JP2542240Y2 - ドレイン受皿の仮固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は、縦型ルーフドレイン，
横型ルーフドレイン，フロアードレイン等の受皿を、コ
ンクリートの流し込み以前に、仮固定するためのドレイ
ン受皿の仮固定装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、この種の仮固定装置としては、排
水管部を突成したドレインの受皿底面と、コンクリート
型枠との間に、排水管部を囲むようにして筒状スペーサ
を介装し、前記筒状スペーサによってドレインの受皿を
位置決めするようにしたものが提案されている。例えば
この種の仮固定装置にあっては、この筒状スペーサによ
って位置決めされたドレインの受皿は、前記スペーサ内
で位置決め板を型枠に固定し、さらに受皿の内底面上に
挟圧板を乗載し、位置決め板と挟圧板間の中心に、排水
管部内を挿通させて螺子杆を差し渡し、挟圧板上に突出
する螺子杆の上端部に螺着した螺子の緊締操作により挟
着板を型枠側に圧接する等の固定手段を付加されて、型
枠に固定される。 【０００３】 【考案が解決しようとする問題点】上述の仮固定装置の
スペーサは塩化ビニル，アルミニウム等からなってお
り、使用する際には、所要の長さに切断される。ところ
でこのスペーサの切断作業は、手間がかかり、予め該ス
ペーサを所要の長さに切断して、その長さごとに保管し
ておく必要があり、保管場所を常に確保しておかなけれ
ばならないという問題点があった。また、突然のコンク
リート厚の変更に対して、該コンクリート厚に対応する
スペーサを迅速に用意することができないといった問題
点もあった。さらには、従来のスペーサは、その外周面
が滑面状をしており、該スペーサとコンクリートとの接
合強度が弱く、該スペーサがコンクリートから脱落する
場合もあった。本考案は、上述の問題点に鑑みてなされ
たものであって、自在にその長さ調整が可能であるとと
もに、コンクリートからの脱落のないスペーサを備えた
ドレインの仮固定装置を提案するものである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本考案は、排水管部が突
成されたドレインの受皿底面と、コンクリート型枠との
間に、排水管部を囲むようにして筒状スペーサを介装
し、前記筒状スペーサによってドレインの受皿を位置決
めるようにしたドレイン受皿の仮固定装置において、前
記筒状スペーサの外周面に、環状目盛溝を縦方向に等間
隔で周設したことを特徴とするものである。 【０００５】 【作用】上述の構成にあっては、スペーサをあらかじめ
コンクリートの最大厚さ寸法以上に設定しておけば、型
枠のコンクリートが所要厚となるように外周面に形成さ
れた環状目盛溝のいずれかを選定して、該溝の凹部にお
いて切断することにより、随意に所要長さのスペーサを
作製することが可能となる。またその施工後にあって
は、スペーサはその周囲に打ち込まれたコンクリートに
埋入され、このとき、該環状目盛溝によってスペーサと
コンクリートとの接合強度が増加して強固な構成とな
る。 【０００６】 【実施例】本考案の実施例を図１〜５を用いて説明す
る。図１は、ドレイン受皿の仮固定装置の一実施例を示
している。即ち、１は下面中央部から排水管部２が下方
突成されたドレインの受皿であって、その排水管部２の
周囲下面と、コンクリート型枠５間に筒状スペーサ７を
介装して、該受皿１を型枠５上に支持している。 【０００７】前記筒状スペーサ７内には、その内径とほ
ぼ等しい外径の位置決め板９が型枠５上には配置されて
いる。前記位置決め板９の中心部には上下に長い螺子杆
１０が立設される。 【０００８】また前記受皿１の排水管部２の入口周囲の
内底面３上には前記螺子杆１０を、中心透孔１２に挿通
させて、挟圧板１１が乗載される。そして前記螺子杆１
０には蝶螺子１３が螺着し、その締付操作により、挟圧
板１１を型枠５側に圧接し、位置決め板９と挟圧板１１
とで受皿１を挟持している。 【０００９】さらには前記受皿１の周囲鍔面４上には、
養生蓋１４が、受皿１の内部を覆うようにして被着され
る。前記養生蓋１４の中央部には、上方に盛り上がる膨
隆部１５が設けられ、その中央に形成された透孔１６に
螺子杆１０の上端が挿入される。そして、その突端に
は、係止具の一例をなすバネクリップ１７が取り付けら
れる。前記バネクリップ１７を使用することによって、
ワンタッチで前記養生蓋１４を保持する。 【００１０】また、ドレインの受皿の仮固定装置の別の
実施例として、図２に示すような構成からなるものも提
案される。これは、ドレインの受皿３１の下面から突成
した排水管部３２の外周において、該受皿３１下面とコ
ンクリート型枠３３との間に筒状スペーサ３４を介装
し、該スペーサ３４内で位置決め板３５をコンクリート
型枠３３上に固定し、さらに受皿３１の排水管部３２の
開口周囲の内底面に挟圧板３６を乗載し、位置決め板３
５の中心部に固着したナット３５ａに螺合した螺子杆３
７の上端を挟圧板３６に挿通し、挟圧板３６から突出す
る端部にナット３８を螺合して緊締することにより挟圧
板３６をコンクリート型枠３３側に圧接し、受皿３１を
縦方向で挟持したものである。 【００１１】また、コンクリート型枠３３上にコンクリ
ート４０を打ち込む際に、受皿３１上の内部にコンクリ
ート４０が付着するのを防止するため、該受皿３１上に
は養生蓋４１を被着してある。前記養生蓋４１の周囲に
は複数の孔を予め形成し、ドレイン本体と受皿３１とを
連結するために用いられる受皿３１の底面に螺合した螺
子杆４２を該孔に通してある。さらに、前記螺子杆４２
にコンクリート４０が付着するのを防止するために、ビ
ニール製のキャップ４３が螺子杆４２の上端を覆うよう
にして各孔内に嵌入されている。この構成によって、前
記養生蓋４１は螺子杆４２により横方向の移動が阻止さ
れ、かつキャップ４３の密嵌により養生蓋４１の浮上が
抑止されて、養生蓋４１の固定がなされる。 【００１２】前記筒状スペーサ７，３４は、本考案の要
部であって、以下に詳述する。前記筒状スペーサ７，３
４の周面には、図３と図４に示すように、縦方向の帯状
切欠面１９を除いて形成された環状目盛溝１８が、縦方
向において等間隔に連続状に配設される。前記帯状切欠
面１９には、各環状目盛溝１８に対応して、その上下に
渡って目盛り２０が刻設されている。 【００１３】また、前記環状目盛溝１８を、図５に示す
ように、縦方向の間隔を大きくして、全体の該溝１８の
個数を少なくした構成としてもよい。尚、この場合に
も、上述と同様に帯状切欠面１９を設けてなるものであ
る。 【００１４】さらに、前記スペーサ７，３４の材質は、
アルミニウムやポリプロピレン等のカッターナイフ等で
簡単に切断できる材料からなっているとともに、該スペ
ーサ７，３４の長さは、一般に施工されるコンクリート
厚の最大厚さ寸法に対応している。そしてこの筒状スペ
ーサ７，３４は、目盛り２０に基づき所要のコンクリー
ト厚に対応させて、前記環状目盛溝１８の凹部において
切断し、所要の長さをもつ筒状スペーサ７，３４に形成
されて用いられる。前記切断操作は、短時間のうちに容
易に行なうことができるため、施工現場においても可能
である。このため、突然の施工条件の変更に対しても、
迅速に対応することができる。尚、環状目盛溝１８は、
それ自体が目盛りの役割をするから、目盛り２０は省略
可能ではあるが、該目盛り２０により寸法設定が容易と
なる。 【００１５】上述したように型枠５上に筒状スペーサ
７，３４により間隔を生じさせて受皿１を支持してか
ら、筒状スペーサ７，３４の周囲にコンクリート２２を
打ち込み、その上面を周囲鍔面４の外端縁とほぼ一致さ
せる。そして該コンクリート２２が固結後、型枠５を外
し、バネクリップ１７を除去して、養生蓋１４、挟圧板
１１等を取り除く。而して、受皿１の固定がなされ、こ
の後、螺子孔２０を利用してドレイン本体を固定する
（図示せず）。そして、この施工状態にあって、筒状ス
ペーサ７，３４はコンクリート２２と結合して、ドレイ
ン孔の内壁を構成し、コンクリート２２をドレイン孔か
ら露出させず、排水の浸透、コンクリート２２の劣化が
防止される。 【００１６】上述のように、打ち込まれたコンクリート
２２は、前記筒状スペーサ７，３４の外周面に形成され
た環状目盛溝１８に食い込むごとくに固結するため、コ
ンクリート２２と筒状スペーサ７，３４との接合が強固
なものとなり、施工後、筒状スペーサ７，３４が脱落す
ることはなくなる。 【００１７】上述の各実施例にあっては、縦型ルーフド
レインに筒状スペーサ７，３４を適用したものである
が、横型ルーフドレインにあっても、同様に筒状スペー
サが用いられ、この場合にはかかる横型ルーフドレイン
にも、本考案に係る筒状スペーサが適用され得る。 【００１８】 【考案の効果】本考案は、上述のように、筒状スペーサ
の外周面に環状目盛溝を設け、施工時に、その長さを凹
部において自在に切断調整するようにしたから、従来の
ように、該筒状スペーサの縦寸法別に保管しておく必要
はなく、該スペーサの保管スペースを縮小でき、保管が
容易になると共に、コンクリート厚の突然の変更にも、
容易に対応でき、迅速な施工が可能となる。 【００１９】また、型枠等を除去した後も、コンクリー
トと結合して、ドレイン孔の内壁を構成する筒状スペー
サにあっては、該筒状スペーサの外周面に形成された環
状目盛溝によって、コンクリートとの接合強度が増加
し、施工後、前記筒状スペーサが脱落することがなくな
り、安定した施工を可能とする、等の効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本考案のドレイン受皿の仮固定装置の縦断側面
図である。 【図２】本考案の別の実施例を示すドレイン受皿の仮固
定装置の縦断側面図である。 【図３】本考案の筒状スペーサ７，３４の側面図であ
る。 【図４】本考案の筒状スペーサ７，３４の平面図であ
る。 【図５】別の構成からなる筒状スペーサ７，３４の拡大
縦断側面図である。 【符号の説明】 １ 受皿 ２ 排水管部 ３ 内底面 ４ 周囲鍔面 ５ 型枠 ７ 筒状スペーサ ９ 位置決め板 １０ 螺子杆 １１ 挟圧板 １４ 養生蓋 １６ 透孔 １７ バネクリップ １８ 環状目盛溝 １９ 帯状切欠面 ２０ 目盛り ３４ 筒状スペーサ

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 排水管部が突成されたドレインの受皿底面と、コンクリ
   ート型枠との間に、排水管部を囲むようにして筒状スペ
   ーサを介装し、前記筒状スペーサによってドレインの受
   皿を位置決めるようにしたドレイン受皿の仮固定装置に
   おいて、前記筒状スペーサの外周面に、環状目盛溝を縦
   方向に等間隔で周設したことを特徴とするドレイン受皿
   の仮固定装置。