JP2543958B2 - デスフェリオキサミンbのアシル化方法 - Google Patents

デスフェリオキサミンbのアシル化方法

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JP2543958B2 JP63181975A JP18197588A JP2543958B2 JP 2543958 B2 JP2543958 B2 JP 2543958B2 JP 63181975 A JP63181975 A JP 63181975A JP 18197588 A JP18197588 A JP 18197588A JP 2543958 B2 JP2543958 B2 JP 2543958B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はデスフェリオキサミンBの、または部分的に
0−アシル化されたその誘導体のアミノ基の窒素原子
に、有機アシル基を選択的に導入するための新規な方法
に関するものである。本発明に基づいてN−アシル基を
導入するには、アミノ基の窒素原子及び少なくとも1個
のヒドロキサム酸基のヒドロキシ酸素原子が有機シリル
基を担持するデスフェリオキサミンBの誘導体を有機ア
シル化剤により処理し、そして次に、存在するシリル基
を離脱させる。本発明はまた、シリル化出発物質、及び
とりわけ上述の方法との組み合わせにおけるシリル化出
発物質の製造方法に関するものでもある。
〔従来の技術〕
本発明のアシル化法の基本物質としてのデスフェリオ
キサミンBは既にずっと以前から知られている〔H.Bick
el,H.Keberle&E.Vischer:Helv.Chim.Acta46,1385−9
(1963)〕。その化学構造式は下記の式で示され、 IUPACの公式命名法のC−06規則(代置命名法)に基づ
き、6,17,28−トリヒドロキシ−7,10,18,21,29ペンタオ
キソ−6,11,17,22,28−ペンタアザトリアコンチルアミ
ンという系統的な名称で表示される。(本明細書におい
ては簡略化のために、誘導体の名称に慣用名を使用し、
各置換基の位置はアミノ基の窒素原子N、並びにそれぞ
6,17及び28位にあるO,O′及びO″で表示した水酸基の
酸素原子に関連付けられる)。
デスフェリオキサミンB及び当量の酸から生成される
その付加塩の最も顕著な性質としては、クロム(III)
イオン、アルミニウムイオン、とりわけ鉄(III)イオ
ンなどの三価の金属イオンと安定した金属錯化合物又は
安定したキレート様アダクトを生成する作用が挙げられ
る。そのためにデスフェリオキサミンBには、鉄含有色
素の組織内沈着を防止し、例えばヘモクロマトーシス、
ヘモジデリン沈着症、肝硬変ならびに三価の鉄による中
毒症のように生体内に鉄が既に沈着している場合には鉄
を排泄させるという重要な薬理学的性質が与えられてい
る。デスフェリオキサミンB及びその塩(例えば特にメ
タンスルホネート)の広範な療法的用途は、主要サラセ
ミア、鎌状赤血球性貧血、鉄非利用性貧血、再生不良性
貧血、及び、ヘモジデリン沈着症(即ちほかの点では障
害されていない身体組織内において鉄の沈着が局所的に
或は全身的に上昇すること)が関与しているそのほかの
貧血症型の場合のように、生体が鉄(III)イオン(Fe
***イオン)によって過剰に負荷されている、人体(及
びその他の温血動物)に於ける疾患及び疾患状態にまで
通常及んでいる。数回にわたる輸血又は繰り返し実施さ
れた透析によって、腎機能が不全を来たしたり障害され
ている患者において現れる病的状態もこの種の疾患に属
する。錯体を生成する性質を有するために、デスフェリ
オキサミンBは、人体医学だけではなく動物医学におい
ても基本的に重要な、鉄(III)イオン依存性微生物並
びに寄生生物による疾患、例えば特にマラリアの際にも
著しい効果を現す。デスフェリオキサミンBは、その他
の三価の金属とも錯体を生成するので、例えば透析脳
症、骨軟化症、及びアルツハイマー病などの際のアルミ
ニウムの除去のように、生体内からこれらの金属を排泄
させる目的でも使用される。
以上にみるようにその適応が多彩なために、適当な変
化を与えることによって、基本物質としてのデスフェリ
オキサミンBの優れた生理学的性質を、それぞれの適応
に特異的となるように改善したり強化したりすることを
試みるのは賢明なことである。そのためには、利用可能
な官能基、即ち末端アミノ基及び/又は3個のヒドロキ
サム酸基のヒドロキシ基に化学的な変化を与えるが、そ
の際にはアミノ基とヒドロキシル基とを区別して考え、
1種類の官能基のみに選択的に機能性を与えることが特
に好ましく思われる。多くの理由から最も好ましい変化
のひとつはアシル化である。だが、多くの導入アシル基
においては、アシル化を選択的に行うことが出来ない。
アミノカルボン酸とは対照的に、アミノヒドロキサム酸
そして特にアミノオリゴヒドロキサム酸、例えばデスフ
ェリオキサミンBにおいては、公知の直接的にアシル化
法(例えばSchotten−Baumann法)によってアミノ基を
選択的にモノアシル化することは通常不可能である。
等モルか僅かに過剰のアシル化剤を使用すると、分離
することが非常に困難な混合物が得られることが多く、
この混合物質から所望のN−アシル化体を分離すること
が出来ても、収量が非常に低くなる。だが、例えばter
t.ブトキシカルボニル基のようなオキシカルボニル基を
導入させることの可能なある種のアシル化剤、例えばジ
−tert.ブチル−ジカルボネートだけは例外で、一定の
反応条件でこの種のアシル化剤を使用すると、デスフェ
リオキサミンBを選択的にN−アシル化することが出来
る。“ノルマルな”アシル基、すなわち特定のオキシル
カルボニル基とは異なるアシル基を有するデスフェリオ
キサミンBのN−モノアシル化誘導体を生成するために
は、現在の技術水準では下記の方法が使用される。
過剰のアシル化剤を使用して、まず最初にN,O,O′,
O″−テトラアシル化誘導体を生成し、損失の大きい選
択的アンモノリシスを実施して、得られた混合物質に対
して労力のかかる分離操作を実施するとN−モノアシル
化体が得られる。経済性という観点からすると、アシル
化剤の種類によっては、使用したアシル化剤の1/4しか
利用されないという点が重要となる。
任意の、酸加水分解または水素添加分解による分解の
可能な、エステル化オキシカルボニル基(例えばtert.
ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニル)を
アシル基として使用する場合には、得られたN−モノア
シル化体の遊離のヒドロキシ基をほかの酸でアシル化す
ることが可能であり、N−保護アシル基を離脱させる
と、遊離のアミノ基を有するO,O′,O″−トリアシル化
体が得られる。得られたこのO,O′,O″−トリアシル化
体に対してN−アシル化を行うと、窒素原子と酸素原子
とではアシル基が異なるN,O,O′,O″−テトラアシル化
体が得られる。だが、このような方法では、酸素原子が
置換されていない、オキシカルボニル基とは異なる任意
のアシル基を導入したN−アシル化体を生成することは
不可能となる。
そのほかの方法としては、デスフェリオキサミンBの
ヒドロキサム酸官能基にFe3+又はAl3+を作用させてあら
かじめ錯体を形成し、アシル化が行われないように保護
しておく。だが、このような錯体が形成されると、アミ
ノ基の反応性も低下する。従って、引き続いて行われる
アシル化反応は緩徐となり、不満足な収量しか得られな
い。付加的な反応段階として、最後に金属イオンを再び
除去しなければならない。
従来から知られている方法を使用してN−アシル化体
を生成することは繁雑であり、不満足な成績しか得られ
ないので、デスフェリオキサミンBにN−アシル基を選
択的に導入することが簡単に出来て、しかも高収量のも
とに純粋な製品が得られる、簡単で、総ての種類のアシ
ル基に対して使用することの可能な方法の出現が切望さ
れていた。
本発明によってこの問題を解決するにあたっては、デ
スフェリオキサミンBのアミノ基の窒素原子とヒドロキ
シ基の酸素原子が有機シリル基で保護されている新規の
誘導体が、広い範囲に及ぶ従来の有機アシル化剤と、普
通の反応条件下で予期に反して反応し、その際にN−シ
リル化アミノ基が選択的にアシル化されるのに対して、
ヒドロキシ基のシリル化酸素原子は不変のままであると
いう予想外の所見が得られたことが基礎となった。必要
とされる新規のN−およびO−シリル化出発物質は、置
換されていない基本物質から簡単に、そして事実上定量
的に得られるので、またO−シリル基は例えば緩和なソ
ルボリシスなどによって容易に離脱させることが出来る
ので、本発明に基づく方法は以前の解決法には欠如して
いた総ての長所を備えている。所望の化合物の収量と純
度が非常に高いので、4個の等しいアシル基を持つデス
フェリオキサミンBのN,O,O′,O″−テトラアシル化誘
導体を生成しようとする際には、デスフェリオキサミン
Bを直接的にテトラアシル化する代わりに、本発明に基
づく方法によって得られるモノ−N−アシル化誘導体か
ら間接的に生成するほうが著しく有利となることさえ実
証されている。
本発明に基づく方法を実施する際には、次の式(I
I): (式中Bは次の式: で示される有機シリル基(Sil)であり、式B中のR1 s
びR2 sは相互に独立に非置換C1-8−ヒドロカルビルを意
味し、R3 sは非置換C1-8−ヒドロカルビル又は塩素を意
味し、記号B1 o,B2 o及びB3 oのうちの少なくとも1個の
記号は有機シリル基Silを意味し、そのほかの残りの記
号は相互に独立にSil又は有機アシル基Acを意味する)
で示される化合物を、アシル基Ac導入剤と反応させ、そ
してO結合の形で存在するシリル基Silをソルボリシス
によって離脱させるという方法が取られる。
本発明に基づく方法によって得られる化合物は特に下
記の式(I): で示される(式中Acは前記の意味を持ち、そして記号
A1,A2,A3のうちの少なくとも1個の記号は水素原子を
意味し、そのほかの残りの記号は、相互に独立に本明細
書の後方で詳細に定義するアシル基Acを意味する)。
式(II)で示される好ましい出発物質においては、B,
B1 o,B2 o及びB3 oの総ては同一の意味を有する有機シリ
ル基Silである。このような場合には、A1,A2及びA3
それぞれが水素原子を意味する式Iで示されるデスフェ
リオキサミンBのN−モノアシル化体が生成物として生
成される。
有機シリル基Sil中に存在するヒドロカルビル基R1 s
びR2 sは、C1-8−アルキル基、例えばヘキシル、4−メ
チルペンチル、ペンチル、エチル、及び特にメチルなど
であり、さらにはアリール基及びアラルキル基、例えば
フェニル又はp−トリル、さらにはベンジル又はフェネ
チルであり、好ましくは両基は同一である。記号R3 s
らに塩素を意味することもあり、またそれは記号R1 s
びR2 sについて記載した意味のうちの一つの意味を持つ
ことも可能で、その際にはこれら3個の総ての記号はと
りわけ同じ意味を持ち、R3 sは特にメチルを意味する。
適切な有機シリル基Silは、例えばトリブチルシリ
ル、トリベンジルシリル、フェニル−ジメチルシリル、
ベンジル−ジメチルシリル、ヘキシル−ジメチルシリ
ル、tert.ブチル−ジメチルシリル、トリエチルシリ
ル、ジエチル−クロルシリルであり、そして特にジメチ
ル−クロルシリルであり、とりわけトリメチルシリルで
ある。
有機アシル基Ac、ときとして官能的に変性されたカル
ボン酸、有機スルホン酸、又はエステル化リン酸から誘
導され、とりわけ最高40個のC原子から構成されてい
る。
カルボン酸から誘導されるアシル基Acは、部分構造式
Z−X−C(=0)−(Ac1)で示され、Xは単一結
合、オキシ、又は、ときとして置換されているイミノで
あり、そしてZはヒドロカルビルR0であり、あるいはX
が単一結合の場合には、さらに水素、塩素、又は1−イ
ミダゾイルでもある。Xの持つ意味に相応して、アシル
基はヒドロカルビルカルボン酸、炭酸モノエステル又は
炭酸モノアミドから誘導され、蟻酸(ホルミル)、クロ
ル蟻酸(クロホルミル)、又は1−イミダゾリルカルボ
ン酸からも誘導される。
ヒドロカルビルカルボン酸のアシル基は、特に部分構
造式R0 b−C(=0)−(Ac1 a)で特徴づけられ、その
際にR0 bは水素原子を意味するか(その結果ホルミル基
が形成される)、或はヒドロカルビルR0を意味する(そ
の結果、ときとしては置換されている非環式、炭素環
式、炭素環式−非環式、又は複素環式−非環式モノカル
ボン酸が形成されている。) ヒドロカルビルR0は非環式(脂肪族)、炭素環式、又
は炭素環式−非環式炭化水素基であり、合計にして60個
までの、好ましくは最高40個の、特に最高20個の炭素原
子を持ち、飽和又は不飽和であり、置換されていないか
置換されている。それは1個、2個、又は数個の炭素原
子の代わりに、例えば酸素、硫黄、窒素のような、同一
の又は異なったヘテロ原子を非環部分及び/又は環部分
に持つこともある。環部分にヘテロ原子が存在する場合
には、複素環基又は複素環−非環基と呼称される。
1個又は数個の多重結合(二重結合及び/又は三重結
合)を持つものが不飽和基である。6員環の炭素環又は
5員環から8員環までの複素環に少なくとも非累積二重
結合が最大数含まれている環が6員芳香環(例えばベン
ゼン環)として存在するような炭素環基はアリール基と
呼称される。
本明細書の中で“低級”の前綴りを付けた有機基に
は、特に断りのない場合、最高7個の、特に最高4個の
炭素原子が含まれている。
非環式炭化水素基は、直鎖状の又は枝別れした低級ア
ルキル、低級アルケニル、低級アルカジエル、又は低級
アルキニル基である。低級アルキルは、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、さら
にn−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘ
キシル、及びn−ヘプチルでもある。低級アルケニル
は、例えばアリル、プロペニル、イソプロペニル、2−
または3−メタリル、及び2−または3−ブテニルであ
る。低級アルキニルは、例えばプロパルギル又は2−ブ
チニルである。非環式炭化水素基は、特に10−20個の炭
素原子を有する直鎖状のアルキル又はアルケニル基でも
ある。
炭素環式炭化水素基は、特に単環状の、二環状の、又
は多環状のシクロアルキル、シクロアルケニル、又はシ
クロアルカジエニル基であり、或は芳香環を含む同種の
アリール基でもある。好ましい炭素環式炭化水素基は、
最高12個の環炭素原子を持ち、3員環から8員環、特に
5員環から7員環、とりわけ6員環の基であり、これら
の環には、例えば前記の非環基や特に低級アルキル基、
又はそのほかの炭素環基を1個又は数個持つこともあり
得る。炭素環−非環基とは、特にメチル、エチル、ビニ
ルのような最高7個の炭素原子、好ましくは最高4個の
炭素原子を持つ非環基と、前に定義した炭素環のそして
ときとして芳香族性の1個又は数個の基とを持つ基であ
る。分子鎖末端C原子に環がついているシクロアルキル
低級アルキル基及びアリール低級アルキル基、並びに環
及び/又は鎖が不飽和のその類似体が特に挙げられるだ
ろう。
シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル及びシクロオクチルであり、或はビシクロ〔2,2,2〕
オクチル、2−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル及びアダマ
ンチルであり、これらは1個、2個、又はさらに多くの
アルキル基、特にメチル基で置換されていることも有り
得る。シクロアルケニルは、例えばすでに記述ずみの単
環シクロアルキル基であり、1位、2位、又は3位に1
個の二重結合を有している。シクロアルキル低級アルキ
ル又はシクロアルキル低級アルケニルは、例えば前述の
1個のシクロアルキル基で置換されているメチル、1−
又は2−エチル、1−又は2−ビニル、1−、2−、又
は3−プロピル、及びアリル基であり、この場合には直
鎖末端が置換されている基が好ましい。
アリール基は、特にフェニルであり、さらに1−又は
2−ナフチルのようなナフチルと、特に4−ビフェニル
のようなビフェニルであり、さらにアントリル、フルオ
レニル、又はアズレニルであり、或は1個又は複数個の
飽和環を持つその類似体である。好ましいアリール低級
アルキル基又はアリール低級アルケニル基は、末端フェ
ニル基を持つフェニル低アルキル又はフェニル低級アル
ケニル、例えばベンジル、フェネチル、1−、2−、又
は3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル(ベンズヒ
ドリル)、トリチル、スチリル、シナミル、及び1−又
は2−ナフチルメチルである。
非環基を持つアリール基としては、特にO−、m−及
びp−トリル、並びに置換メチル基の位置がいろいろに
異なるキシリル基が挙げられるだろう。
複素環−非環基を包含する複素環基は、特に単環、二
環又は多環の芳香族性のアザ、チア、オキザ、チアザ、
オキサザ、ジアザ、トリアザ又はテトラザ基であり、或
は部分的に又は特に完全に飽和された類似の複素環基で
もあり、ときとしてこれらの複素環基は、例えば前述の
炭素環基やアリール基の場合と同様に、非環基、炭素環
基又は複素環基を持つことも可能であり、そして/又は
1個、2個又は数個の官能基によって置換されているこ
とも可能である。複素環−非環基中の非環部部分は、例
えば対応する炭素環−非環基に対して与えられている意
味を持つ。直接置換基R0として複素環基が、酸素又は窒
素のようなヘテロ原子に存在する場合には、その自由原
子価はそのC原子の1個に基づいているべきである。ま
ず第一に挙げられるのは、1個の窒素原子、酸素原子又
は硫黄原子を持つ置換されていないか又は置換されてい
る単環基、例えば2−アジリジニル、そして特にこの種
の芳香族基、例えば2−ピリル又は3−ピリルのような
ピリル、例えば2−、3−又は4−ピリジルのようなピ
リジル、例えば2−又は3−チエニルのようなチエニ
ル、あるいは例えば2−フリルのようなフリルである。
1個の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を持つ類似の二
環基は、例えば2−又は3−インドリルのようなインド
リル、2−又は4−キノリルのようなキノリル、イソキ
ノリル、ベンゾフラニル、クロメニル、あるいはベンゾ
チエニルである。複数個のヘテロ原子を持つ好ましい単
環基と二環基は、例えば2−イミダゾリルのようなイミ
ダゾリル、2−又は4−ピリミジニルのようなピリミジ
ニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、あるいはチアゾ
リルであり、あるいはベンズイミダゾリル、ベンゾキサ
ゾル、又はキナゾリルである。2−テトラヒドロフリ
ル、2−又は3−ピロリジル、2−、3−又は4−ピペ
リジル、並びに2−又は3−モルホリニル、2−又は3
−チオモルホリニル、2−ピペラジニル、及びN,N′−
ビス−低級アルキル−2−ピペラジニルのように、部分
的又は特に完全に飽和されている対応する基も考慮に入
れられる。これらの基はさらに、特に前述の基のよう
な、非環基、炭素環基、又は複素環基を1個又は複数個
有することが可能である。複素環−非環基は特に、例え
ば前述の基のような、最高7個の炭素原子、好ましくは
最高4個の炭素原子を持つ非環基から誘導され、1個、
2個又はより多数個の複素環基、例えば前述の複素環基
を持つことが可能であり、その場合環基中の1個の窒素
原子によって環が分子鎖と結合していることも可能であ
る。
すでに記載したように、ヒドロカルビル(複素環をも
含む)R0は、1個、2個、又は数個の等しいか種類の異
なる置換基(官能基)で置換されていることも可能であ
る。その場合には、下記のような置換基が特に重要とな
る。遊離の、エーテル化した又はエステル化したヒドロ
キシ;メルカプト、低級アルキルチオ、及びときとして
置換されているフェニルチオ基;塩素及び弗素、又はさ
らに臭素及びヨードのようなハロゲン原子;ホルミル基
(即ちアルデヒド基)やケト基の形で存在するオキソ
基、さらに対応するアセタール又はケタールとして存在
するオキソ基;アジド基及びニトロ基;第一、第二及び
好ましくは第三アミノ基、普通の保護基によって保護さ
れている第一又は第二アミノ基、アシルアミノ基及びジ
アシルアミノ基、ときとして官能的に変性されているス
ルホ基、例えばスルファモイル基又は塩の形で存在する
スルホ基、これらの総ての官能基は、特に酸素、硫黄又
は窒素のようなヘテロ原子への自由原子価が出ているC
原子の場所に位置しているべきではなく、2個又は数個
のC原子によって、この自由原子価から(即ちヘテロ原
子から)これらの官能基が隔てられていることが好まし
い。ヒドロカルビル基は遊離のカルボキシル基や官能的
に変性されたカルボキシル基、例えば塩の形で存在する
カルボキシル基やエステル化したカルボキシル基を有す
ることも可能であり、或は1個又は2個の炭化水素基を
持つカルバモイル、ウレイドカルボニル又はグアニジノ
カルボニル基、及びシアン基を有することもときとして
可能である。
ヒドロカルビル中に置換基として存在するエーテル化
ヒドロキシ基は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ及びtert.ブトキシ基の
ような低級アルコシキ基であり、それは置換されていて
もよい。例えばこのような低級アルコシキル基は、ハロ
ゲン原子によって、例えば2,2,2−トリクロルエトキ
シ、2−クロルエトキシ又は2−ヨードエトキシ基にお
けるように、特に2位の位置で置換されていることもで
き、或は低級アルコシキ基によって、例えば2−メトキ
シエトキシ基におけるように、2位の位置で置換されて
いることもできる。エーテル化ヒドロキシ基の特に好ま
しい形はオキサアルキル基であり、その場合には、アル
キル、好ましくは直鎖状のアルキル中に数個のC原子の
代わりに酸素原子が存在し、その酸素原子が好ましくは
数個の(特に2個の)C原子によって隔てられており、
こうしてときとして多数回反復される基(−O−CH2C
H2n -が形成され、この場合のnは1から14である。
また、エーテルヒドロキシ基は、とりわけベンジルオ
キシ、ベンズヒドリルオキシ、及びトリフェニルメトキ
シ(トリチロキシ)のようなときとして置換されたフェ
ノキシ及びフェニル低級アルコキシ基でもあり、さらに
とりわけ2−テトラヒドロピラニルオキシのようなヘテ
ロシクリルオキシ基でもある。エーテル化水酸基の特定
のものとしては、メチレンジオキシ基及びエチレンジオ
キシ基が挙げられ、メチレンジオキシは通常特にアリー
ル基中の隣接した2個のC原子において置換しており、
エチレンジオキシは1個の同一C原子と結合して、オキ
ソのための保護基の役目を果たしている。
ヒドロカルビル中に置換基として存在するエステル化
ヒドロキシ基は、Ac1基の場合と同様にC原子の合計数
内で置換されていることが可能な、最高12個のC原子か
らなるアシル基Ac0を有しているか、またはヒドロカル
ビル中に存在しているカルボキシル基によってラクトン
化されている。
ヒドロカルビル中に置換基として存在するエステル化
カルボキシル基は、前に特徴付けた炭化水素基、好まし
くは低級アルキル又はフェニル低級アルキル基によって
水素原子が置き換えられているものである。エステル化
カルボキシル基の実施としては、特にメトキシ−、エト
キシ−、tert−ブトキシ−、及びベンジルオキシ−カル
ボニル基が挙げられ、ラクトン化したカルボキシル基も
挙げられる。
ヒドロカルビル中に置換基として存在する第一アミノ
基−NH2は、この基に対応するアシルアミノ基−NH−Ac0
として保護された形で存在することも可能であり、この
場合のAc0は前に特徴付けた意味を持つ。第二アミノ基
は2個の水素原子のうちの1個の代りにヒドロカルビル
基、好ましくは非置換のもの、例えば前に列挙したもの
を有しており、そして下記にその特徴を示す1価のアシ
ル基Ac0 aを持つアシルアミノ基として、保護された形で
存在することも可能である。
アミノ保護基としての役目を有するアシル基Ac0 aは、
好ましくは炭酸半誘導体から誘導され、好ましくは、場
合によっては特に低級アルキルにより、低アルコキシに
より、ニトロにより及び/又はハロゲンにより置換され
ている低級アルコキシカルボニル又はアリール低級アル
コキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、2,2,2−ト
リクロルエトキシカルボニル、2−ヨードエトキシカル
ボニル、ベンジルオキシカルボニル、2−フェニル−2
−プロポキシカルボニル、2−p−トリル−2−プロポ
キシカルボニル、2−(p−ビフェニリル)−2−プロ
ポキシカルボニル又は9−フルオレニルメトキシカルボ
ニルである。
ヒドロカルビル中に置換基として存在する第三アミノ
基は、2個の異なった又は好ましくは等しい、前に特徴
付けたようなヒドロカルビル基(複素環基をも含む)を
有している。
好ましいアミノ基は の形をしたアミノ基であり、ここで、R1及びR2は相互に
独立に、水素、非置換非環式C1−C7ヒドロカルビル(例
えば特にC1−C4アルキル又はC1−C4アルケニル)であ
り、或はC1−C4アルキルにより、C1−C4アルコキシによ
り、ハロゲンにより及び/又はニトロにより場合によっ
ては置換されており最高10個のC原子を有する単環式ア
リール、アラルキル又はアラルケニルであり、その場合
に炭素含有基は、炭素−炭素結合によって結合している
か、或は酸素原子、硫黄原子、又はヒドロカルビルによ
ってときとして置換されている窒素原子によって相互に
結合していることも可能である。その1例として、その
ものはアミノ基の窒素原子と共に窒素含有複素環を形成
する。特に好ましい遊離のアミノ基の実例としては下記
のものが挙げられる。それはジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、のようなジ−低級アルキルアミノ、ピロリジ
ノ、ピペリジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ及び
ピペラジノ又は4−メチルピペラジノであり、ときとし
て低級アルキルにより、低級アルコキシにより、ハロゲ
ンにより及び/又はニトロによって置換されているジフ
ェニルアミノ及びジベンジルアミノである。保護された
アミノ基としては、tert−ブトキシカルボニルアミノの
ような特に低級アルコキシカルボニルアミノが挙げら
れ、4−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノのよ
うなフェニル低アルコキシカルボニルアミノ、さらには
9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノも挙げられ
る。
アシル基R0−C(=O)−中の好ましいヒドロカルビ
ル基R0は、例えばC1−C19−アルキルであり、特に5個
以上のC原子が直鎖状に連結し、下記のような置換基を
有しているものである。そのような置換基とは、塩の形
でもしくはシアノ基として又はC1−C4アルキルエステル
(C1−C4−アルコキシカルボニル基)として存在するこ
とができ、そして好ましくはω位に位置しているカルボ
キシル基であり、或は、前に定義した の形をした、好ましくはR1とR2のそれぞれが水素であ
り、好ましくは1位に位置しているアミノ基でもあり、
或は1個又は数個のハロゲン原子で、好ましくはカルボ
ニル基の燐位に位置している特に弗素または塩素でもあ
る。その他の好ましいアシルAc1 aは、二環式又は特に単
環式アロイル、特にベンゾイルであり、それは下記の置
換基のうちの1個又は数個の置換基を有していることも
有り得る。そのような置換基とは、特に塩素又は弗素の
ようなハロゲン原子、ニトロ基、特にメチルのようなC1
−C4アルキル基、ヒドロキシ基、及びエーテル化ヒドロ
キシ基、特にC1−C4アルコキシ、例えばメトキシ、フェ
ノキシ、及びメチレンジオキシ並びに、塩の形で又はシ
アノ基としてもしくはC1−C4アルキルエステル(C1−C4
アルコキシカルボニル)として存在することも可能なカ
ルボキシル基である。好ましくはアロイル基は2個以下
の、特に1個だけの前記の置換基を有している。類似の
ヘテロアロイル基、特に、ピリジン、フラン、チオフェ
ン、イミダゾール、及び縮合ベンゾ環を有するそれらの
類似体(例えば、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラ
ン、及びベンズイミダゾール)から誘導され、前記のよ
うにときとして置換されている類似のヘテロアロイル基
も好ましい。また、この種の好ましいアシル基は、ベン
ジル及びスチリルから誘導することも可能であり(即ち
フェナセチル及びシナモイル)、それらも前記のように
置換されていることも有り得る。
この種のアシル基Ac1 aは、デスフェリオキサミンBの
アミノ基の窒素原子と共に対応するアシルアミドを形成
するが、その中でもAc1 aが前記の意味を持つアシルアミ
ドが特に好ましい。例えば下記のようなカルボン酸から
誘導される。デスフェリオキサミンBのN−アシル誘導
体が挙げられる。最高20個の炭素原子を有する脂肪族モ
ノカルボン酸、例えば低級アルカンカルボン酸、例えば
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、
カプロン酸、トリメチル酢酸、エナント酸、ジエチル酢
酸、及び特に酢酸、さらにはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、及びステアリン酸、さらには油酸、
エライジン酸、リノール酸、リノレイン酸、しかしさら
に対応するハロゲン化低級アルカンカルボン酸例えばク
ロル酢酸、ブロム酢酸又はα−ブロムイソ吉草酸:炭素
環式又は炭素環式−非環式モノカルボン酸例えばシクロ
プロパンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸、及びシクロペンタン酢酸、シク
ロヘキサン酢酸、シクロペンタンプロピオン酸又はシク
ロヘキサンプロピオン酸;前記のように1箇所又は数箇
所で置換されていることが可能な、例えば安息香酸のよ
うな芳香族炭素環式カルボン酸;アリール−又はアリロ
キシ−低級アルカンカルボン酸、及び分子鎖が不飽和の
その類似化合物、例えば前に安息香酸について記載した
ように、ときとして置換されているフェニル酢酸、フェ
ノキシ酢酸、フェニルプロピオン酸及び桂皮酸;複素環
酸、例えばフラン−2−カルボン酸、5−tert−ブチル
フラン−2−カルボン酸、チオフェン−2−カルボン
酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、4−ピリジンプロピ
オン酸、及び、ときとして低アルキル基によって置換さ
れているピロール−2−カルボン酸又はピロール−3−
カルボン酸;α−アミノ酸、例えば、特に天然のL体の
α−アミノ酸、例えば、好ましくはNが保護された形
の、即ちアミノ基が前記のような普通のアミノ保護基で
置換されているグリシン、フェニルグリシン、プロリ
ン、ロイシン、バリン、チロシン、ヒスチジン及びアス
パラギン;ジカルボン酸、例えば蓚酸、マロン酸、モノ
もしくはジ低級アルキルマロン酸、コハク酸、グルター
ル酸、アジピン酸、エルカ酸、マレイン酸、又は、場合
によっては弗素、塩素もしくは臭素のようなハロゲン及
び/又は低級アルキル、ヒドロキシ、低アルコキシ及び
ニトロによって置換されているフタール酸、キノリン
酸、イソキノリン酸又はフェニルコハク酸、さらには、
好ましくは保護されたアミノ基を持つグルタミン酸及び
アスパラギン酸。既に記載したように、この第2番目の
カルボキシル基は、遊離の形だけではなく、官能的に変
性されていてもよく、例えばC1−C4アルキルエステル又
は塩として、好ましくは塩形成塩基成分を有する生理的
に無害な塩として存在することも有り得る。特に重要と
なるのが、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属塩及びア
ルカリ土類金属塩、並びにアンモニア又は適当な有機ア
ミンとのアンモニウム塩のような、金属塩及びアンモニ
ウム塩である。
炭酸モノエステルから誘導されるアシル基Ac1 bは、部
分構造R0−O−COによって特徴づけられる。デスフェリ
オキサミンBの基本構造と共にこのアシル基は、対応す
るN−モノ置換ウレタンを形成する。このようなアシル
基の例としては、R0が非環式ヒドロカルビル基の下記の
ような好ましい意味を持つアシル基が挙げられる。C3
C5−アルキル基本構造を除外すると各基が直鎖状の(枝
分かれがしていない)アルキル鎖から構成されている、
C1−C20−アルキル、1位以外の任意の位置、好ましく
は2位にヒドロキシ基が位置しているC2−C20−ヒドロ
アルキル、1位かω位にシアノ基が位置しているシアノ
−〔C1−C20〕−アルキル、又は、好ましくは1位かω
位にカルボキシル基があり、ときとして塩の形で又はC1
−C4アルキルエステル(C1−C4−アルコキシカルボニ
ル)としてもしくはベンジルエステル(ベンジルオキシ
カルボニル)として存在することが有り得るカルボキシ
−〔C1−C20〕−アルキル、並びに、二重結合をしたC
原子の位置に自由原子価が存在していないC1−C20−ア
ルケニル;直鎖状のC4−C20−アルキルの中の1個又は
数個のC原子が酸素原子によってC−3から始まって置
換されており、その場合に酸素原子同志は少なくとも2
個のC原子によって隔てられており、好ましくは3,6,9,
12,15、及び18位に酸素原子が位置している、4−20個
の鎖構成員を有する直鎖状(モノ、ジ、ヘキサまでの)
オキサアルキル、この場合には、nが1から19を意味す
る−(CH2−CH2−O−)n低級アルキルが特に好まし
い。さらに、R0が炭素環式又は複素環式、さらには炭素
環式−非環式又は複素環式−非環式ヒドロカルビル基の
下記の意味を有するAc1 b基も挙げられる。それは下記の
置換基の1個または数個を有することが可能な二環式又
は好ましくは単環式のアリールであり、特にフェニルで
ある。そのような置換基とは、ハロゲン原子、特に弗素
及び塩素、C1−C4−アルキル基、特にメチル、C1−C4
アルコキシ基、特にメトキシ、メチレンジオキシ、ニト
ロ基及び/又は、遊離の形か、塩の形かまたはC1−C4
アルキルエステルとして、特にメトキシカルボニル又は
エトキシカルボニルとして存在し得るカルボキシ基であ
る。アシル基は、2個以上の置換基を持たず、それは種
類が等しいか又は1個だけの置換基であることが好まし
い。置換基を持たないアシル基が特に好ましい。好まし
い複素環式ヒドロカルビル(ヘテロシクリル)基として
重要なのは、前記のアリール基に類似しており、1個又
は2個のC原子の代わりに1個ずつのヘテロ原子、特に
窒素原子を持ち、自由原子価が1個のC原子に局在して
いるピリジル、キノリル、又はキナゾリルのような基で
ある。好ましい炭素環式−非環式及び複素環式−非環式
ヒドロカルビル基は、前に定義した環基のうちの2又は
3個、好ましくは1個だけの、好ましくは置換されてい
ない環基がC1−C3−アルキルに担持されている基であ
り、その場合に好ましくはすべてが1個の、好ましくは
末端のC原子に局在している。最も好ましいのは非置換
ベンジルである。
アシル基Ac1 b中の特に好ましいヒドロカルビル基R0
しては、例えば下記のものが挙げられる。それは、塩、
シアノ又はC1−C4−エステルのように官能的に変性され
た形で存在し好ましくはω位に位置しているカルボキシ
ル基によって置換されていることも有り得る、好ましく
は直鎖状である非環式ヒドロカルビル、特にC1−C20
アルキルであり、又、前に特に好ましいものとして特徴
づけている。4−20個の鎖構成員を有する類似の(モノ
〜ヘキサ)のオキサアルキルでもある。さらに、例えば
前に好ましいものとして記載した、ときとして置換され
ているフェニル基及びベンジル基も好ましいR0基であ
る。
さらに、アシル基は炭酸のアミドからも誘導され、そ
れは次の式: で特徴づけられ、この場合にR1とR2は前述の意味を持
つ。デスフェリオキサミンBのアミノ基窒素原子とこの
アシル基とは対立する尿素を形成する。
この種の好ましいアシル基として特に列挙することが
出来るのは、R1とR2のうちの片方が水素であり、もう片
方がC1−C7−アルキル基、好ましくはC1−C5−アルキル
基であるアシル基であり、その場合のアルキル基はヒド
ロキシ、メルカプト、メチルチオ、フェニル、p−ヒド
ロキシフェニル、p−メトキシフェニル、2−インドリ
ル、2−イミダゾリルにより、そして特に1個又は複数
個のカルボキシル基(遊離の形か、C1−C4−アルコキシ
カルボニル、カルバモイル、又はアミジノのように官能
的に変性された形の)によって置換されていることも可
能であり、その場合に遊離の形の又は官能的に変性され
た形のカルボキシル基は好ましくは1位に位置してい
る。これらの、このように置換されたC1−C7−アルキル
基は、その自由原子価がβ−アラニン、γ−アミノ酢酸
又はノルバリンのような一般的なアミノ酸のアミノ基、
及び天然ペプチドの構成単位として存在するL体α−ア
ミノ酸又はその対掌体のアミノ基に代って存在するよう
な基に対応する。式Ac1 cの特に好ましいアシル基は、R1
が水素を意味し、R2がC1−C4−アルコキシカルボニルに
よって1位において置換されているC1−C5−アルキルを
意味するアシル基である。
特定のアシル基としては、式Cl−SO2−NH−CO−(ク
ロルスルフォニルアミノカルボニル)で示されるアシル
基が挙げられるが、このアシル基はほかの官能化への興
味深い可能性を有している。
Ac2で示されるそのほかの有機アシル基Acとしては、
非環式、炭素環式、又は複素環式、さらに炭素環式−非
環式又は複素環式−非環式スルホン酸から誘導されるア
シル基があり、それは部分構造式R0−O−SO2−又はR0
−SO2で示され、その場合にR0は前に記載した一般的な
意味、及び特に好ましい意味を持つヒドロカルビルを意
味する。Ac2基を有する本発明の化合物の中では、R0がC
1−C7−アルキル、特に直鎖状のC1−C7−アルキルであ
り、又は、前に記載したアロイル基の場合と同様に置換
されていることも有り得る、特にフェニルのような、二
環式又は単環式アリールである化合物が特に挙げられる
だろう。類似の構造を持つ二環式及び単環式の芳香族複
素環基を挙げることも可能で、そのような場合には2−
又は4−ピリミジル、キノリル、又はイソキノリルのよ
うに、1個または2個の炭素原子がヘテロ原子によって
置き換えられている。複素環基の場合にも、特にアロイ
ルについて記載したような置換基を持つことが可能とな
る(この場合に例えばヒドロキシル誘導体は二重結合の
プロトンが移動して互変異性体デヒドロオキソ誘導体に
等しい)。特定の形としては、O=C=N−SO2−(イ
ソシアナートスルホニル)基が挙げられる。この種の特
に好ましいアシル基は、N−(低級アルコキシスルホニ
ル)−カルバモイル、及び低アルキル(−O−CH2−C
H2n−CO−O−NH−SO2の形で示される基であり、その
場合にnは1〜19を意味する。
そのほかの有機アシル基としては、りん酸から誘導さ
れるアシル基Ac3が挙げられる。これは例えばピロりん
酸又は特にオルトりん酸から誘導されるヒドロカルビル
エステル又はアミドである。本発明に基づくアシル基Ac
3のうちでは、部分構造式: で示されるアシル基が特に挙げられ、その場合R1及びR2
は前に記載した、水素以外の一般的な意味、及び特に強
制された意味を持ち、好ましくはR1とR2とは同一であ
り、非置換C1−C7−特にメチル又はエチルのような直鎖
状の基であり、又は、ときとして特にC1−C4−アルキル
により、C1−C4−アルコキシにより、ハロゲンにより及
び/又はニトロにより置換されているフェニルである。
好ましいアシル基Acは、C2−C20−アルカノイル、ベ
ンゾイル、C18−アルケノイル、(C1−C12−アルコキ
シ)−カルボニル、nが1から19までの−CO−O−(CH
2−CH2−O−)n低級アルキル基、クロルカルボニル、
(1−イミダゾリル)−カルボニル、N−ジ−低級アル
キル−カルバモイル、アルキル部分の1位又は2位が
(C1−C4−アルコキシ)−カルボニルによって置換され
ている(C1−C5−アルキル)−アミノカルボニル、N−
(クロロスルホニル)−カルバモイル、N−(低級アル
コキシスルホニル)−カルバモイル、又はnが0から19
までの−SO2−NH−CO−O−(CH2−CH2−O−)n低級ア
ルキルである。
一般に、アシル基がクロルカルボニル、(1−イミダ
ゾリル)カルボニル又はN−(クロルスルホニル)−カ
ルバモイルである反応生成物は、その先の反応段階でク
ロル置換によって式(I)の他の生成体に転換され、そ
の場合にアシル基Acは、前述の意味を持つことが好まし
い。
本発明に従って使用されるアシル基Ac導入剤として
は、通常の、この目的のために一般的に使用されるアシ
ル化剤が使用される。特に式AcY(III)のアシル化剤が
使用され、その場合にAcは例えばAc1,Ac2,Ac3につい
て前方に記載した一般的に意味、及び好ましい意味を持
ち、Yは反応性に富む、官能的に変性されたヒドロキシ
基であり、又はカルボニル基に対してα位にある原子の
水素原子に取って替わる、Ac基中の付加的な結合を意味
する。
前に定義したカルボン酸のアシル基Ac1から誘導され
るアシル化剤は、特に次の式(IIIA): Z−X−C(=O)−Y (IIIA) で表されるアシル化剤であり、その場合にX及びZは前
に記載した意味を持ち、Yは反応性に富む、官能的に変
性されたヒドロキシ基、又は付加的な、単なる結合を意
味し、その場合にその他端はイミノ基(Xが−NH−を意
味する場合)中の又はヒドロカルビル基R0(Xが単なる
結合を意味し、そしてZが適当なヒドロカルビル基R0
意味する場合)の最初のC原子の水素原子に取って替わ
るものである。
反応性に富む、官能的に変性されたヒドロキシ基はと
りわけエステル化ヒドロキシ基であり、例えばそれは、
塩酸、臭化水素酸、又はヨウ化水素酸などのハロゲン化
水素酸のような無機強酸、アゾイミド又はイミダゾール
(1−N−原子からの水素原子の離脱)のようなシュー
ドハロゲン化水素酸、リン酸や特に硫酸のような酸素含
有無機酸、或は脂肪族スルホン酸や芳香族スルホン酸
(例えばメタン−、エタン−、ベンゾール−、p−トル
エン−、p−ニトロベンゼン−、及びp−クロルベンゼ
ン−スルホン酸)のような有機強酸によってエステル化
されている。その場合に、この種のエステル化基は、ア
シル基と混合型無水物を形成する。そのうちでも特に目
立つのは、ハロゲン化水素酸並びにシュードハロゲン化
水素酸との混合型無水物であり、それは例えば式: Z−X−C(=O)−Hal で示される酸プロミド、酸クロリド、及び1−イミダゾ
リル誘導体であり、その場合にHalは臭素又はアジド、
好ましくは塩素又は1−イミダゾリルを意味し、ZとX
は前に記載した意味を持つ。ホスゲンと毒性の低いその
類似化合物ビス−(1−イミダゾリル)−カルボニル
(及び類似試薬)も、この種の試薬として挙げられるだ
ろう。これらは通常等モルで使用され、二番目の、反応
に富む基Yが生成物中に含まれ、そして後から変化させ
てやることが出来る。
好ましい酸クロリドは、特に、C2−C20−アルカン酸
クロリド、ベゾイルクロリド、C18−アルケン酸クロリ
ド、クロル蟻酸−(C1−C12−アルキル)−エステル、
式Cl−CO−O−(CH2−CH2−O−)n低級アルキルで示
され、その場合にnは1から19までの意味を持つクロル
蟻酸エステル、並び式Cl−CO−NH−(C1−C5−アルキレ
ン)−COO−(C1−C4−アルキル)で示されるクロル蟻
酸エステルの中から選択される。
反応性に富むエステル化ヒドロキシ基は、ほかのカル
ボン酸残基、例えば蟻酸、クロル酢酸又は特にトリフル
オル酢酸のような特に強カルボン酸の残基によってエス
テル化されることも可能であリ、その場合は混合型無水
物が生成されるが、さらに同種のアシル基によってエス
テル化されることも可能であり、その場合には式Ac1
O−Ac1、特に式R0−CO−O−CO−R0又はR0−O−CO−
O−CO−O−R0で示される対称型カルボン酸無水物が生
成される。
アシル基Ac2とAc3において、Yの好ましい意味は、前
方に記載したような反応性に富む、強酸によってエステ
ル化されたヒドロキシ基であり、それはアシル基との間
で混合型無水物を生成する。そのうちでも特に強調され
るのは、ハロゲン化水素酸、特に臭化水素酸及びとりわ
け塩化水素酸との混合型無水物であり、すなわち例えば
で示される酸プロミド又は酸クロリドであり、その場合
にHalは臭素及び好ましくは塩素を意味し、R0,R1、及
びR2は前述の意味を持つ。
YがR0基に対する付加的結合又は−NH−を意味する式
(IIIA)で示されるアシル化剤は、特にカルボニル基の
隣接原子(即ち隣接炭素原子又は窒素原子)に水素原子
を付けているカルボン酸のアシル基Ac0から誘導され
る。これはケテン又はイソシアネートの範疇に属し、R1
a=C=0又はR0−N=C=0の式に対応し、その場合
にR0は前に定義した意味を持ち、R0 aはヒドロカルビリ
デン、即ち脂肪族性のR0に相当する2価の残基の意味を
持ち、ここで官能性炭素原子は隣接する炭素原子及び/
又は水素原子と単一の結合によって結合している。この
種の特定の化合物としては、クロルスルホニルイソシア
ネート(ClSO2−N=C=O)が挙げられる。この化合
物を使用する際には、通常、反応性に富む2個の原子団
のうちの1個のみ、好ましくはイソシアネート基のみが
反応するようにする。アシル化には当量の化合物を使用
することが好ましい。
式(III)で示されるアシル化剤を使用して実施す
る。本発明に基づく反応は、アミンのアシル化において
有機化学で一般的とさえている反応条件下で行うが、温
度は反応混合体の凝固点と沸点との間の温度、例えば約
−10℃から約+160℃、特に約+20℃から約+50℃と
し、反応圧は大気圧又は高圧とし、攪拌又は振盪下不均
一相(例えば懸濁)で、又は、例えば過剰の液体試薬を
使用したり特に有機溶媒を使用するなどとりわけ均一相
で、ときとしては酸結合性の無機又は有機化合物の存在
下で実施する。
適切な溶媒は、例えば、クロロホルム及びジクロメタ
ンのようにハロゲン化脂肪族炭化水素、特にクロル化脂
肪族炭化水素のような低極性非プロトン性有機溶媒であ
り、とりわけ脂肪族エーテル及び環式エーテルのような
極性非プロトン性溶媒、例えばジエチルエーテル、1、
2−ジメトキシエタン、及びジイソプロピルエール、並
びにジオキサンとテトラヒドロフランでもあり、エチル
アセテート、ホルムアミド、アセとアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、及びジメチルホルムアミドのような
低級脂肪族エステル及びアミンでもあり、さらにアセチ
ニトリル、ジメチルスルホキシド、及びヘキサメチルり
んトリアミドでもある。これらの溶媒は、例えば反応成
分の溶解性を高めるために、種類を組み合わせて使用す
ることも可能である。
酸結合剤としては、原則的に任意の塩基性化合物を使
用することが出来るが、それは例えばトリメチルアミン
型、エチルジイソプロピルアミン型、N,N−ジメチルア
ニリン型、N−エチレンピペリジン型、又はN,N′−ジ
メチルピペラジン型の第三アミンや、ピリジン型、コリ
ジン型、キノリン型、又は4−ジメチルアミノピリジン
型の芳香族複素環式塩基でもよく、或は水酸化アルカリ
金属、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属炭酸水素
塩のような塩基性無機化合物、並びに酢酸ナトリウム又
は酢酸カリウムのようなカルボン酸塩でもある。結局、
窒素含有中性化合物でもこのような作用を現すことが可
能であり、それは同時に有利な溶媒となることもしばし
ばであり、それは例えばカルボン酸アミド、特に前述の
ような低脂肪族カルボン酸アミド、及びN−メチルピロ
リドンのような環式アミド、並びにウレタンや尿素のよ
うな炭酸アミド誘導体でもある。逆に、特にピリジン型
塩基のような前述の塩基は溶媒としても役に立つ。
アシル化の根底にある原理は常に等しく、同じ基本方
式によって反応が行われるとはいえ、実施においては、
反応成分の特性、とりわけ式(III)の反応成分の特性
を考慮することが最適な成績を得るために必要となる。
アシル化剤として前に記載した混合型無水物又は対称
型無水物を使用してアシル化を行う際には、好ましくは
前に記載したような酸結合剤の存在下で反応を行い、酸
結合剤は特に当量を又は僅かに過剰となるような量(通
常は2当量を超過しない)を使用する。アシル化にイソ
シアネートを使用する場合には、その性質上、酸結合剤
の非存在下でもアシル化を実施することが出来るが、水
分及び/又はプロトン性溶媒を除外することが推奨され
る。
遊離のカルボキシル基、ヒドロキシ基、及び特にアミ
ノ基のように、アシル化を実施している最中に一緒に反
応してしまうような官能基でヒドロカルビル基R0が置換
されている場合には、これらの官能基を一時的に保護す
るか、好ましくはアシル化剤として使用する段階で既に
保護された形のものを使用し、アシル化の終了後に保護
基を外す。
例えば、カルボキシル基を保護するための一般的な方
法はエステル化である。エステル化したカルボキシル基
を遊離するには、特に塩基(特に水酸化アルカリ金属炭
酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩)を作用させて常套的な
加水分解を通常行うか、或は第三アルコール(例えばte
rt−ブチルアルコール)エステルのように酸加水分解が
ふさわしいエステルの場合には、例えばフッ化水素酸や
トリフルオル酢酸を使用して酸加水分解を行う。ベンジ
ルアルコールエステルは、常套的な水素添加分解によっ
ても分解させることが出来る。
ヒドロキシ基を一時的に保護するために使用される基
及び離脱法も、例えばペプチド合成によって一般的に公
知されているものである。ヒドロキシ基を保護するに
は、低級アルカン酸や炭酸モノエステルのようなカルボ
ン酸を使用してエステル(例えばホルミエートやアセテ
ート又はtert−ブトキシカルボネートやベンジロキシカ
ルボネート)の形にするか、或は第三アルコール(例え
ばtert−ブチルアルコール)エーテルのようなエーテル
の形にするか、或はアセタール(例えば特に2−テトラ
ヒドロピラニルエーテル)の形にする。エステル化保護
基は通常エステル化カルボキシル基の場合と同様にして
分解される。エーテルとアセタールは主に酸加水分解に
よって分解される。
第一アミノ基と第二アミノ基を一時的に保護するため
に使用される保護基は、ペプチド合成の際に詳細に研究
され広く使用されている保護基である。好ましくは前に
記載したアミノ保護基が使用される。保護基の離脱は保
護基に備わっている特異的な性質を考慮して行われる
が、ソルボリシス(特に塩基加水分解又は酸加水分解)
や水素添加分解による一般的な条件のもとで行われる。
官能的に変性された基を常套的に分解するに際して
は、デスフェリオキサミンB中のアシル基とアミノ基間
の結合やデスフェリオキサミンBの基本構造に悪影響を
及ぼさないような一般的条件が選択される。
本発明に基づいて第二の反応段階として実施される0
結合有機シリル基の離脱は、シリルエーテルやシリルエ
ステル中のケイ素−酸素結合を分解するために有機化学
において実施され、一般的に使用されている方法に従っ
て、特にソルボリシスによって行われる。そのような場
合には、主にアルコール分解による普通の条件で分解を
行うことが可能であり、例えば低級アルカノール処理、
特にメタノール処理によって分解を行うが、その場合に
は例えば反応溶媒として使用される有機塩基の酸塩(例
えばピリジンクロリド)のような酸性触媒の存在下で分
解を行うことが好ましい。このような方法のもとでは、
易揮発性の単純シリルエーテル(特にトリメチルシリル
メチルエーテルのような)が生成されて、それは蒸留に
よって多くは溶媒と共に簡単に除去されるという利点を
有している。
本発明は、製造のある段階で中間産物として得られる
化合物から出発しそして残りの反応段階実施する変法に
も関し、また特に、原料物質として使用するデスフェリ
オキサミンBのN,O−シリル誘導体を反応条件下で生成
する方法にも関する。この種の誘導体は、デスフェリオ
キサミンBやその酸付加塩(又は部分的にO−アシル化
された対応する類似体)に適当なシリル化剤(本明細書
の後方を参照)、特にトリメチルクロルシランやジメチ
ルジクロルシランを後に記載する条件下で反応させるこ
とによって得られ、さらにアシル化剤によるアシル化も
同じ反応溶媒を使用して行われる。通常のシリル化剤と
の反応並びに本発明に基づくアシル化剤との反応は、好
都合なことには同じ条件下、特に同じ溶媒中で行われ、
その際に両試薬は相互に通常では反応を生じることがな
いので、本発明に基づくアシル化はシリル化反応(即ち
その場での原料物質の製造)に継続して同じ反応溶媒中
で、ときとしては過剰のシリル化剤の存在下で行われる
という長所を有している。この方法に適した溶媒は例え
ば前に記載した極性非プロトン性溶媒及び/又は例えば
ピリジンのような第三有機塩基である。とりわけ継続し
て実施するO−結合シリル基の離脱(過剰のシリル化剤
及び/又はアシル化剤をも同時に分解される)も同じ反
応溶媒中で行うことが可能で、特にそれはシリル化とア
シル化が終了した反応混合物に好ましくはメタノールの
ような低級アルカノールを添加することによって行われ
る。この場合の反応溶媒としては前述の極性非プロトン
性溶媒及び特に第三有機塩基が適している。この場合ア
ルコール分解はシリル化剤とアシル化剤の分解によって
生じる強酸(特に塩酸)の触媒的な影響によってさらに
加速される。
本発明に基づく方法にアシル化剤として使用される式
(III),(IIIA)、及び(IV)の化合物は、公知の化
合物であるか、或は有機化学において一般的に公知され
ている製造方法に基づいて日常的に得ることが出来る化
合物である。
出発物質として使用されるデスフェリオキサミンBの
N,O−シリル化誘導体、特に前に定義した式(II)の誘
導体は新規の物質であり、本発明の対象の一部をも形成
している。前方に記載した式(II)の好ましい化合物
は、B,B1 o,B2 o,及びB3 oのすべてが同じ意味であり、
冒頭で定義した有機シリル基Silのうちの一つの意味を
持つ化合物であり、特にそれはBがトリ−(C1−C6−ア
ルキル)−シリル、とりわけトリメチルシリル又はジメ
チルクロルシリルを意味する化合物である。
これらの化合物は、それ自体公知であり、有機化合物
のN−及びO−シリル化のために一般的に使用されてい
る方法によって得ることが出来る。本発明の対象の一部
をも形成しているその製造方法においては、例えばデス
フェリオキサミンB(その塩の形をも含む)や部分的に
O−アシル化されたその誘導体、特に一般式 (式中記号A1,A2,及びA3のうちの少なくとも1個が
水素を意味し、残りの記号が相互に独立に水素か前に定
義した意味を持つアシル基Acを意味する)で示される化
合物を、Silが冒頭に記載した意味を持ちHalが臭素又は
特に塩素である式Sil−Hal(VI)で示されるシリル化剤
と反応させるという方法が取られる。
この場合には、記号SilとAcが前に強調した意味を持
つ化合物、即ちA1,A2,及びA3の総てが水素である式
(V)のデスフェリオキサミンB及び、トリ−(C1−C6
−アルキル)−シリルクロリド、とりわけトリメチルシ
リルクロリド又はジメチルジクロルシランも式(VI)の
好ましい試薬である。既に記載したように、デスフェリ
オキサミンBは塩の形で使用することも可能であり、と
りわけ塩酸又はメタンスルホン酸のような強酸によって
形成される酸付加塩を使用することも可能で、このよう
な塩から基本物質を遊離させるためには塩基性反応溶媒
が使用される。
シリル化はこの反応の一般的な条件下で行われるが、
例えば反応温度は反応混合体の凝固点と沸点との間の約
−10℃から約+80℃、好ましくは0℃から室温までの間
とし、好ましくは大気圧下で攪拌又は振盪を行いながら
不均一相(例えば懸濁)で行うか、或いは有機溶媒に溶
解させた均一相で行い、通常過剰のシリル化剤を使用
し、酸結合性の無機化合物又は有機化合物の存在下で行
う。これに適した溶媒は、ペンタン型、ヘキサン型、ペ
プタン型、シクロヘキサン型、ベンゼン型、トルエン型
及びキシレン型の脂肪族並びに芳香族炭化水素のような
低級極性非プロトン性有機溶媒か、クロロホルムやジク
ロメタンのようなハロゲン化、特にクロル化脂肪族炭化
水素か、或は例えばジエチルエーテル、1,2−ジメトキ
シエタン及びジイソプロピルエーテルのような脂肪族並
びに環式エーテル、ジオキサンとテトラヒドロフラン、
エチルアセテート、ホルムアミド、アセトアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドのよ
うなエステル及びアミド、アセトニトリル、ジメチルス
ルフオキシド、及びヘキサメチルりん酸トリアミドのよ
うな極性非プロトン性溶媒である。酸結合剤としては、
例えばトリエチルアミン型、エチレンジイソプロピラミ
ン型、N,N−ジメチルアニリン型、N−エチルピペリジ
ン型又はN,N′−ジメチルピペラジン型の第三アミンの
ような有機窒素含有塩基か、ピペリジン型、コリジン
型、キノリン型又は4−ジメチルアミノピリジン型の芳
香族複素環式塩基が使用される。
既に記載したように、式(II)の原料物質は反応混合
物からあらかじめ分離せずに直接N−アシル化に使用す
ることが出来る。所望の場合には、蒸留、クロマトグラ
フィー及び結晶化のような普通の分離方法によって純粋
な形で得ることも出来る。
本発明は式(I)の化合物の製造するための多段階か
らなる方法に関するものでもあり、その際にはまず最初
に式(V)の化合物をシリル化し、得られた(II)の化
合物をアシル化し、その後に結合しているシリル基を離
脱させる。
下記に記載する実施例は本発明の実例を示すものであ
るが、本発明はそれによっていかなる制約をも受けな
い。温度は摂氏(℃)で表示されている。
下記に記載する実施例において、カーボワックスはポ
リエチレングリコールモノエーテルに対する合衆国Unio
n Carbide社の商標である。例えばカーボワックスMPEG5
50のように詳しく表示されている数字は、おおよその平
均的な分子量を示している。カーボワックスMPEG550
は、式−CH2−CH2−O−で表される単位構造を平均12個
持つポリエチレングリコール−ω−モノメチルエーテル
混合物質である。それと同様に、カーボワックスMPEG75
0は平均16個のエチレンオキシ構造単位を有するポリエ
チレングリコール−ω−モノメチルエーテル混合物質で
ある。
実施例1.N−パルミトイル−デスフェリオキサミンB 100mlのピリジン中66g(100mMol)のデスフェリオキ
サミンB−メタンスルホネートの懸濁液に、10分間で12
6ml(1000mMol)のトリメチルクロルシラン(TMCS)を
加えて、3時間室温で攪拌し、その後に30℃のもとに10
分間で30g(11mMol)のパルミトイルクロリドを加え
て、さらに19時間室温で攪拌する。反応混合物に300ml
のメタノールを添加すると、最初に固体物質が溶解する
が、数分後には所望の標記化合物が結晶化し始める。
この結晶性物質を1000mlのプロパノール/水(1:1)
から再結晶化させる。残留パルミチン酸を除去するため
には、結晶をジエチルエーテルで浸出し、浸出液を濾去
し、高真空下で乾燥する。融点186−187℃。
実施例2.N−〔2−(2−メトキシエトキシ)−エトキ
シカルボニル〕−デスフェリオキサミンB 12mlのピリジン中657mg(1mMol)のデスフェリオキサ
ミンB−メタスルホネートの懸濁液に、1.3ml(10mMo
l)のトリメチルクロルシラン(TMCS)を加え、5分後
に23℃アルゴンガス下で、1.0mlのトルエン中201mg(1.
1mMol)のクロル蟻酸−2−(2−メトキシエトキシ)
−エチルエステルを添加する。反応混合物をアルゴンガ
ス下で3日間攪拌する。10mlのメタノールを添加して過
剰の試薬を分解し、溶媒を留去する。残渣を高真空下で
乾燥し、水から再結晶させる。融点142−144℃。
実施例3.N−〔ω−メトキシ−(ドデカキス−エチレン
オキシ)−カルボニル〕デスフェリオキサミンB〔ここ
で“ドデカキス−エチレンオキシ”とはnが平均12であ
る、式(CH2−CH2−O−)で示される基のことである〕 2000mlのピリジン中86.5g(132mMol)のデスフェリオ
キサミンB−メタスルホネートの懸濁液に、室温下で19
4.0ml(1500mMol)のトリメチルクロルシラン(TMCS)
を加え、室温で3時間攪拌する。この反応混合物に室温
のもとに15分間でアシル化剤を滴下する。このアシル化
剤は、1000mlのトルオール中カーボワックスMPEG550
〔nが平均12であるCH3−O−(CH2−CH−O)nH〕72.
6g(132mMol)の溶液とホスゲンの20%トルエン溶液66.
0ml(132mMol)とを70℃混合して、室温で3時間攪拌し
冷却することによって調製する。得られた混合物を一晩
室温で攪拌し、メタノール2000mlを添加して過剰の試薬
を分解し、シリル基を離脱させ、その後に溶媒を出来る
だけ完全に留去する。まだピリジンを多く含有している
残渣を約500mlのメチレンクロリド1000mlのジエチルエ
ーテルから結晶化させ、高真空下で一晩乾燥させる。Se
phadx HL20でクロマトグラフィーを実施して、粗製結
晶から12個のエチレンオキシ繰り返し単位を持つ、標記
の個々の化合物を得る。少量のメチレンクロリドを含有
する酢酸エチルから結晶化させた物質の融点は131−132
℃である。
実施例4.式1で示されるN−〔ω−メトキシ−(ヘプタ
デカキス−エチレンオキシ)−カルボニル〕−デスフェ
リオキサミンB〔ここで“ヘプタデカキス−エチレンオ
キシ”とはnが平均17である、式(CH2−CH2−O−)で
示される基である〕 実施例3に等しい条件と等しい原料物質量を使用して
デスフェリオキサミンB−メタンスルホネートをシリル
化し、その後にアシル化剤との反応を行う。このアシル
化剤は1000mlのトルエン中のカーボワックスMPED750
〔nが平均17であるCH3−O−(CH2−CH−O−)nH99.0
g(132mMol)の溶液とホスゲンの20%トルエン溶液66.0
ml(132mMol)とから実施例3と同様にして調製する。
実施例3で記載した操作によって、標記化合物が得られ
る。融点125−126℃。
実施例5.ほかの試薬を使用して生成されるN−〔ω−メ
トキシ−(ドデカキス−エチレンオキシ)−カルボニ
ル〕−デスフェリオキサミンB〔(ここで“ドデカキス
−エチレンオキシ”はnが平均12である、式(CH2−CH2
−O−)で示される基のことである〕 実施例3と同様に、150mlのピリジン中6.56g(10mMo
l)のデスフェリオキサミンB−メタスルホネートを15.
5ml(120mMol)のトリメチルクロルシラン(TMCS)によ
りシリル化し、下記のようにして調製したアシル化剤と
反応させる。すなわち、50mlのトルエン中5.5g(10mMo
l)のカーボワックスMPED550の溶液と1.78g(11mMol)
のジ−(1−イミダゾリル)−カルボニルとを混合し
て、70℃で1時間攪拌しそして冷却する。実施例3に準
じた操作を行うことによって、実施例3の化合物に等し
い標記化合物が得られる。
実施例6.式IのN−(エトキシカルボニルメチルカルバ
モイル)−デスフェリオキサミンB(ここで、Ac=C2H5
−O−CO−CH2−NH−CO−であり、A1=A2=A3=Hであ
る。) 実施例1と同様に、300mlのピリジン中26.3g(40mMo
l)のデスフェリオキサミンB−メタスルホネートを50.
0ml(400mMol)のトリメチルクロルシラン(TMCS)によ
りシリル化する。2時間後に、22℃10分間にわたり反応
溶液に9.3g(72mMol)のイソシアネート酢酸エチルエス
テルを混合し、さらに6時間室温で攪拌する。150mlの
メタノールを添加して過剰の試薬を分解しそしてシリル
基を離脱させる。蒸留によって溶媒を除去する。固形残
渣を高真空下で乾燥し、最初に水でその後にメタノール
/ジクロクメタンで結晶化させる。融点177−178℃ 実施例7.N−(メトキシスルホニルカルバミモイル)−
デスフェリオキサミンB 実施例1と同様に、150mlのピリジン中6.56g(10mMo
l)のデスフェリオキサミンB−メタンスルホネートを1
5.5ml(120mMol)のトリメチルクロルシラン(TMCS)に
よりシリル化し、そして1時間後に室温で0.95ml(11mM
ol)のクロルスルホニルイソシアネートと混合し、そし
て3時間室温で攪拌する。メタノールを添加して過剰の
試薬を分解し、シリル基を離脱させ、そしてクロルスル
ホニル基をメトキシスルホニル基に転換する。反応混合
物は蒸発乾燥させる。残渣は高真空下で乾燥し、Sephed
ex LH20によるクロマトグラフィーで調製する。
下記の条件からなる高圧液体クロマトグラフィー(HP
LC)によって純粋な製品が得られる。カラム…(4.0×1
20mm)Hypersil ODS;溶媒…A−pH=3.0の5mMolリン酸
緩衝液B−緩衝液Aとアセトニトリルの含有比が20:80
(v/v)の混合液;濃度勾配(分/溶液A:溶液B)…0/1
00:0;10/60:40;12/0:100;14/100:0;15/100:0;通過速度
…2.3ml/分 この条件下では、標準物質デスフェリオキサミンBの
RT=8.50分に対して、保持時間はRT=7.13分となる。
実施例8.N−〔ω−メトキシ−(ドデカキス−エチレン
オキシ)−カルボニルアミノスルホニル〕−デスフェリ
オキサミンB〔ここで、“ドデカキス−エチレンオキ
シ”とはnが平均12である、式(CH2−CH2−O−)で示
される基である。〕 実施例5と同様にして、そして等しい物質量を用いて
デスフェリオキサミンB−メタンスルホネートのシリル
化を行い、その後に下記の方法によって調製したアシル
化剤と反応させる。
50mlのトルエン中カーボワックスMPED550〔nが平均1
2であるCH3−O−(CH2−CH−O−)nH〕5.5g(10mMo
l)の溶液と0.95ml(11mMol)のクロルスルホニルイソ
シアネートとを混合し、70℃で1時間攪拌し、そして冷
却する。2000mlのメタノールを添加した後に、反応混合
物を濃縮乾燥させる。残渣(ピリジンを大量に含有す
る)を約500mlのメチレンクロリドと1000mlのジエチル
エーテルから結晶化させ、高圧真空下で一晩乾燥する。
Sephedex LH20によるクロマトグラフィーでさらに精製
することが出来る。
実施例7に記載した条件下で、HPLCによって純粋な製
品を得ることが出来る。標準物質デスフェリオキサミン
BのRT−8.50分に対して、RT=10.25分となる。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ基の窒素原子及び少なくとも1個の
    ヒドロキサム酸基のヒドロキシル基の酸素原子が有機シ
    リル基を持ちそして残りのヒドロキサム酸の基がアシル
    化されているデスフェリオキサミンB誘導体を有機アシ
    ル化剤により処理し、そして次に存在するシリル基を離
    脱させることを特徴とする、デスフェリオキサミンB又
    は部分的にO−アシル化されたその誘導体の末端アミノ
    基の窒素原子に選択的に有機アシル基を導入するための
    新規な方法。
  2. 【請求項2】次の式(II) 〔式中Bは式: で示される有機シリル基(Sil)であり、ここでR1 s及び
    R2 sは相互に独立に非置換C1-8−ヒドロカルビルであ
    り、R3 sは非置換C1-8−ヒドロカルビル又は塩素であ
    り、そして記号B1 o,B2 o及びB3 oのうちの少なくとも1
    個は有機シリル基Silであり、他の残りの記号は相互に
    独立に有機シリル基Sil又は有機アシル基Acである〕 で表わされる化合物をアシル基Ac導入剤と反応させ、そ
    して存在するO結合有機シリル基Silをソルボリシスに
    よって離脱させることを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】B,B1 o,B2 o及びB3 oがそれぞれ同じ意味を
    持ち、ジメチルクロルシリルかトリメチルシリルである
    式(II)の出発物質から出発することを特徴とする請求
    項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】Acが、官能性的に変性されている場合があ
    るカルボン酸、有機スルホン酸又はエステル化りん酸か
    ら誘導される有機アシル基を意味し、そしてYが反応性
    に富む官能的に変性されたヒドロキシ基であるか、又は
    カルボニル基に対してα−位にある水素原子に取って代
    わるAc基中の付加的な結合を意味する。式AcYのアシル
    化剤を用いて反応を生じさせることを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】Acが部分構造式Ro−O−CO−で特徴づけら
    れ、ここでRoはC1−C20−アルキルか、又はnが1から1
    9までの−(CH2−CH2−O−)n低級アルキルの形で示さ
    れる基を意味するAcYのアシル化剤を用いて反応を生じ
    させることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】Acが次の式: (式中R1及びR2は相互に独立に水素、非置換非環式C1
    C7−ヒドロカルビル、又はときとしてC1−C4−アルキ
    ル、C1−C4−アルコキシ、ハロゲン及び/又はニトロで
    置換されている、最高10個のC原子から構成される単環
    式アリール、アラルキル、またはアラルケニルであり、
    或は、R1が水素を意味し、R2がC1−C4−アルコキシカル
    ボニルによって1位において置換されているC1−C5−ア
    ルキルを意味する)で特徴付けられる式AcYのアシル化
    剤を用いて反応を生じさせることを特徴とする請求項4
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】R0が非置換C1−C5−アルキル又はC1−C4
    アルコキシカルボニルによって1位において置換されて
    いるC1−C5−アルキルである式R0−N=C=Oで示され
    るアシル化剤を用いて反応を生じさせることを特徴とす
    る請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】C2−C20−アルカン酸クロリド、ベンゾイ
    ルクロリド、C18アルケン酸クロリド、クロル蟻酸(C1
    −C12−アルキル)−エステル、Cl−CO−O−(CH2−CH
    2−O−)n低級アルキルで表されるnが1から19までの
    クロル蟻酸エステル、及びCl−CO−NH−(C1−C5−アル
    キレン)−COO−(C1−C4−アルキル)で表されるクロ
    ル蟻酸エステルの中から選択した酸クロリドを使用して
    反応を生じさせることを特徴とする請求項4に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】出発物質を選択することによって、次の式
    (I): 〔式中、AcはC2−C20−アルカノイル、ベンゾイル、C18
    −アルケノイル、(C1−C12−アルコキシ)−カルボニ
    ル、−CO−O−(CH2−CH2−O−)n低級アルキルで表
    されるnが1から19までの基、クロルカルボニル、(1
    −イミダゾリル)−カルボニル、N−ジ低級アルキル−
    カルバモイル、アルキル部分の1位又は2位において
    (C1−C4−アルコキシ)−カルボニルで置換されたN−
    (C1−C5−アルキル)−カルバモイル、N−(クロロス
    ルホニル)−カルバモイル、N−(低級アルコキシスル
    ホニル)−カルバモイル、又は、−SO2−NH−CO−O−
    (CH2−CH2−O−)n低級アルキルで表されるnが0か
    ら19までの基であり、そしてA1,A2及びA3がそれぞれ水
    素を意味する〕 で表される化合物を製造することを特徴とする請求項2
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】次の式(II): 〔式中、B,B1 o,B2 o及びB3 oは同じ意味であり、そして
    式: で表される1個の有機シリル基(Sil)であり、ここでR
    1 s及びR2 sはそれぞれ非置換C1−C8−ヒドロカルビルで
    あり、R3 sはC1−C8−ヒドロカルビル又は塩素を意味す
    る〕 で表される化合物。
  11. 【請求項11】Silがトリメチルシリルを意味する請求
    項10に記載の化合物。
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