JP2544352Y2 - 自動ドア閉止装置 - Google Patents

自動ドア閉止装置

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JP2544352Y2
JP2544352Y2 JP9680091U JP9680091U JP2544352Y2 JP 2544352 Y2 JP2544352 Y2 JP 2544352Y2 JP 9680091 U JP9680091 U JP 9680091U JP 9680091 U JP9680091 U JP 9680091U JP 2544352 Y2 JP2544352 Y2 JP 2544352Y2
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孝一 塩田
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株式会社大井製作所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車のドアを自動的
又は半自動的に閉止させる装置であって、いわゆるキー
レスロックを可能とした装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、自動車のドアを自動的に開
閉させる、特に閉止させる装置につき、種々の特許出願
(例えば特開平2−286447号公報参照)及び実用新案登録
出願(例えば実開平2−149084号公報参照)をしている。
【0003】その中で、ドアが、いわゆる半ドア状態で
あるハーフラッチ位置まで閉じたとき、モータを正転さ
せて、モータに連係したセクタギヤを一方向に回転さ
せ、そのときの回動力を利用して、ドアロックのラッチ
を、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置まで強制的に
回動させるようにしたクロージャを用いたものがある
(上掲両公報参照)。
【0004】このようなクロージャを用いると、ドアシ
ールの抵抗力等により、最も閉りにくい、ドアのハーフ
ラッチ位置からフルラッチ位置までの閉め込みを、確実
に行なうことができる。
【0005】その反面、このクロージャが作動している
ときは、ドアを強い力で閉め込むため、万一車体とドア
との間に乗者の手足や衣服又は他物等が挾み込まれた場
合危険である。
【0006】そのため、この種のクロージャを用いた従
来の自動ドア閉止装置には、例えば特開平1−187278号
公報に開示されているように、クロージャの作動途中で
危険を感じた場合、ドアハンドルを開扉操作側に引く
と、クロージャのモータが即座に逆転し、セクタギヤが
途中から原位置まで復帰させられるようにした安全装置
やその他の種々の安全装置が設けられている。
【0007】
【考案の解決しようとする課題】上述のような、ドアハ
ンドルを引くとクロージャのモータが即座に逆転するよ
うにした安全装置をクロージャと並設すると、ドアをキ
ーレスロックしたい場合に、安全装置が働いて、クロー
ジャが全く作動しなくなるという問題点がある。
【0008】すなわち、従来のスイング式のサイドドア
(特に運転席側のドア)においては、ドアを開いた状態
で、施解錠ノブを施錠位置に押し込み、その後ドアハン
ドルを引いたままでドアを閉じるというキーレスロック
操作を行なうことにより、キーなしでドアをロックする
ことができるようになっているが、このようなドアに、
上記のようなクロージャと安全装置とを設けると、キー
レスロック操作の最終手順であるドアハンドルを引いた
ままでドアを閉じたとき、安全装置が働いて、クロージ
ャが全く作動しなくなり、クロージャを設けた意味がな
くなる。
【0009】そのため、この種のクロージャを装着した
従来のドアにおいては、キーレスロックを行なわないよ
うにしているのが現状である。
【0010】本考案は、従来の技術が有する上記のよう
な問題点に鑑み、クロージャの作動途中で、ドアハンド
ルを操作することにより、クロージャの作動を停止又は
原状復帰させるようにした安全装置を備える自動ドア閉
止装置において、キーレスロック操作を行なうことがで
き、しかもその場合にもクロージャが作動するようにす
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案は、従来の安全装
置に用いられているハンドルスイッチが、ドアハンドル
を引いている間中、作動しつづける(ON状態を継続す
る)形式のものであり、クロージャが作動する以前から
ドアハンドルを引き続けていた場合でも、ドアがハーフ
ラッチ位置に達するのと同時に、安全装置が作動し、ク
ロージャが作動しなくなることに着目し、ハンドルスイ
ッチを、ドアハンドルを引いたときだけ作動信号が瞬間
的に発生し、その後ドアハンドルを引き続けていても、
作動信号は全く発生しない形式のものとしたことを特徴
としている。
【0012】すなわち、上記目的を達成するため、本考
案は、キーレスロック可能なドアロック及びドアロック
操作手段を備える自動車のドアに装着される自動ドア閉
止装置であって、ドア又は車体のいずれかに設けられ、
ドアが予め定めたハーフラッチ位置まで閉じたことを検
知するハーフラッチ検知手段と、該ハーフラッチ検知手
段の作動により、適宜の駆動手段を作動させて、ドアを
ハーフラッチ位置から全閉位置まで強制的に閉止させる
クロージャと、ドアとドアハンドル又はドアハンドルに
連動する部材との間に設けられ、ドアハンドルが非操作
位置から操作位置に移動させられたとき、一作動信号を
瞬間的に発生するハンドルスイッチと、クロージャとハ
ンドルスイッチとに電気的に接続され、かつクロージャ
の作動中に、ハンドルスイッチから作動信号が発生した
とき、及びクロージャの不作動時にドアハンドルが引か
れてハンドルスイッチが作動させられた後のクロージャ
の作動中に、前記ドアハンドルを非操作位置に戻すかま
たは一旦非操作位置に戻した後再度ドアハンドルを操作
位置まで移動させることによりハンドルスイッチから2
度目の作動信号が発生したときのみ、前記クロージャの
作動を停止させるか、又はクロージャを原状に復帰させ
る安全装置とを備えることを特徴としている。
【0013】
【作用】ドアを開いた状態で、ドアロック操作手段によ
り、キーレスロック操作を行ない、そのキーレスロック
操作の最終手順として、ドアハンドルを非操作位置から
操作位置まで移動させると、そのときにハンドルスイッ
チから作動信号が瞬間的に発生するが、このときクロー
ジャは作動していないので、安全装置は作動しない。
【0014】この状態からドアハンドルを引いたまま、
ドアをハーフラッチ位置まで閉じると、このときはハン
ドルスイッチからは作動信号が発生していないので、安
全装置は作動せず、ハーフラッチ検知手段の作動によ
り、クロージャの駆動手段が作動させられて、ドアはク
ロージャにより、全閉位置まで強制的に閉止させられ
る。
【0015】キーレスロック操作を伴わない通常のドア
閉止時に、クロージャが作動し始めてから、ドアが全閉
位置に達するまでの間に、ドアハンドルを非操作位置か
ら操作位置まで移動させるか、又は上記のキーレスロッ
ク操作を伴うドア閉止時に、クロージャが作動し始めて
から、ドアが全閉位置に達するまでの間に、ドアハンド
ルを一旦非操作位置まで戻して、再度操作位置まで移動
させると、ハンドルスイッチから作動信号が発生し、そ
れによって安全装置が作動し、クロージャは作動を停止
させられるか、又は原状に復帰させられる。
【0016】
【実施例】以下、本考案の一実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図3は、本考案の自動ドア閉止装置(A)
を備える自動車の一部を示す。(1)は、自動車の前部の
ドアで、その内部の後中位部には、キーレスロック機能
を備えるドアロック(B)と、自動ドア閉止装置(A)にお
けるクロージャ(C)とが設けられている。
【0017】(2)はドア(1)の外側面に設けられ、ロッ
ド(3)をもってドアロック(B)に連係されたキーシリン
ダ装置、(4)は、ドア(1)の外側面に設けられ、ロッド
(5)をもってドアロック(B)に連係されたアウトサイド
ハンドル、(6)は、ドア(1)の内側面に設けられ、ロッ
ド(7)をもってドアロック(B)に連係されたインサイド
ハンドル、(8)は、ドア(1)の内側面上部に上下動可能
に設けられ、ロッド(9)をもってドアロック(B)に連係
された施解錠操作用のノブである。
【0018】これらのキーシリンダ装置(2)、アウトサ
イドハンドル(4)、インサイドハンドル(6)、ノブ(9)
は、それぞれがドアロック操作手段をなしている。ドア
ロック(B)の基本的な構成は従来の公知のものとほとん
ど同一であるので、それらについての詳細な説明は省略
し、キーレスロック操作に関連する構成と、クロージャ
(C)との連係部分の構成についてのみ説明する。
【0019】図1及び図2に示すように、ドアロック
(B)は、ベースプレート(11)の後面に設けられた本体(1
2)内に、車体側に設けられたストライカ(図示略)と噛合
するラッチ(13)と、このラッチの回動を拘束するポール
(14)とが、それらと一体の軸(15)(16)をもって、それぞ
れ枢支されている。
【0020】ベースプレート(11)を貫通して前方に突出
するラッチ(13)の軸(15)の前端部には、一側部に上方に
向かって延出する腕部(17a)を有する回動レバー(17)が
固嵌されている。回動レバー(17)の軸(15)まわりの周縁
には、カム面(17b)が形成されており、このカム面(17b)
には、ベースプレート(11)の前面に固着したハーフラッ
チ検知スイッチ(18)及びフルラッチ検知スイッチ(19)の
各作動子(18a)(19a)が圧接している。
【0021】回動レバー(17)は、軸(15)を介して、ラッ
チ(13)と一体となって回動し、ラッチ(13)が、ストライ
カと完全に離脱したオープン位置から、ストライカと辛
うじて係合して、いわゆる半ドア状態となるハーフラッ
チ位置に達すると、カム面(17b)でハーフラッチ検知ス
イッチ(18)を作動させ、さらにラッチ(13)がストライカ
と完全に係合して、ドア(1)を全閉状態で拘束するフル
ラッチ位置に達すると、カム面(17b)でフルラッチ検知
スイッチ(19)を作動させるようになっている。
【0022】回動レバー(17)は、後述するようにしてク
ロージャ(C)と連係されている。ベースプレート(11)を
貫通して前方に突出するポール(14)の前端部には、オー
プンレバー(20)が固嵌されている。ベースプレート(11)
の前面下部には、アウトサイドレバー(21)の中間部が軸
(22)をもって枢着されている。アウトサイドレバー(21)
の一端は、ロッド(5)をもってアウトサイドハンドル
(4)に連係されており、またアウトサイドレバー(21)の
他端には、サブレバー(23)の下部が枢支されている。
【0023】ベースプレート(11)の一側部より前方に延
出する側板(24)には、インサイドレバー(25)の中間部が
軸(26)をもって、また施解錠レバー(27)が軸(28)をもっ
てそれぞれ枢着されている。インサイドレバー(25)は、
一端がロッド(7)をもってインサイドハンドル(6)に連
係され、インサイドハンドル(6)の操作により、他端
で、アウトサイドレバー(21)とサブレバー(23)とを押し
上げることができるようになっている。
【0024】施解錠レバー(27)は、ロッド(3)をもって
キーシリンダ装置(2)に連係されるとともに、ロッド
(9)をもってノブ(8)に連係され、キーシリンダ装置
(2)の作動及びノブ(8)の上下動により、図1に示す解
錠位置と図2に示す施錠位置とに移動しうるようになっ
ている。
【0025】サブレバー(23)は、中位部に穿設したほぼ
上下方向を向く長孔(29)に、施解錠レバー(27)に突設し
た有頭ピン(30)が摺動自在に係合することにより、施解
錠レバー(27)に連係され、図1に示すように、施解錠レ
バー(27)が、解錠位置に位置しているときは、中位部後
縁に形成した段状の係合部(23a)がオープンレバー(20)
の回動軌跡の直下に位置する解錠位置に保持され、図2
に示すように、施解錠レバー(27)が施錠位置に回動させ
られると、それに連動して、係合部(23a)がオープンレ
バー(20)の回動軌跡より前方に離れた施錠位置に移動さ
せられるようになっている。
【0026】図1に示すように、サブレバー(23)が解錠
位置に位置しているときは、アウトサイドハンドル(4)
又はインサイドハンドル(6)の操作により、サブレバー
(23)を上方に移動させると、係合部(23a)がオープンレ
バー(20)に当接して、オープンレバー(20)を解除方向に
回動させ、ポール(14)をラッチ(13)から外して、ドア
(1)を開くことができる。
【0027】図2に示すように、サブレバー(23)が施錠
位置に位置しているときは、アウトサイドハンドル(4)
又はインサイドハンドル(6)の操作により、サブレバー
(23)を上方に移動させても、係合部(23a)はオープンレ
バー(20)に対して空振りし、オープンレバー(20)を解除
方向に回動させることはできず、したがって、ドア(1)
を開けることはできない。
【0028】サブレバー(23)の上端部より後方に向かっ
て延出する突片(23b)の下縁には、後下方に向かって傾
斜する傾斜縁(23c)が形成されている。この傾斜縁(23c)
はセルフキャンセル機能を果す。すなわち、ドア(1)を
開いた状態で、ノブ(8)を押し下げて(又はキーシリン
ダ装置(2)を作動させて)、図2に示す施錠状態とし、
その後にドア(1)を閉じると、ラッチ(13)が車体側のス
トライカと係合してフルラッチ方向に回動させられ、そ
の途中でポール(14)及びそれと一体のオープンレバー(2
0)が解除方向に蹴動させられ(図2(a)(b)の想像線参
照)、そのときオープンレバー(20)の先端部上縁が傾斜
縁(23c)に摺接して、サブレバー(23)が解錠位置に強制
的に回動させられ、それに伴って施解錠レバー(27)も解
除位置に復帰させられる。
【0029】したがって、通常は、ドア(1)を開いた状
態で、ドアロック(B)を施錠状態としても、その後にド
ア(1)を閉じると、上記のようなセルフキャンセル機能
が働いて、自動的にドアロック(B)を解錠状態に復帰さ
せるので、車内にキーを忘れたままドア(1)を施錠して
しまうといった不具合をなくすことができる。
【0030】キーレスロック操作を行なうには、ドア
(1)を開いた後、ノブ(8)を押し下げて、ドアロック
(B)を施錠状態とした後、アウトサイドハンドル(4)を
引く。すると、サブレバー(23)は、施錠位置からオープ
ンレバー(20)に対して空振りして、図2(a)に想像線で
示すように、傾斜縁(23c)がオープンレバー(20)の回動
軌跡から上方に離れた位置まで押し上げられる。
【0031】この状態で、アウトサイドハンドル(4)を
引いたまま、ドア(1)を閉じると、ドア閉止時のオープ
ンレバー(20)の回動時に、オープンレバー(20)は傾斜縁
(23c)に当接することはなく、サブレバー(23)を解錠位
置に復帰させることはできない。すなわち上記キャンセ
ル機能が一時的に不能となり、キーレスロックが可能と
なる。ドア(1)を閉じた後、アウトサイドハンドル(4)
を元に戻すと、サブレバー(23)は図2(a)の想像線の位
置から、実線の施錠位置まで復帰させられ、ドア(1)は
施錠されたまま維持される。
【0032】(31)は、ベースプレート(11)の下部に固着
されたリミットスイッチよりなるハンドルスイッチで、
アウトサイドハンドル(4)が引かれたとき、すなわち非
操作位置から操作位置に移動させられたとき、作動子(3
1a)が、アウトサイドレバー(21)の右下角部に形成され
た突起(21a)に瞬間的に当接して、一作動信号を瞬間的
に発生する。
【0033】なお、この実施例においては、アウトサイ
ドハンドル(4)が操作位置から非操作位置に復帰すると
きにも、突起(21a)が作動子(31a)に瞬間的に当接して、
ハンドルスイッチ(31)から一作動信号が発生するように
してあるが、このアウトサイドハンドル(4)の復帰動作
時には、ハンドルスイッチ(31)から作動信号が発生しな
いようにしてもよい。
【0034】クロージャ(c)は、例えば特開平2−7087
6号公報に開示されているものとほぼ同様のものであ
り、その主要な構成について簡単に説明すると、このク
ロージャ(C)は、ドアロック(B)の側板(24)とドアパネ
ル(図示略)とに固着したケース(32)に正逆回転可能なモ
ータ(33)を設け、このモータ(33)を正転させることによ
り、ウオームとウオームホイール(いずれも図示略)とか
らなる減速器(34)及びその出力軸(35)に固嵌されたピニ
オン(36)を介して、該ピニオン(36)に噛合するセクター
ギヤ(37)を、図1(a)における反時計方向に回動させ、
このセクターギヤ(37)にロッド(38)をもって連結された
中間ギヤ(39)を図1(a)における反時計方向に、また中
間ギヤ(39)に噛合するクローズギヤ(40)を時計方向にそ
れぞれ回動させ、クローズギヤ(40)と一体的に形成した
クローズレバー(41)により、回動レバー(17)の腕部(17
a)の先端を押し下げて、回動レバー(17)とそれと一体の
ラッチ(13)とを、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置
まで強制的に回動させることができるようになってい
る。
【0035】セクターギヤ(37)は軸(42)をもってケース
(32)に枢着されており、また中間ギヤ(39)とクローズギ
ヤ(40)とは、軸(43)(44)をもってドアロック(B)の側板
(24)にそれぞれ枢着されている。
【0036】モータ(33)を逆転させると、上述と逆の作
動で、セクターギヤ(37)は図1(a)に示す原位置に復帰
回動させられ、クローズレバー(41)は、回動レバー(17)
の腕部(17a)の回動の妨げとならない図1(a)に示す原
位置で停止する。(45)は、側板(24)に固定され、クロー
ズレバー(41)が原位置に復帰したとき、作動子(45a)が
クローズレバー(41)の一部に当接して作動させられるよ
うにした復帰確認スイッチである。図4は、自動ドア閉
止装置(A)の制御装置(46)の回路構成の一例を示す。
【0037】図4において、図1〜図3におけるのと同
一の符号は、上述したのと同一部材を電気的に表示した
ものである。(47)はバッテリ等の電源、(48)は、ドア
(1)がハーフラッチ状態になる直前の予め定めた給電開
始位置まで閉じたことを検知して、図4の下半部の回路
への給電を開始させる給電開始スイッチ、(49)は、給電
開始スイッチ(48)の作動により、図4の下半部の回路へ
予め定めた短時間、例えば数秒程度だけ給電する給電制
御回路、(50)は、本考案の安全装置を構成する安全回路
である。(R1)、(R2)、(R3)はリレー、(R1−1)(R1−
2)(R2−1)(R2−2)(R2−2)(R3−1)及び(R3−2)はそれら
の接点、(T)は、タイマー、(T−1)はタイマー(T)の限
時動作接点である。
【0038】その他の記号は、アンドゲート、オアゲー
ト、インバータ等を論理記号で表わしたものである。各
電気素子の結線関係は、図4に示すとおりであり、それ
についての詳細な説明は省略する。
【0039】次に、図1〜図4を参照して、実施例の作
用について説明する。ドア(1)が、給電開始位置より以
上に開いており、かつクロージャ(C)が正常であるとき
は、クロージャ(C)のセクターギヤ(37)は原位置に停止
し、図4に示す回路において、復帰確認スイッチ(45)の
みが閉じ、他のスイッチ(48)、(31)、(18)、(19)はすべ
て開いている。
【0040】この状態から、ドア(1)が手動又は他のド
ア移動手段(図示略)により、給電開始位置まで閉じられ
ると、給電開始スイッチ(48)が瞬間的に閉じ、タイマー
(T)とリレー(R1)とに通電され、リレー(R1)の接点(R
1−1)が閉じることにより、タイマー(T)とリレー(R1)
とは自己保持さされるとともに、接点(R1−2)が閉じる
ことにより、図4における接点(R1−2)より下方の回路
へ給電される。
【0041】このときの給電時間は、タイマー(T)の設
定時間により定まり、好ましくは、クロージャ(C)の正
常な作動時間より若干長目とした、例えば3秒程度とす
るのがよい。タイマー(T)に通電されたときから、タイ
マー(T)の計時が開始し、設定時間が経過すると、接点
(T-1)が開き、タイマー(T)及び(R1)への給電が停止
させられ、接点(R1-1)及び(R1-2)が開き、接点(R1-2)以
下への給電が停止させられる。
【0042】したがって、タイマー(T)の設定時間内
に、後述するクロージャ(C)の作動が正常に円滑に行な
われなかった場合は、タイマー(T)により、クロージャ
(C)への給電が停止させられ、安全性が確保される。
【0043】給電制御回路(49)により、給電が開始され
た後、ドア(1)がハーフラッチ状態まで閉じると、ハー
フラッチ検知スイッチ(18)が閉じ、このときアウトサイ
ドハンドル(4)の操作によりハンドルスイッチ(31)が閉
じられていないと、(フルラッチ検知スイッチ(19)も閉
じていないので、)リレー(R2)に通電され、接点(R2-
1)が閉じ、かつ接点(R2-2)が開いて、電源(47)−接点
(R2-1)−モータ(33)−接点(R3-2)−電源(47)の回路が閉
成され、モータ(33)が予め定めた方向へ回転(以下この
方向の回転を正転という)させられる。
【0044】すると、上述したクロージャ(C)の機械的
構成により、セクターギヤ(37)が図1の反時計方向へ回
動させられ、それによってラッチ(13)がフルラッチ位置
まで強制的に回動させられ、ドア(1)は全閉状態まで強
力に閉め込まれる。このときのセクターギヤ(37)の初期
の回動により、それまで閉じていた復帰確認スイッチ(4
5)が開くが、リレー(R3)その他の回路構成には何らの
影響も与えない。
【0045】ラッチ(13)がフルラッチ位置に達すると、
フルラッチ検知スイッチ(19)が閉じ、それによってリレ
ー(R2)への通電が停止され、接点(R2−1)が開き、接点
(R2−2)が閉じるとともに、リレー(R3)が通電され、接
点(R3−1)が閉じ、かつ接点(R3−2)が開く。それによっ
て、電源(47)−接点(R3−1)−モータ(33)−接点(R2−2)
−電源(47)の回路が閉成され、モータ(33)が上述の場合
と逆方向に回転(以下逆転という)させられる。
【0046】このときのモータ(33)の逆転により、セク
ターギヤ(37)は、原位置に向かって、図1の時計方向へ
回動させられ、クローズレバー(41)は、回動レバー(17)
の回動の妨げとならない原位置まで復帰回動させられ
る。回動レバー(17)が原位置まで復帰回動させられる
と、復帰確認スイッチ(45)が閉じ、それによって、リレ
ー(R3)への通電が停止させられ、接点(R3−1)が開き、
かつ接点(R3−2)が閉じることによって、モータ(33)へ
の通電が停止させられる。
【0047】その後、タイマー(T)の設定時間が経過す
ると、給電制御回路(49)からの給電が停止させられる。
以上の説明は、クロージャ(C)が正常に作動した場合で
あるが、例えばクロージャ(C)の作動途中で、より正確
にはモータ(33)の正転途中で、ドア(1)と車体との間に
被服や荷物等が挾まれた場合は、アウトサイドハンドル
(4)を操作することにより、次のような安全回路(50)の
作用で安全性を確保することができる。
【0048】すなわち、上述の正常作動の説明のうち、
ハーフラッチ検知スイッチ(18)が閉じ、モータ(33)が正
転している途中で、アウトサイドハンドル(4)が引か
れ、ハンドルスイッチ(31)が瞬間的に閉じると、リレー
(R2)への通電が停止させられ、かつリレー(R3)へ通電
させられて、モータ(33)は即座に逆転させられる。
【0049】このときのモータ(33)の逆転により、セク
ターギヤ(37)及びクローズレバー(41)は、ラッチ(13)を
フルラッチ位置まで回動させることなく原位置まで復帰
させられる。クローズレバー(41)が原位置まで復帰させ
られると、復帰確認スイッチ(45)が閉じ、リレー(R3)
への通電が停止させられ、モータ(33)の逆転は停止させ
られる。
【0050】上述のアウトサイドハンドル(4)を引いた
状態をそのまま維持していると、ドアロック(B)の機械
的な構成により、ポール(14)は解除位置に維持されてい
るので、ラッチ(13)は、クローズレバー(41)の拘束から
解除されるのと同時に、ポール(14)に拘束されることな
くオープン位置まで復帰することができ、ドア(1)を即
座に開いて、挾まれた衣服や荷物等を取出すことができ
る。
【0051】次にキーレスロックを行なう場合について
説明する。まず、ドア(1)を適当な位置まで開いた状態
で、ノブ(8)を押し下げ、ドアロック(B)を施錠状態と
した後、アウトサイドハンドル(4)を引くと、ハンドル
スイッチ(31)が瞬間的に閉じられるが、このときは給電
制御回路(49)から給電されておらず、また給電制御回路
(49)から給電されていたとしても、ハーフラッチ検知ス
イッチ(18)がまだ閉じていない限り、このときのハンド
ルスイッチ(31)の閉成によっては、リレー(R2)(R3)の
いずれにも通電されることはない。
【0052】次いで、アウトサイドハンドル(4)を引い
たままの状態で、ドア(1)をハーフラッチ状態まで閉じ
ると、ハーフラッチ検知スイッチ(18)が閉じ、以後上述
したクロージャ(C)の正常作動時の場合と同様にクロー
ジャ(C)が作動させられ、すなわち、まずリレー(R2)
に通電され、モータ(33)が正転し、ラッチ(13)がフルラ
ッチ位置まで強制的に回動させられ、ラッチ(13)がフル
ラッチ位置に達すると、フルラッチ検知スイッチ(19)が
閉じ、リレー(R2)への通電が停止され、かつリレー(R
3)に通電され、モータ(33)が逆転され、クローズレバ
ー(41)が原位置に復帰すると、復帰確認スイッチ(45)が
閉じ、リレー(33)への通電が停止させられ、モータ(33)
は停止する。
【0053】ドア(1)が全閉したとき、ドアロック(B)
は、従来のキーレスロックを行なったときと同様に、施
錠状態のまま維持される。すなわち、この実施例による
と、従来と同様のキーレスロック操作でキーレスロック
を行なうことができるとともに、この場合にも、クロー
ジャ(C)を正常に作動させて、動力によりドア(1)をフ
ーラッチ状態から全閉状態まで強力に閉め込むことがで
きる。
【0054】キーレスロック操作を行なってドア(1)を
閉じる際において、クロージャ(C)のモータ(33)が正転
を開始してからラッチ(13)がフルラッチ位置に達するま
での間に、ドア(1)と車体との間に衣服等が挾まれたこ
とに気付いた場合は、それまで引き続けていたアウトサ
イドハンドル(4)を、元の非操作位置まで戻せば良い。
【0055】すると、ハンドルスイッチ(31)が瞬間的に
閉じ、それによって、安全回路(50)が上述したのと同様
に作用し、それまでのモータ(33)の正転を停止して、モ
ータ(33)を逆転させ、ラッチ(13)がフルラッチ位置に達
する以前に、クローズレバー(41)を原位置まで復帰させ
る。したがって、キーレスロックを行なう際にも、安全
回路(50)を働かせることができる。
【0056】なお、ハンドルスイッチを、アウトサイド
ハンドル(4)を非操作位置から、操作位置に移動させた
ときだけ瞬間的に閉じ、アウトサイドハンドル(4)を上
記と逆方向に移動させたときは全く作動しない、すなわ
ち全く閉じないタイプとしたときは、キーレスロック操
作を行なってドア(1)を閉じる際において、モータ(33)
が正転している間に安全回路(50)を作動させたい場合、
アウトサイドハンドル(4)を一旦非操作位置まで戻し、
その後即座にサイド操作位置まで引き直せばよい。それ
によって、ハンドルスイッチが瞬間的に閉じ、安全装置
(50)を働かせることができる。
【0057】なお、上記実施例においては、安全回路(5
0)を、ハンドルスイッチ(31)の作動により、モータ(33)
を逆転させて、クロージャ(C)を原状に復帰させる機能
を有するものとしたが、クロージャ(C)の作動を即座に
停止させるだけのものとしてもよい。また、ハンドルス
イッチは、ドア(1)とハンドル(4)との間に設けてもよ
い。
【0058】
【考案の効果】本校案によると、次のような効果を奏す
ることができる。 (a) クロージャの作動中にハンドルを操作することに
より、安全装置を働かせて、クロージャの作動を停止さ
せるか、又は原状に復帰させるようにしたタイプの自動
ドア閉止装置においても、キーレスロックを行なうこと
ができ、しかもキーレスロック操作を行なった場合で
も、クロージャを作動させて、ドアを動力により閉じる
ことができる。 (b) さらに、キーレスロック操作を行ない、かつクロ
ージャを作動させて、ドアを動力により閉じている際に
おいても、安全装置を働かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本考案の一実施例における解錠状態の
ドアロックとクロージャとを示す縦断側面図、(b)は、
(a)のX−X線に沿う縦断正面図である。
【図2】(a)は、同じく施錠状態のドアロックとクロー
ジャの一部とを示す縦断側面図、(b)は、オープンレバ
ーが解除方向へ回動させられたときの状態を示す図1
(b)と同様の縦断正面図である。
【図3】本考案の一実施例を装着した自動車のドアの一
例示す側面図である。
【図4】制御装置の一例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
(A)自動ドア閉止装置 (B)ドアロック (C)クロージャ (2)キーシリンダ装置 (3)ロッド (4)アウトサイドハン
ドル(ドアハンドル) (5)ロッド (6)インサイドハンド
ル (7)ロッド (8)ノブ (9)ロッド (11)ベースプレート (12)本体 (13)ラッチ (14)ポール (15)(16)軸 (17)回動レバー (17a)腕部 (17b)カム面 (18)ハーフラッチ検知
スイッチ (18a)作動子 (19)フルラッチ検知ス
イッチ (19a)作動子 (20)オープンレバー (21)アウトサイドレバー (21a)突起 (22)軸 (23)サブレバー (23a)係合部 (23b)突片 (23c)傾斜縁 (24)側板 (25)インサイドレバー (26)軸 (27)施解錠レバー (28)軸 (29)長孔 (30)有頭ピン (31)ハンドルスイッチ (31a)作動子 (32)ケース (33)モータ (34)減速機 (35)出力軸 (36)ピニオン (37)セクターギヤ (38)ロッド (39)中間ギヤ (40)クローズギア (41)クローズレバー (42)(43)(44)軸 (45)復帰確認スイッチ (45a)作動子 (46)制御装置 (47)電源 (48)給電開始スイッチ (49)給電制御回路 (50)安全回路(安全装
置)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キーレスロック可能なドアロック及びド
    アロック操作手段を備える自動車のドアに装着される自
    動ドア閉止装置であって、 ドア又は車体のいずれかに設けられ、ドアが予め定めた
    ハーフラッチ位置まで閉じたことを検知するハーフラッ
    チ検知手段と、 該ハーフラッチ検知手段の作動により、適宜の駆動手段
    を作動させて、ドアをハーフラッチ位置から全閉位置ま
    で強制的に閉止させるクロージャと、 ドアとドアハンドル又はドアハンドルに連動する部材と
    の間に設けられ、ドアハンドルが非操作位置から操作位
    置に移動させられたとき、一作動信号を瞬間的に発生す
    るハンドルスイッチと、 クロージャとハンドルスイッチとに電気的に接続され、
    かつクロージャの作動中に、ハンドルスイッチから作動
    信号が発生したとき、及びクロージャの不作動時にドア
    ハンドルが引かれてハンドルスイッチが作動させられた
    後のクロージャの作動中に、前記ドアハンドルを非操作
    位置に戻すかまたは一旦非操作位置に戻した後再度ドア
    ハンドルを操作位置まで移動させることによりハンドル
    スイッチから2度目の作動信号が発生したときのみ、
    記クロージャの作動を停止させるか、又はクロージャを
    原状に復帰させる安全装置とを備えることを特徴とする
    自動ドア閉止装置。
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