイ素の重量比が1:3からなるアモ
ルフアス構造のケイ酸亜鉛の粒子径が平均5ミクロン以
下の微粉末を、日本製鋼所(株)社製、二軸混練押出機
を用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂と混練し、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂中に上記無機微粉末を10
wt%含有したペレツトを得た。
次いで上記無機微粉末10wt%含有ペレツトと、通常の
ポリエチレンテレフタレートペレツトを1:199の割合で
ブレンドし、繊維化を実施し、消臭性能を有した無機微
粉末が0.05wt%含有した繊維を得た。紡糸温度290℃、
捲取り速度1000m/minで紡糸を行い、その後ローラープ
レート方式により延伸を実施し、75デニール24フイラメ
ントのマルチフイラメントを得た。紡糸性、延伸性共に
良好で問題なかつた。その後常法により筒編地を作成
し、リラツクス、水洗い、乾燥、プレセツト処理後、消
臭性能を測定した。
比較例3 酸化亜鉛と二酸化ケイ素の重量比が1:3からなるアモ
ルフアス構造のケイ酸亜鉛の粒子径が平均5ミクロン以
下の微粉末を、日本製鋼所(株)社製、二軸混練押出機
を用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂と混練し、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂中に上記無機微粉末を15
wt%含有したペレツトを得た。
次いで上記無機微粉末15wt%含有ペレツトを用い、紡
糸を実施したところ、紡糸時の単糸切れ、断糸が頻発し
た。また延伸性も不良であつた。
比較例4,5 無定形ケイ酸亜鉛の酸化亜鉛と二酸化ケイ素の混合比
率を比較例4は15:85、比較例5は85:15で行ない、他の
条件は実施例1と同様に実施した。
消臭性能としては実施例1より低いレベルであつた。
比較例6 粒子径が5ミクロン以下の酸化亜鉛微粉末を実施例1
と同様にいて二軸押出機を用い、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂と混練し、ポリエチレンテレフタレート樹脂
中に酸化亜鉛を2.0重量%含有したペレットを得た。
このペレットを用い、紡糸を行った。工程性は良好で
あったが、消臭性能のレベルは低いものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は消臭性能測定装置の一例を示す図である。 1……センサー 2……測定資料(消臭繊維構造物) 3……イオンメーター 4……記録計 5……容器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径5ミクロン以下の、酸化亜鉛と
    二酸化ケイ素の比率が1:5〜5:1からなる大部分がアモル
    フアスな構造であるケイ酸亜鉛の実質的に無定形無機微
    粒子が、融点150℃以上の熱可塑性ポリマー中に0.1〜10
    重量%存在していることを特徴とする消臭性能を有する
    合成繊維。
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JP2019143257A (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 日本エステル株式会社 芯鞘型ポリエステル複合繊維、芯鞘型ポリエステル複合繊維の仮撚糸、織編物、および芯鞘型ポリエステル複合繊維の製造方法
JP7117710B2 (ja) 2018-02-20 2022-08-15 日本エステル株式会社 芯鞘型ポリエステル複合繊維、芯鞘型ポリエステル複合繊維の仮撚糸、織編物、および芯鞘型ポリエステル複合繊維の製造方法

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