JP2543609B2 - 赤外線吸収フィルタ― - Google Patents

赤外線吸収フィルタ―

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JP2543609B2
JP2543609B2 JP2044101A JP4410190A JP2543609B2 JP 2543609 B2 JP2543609 B2 JP 2543609B2 JP 2044101 A JP2044101 A JP 2044101A JP 4410190 A JP4410190 A JP 4410190A JP 2543609 B2 JP2543609 B2 JP 2543609B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、赤外線の透過量を調節するための赤外線吸
収フィルターに関する。
(従来の技術) 近年、赤外線領域における光の透過の調節が、電子工
業、建築、農業等の各種の産業分野においてフィルター
によって行われている。中でも光学読み取り装置におい
てその重要性は増している。
このような赤外線吸収フィルターは、例えば、特開昭
60−43605号公報、特開昭61−134702号公報、特開昭62
−903号公報に開示されているように、赤外線吸収体と
して、特定のナフタロシアニン化合物、アントラキノン
化合物、次式で示される化合物等が使用されている。
(式中、R4は芳香族基、R5は水素原子または芳香族基を
表す) (発明が解決しようとする課題) 従来のフィルターでは、赤外線吸収体が低分子化合物
であるため化合物の分散性が悪く、従って、その化合物
の分散状態によってフィルターの赤外線吸収特性が変わ
るおそれがあり、安定な赤外線吸収特性を有するフィル
ターが得られないという欠点があり、しかもフィルター
を作製した後ではその赤外線吸収強度を変えることはで
きないので、例えば、用途や目的に応じて吸収強度の異
なる種々のフィルターを得たい場合には、フィルターの
構成や膜厚を変えて対応せざるをえなかった。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、赤外線吸収強度が均一な
フィルターが安定して得られ、しかも吸収強度を後処理
によって容易に変化させることのできる赤外線吸収フィ
ルターを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の赤外線吸収フィルターは、式(1)で示され
る繰り返し単位を有するアセチレン系ポリマーを酸化又
は酸化剤と接触させることにより化学的あるいは電気化
学的にドーピングされたポリマーを主体としてなる有機
層を有しており、そのことにより上記目的が達成され
る。
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、炭素数10以下のア
ルキル基、トリフルオロメチル基またはトリアルキルシ
リル基(アルキル基は炭素数6以下)を表し、それぞれ
同一であってもよいし、異なってもよい)。
本発明に用いられるアセチレン系ポリマーの製造方法
は任意の方法が採用されてよく、たとえば特開昭63−92
619号公報に記載されている。また、その重量平均分子
量は1万〜400万が好ましい。このアセチレン系ポリマ
ーとしては、ポリ〔(o−トリメチルシリル)フェニル
アセチレン〕が好適に使用される。
アセチレン系ポリマーをドーピングする方法は、従来
既知の化学的あるいは電気化学的方法であればいずれで
もよい。化学的方法としては、例えば、塩素やヨウ素、
硝酸、硫酸、塩化第2鉄など、種々の酸化剤を気層また
は液層でポリマーに直接接触させる方法があり、電気化
学的方法としては、例えば、過塩素酸リチウムなどをア
セトニトリルなどの溶媒に溶解した電解液中で電極酸化
させる方法がある。ドープ量の調節は酸化剤の濃度、接
触時間、電解時間などを制御することにより可能であ
る。
本発明の赤外線吸収フィルターは、上記ドーピングさ
れたアセチレン系ポリマーからなる有機層を少なくとも
一層有していればよく、複数層積層されていてもよい。
また、そのフィルターの形態は、目的に応じて種々変更
することができ、例えば、有機層のみからなるフィルム
または板状であってもよく、フィルター基材に有機層が
積層されていてもよく、一対のフィルター基材間に有機
層が挟まれていてもよい。上記フィルター基材としては
目的とする赤外領域に吸収を持たない透明性の材料が好
ましい。このような材料としては、例えば、ガラス;ア
クリル系、ビニル系、ポリオレフィン系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリカーボネート系などのホモポリ
マー、コポリマー、ポリマーブレンドなどがあげられ、
これから適宜選択して用いることができる。有機層の膜
厚は目的に応じて適宜変えることができ、500〜8000Å
が好ましく、より好ましくは1000〜6000Åである。
また、有機層は上記ドーピングされたポリマーを主成
分として形成されていればよく、たとえばポリメチルメ
タクリレート、ポリカーボネート等の他のポリマーや添
加剤が添加されていてもよい。ドーピングされたアセチ
レン系ポリマーからなる有機層を得るには、有機層を形
成した後、ドーピングしてもよく、あるいはアセチレン
系ポリマーをドーピングした後このポリマーを用いて有
機層を形成してもよい。
上記有機層の形成方法は任意の方法が採用されてよ
く、たとえばアセチレン系ポリマー(1)及び必要なら
ば上記他のポリマーや添加剤をトルエン、クロロホル
ム、四塩化炭素等の溶媒に溶解し、得られた溶液をキャ
スティングして有機層を形成する方法、得られた溶液を
上記フィルター基材に塗布乾燥してフィルター基材上に
有機層を積層する方法等があげられる。
(作用) このように、繰り返し単位が式(1)で表されるアセ
チレン系ポリマーはドープ(酸化)することにより、赤
外領域(近遠赤外線領域を含む)に強い吸収を生じる。
また、このポリマーはトルエンなどの溶媒に可溶であ
り、スピンコートなどの塗布装置を用いて均一な膜厚の
有機層を形成することができる。さらに、ドーピング種
の大きさが非常に小さいため、従来系でのコーティング
むらや分散のむらに比べると非常に均一な吸収特性を有
する有機層が得られる。しかも、赤外線吸収の強さはポ
リマーの膜厚以外に、ドープ量によっても連続的に任意
に変化させることができる。従って、ポリマーの構成を
一定にしたまま、酸化ドープ量を調節することにより、
種々の吸収強度を持つ赤外線吸収フィルターを作製する
ことができる。
(実施例) 以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 0.2gのポリ〔(o−トリメチルシリル)フェニルアセ
チレン〕(重量平均分子量190万)を5mlのトルエンに溶
解した後、得られた溶液をガラス基板上に800rpmで10秒
間スピンコートした後、乾燥してガラス基板上に有機層
(膜厚約5000Å)を形成した。有機層の未ドープ状態で
の透過率を第1図に示す。
次に、上記有機層を15℃で濃硝酸の飽和蒸気中に1分
間放置し、ドーピング(酸化)を行って赤外線吸収フィ
ルターを得た。
得られたフィルターの透過率を第2図に示す。第1図
及び第2図から、ドープ前後において、波長1100〜1500
nmの透過率は95%以上から10%以下にまで変化したこと
が確認された。
実施例2 実施例1において、ドーピング方法として、有機層を
10℃で60wt%硝酸に3秒間浸漬した以外は、実施例1と
全く同じに行って赤外線吸収フィルターを得た。得られ
たフィルターの透過率を第3図に示す。ドープ後の透過
率は波長1100〜1600nmにおいて20%以下に変化した。
実施例3 実施例1において、ドーピング方法として、有機層を
10℃で25wt%硝酸に1分間浸漬した以外は、実施例1と
全く同じに行って赤外線吸収フィルターを得た。得られ
たフィルターの透過率を第4図に示す。ドープ後の透過
率は波長1100〜1700nmにおいて40%以下に変化した。
実施例4 実施例1において、ドーピング方法として、有機層を
10℃で25wt%硝酸に3分間浸漬した以外は、実施例1と
全く同じに行って赤外線吸収フィルターを得た。得られ
たフィルターの透過率を第5図に示す。ドープ後の透過
率は波長1100〜1600nmにおいて15%以下に変化した。
実施例4の結果と実施例2及び3の結果とを比較する
と、透過率はドーパントの濃度や接触時間によって制御
できることが明らかとなった。従って、ドーパント濃度
を高くしたり、接触時間を長くすることにより、近赤外
領域における透過率を著しく低下させることができる。
(発明の効果) 本発明による赤外線吸収フィルターは、赤外線吸収体
としてポリマーを用いているため、均一な組成の膜が作
製可能であり、しかもドーピングにより均一な赤外線吸
収強度を有するフィルターを容易に得ることができる。
また、ポリマーの構成そのものを変えずに酸化ドープ量
を変化させることにより赤外線吸収量を調節することが
できる。このため、用途や目的に応じて異なる強度のフ
ィルターを簡易に作製することができる。また、同じフ
ィルターにおいてその一部の吸収強度を変化させること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1においてドーピングしていないフィル
ターの透過率を示す図、第2図は実施例1で得られた赤
外線吸収フィルターの透過率を示す図、第3図は実施例
2で得られた赤外線吸収フィルターの透過率を示す図、
第4図は実施例3で得られた赤外線吸収フィルターの透
過率を示す図、第5図は実施例4で得られた赤外線吸収
フィルターの透過率を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示される繰り返し単位を有する
    アセチレン系ポリマーを酸化又は酸化剤と接触させるこ
    とにより化学的あるいは電気化学的にドーピングされた
    ポリマーを主体としてなる有機層を有する赤外線フィル
    ター: (式中、R1、R2、R3はそれぞれ水素、炭素数10以下のア
    ルキル基、トリフルオロメチル基またはトリアルキルシ
    リル基(アルキル基は炭素数6以下)を表し、それぞれ
    同一であってもよいし、異なってもよい)。
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