JP4303812B2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取付板の前面に設ける飾り板とレンズ部材の組付け、及び開口の開閉扉を開閉操作する駆動要素を備える中枠と前記取付板との組付けをいづれも嵌め込み手段による組付け構造に形成したパチンコ機の入賞装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、パチンコ機の遊技盤の下部中央に大入賞口として入賞装置が設けられており、このような入賞装置は、前記遊技盤の表面に取り付けられる取付板と、該取付板の裏面に組付けられる中枠とからなり、前記取付板の中央部分に横長の開口が開設され、該取付板は前面に開口の下部を覆う飾り板と一般入賞口を併設するレンズ部材が左右に設けられている。また、取付板の裏面には開口を囲うように後面が開口した中空状の箱枠が一体に形成され、この箱枠には該箱枠の内側に沿って収まる外郭形状に形成された中枠が組付けられ、該中枠には前記取付板の開口を開閉する開閉扉が設けられている。そして、前記中枠には開閉扉を開閉操作するソレノイド等の種々駆動要素が組み込まれていて、前記ソレノイドの作動に伴って取付板の開口を開閉するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来この種のパチンコ機の入賞装置は、取付板に設ける飾り板と一般入賞口を併設したレンズ部材をビス止により組付け、さらに、前記取付板と前記中枠との組付けもビス止めにより組立ている。従って、これらの部品の組付けには多くのビスが必要となるばかりでなく、細かいビス止め作業を余儀なくされ、しかも、組付けが困難な個所もあり、ビスを落して入賞装置の動作に支障をきたすことがあり、それ故に、多くのビスを必要とする組立構造は不経済であるばかりでなく、組付けの作業性が悪いといった課題があった。
【０００４】
本発明は、上記のような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、取付板の前面に設置される飾り板と一般入賞口を併設したレンズ部材の組付け、及び前記取付板と前記中枠との組付けをいづれも嵌め込み式の止着構造にすることにより、多くの個所での細かいビスの使用を排して組立て作業のコストの低減を図ると共に、各部品の組付けもしくは組立て作業を容易にしたパチンコ機の入賞装置を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係わるパチンコ機の入賞装置は、中央部に横長の開口を開設すると共に、裏面に箱枠を一体に設けた取付板と、前記取付板の箱枠内に嵌挿させる外郭形状に形成し前面に開閉扉を開閉自在に軸支すると共に、該開閉扉と連係させた電気的駆動要素を設けた中枠からなる入賞装置において、前記取付板の前面に飾り板を設け、該飾り板の裏面の両側に爪部を有する係止片を突設して形成し、前記取付板には前記係止片に対応位置して係止片を挿通する貫通孔を穿設すると共に、前記取付板裏面に前記係止片の爪部が係止する係止部を設けて形成してなる。
【０００６】
また、前記取付板の前面の左右個所に一般入賞装置を併設するレンズ部材を設置し、該レンズ部材の裏面に爪部を有する係止片を突設して形成し、前記取付板には前記係止片に対応位置して係止片を挿通する貫通孔を穿設すると共に、前記取付板裏面に前記係止片の爪部が係止する係止部を設けて形成した。
【０００７】
なお、中板には該中板に取付板を組付け設置したとき、前記取付板に組み込んだ飾り板及びレンズ部材のそれぞれの係止片の背面を押さえる押え部もしくは押え部材を設けて形成するのが好ましい。
【０００８】
さらに、取付板と中枠とは着脱自在に組付けられ、前記取付板の裏面の箱枠の左右端のそれぞれ内側位置に、先端に爪部を有した係止片を一体に突設して形成し、前記中枠の左右端の外側面に添わせてそれぞれ係止片を案内する案内部を設けると共に、背壁の両端縁部に爪部を受止めする係止部を設けて形成してなる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係わるパチンコ機の入賞装置の実施の形態を図面と共に説明する。図１は本発明のパチンコ機の正面図、図２は本発明に係わる入賞装置の斜視図、図３はこの入賞装置を構成する取付板と中枠及び該中枠に組付けられる駆動要素を分解して示す斜視図である。パチンコ機１は、機枠２に前面枠３が開閉自在に装着され、該前面枠３は中央に窓孔３ａを開設する額縁状に形成され、窓孔３ａにはガラス扉４と前面板５とが開閉自在に設けられると共に、窓孔３ａの裏面部分には遊技盤６が設けられている。前記遊技盤６は、誘導レール７で囲まれる遊技領域に上方中央部の通過始動口８、中央部の可変表示装置９、可変始動口１０及び下方部に大入賞口である入賞装置１１が設けられている。
【００１０】
前記入賞装置１１は、図２及び図３に示すように、前記遊技盤６の表面に取り付けられる取付板１２と該取付板１２の裏面に組付けられる中枠１３とからなり、前記取付板１２の中央部分に横長の開口１４が開設され、該取付板１２の前面には開口１４の下部を覆う飾り板１５と一般入賞口１６を併設した透光性のレンズ部材１７，１７が左右に設けられる。また、取付板１２の裏面には開口１４を囲うように後面が開口した中空状の箱枠１８が一体に形成され、該箱枠１８で囲まれる左右位置に前記一般入賞口１６，１６の球入口１９，１９が設けられ、そして、図４に示すように、前記取付板１２の裏面の箱枠１８内に前記球入口１９，１９に連続する角筒形状の筒枠２０，２０によって球通路２１，２１が設けられる。また、前記開口１４の下方位置には後述する前記中枠１３に備える入賞球の通路部２４のガイド片２２，２２が突出形成されている。
【００１１】
前記中枠１３は、背壁２３を有して前面を開口し、前記箱枠１８の内側に沿わせて嵌挿させる外郭形状に形成され、該中枠１３は、前記取付板１２の開口１４に連通する通路部２４を区画する左右の隔壁２５、２５が設けられ、該通路部２４の先にＶ入賞口２６と一般入賞口２７が設けられる。そしてＶ入賞口２６と一般入賞口２７の下方に、それぞれ入賞球を検出する入賞球検出器２６ａ，２７ａが配設される。
【００１２】
前記中枠１３は、前面に前記開口１４に臨むように開閉扉２８が開閉自在に設けられる。この開閉扉２８は、図３に示すように下部両側に軸ピン２９，２９を水平に突出させ、これらの軸ピン２９，２９を中枠１３の前面に設けた凹溝３０，３０に軸支させた状態で、押え部材３１を被せて開閉可能に支着保持させる。３２，３２は、中枠１３に取着されるランプ基板である。
【００１３】
さらに中枠１３の背壁２３の後面には、開閉扉２８を開閉するためのソレノイド３３が取り付けられ、該ソレノイド３３のプランジャ３４に装着されたレバー部材３５は、通路部２４を区画する一方の隔壁２５の内側に隣接して設けられた仕切壁３６の間に位置し、図６に示すように、開閉扉２８の係合部３７に係合させている。
【００１４】
このソレノイド３３は、消磁した状態のとき、図６実線に示すようにプランジャ３４が復帰ばね３８の付勢によって下方に押し下げられて開閉扉２８を閉成状態に維持し、一方、ソレノイド３３が図６鎖線に示すように励磁されると、プランジャ３４を復帰ばね３８の付勢に抗して吸引して開閉扉２８が開成される。
【００１５】
さらに、中枠１３の背壁２３の後面にＶ入賞口２６を開閉するソレノイド３９が取り付けられ、プランジャ４０に連結するレバー片４１が前記通路部２４の先端下方に出没してＶ入賞口２６を開閉する開閉板４２を突出させる。
【００１６】
本発明において、図２に示すように、前記取付板１２の前面に飾り板１５が設けられる。前記飾り板１５は、図４に示すように、裏面の両側に先端に爪部４３を有する細長板状になる係止片４４、４４をそれぞれ直角に一体に延長突設している。そして、前記取付板１２には該取付板１２の裏面に設けた左右の各球通路２１，２１のそれぞれの筒枠２０，２０の内側壁面の各外面に隣接する位置に、係止片４４、４４を挿通する貫通孔４５、４５を穿設し、筒枠２０，２０の側縁部のそれぞれに前記係止片４４、４４の爪部４３を受け止めする係止部４６，４６が凹欠して設けられる。
【００１７】
また、図２に示すように、前記取付板１２の前面の左右位置には、一般入賞口１６を併設したレンズ部材１７、１７が設けられる。前記レンズ部材１７は、図４に示すように、裏面の両側に先端に爪部４７を有する細長板状になる係止片４８ａ、４８ｂをそれぞれ直角に一体に延長突設している。そして、前記取付板１２には、該取付板１２の裏面に設けた箱枠１８の左右の側壁部の内側に隣接する位置に前記レンズ部材１７の一方の係止片４８ａを挿通する貫通孔４９ａを穿設すると共に、箱枠１８の左右側壁部の開放縁に前記係止片４８ａの爪部４７を受け止める係止部５０を切欠形成し、中央の開口１４の下部に他方の係止片４８ｂを挿通する貫通孔４９ｂを穿設すると共に、該取付板１２の裏面には前記貫通孔４９ｂの縁部に前記係止片４８ｂの爪部４８を受け止めする係止部５１が一体に設けられる。
【００１８】
さらに、取付板１２の裏面の箱枠１８には前記中枠１３が嵌め込まれて組付けられる。前記取付板１２の裏面の箱枠の左右の側壁部から内側へ僅かに離れた位置に、先端に爪部５２を有する細長板状になる係止片５３、５３を一体に突設し、図７に示すように、前記中枠１３の左右側端部位の外面壁に係止片５３，５３を添わせて案内する案内部５４，５４を設けて中枠１３の背壁２３の左右端部位の裏面上に爪部５２を受止めする係止部５５、５５を設けて形成する。
【００１９】
なお、前記中枠１３は、図７に示すように、前記取付板１２の筒枠２０，２０を嵌合する凵形状の枠壁５６、５６が設けられていて、該枠壁５６の内側部位の内面壁に開放縁から奥方へ向けて凹溝５７，５７を設け、そして、該中板１３を前記取付板１２に組付けたときに、図８（イ）、（ロ）及び図９に示すように、角筒２０に係着されている飾り板１５の係止片４４，４４が前記凹溝４７，４７に埋まって係止片４４，４４の背面を押さえ付けて爪部４３が係止部４６，４６から自然離脱するのを防止し、爪部４３の係着を確実に確保する。
【００２０】
なお、図７に示すように、中枠１３の左右の側端部位の外面に板片状の押え板５８，５８を開放面から奥方へ向けて一体に突設する。また、前記押え片５８は奥端の一部を外方へ突出させて段部５９を有して形成される。そして、一般入賞口１６を併設したレンズ部材１７を組付けた取付板１２を中枠１３に組付けたときに、レンズ部材１７の一方の係止片４８ａの背面を前記押え板５８の縁部で押さえると同時に段部５９が該係止片４８ａの先端を押える。また、中枠１３の通路部２４を区画する左右の隔壁２５，２５の延長線上の下部に開放面から奥端へ向けてそれぞれの押え板６０ａ，６０ｂを設け、そして、レンズ部材１７を組付けた取付板１２を中枠１３に組付けたときに、前記押え板６０ａ，６０ｂが他方の係止片４８ｂの背面を押さえつけるようにする。このようにして、中枠１３に取付板１２を組付けたときに、レンズ部材１７の係止片４８ａ，４８ｂの背面を押さえることにより爪部４７が係止部５０，５１から自然離脱するのを防止し、爪部４７の係着を確実に確保できるようにするのが好ましい。
【００２１】
さらに、中枠１３の左右の側端部位に設けた押え片５８から所定間隔を置いて平行するガイド片６１を設けることにより、中枠１３の左右の側端部位に前記取付板１２の係止片５３，５３の案内部５４，５４が形成されるようにするのが好ましい。
【００２２】
上記の構成になる本発明の入賞装置において、前記各部材に設けられた細長板状になる係止片は、板面がしなる弾性を有しており、該係止片を貫通孔に挿通すると、係止片の弾性により、係止片全体が該係止片を受け止める壁面に弾力的に密接して爪部をそれぞれの係止部に係着し、そして、これらの各係止片はそれぞれの爪部の反対面、即ち各係止片の背面を押え部もしくは押え部材により押さえつけられて、爪部が各係止部から自然に掛け外れることもないので、各部材を容易かつ堅固に組付けることができる。また、各部材を外す場合は、係止片の弾性を利用して爪部を離反方向へ押し戻すことで容易に係着状態を解除し、そこで、係止片を引き抜くことにより各部材の組付けを簡単に取り外すことができ、各部材の着脱が極めて容易簡単に行うことが可能となる。
【００２３】
【発明の効果】
上記構成になる本発明に係わるパチンコ機の入賞装置は、各部品に設けた係止片の先端の爪部をそれぞれの係止部に係着する嵌め込み手段により、各部品と取付板又は取付板と中枠とを組付けもしくは組立てられるので、従来のビスを使用する組立て手段に比べ、組立てを容易簡便にし、作業性を著しく向上する。また、取付板と中枠を組立た際に、同時に係止片を押さえつけて、外れないようにしたので確固として組立られる。しかも、各部品との着脱も極めて容易であり、その結果、飾り部材や一般入賞口を併設したレンズ部材等の各部品と取付板との着脱及び駆動要素を組み込んだ中枠と取付板との着脱が容易であるために、遊技盤の表面に取り付ける取付板のデザインを変更するときは、駆動要素を組み込んだ中枠はそのまま引き続き使用し、飾り部材のみを取り換えればよいからコストを低減することができる。さらには、１つの駆動要素を組み込んだ中枠に対して種々のデザインの飾り部材を組み合わせて使用することが容易となり経済性も高い等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るパチンコ機の正面図である。
【図２】本発明に係る入賞装置の斜視図である。
【図３】図２の入賞装置の分解斜視図である。
【図４】取付板と飾り板及びレンズ部材を分解して示す斜視図である。
【図５】取付板と中枠とを分離して示す斜視図である。
【図６】開閉扉の開閉機構部分を示す要部断面図である。
【図７】開閉扉を外して示す中枠の斜視図である。
【図８】（イ）は取付板にレンズ部材を設置した要部断面図であり、（ロ）は取付板を中枠に組み付けたときの要部断面図である。
【図９】図２の平断面図である。
【符号の説明】
１ パチンコ機
１１ 入賞装置
１２ 取付板
１３ 中枠
１４ 開口
１５ 飾り板
１６ 一般入賞口
１７ レンズ部材
１８ 箱枠
２１ 球通路
４３ 爪部
４４ 係止片
４５ 貫通孔
４６ 係止部
４７ 爪部
４８ａ、４８ｂ 係止片
４９ａ、４９ｂ 貫通孔
５０ 係止部
５１ 係止部
５２ 爪部
５３ 係止片
５４ 案内部
５５ 係止部
５６ 枠壁
５７ 凹溝
５８ 押え板
５９ 段部
６０ａ，６０ｂ 押え板

Claims (2)

1. 中央部に横長の開口を開設し、前面に飾り板を設けると共に裏面に箱枠を一体に設けた取付板と、前記取付板の箱枠内に嵌挿させる外郭形状に形成し、前面に開閉扉を開閉自在に軸支すると共に、該開閉扉と連係させた電気的駆動要素を設けた中枠からなる入賞装置において、
   前記飾り板は、その裏面に突設し先端に爪部を有する係止片により前記取付板に組付け設置され、前記中枠には該中枠に前記取付板を組付け設置したとき前記係止片の背面を押さえる押え板を設けて形成したことを特徴とするパチンコ機の入賞装置。
2. 中央部に横長の開口を開設し、前面に一般入賞口を併設したレンズ部材を設けると共に裏面に箱枠を一体に設けた取付板と、前記取付板の箱枠内に嵌挿させる外郭形状に形成し、前面に開閉扉を開閉自在に軸支すると共に、該開閉扉と連係させた電気的駆動要素を設けた中枠からなる入賞装置において、
   前記レンズ部材は、その裏面に突設し先端に爪部を有する係止片により前記取付板に組付け設置され、前記中枠には該中枠に前記取付板を組付け設置したとき前記係止片の背面を押さえる押え板を設けて形成したことを特徴とするパチンコ機の入賞装置。

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