JP2543677Y2 - レーザ加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、レーザ加工機に係
り、更に詳細にはワークを支持して移動させるワークテ
ーブルを改良したレーザ加工機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワークをワークテーブルに支持し
てＸ軸方向へ移動せしめると共に、加工ヘッドをＹ軸方
向へ移動せしめるレーザ加工機はすでによく知られてい
る。このレーザ加工機において、Ｙ軸方向へ移動自在な
加工ヘッドの直下位置には、Ｙ軸方向へ延伸して形成さ
れた加工溝を有したカッティングプレートが設けられて
いる。

【０００３】そして、ワークがワークテーブルに設けら
れた複数の回転自在な支持ボールに支持されてＸ軸方向
へ移動してワークの所望位置を加工溝に位置決めし、加
工ヘッドをＹ軸方向へ移動せしめることによって、ワー
クにレーザ加工が行なわれている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、ワークは複
数の回転自在な支持ボールに支持されてＸ軸方向へ移動
されるため、ワークの裏面に傷が付き易いという問題が
あった。また、ワークの端縁は加工溝に引っ掛たり、垂
れたりしてワークの端縁に傷が付いたり、加工精度の良
好なレーザ加工ができないという問題があった。

【０００５】この考案の目的は、上記問題点を改善する
ためワークに傷が付くのを防止すると共に加工精度の良
好なレーザ加工を行な得るようにしたレーザ加工機を提
供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、ワークテーブルに設けられたワークの
一辺をＸ軸方向へ移動自在なキャレッジに備えられたワ
ーククランプでクランプしてＸ軸方向へ移動せしめると
共に加工ヘッドをＹ軸方向へ移動せしめるレーザ加工機
にして、前記ワークテーブル上にＹ軸方向へ延伸した回
転自在な回転体をＸ軸方向へ適宜な間隔で複数設け、こ
の各回転体が前記キャレッジと同期をとって走行回転さ
れるべく設けられていることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】この考案のレーザ加工機を採用することによ
り、ワーククランプにクランプされたワークは複数の回
転体の上面に支持され、キャレッジのＸ軸方向の移動に
よってＸ軸方向へ移動される。この際、複数の回転体は
キャレッジと同期をとって同方向へ走行回転されるか
ら、ワークの裏面，端縁に傷が付くのが防止されると共
に、ワークは垂れずに走行移動するので加工精度の良好
なレーザ加工が行なわれる。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【０００９】図２を参照するに、レーザ加工機１はＣ型
形状のフレーム３を備えており、このフレーム３の上部
フレーム３Ｕには図示省略のすでに公知である駆動モー
タ，ボールねじによってＹ軸方向へ移動自在な加工ヘッ
ド５が設けられている。この加工ヘッド５の先端（下
端）にはレーザノズル７が設けられていると共に、レー
ザビームＬＢを折曲げるベンドミラー９およびレーザビ
ームＬＢを集光せしめる集光レンズ１１を備えている。

【００１０】また、前記上部フレーム３Ｕの一側である
後側内にはベンドミラー１３が備えられている。さら
に、上部フレーム３Ｕの左側にはレーザ発振器１５が一
体的に設けられている。

【００１１】上記構成により、レーザ発振器１５で発振
されたレーザビームＬＢはベンドミラー１３，９で折曲
げられて集光レンズ１１で集光される。この集光レンズ
１１で集光されたレーザビームＬＢはレーザノズル７か
ら下方へ照射されることになる。

【００１２】前記フレーム３の下部フレーム３Ｄ上に
は、矩形形状のワークテーブル１７が設けられている。
このワークテーブル１７の後側にはＸ軸方向へ延伸した
キャレッジベース１９が設けられており、このキャレッ
ジベース１９にはＸ軸方向へ移動自在なキャレッジ２１
が設けられている。このキャレッジ２１にはワークＷを
クランプする複数のワーククランプ２３が備えられてい
る。

【００１３】前記加工ヘッド５がＹ軸方向へ移動される
直下位置のワークテーブル１７には、適宜な隙間Ｓをあ
けた一対のカッティング用ローラ２５，２７がＹ軸方向
へ延伸して回転自在に設けられている。しかも、このカ
ッティングローラ２５，２７の左右には適宜な間隔でワ
ークＷの移動時にワークＷを支持する回転自在な回転体
としての支持ローラ２９が複数設けられている。この支
持ローラ２９およびカッティング用ローラ２５，２７の
材質はウレタンゴムなどの弾性体からなっており、ワー
クＷに傷が付かないようにしてある。

【００１４】この複数の支持ローラ２９，カッティング
用ローラ２５，２７および前記キャレッジ２１が同期し
て駆動される駆動系統が図１に示されている。すなわ
ち、図１において、カッティング用ローラ２５，２７の
軸心にはＹ軸方向へ延伸したシャフト３１，３３が装着
されていると共に、複数の支持ローラ２９の軸心部にも
Ｙ軸方向へ延伸したシャフト３５が装着されている。こ
のシャフト３１，３３，３５の前端にはそれぞれ同一径
のプーリ３７が取付けられている。

【００１５】前記プーリ３７の左右両端側には駆動プー
リ３９，従動プーリ４１が設けられている。この駆動プ
ーリ３９と従動プーリ４１とにはタイミングベル４３が
巻回されている。また、サーボモータのごとき駆動モー
タ４５は前記ワークテーブル１７の右側内に設けられて
いて、この駆動モータ４５の出力軸４７には前記駆動プ
ーリ３９が嵌着されている。一方、従動プーリ４１には
シャフト４９が装着されていて、このシャフト４９はワ
ークテーブル１７の左側内で回転自在に支承されてい
る。前記プーリ３７の下部には前記タイミングベルト４
３を挾んで押えプーリ５１が回転自在にワークテーブル
１７の前端側で支承されている。

【００１６】上記構成により、駆動モータ４５を駆動せ
しめると、出力軸４７を介して駆動スプロケット３９が
回転される。この駆動スプロケット３９の回転によりタ
イミングベルト４３が例えば反時計方向回りに走行回転
されて、各プーリ３７，シャフト３５を介して各支持ロ
ーラ２９，カッティング用ローラ２５，２７が同方向へ
回転されることになる。なお、タイミングベルト４３が
走行回転される際、タイミングプーリ４３の振れを押え
プーリ５１で押えているのでスムーズに走行回転される
のである。

【００１７】前記左右端におけるシャフト３５の後端に
はスプロケット５３，５５が取付けられており、このス
プロケット５３と５５とにはチェン５７が巻回されてい
る。このチェン５７の一部には複数のチェンクランプ５
９を介して前記キャレッジ２１が取付けられている。

【００１８】上記構成により、シャフト３５が回転され
ると、スプロケット５３，５５を介してチェン５７が反
時計方向回りに走行回転されることになり、チェンクラ
ンプ５９を介してキャレッジ２１が走行移動されること
になる。

【００１９】したがって、ワーククランプ２３にクラン
プされたワークＷにキャレッジ２１と支持ローラ３５並
びにカッティング用ローラ２５，２７とが同期をとって
走行あるいは回転されるので、支持ローラ２９上に支持
されてＸ軸方向へスムーズに移動させることができる。
而して、ワークＷの裏面に傷が付くことを防止すること
ができると共に、ワークＷの端縁にも傷が付くことな
く、かつ垂れることも防止できる。その結果、加工精度
が良好でレーザ加工を行なうことができる。

【００２０】なお、この考案は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その
他の態様で実施し得るものである。

【００２１】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この考案によれば、実用新案登録請求の範囲
に記載されたとおりの構成であるから、ワークテーブル
上に設けられた複数の回転体が、ワークをクランプした
ワーククランプを備えたキャレッジと同期をとって回転
されるため、ワークは回転体上に支持されてキャレッジ
の移動によってＸ軸方向へスムーズに移動させることが
できる。ワークが移動した際、ワークの裏面や端縁に傷
が付くのを防止することができると共にワークの垂れが
ないので加工精度の良好なレーザ加工を行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の主要部を示し、キャレッジと支持ロ
ーラとが同期をとって移動並びに回転される駆動系統を
表わした斜視図である。

【図２】この考案を実施した一実施例のレーザ加工機の
斜視図である。

【符号の説明】

１ レーザ加工機 ５ 加工ヘッド １７ ワークテーブル ２１ キャレッジ ２５，２７ カッティング用ローラ ２９ 支持ローラ（回転体） ４５ 駆動モータ ５７ チェン ５９ チェンクランプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークテーブルに設けられたワークの一
   辺をＸ軸方向へ移動自在なキャレッジに備えられたワー
   ククランプでクランプしてＸ軸方向へ移動せしめると共
   に加工ヘッドをＹ軸方向へ移動せしめるレーザ加工機に
   して、前記ワークテーブル上にＹ軸方向へ延伸した回転
   自在な回転体をＸ軸方向へ適宜な間隔で複数設け、この
   各回転体が前記キャレッジと同期をとって走行回転され
   るべく設けられていることを特徴とするレーザ加工機。