JP2544263Y2 - パチンコ機の変動入賞装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、打球を受け入れる第１
の状態と打球を受け入れ難い第２の状態に変化可能な玉
受部材をソレノイドによって駆動するパチンコ機の変動
入賞装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】打球を受け入れる第１の状態と打球を受
け入れ難い第２の状態に変化可能な玉受部材をソレノイ
ドによって駆動する変動入賞装置においては、ソレノイ
ドと玉受部材とをリンク機構を介して連結する必要があ
るが、その連結作業を簡略化するためにソレノイド自体
を変動入賞装置の後面に直接固着してリンク機構を作動
させるようにしていた。そして、ソレノイドが変動入賞
装置の後面に取り付けられているため、後方への突出量
が大きなものとなっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、遊技盤の裏面
設計において、後方への突出量を抑えなければならない
場合があり、このような場合には、上記した従来のソレ
ノイド付き変動入賞装置を使用できないという問題があ
った。本考案は、上記した問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、後方への突出量を抑える
と共に遊技盤への取付が簡単に行えるソレノイド付きの
パチンコ機の変動入賞装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本考案においては、玉受部材の打球を受け入れ
る開状態から打球を受け入れ難い閉状態への移行、及び
閉状態から開状態への移行をソレノイドの励磁・非励磁
に対応させて開閉駆動する変動入賞装置において、該変
動入賞装置の後方に、前記玉受部材に係合する係合杆と
側方に向かって開放する係合凹部とを有する開閉制御部
材を上下方向に摺動自在に設け、前記ソレノイドを前記
変動入賞装置の後面一側に配置すると共に、該ソレノイ
ドには、前記係合凹部に挿入される係合突片が側方に向
かって突出形成された作動部材を固着したことを特徴と
するものである。

【０００５】

【作用】変動入賞装置を遊技盤の所定の位置に止着した
後、遊技盤の裏面であって変動入賞装置の後面側方から
ソレノイドに固着される作動部材の係合突片を係合凹部
に挿入し、その後、ソレノイドを遊技盤の裏面に止着す
る。これによって簡単にソレノイドと玉受部材とが開閉
制御部材を介して連結される。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。まず、図４乃至図６を参照して、実施例に
係る変動入賞装置１の構成について説明する。図４は、
変動入賞装置の後方から見た分解斜視図であり、図５
は、変動入賞装置の背面図であり、図６は、変動入賞装
置の正面図である。図において、変動入賞装置１は、遊
技盤５０（図１参照）に取り付けられる取付基板２を有
している。取付基板２には、長方形状の開口３が開設さ
れ、該開口３を閉塞するように玉受板４がその下端両側
を支軸５ａ，５ｂに軸支されて開閉自在に設けられてい
る。玉受板４の一側下部裏面には、後述するように開閉
制御部材２０の係合杆２２と係合する係合凹部４ａ（図
２参照）が形成されている。

【０００７】また、前記開口３の後方には、周枠７と後
面板８とによって入賞空間６が形成されている。この入
賞空間６は、前記玉受板４が開放したときに遊技盤１面
を落下する打球を受け入れて入賞玉とするもので、周枠
７の底面が一側に傾斜して形成され、その傾斜端に排出
口９が形成されている。また、排出口９の上部の後面板
８には、後述する７セグメントＬＥＤを収納する表示器
収納枠１０が後方に向けて突出されている。更に、後面
板８の表示器収納枠１０と反対側の端部には、開閉制御
部材２０の係合杆２２が貫通する縦長な切欠溝１１が形
成されている。この切欠溝１１は、後面板８だけでなく
周枠７の底面の端部にも連続して形成されている。

【０００８】また、後面板８の裏面には、複数（４つ）
の取付ボス１２ａ〜１２ｄが突設され、該取付ボス１２
ａ〜１２ｄに後面板８のほぼ全域を覆う間隔保持板１３
がビスで止着されている。そして、後面板８と間隔保持
板１３との間であってその一側部には、開閉制御部材２
０が配置されるものである。また、開閉制御部材２０が
配置されない間隔保持板１３の前方には、７セグメント
ＬＥＤ１５や複数の装飾ＬＥＤ１６が設けられる基板１
４が取り付けられている。７セグメントＬＥＤ１５は、
前記表示器収納枠１０の内部に収納されるもので、例え
ば、玉受板４が開放中に受け入れた入賞玉数を表示する
ものである。また、装飾ＬＥＤ１６は、後面板８に穿設
された装飾穴１７にその先端部が挿入されて玉受板４が
開放中であるときに点灯又は点滅して入賞空間６内を装
飾するものである。

【０００９】また、間隔保持板１３の一側部には、縦長
なガイド溝１８ａ，１８ｂが対角線状に形成され、開閉
制御部材２０の後述するガイド突起２４ａ，２４ｂが挿
入されるようになっている。なお、開閉制御部材２０が
配置される間隔保持板１３の上縁には、後面板８との間
隔を保持する保持片１９が突設されている。

【００１０】前記後面板８と間隔保持板１３との間に配
置される開閉制御部材２０は、その前方部に一対の回転
ローラ２１ａ，２１ｂが回転自在に軸支され、該回転ロ
ーラ２１ａ，２１ｂの中間位置の側端部に前方に向かっ
て係合杆２２が突設されている。また、後方部のほぼ中
央には、少なくとも側方が開放している係合凹部２３が
形成されていると共に、後端部の対角線上の上下に後方
に向かって突設されるガイド突起２４ａ，２４ｂが形成
されている。このように構成される開閉制御部材２０
は、ガイド突起２４ａ，２４ｂを前記ガイド溝１８ａ，
１８ｂに差し込むと共に係合杆２２を前記切欠溝１１に
差し込んでその先端を玉受板４の係合凹部４ａに係合さ
せた状態で、前記回転ローラ２１ａ，２１ｂが後面板８
の裏面に当接した状態で配置される。このため、開閉制
御部材２０が後面板８と間隔保持板１３との間で上下方
向にスムーズに摺動するようになっている。

【００１１】更に、変動入賞装置１の後面側方には、ソ
レノイド３０が関連して配置されるようになっている。
そこで、ソレノイド３０の構成について図４及び図６を
参照して説明すると、ソレノイド３０は、断面コ字状に
形成される取付金具３１にビス３２で止着される。取付
金具３１は、その前方一側に取付片３３を有し、前方他
側の上下に位置決め片３４ａ，３４ｂを有している。取
付片３３は、遊技盤５０の裏面に当接すると共に、その
上下に穿設されたビス穴３３ａ，３３ｂからビスを螺着
することによりソレノイド３０を遊技盤５０の裏面に固
着している。また、位置決め片３４ａ，３４ｂには、位
置決め穴３５ａ，３５ｂが穿設され、該位置決め穴３５
ａ，３５ｂを変動入賞装置１の後面に突設される位置決
め突起２５ａ，２５ｂに嵌合することにより、ソレノイ
ド３０と変動入賞装置１との絶対的な位置を決定するよ
うになっている。なお、位置決め突起２５ａ，２５ｂ
は、図４に示すように、１つは、前記後面板８の裏面に
直接突設され、他の１つは、取付基板２の下部裏面から
後方に向かって立設されるボスの後端部に形成されてい
る。

【００１２】また、ソレノイド３０のプランジャ３６に
は、図６に示すように、ソレノイド３０の側方を通って
ブリッジ状に上下に差し渡される作動部材３８が装着さ
れている。具体的には、プランジャ３６の上下端に固着
される係止円盤に対してコ字状に形成された作動部材３
８の上下端を差し込むようにソレノイド３０の側方から
作動部材３８を装着し、その後、作動部材３８の中央に
開設される縦長なスライド長穴４０を貫通するようにガ
イドビス４１ａ，４１ｂをソレノイド３０の側面に螺着
する。これによって、プランジャ３６の上下動と連動し
て作動部材３８が安定的に上下動する。なお、プランジ
ャ３６の下部には、スプリング３７が周設され、常にプ
ランジャ３６を下方向に付勢している。

【００１３】また、作動部材３８のほぼ中央後端部に
は、変動入賞装置１側に向けて係合突片３９が突設され
ている。この係合突片３９は、開閉制御部材２０の前記
係合凹部２３に挿入されるものである。

【００１４】以上のように構成される変動入賞装置１を
遊技盤５０に止着するには、図１に示すように、遊技盤
５０に開設された取付穴５１の前方から変動入賞装置１
を装着して取付基板２の周縁部に形成された取付穴にビ
スを螺着して変動入賞装置１を遊技盤５０に止着する。
次いで、遊技盤５０を裏返してソレノイド３０を変動入
賞装置１の側方から、まず作動部材３８の係合突片３９
を開閉制御部材２０の係合凹部２３に挿入し、その後、
位置決め片３４ａ，３４ｂの位置決め穴３５ａ，３５ｂ
を位置決め突起２５ａ，２５ｂに嵌合させる。そして、
最後に取付片３３のビス穴３３ａ，３３ｂにビスを挿入
して螺着することによりソレノイド３０を遊技盤５０の
裏面に止着することができる。そして、このように変動
入賞装置１及びソレノイド３０を遊技盤５０の裏面に止
着したときには、遊技盤５０の裏面に設けられ且つ入賞
玉が流下する入賞玉集合空間を構成する玉寄せカバー５
２内にすべて納めることができ、ソレノイド付き変動入
賞装置１の後方への突出量を抑えることができる。

【００１５】上記のように遊技盤５０に止着された変動
入賞装置１において、ソレノイド３０がＯＦＦのときに
は、図２に示すように、ソレノイド３０のプランジャ３
６がスプリング３７の付勢力により下降した位置にあ
り、このため、作動部材３８も下降した位置にある。こ
の時、開閉制御部材２０も最も下降した位置にあるた
め、係合杆２２の先端が玉受板４の係合凹部４ａと係合
して玉受板４を起立した位置、即ち、打球が入賞し難い
第２の状態としている。

【００１６】一方、ソレノイド３０がＯＮのときには、
図３に示すように、ソレノイド３０のプランジャ３６が
スプリング３７の付勢力に抗して上昇する。すると、作
動部材３８も上昇するので係合突片３９によって開閉制
御部材２０も上昇する。この場合、開閉制御部材２０
は、回転ローラ２１ａ，２１ｂによってスムーズに上昇
する。開閉制御部材２０が上昇すると、係合杆２２も上
昇して玉受板４の係合凹部４ａを跳ね上げ、これによっ
て玉受板４が自重により開放した位置、即ち、打球が入
賞し易い第１の状態となる。

【００１７】以上、実施例の構成及び作用について説明
したが、本実施例によれば、変動入賞装置１を遊技盤５
０の取付穴５１に止着した後、遊技盤５０の裏面であっ
て変動入賞装置１の後面側方からソレノイド３０に固着
される作動部材３８の係合突片３９を係合凹部２３に挿
入し、その後、ソレノイド３０を遊技盤５０の裏面に止
着するだけで、変動入賞装置１の後方への突出量を大き
くすることなく簡単にソレノイド３０と玉受部材４とが
開閉制御部材２０を介して連結され、変動入賞装置１の
遊技盤５０に対する取付を極めて簡単に行うことができ
る。

【００１８】

【考案の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、本考案においては、変動入賞装置を遊技盤の所定の
位置に止着した後、遊技盤の裏面であって変動入賞装置
の後面側方からソレノイドに固着される作動部材の係合
突片を係合凹部に挿入し、その後、ソレノイドを遊技盤
の裏面に止着するだけで、変動入賞装置の後方への突出
量を大きくすることなく簡単にソレノイドと玉受部材と
が開閉制御部材を介して連結され、変動入賞装置の遊技
盤に対する取付を極めて簡単に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る変動入賞装置を遊技盤に止着した
状態で水平方向に切断した断面図である。

【図２】変動入賞装置の閉じた状態での垂直方向に切断
した断面図である。

【図３】変動入賞装置の開いた状態での垂直方向に切断
した断面図である。

【図４】変動入賞装置の後方から見た分解斜視図であ
る。

【図５】変動入賞装置の背面図である。

【図６】変動入賞装置の正面図である。

【符号の説明】

１ 変動入賞装置 ４ 玉受板（玉受部材） ２０ 開閉制御部材 ２２ 係合杆 ２３ 係合凹部 ３０ ソレノイド ３８ 作動部材 ３９ 係合突片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 玉受部材の打球を受け入れる開状態から
   打球を受け入れ難い閉状態への移行、及び閉状態から開
   状態への移行をソレノイドの励磁・非励磁に対応させて
   開閉駆動する変動入賞装置において、 該変動入賞装置の後方に、前記玉受部材に係合する係合
   杆と側方に向かって開放する係合凹部とを有する開閉制
   御部材を上下方向に摺動自在に設け、 前記ソレノイドを前記変動入賞装置の後面一側に配置す
   ると共に、該ソレノイドには、前記係合凹部に挿入され
   る係合突片が側方に向かって突出形成された作動部材を
   固着したことを特徴とするパチンコ機の変動入賞装置。