JP2544393B2 - ピックアップ素子の変位修正サ−ボ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、例えば光学式コンパクトディスクプレーヤ
等の記録装置において、ピックアップ素子の変位を修正
するサーボ装置に関するものである。

＜発明の概要＞ 本発明の特徴は、振動等によりピックアップ素子が影
響を受けると、フォーカスエラー信号が大きくなるた
め、このフォーカスエラー信号を利用してサーボゲイン
をスイッチングし、大きな振動がある時のみ、ゲインア
ップさせるようにしたピックアップ素子の変位修正サー
ボ装置を提供するものである。

＜従来の技術＞ 光学式ディスク再生装置にあっては、ディスクからデ
ジタル化データを読み取るためのピックアップ素子とし
ての対物レンズに対し、該対物レンズがデジタル化デー
タのピット列からずれたり、合焦点位置からずれたりし
ないように、トラッキングサーボやフォーカスサーボ等
を施す必要がある。

第３図は、従来のトラッキングサーボ手段及びフォー
カスサーボ手段を示すものである。図中１は３ビーム方
式のピックアップの主ビームが受光される４分割の主受
光部であり、図中2,3は副ビームが受光される一対の副
受光部である。これらの受光部は、例えばフォトダイオ
ード等で構成されるものである。

そして、先ず前記主受光部１の各受光領域からの出力
信号Ａ乃至Ｄのうち、信号ＡとＣ及び信号ＢとＤとがそ
れぞれ電流加算され、電流電圧変換回路４で、それぞれ
電圧変換された後、互いに減算され、ここに対物レンズ
の合焦点位置からのずれに対応したフォーカスエラー信
号FEが生成される。

また、前記副受光部2,3からの出力信号E,Fは、電流電
圧変換回路８で、それぞれ電圧変換された後、互いに減
算され、ここに対物レンズのピット列からのずれに対応
したトラッキングエラー信号TEが生成される。

そして、上記フォーカスエラー信号及びトラッキング
エラー信号は、それぞれサーボゲイン制御回路5,9を介
した後、ドライバ6,10を介して、前記対物レンズをフォ
ーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるためのフ
ォーカスアクチュエーター及びトラッキングアクチュエ
ーターに供給され、ここにフォーカスサーボループ及び
トラッキングサーボループが構成される。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 周知のように、ディスク再生装置におけるこれらサー
ボは、ゲインが高い程、振動に対しては強くなり、誤動
作しなくなるが、反応にディスクのキズ、汚れ等に対し
ては弱くなり誤動作を生じる。よって、従来のサーボ手
段においては、ゲインが固定であるため、振動とキズ等
との両者への対策を考慮する必要があり、サーボゲイン
の設定が非常に困難であるといった問題点があった。

又、このような問題点を解決するものとして、特開昭
61−90335号公報に示すように、トラッキングエラー信
号に基づいてトラッキングサーボゲインを切り換えるこ
とにより、トラッキングサーボの耐震性を強くする装置
が提案されているが、トラッキングサーボは、振動や衝
撃によってフォーカスサーボによる合焦状態が一旦崩れ
てしまうと、幾ら耐震性が強くても正常に機能せず、合
焦状態が一旦崩れた場合にはフォーカスサーボが機能し
てトラックのずれを補正することになるため、そのずれ
の修正には長い時間を要し、時間的に長い音飛びを生じ
る懸念を有するといった問題点があった。

本発明は、特に、フォーカスエラー信号の大小に応じ
てフォーカスサーボゲインを切り換えることによって、
振動や衝撃、さらにはディスクのキズ、汚れ等に対して
も効果的に対応して、合焦状態を保つことができ、全体
として音飛び等の解消を効果的に図れるサーボ装置を提
供することを目的とするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、上記問題点を解決するために、情報信号の
記録されたディスクからピックアップ素子を介して該情
報信号を読み取るようにしてなるディスク再生装置にお
いて、上記ディスクからの戻りビームを受光する受光部
と、該受光部の出力に基づいてフォーカスエラー信号及
びトラッキングエラー信号を生成するエラー信号生成手
段と、該エラー信号生成手段から出力されるエラー信号
に基づいて上記ピックアップ素子をフォーカス制御及び
トラッキング制御する駆動手段と、上記エラー信号の
内、上記フォーカスエラー信号のレベルの大小に応じて
フォーカスサーボゲインを切り換えるサーボゲイン制御
手段とを具備するものである。

＜作用＞ 上記の構成により、サーボゲインを、振動や衝撃に対
して好ましい大きさと、ディスクのキズや汚れに対して
好ましい大きさとに設定しておけば、フォーカスエラー
信号や大きさに応じてサーボゲインを切り換えることが
でき、振動や衝撃、あるいはディスクのキズや汚れに対
しても効果的に対応でき、合焦状態を確実に保持するこ
とができる。従って、トラッキングサーボも常に正常に
機能し得、全体として音飛び等の解消を効果的に図れる
ことになる。

＜実施例＞ 以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例を詳細に
説明する。

第１図は本発明に係るピックアップ素子の変位修正サ
ーボ装置の一実施例を示すブロック図である。

斯る図において、トラッキングサーボ手段及びフォー
カスエラー信号FEを生成するまでの回路は、第３図に示
したものと同様である。

そして、本サーボ手段では、電流電圧変換回路４によ
り生成されたフォーカスエラー信号FEは、フォーカスサ
ーボゲイン制御回路12に入力されると共に、コンパレー
ター13に入力される。

コンパレータ13は、第２図のタイミングチャートに示
すように、フォーカスエラー信号FE（ａ）が入力された
時、この信号FEがスレッショルドレベル以上の時のみ、
“Hi"信号となるスイッチングパルス（ｂ）を生成す
る。

フォーカスサーボゲイン制御回路12は、ゲインのスイ
ッチングが可能であり、通常はノーマルゲインに設定さ
れているが、コンパレーター13からのスイッチングパル
スにより、ゲインアップすることができる。

即ち、通常は切換スイッチ14はフォーカスサーボゲイ
ン制御回路12のノーマルゲイン側端子14aに閉成してお
り、上記第２図に示すコンパレーター13からのHiレベル
のスイッチングパルス（ｂ）により、端子14bに閉成
し、上記フォーカスサーボゲイン制御回路12のゲインを
上げるように成っている。

上記フォーカスサーボゲイン制御回路12から出力され
た信号は、ドライバ６を介して、フォーカスアクチュエ
ータ７に供給され、サーボループを構成する。

以上のように、本実施例によれば、ディスクのキズ通
過特性をほとんど悪化させることなく、振動等による誤
動作（つまり音飛び）を減少させる事ができ、サーボゲ
インの設定等が容易となる。

＜発明の効果＞ 以上のように、本発明によれば、フォーカスエラー信
号に基づいてフォーカスサーボゲインを切り換え、振動
や衝撃、さらにはディスクのキズや汚れに効果的に対応
して常に合焦状態を保持できることによってトラッキン
グサーボを常に正常に機能できる状態にすることができ
るため、トラックずれが生じたところで瞬時にずれを修
正でき、従って、音飛びが生じたところで極めて軽微な
ものに抑制でき、しかもフォーカスエラー信号の大きさ
に応じて複数のサーボゲインの値で対応でき、従来のよ
うに一つの値で対応するためにサーボゲインの設定に苦
慮するということもなく、従って、振動対策に対する負
担を軽減して設計上有利なものを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るピックアップ素子の変位修正サー
ボ装置の一実施例を示すブロック図、第２図（ａ）及び
（ｂ）は同装置の動作を説明するためのタイミングチャ
ート、第３図は従来のピックアップ素子の変位修正サー
ボ装置の一例を示すブロック図である。 １……主受光部 2,3……副受光部 4,8……電流電圧変換回路 ６……ドライバ ７……フォーカスアクチュエータ ９……トラッキングサーボゲイン制御回路 10……ドライバ 11……トラッキングアクチュエータ 12……フォーカスサーボゲイン制御回路 13……コンパレーター 14……切換スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 恭司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−90335（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報信号の記録されたディスクからピック
   アップ素子を介して該情報信号を読み取るようにしてな
   るディスク再生装置において、 上記ディスクからの戻りビームを受光する受光部と、 該受光部の出力に基づいてフォーカスエラー信号及びト
   ラッキングエラー信号を生成するエラー信号生成手段
   と、 該エラー信号生成手段から出力されるエラー信号に基づ
   いて上記ピックアップ素子をフォーカス制御及びトラッ
   キング制御する駆動手段と、 上記エラー信号の内、上記フォーカスエラー信号のレベ
   ルの大小に応じてフォーカスサーボゲインを切り換える
   サーボゲイン制御手段とを具備した事を特徴とするピッ
   クアップ素子の変位修正サーボ装置。