JP2541422B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はダイヤルイン機能を有す
る電話機兼用のファクシミリ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ホーム或いはパーソナルユースで設置さ
れるファクシミリ装置の例では、通常１本の電話回線を
利用し、ファクシミリと付属電話機による通話の双方に
使い分けする場合が少なくない。しかし、ファクシミリ
装置をファクシミリと電話とに共用する場合、着信時に
は発呼側から送られてくる信号が音声情報であるかファ
クシミリ信号音であるかを確認してから、必要な電話／
ファクシミリ受信の切換え操作を行わなければならず、
操作が非常に煩雑で、不在時には対処できないという問
題がある。

【０００３】そこで、ファクシミリ装置にダイヤルイン
処理部を設けると共に、ファクシミリ部と付属電話機と
に個別にダイヤルイン番号を割当てることにより、着信
ダイヤルイン番号の別に電話とファクシミリの接続切換
えが自動で行えるようにすることも提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ファクシミ
リ装置の付属電話機の場合に限らず、一般に電話番号を
公開して電話端末を敷設することに伴う不利益として、
しばしば夜間に不特定の相手から不要、不急な要件での
電話呼出を着信し、結果として無用な着信ベル音の鳴動
に悩まされることがある。

【０００５】本発明は、このような問題に鑑み、ダイヤ
ルイン機能を有する電話機兼用のファクシミリ装置につ
いて、ダイヤルイン機能を利用し、電話呼出の場合は着
信ダイヤルイン番号により相手を峻別して、夜間等には
着信呼出拒否等の適切な対策を講じることができるよう
にすることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に基づくファクシ
ミリ装置では、上記目的を実現するための手段として、
ダイヤルイン処理部を有し、ファクシミリ部に割当てら
れるダイヤルイン番号と付属電話機に昼間着信用と終日
着信用の別に割当てられるダイヤルイン番号を登録する
記憶部と、着信ダイヤルイン番号の別にファクシミリと
電話との接続切換えを行い、昼間着信用の番号を着信し
た時には当該番号と共に記憶部に登録されている時間帯
でのみ着信呼出を行う信号処理部とを備えて構成されて
いる。

【０００７】

【作用】このファクシミリ装置では、予め記憶部にファ
クシミリ部に割当てられるダイヤルイン番号と、付属電
話機に昼間着信用と終日着信用の別に割当てられるダイ
ヤルイン番号とを各々登録し、昼間着信用に割当てられ
るダイヤルイン番号については当該番号と共に着信呼出
を行う時間帯を登録しておけば、着信ダイヤルイン番号
の別にファクシミリと電話との接続切換えが行われ、し
かも電話呼出の場合において昼間着信用のダイヤルイン
番号を着信したときには、記憶部に登録さされている時
間帯でのみ着信呼出が行われることになる。それ故、付
属電話機に割当てられるダイヤルイン番号のうち昼間着
信用の番号を一般に公開し、終日着信用の番号について
は近親者等の特定関係者にのみ知らせるようにすれば、
特定関係者からの電話呼出については終日着信呼出を許
容しつつ、それ以外の相手からの電話呼出については夜
間等での着信呼出を排除し、これにより無用な着信ベル
音の鳴動に悩まされることがなくなる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図１は本発明に係るダイヤルイン機能を有した
ファクシミリ装置のブロック構成図を示している。ファ
クシミリ装置Ｆは、ファクシミリ部Ｆ１とダイヤルイン
処理部Ａとを有し、当該装置Ｆに内蔵もしくは接続され
る１乃至複数台の付属電話機Ｔ１、Ｔ２…を備えて構成
されている。

【０００９】ファクシミリ部Ｆ１は、一般のファクシミ
リ装置に相当する部位で、ＣＰＵで構成される信号処理
部１に、モデム２及びダイヤル信号送出回路３と該処理
部１で切換制御されるダイヤルイン処理部Ａのスイッチ
１３とを介して電話回線Ｌと接続されるようになってい
る。信号処理部１には、ファクシミリ送受信等の必要な
機能を実行するための手段として、キー操作部４、画像
読取部５、印字出力部６、時計７、各種メモリからなる
記憶部８、着信呼出時にベル音を鳴らすスピーカ９及び
スピーカ制御部１０、着信呼出を拒否する際に相手機に
音声メッセージを送出するための音声メッセージ発生部
１１等からなる入、出力装置と記憶装置とが備えられて
いる。

【００１０】上記記憶部８には、ファクシミリ部Ｆ１に
ファクシミリ着信用に割当てられるダイヤルイン番号
と、付属電話機Ｔ１、Ｔ２…に昼間着信用と終日着信用
の別に割当てられるダイヤルイン番号とを登録可能なダ
イヤルイン番号登録メモリが含まれている。そして、付
属電話機Ｔ１、Ｔ２…に昼間着信用として登録されるも
のについては、ダイヤルイン番号と共に当該番号に着信
があった時に着信呼出を許容する時間帯についても書換
可能に登録される。なお、記憶部８に対するダイヤルイ
ン番号等の登録は、通常、キー操作部４と図示しない液
晶表示部からの表示とに基づくファンクションキー操作
によって入力されることになる。

【００１１】図２には、記憶部８のダイヤルイン番号登
録メモリに登録されるダイヤルイン番号等の一例が示さ
れている。即ち、この場合、割当可能な三種類のダイヤ
ルイン番号が用意されると仮定し、例えば付属電話機Ｔ
１、Ｔ２…には昼間着信用と終日着信用の別に前者に
「５３００」、後者に「５３０１」が登録され、また、
ファクシミリ部Ｆ１にはファクシミリ受信用として「５
３０２」が登録されている。そして、昼間電話着信用の
ダイヤルイン番号には、当該番号「５３００」と共に、
着信時に内蔵スピーカ９等からベル音を鳴動させる着信
呼出を行う時間帯（例えばＡＭ６：００〜ＰＭ１１：０
０）についても上記入力操作により指定して登録され
る。

【００１２】一方、ダイヤルイン処理部Ａは、ファクシ
ミリ部Ｆ１と共用される信号処理部１と、電話交換機と
の相互間で所定のダイヤルイン処理手順に則した回線制
御を行うために必要な回路、接点等を具備して構成され
ている。即ち、電話回線Ｌと電話／ファクシミリの接続
切換えを行う前記スイッチ１３との接続回路に設けられ
るオフフック検出回路１４並びにＮＣスイッチ１５と、
同回路に接続される呼出信号検出回路１６、プッシュ信
号検出回路１７及び極性反転検出回路１８とを備え、電
話交換機からの呼出時には、これらの検出回路で検出さ
れる入力情報に基づいて信号処理部１がスイッチ１３、
１５を切換制御し、着信ダイヤルイン番号の別にファク
シミリと電話との接続切換え等が行われる。なお、１９
は付属電話機Ｔ１、Ｔ２…がファクシミリ装置Ｆに接続
される増設電話機の場合において着信呼出に必要な疑似
呼出信号生成回路を示す。

【００１３】ダイヤルイン処理部Ａにより実行される着
信時の回線接続切換動作について説明すると、交換機か
ら回線Ｌの極性を反転して所定の呼出信号を受信する
と、信号処理部１はＮＣスイッチ１５を接続ＯＮして、
１次応答信号を送出する。続いて、交換機から内線指定
信号（ＰＢ信号）を受信すると、信号処理部１はプッシ
ュ信号検出回路１７で検出されるＰＢ信号に基づいて被
呼ダイヤルイン番号を解読し、記憶部８に登録されてい
るダイヤルイン番号を参照してファクシミリと電話の別
に回線接続を行うべく、スイッチ１３を接点ｂからａ又
はｃ（もしくはｄ）に切換えるとともに、ＮＣスイッチ
１５を一旦開放して内線指定受信完了信号を送出してか
ら２次応答信号を送出する制御動作を行う。そして、交
換機は端末からの２次応答信号を受信すると、回線Ｌの
極性を復極してから回線接続動作し、発呼側と被呼側と
を最終的に回線接続して通信パスを形成する。

【００１４】このようにして信号処理部１は、当該ファ
クシミリ装置Ｆに対する呼出があったときには、予め記
憶部８にファクシミリ部Ｆ１と付属電話機Ｔ１、Ｔ２…
に昼間着信用と終日着信用の別に割当てて登録されてい
るダイヤルイン番号の別にファクシミリと電話との接続
切換えを行う共に、付属電話機Ｔ１、Ｔ２…に対する昼
間着信用のダイヤルイン番号を着信した時には、記憶部
８のシステムメモリに記憶されているプログラムの指令
に基いて、前述のように記憶部８に当該番号と共に登録
されている時間帯でのみスピーカ制御部１０又は疑似呼
出信号生成回路１９を作動して内蔵スピーカ９等からベ
ル音を鳴動させる着信呼出を行うように構成されてい
る。言い換えると、登録時間外に昼間電話着信用のダイ
ヤルイン番号を着信したときには着信呼出を行わず、実
質的に着信拒否する。但し、重要、緊急な要件の連絡の
途を残すため、着信呼出に行わない時間帯には、回線接
続中、音声メッセージ発生部１１からファクシミリ部Ｆ
１に割当てられているダイヤルイン番号を報知する音声
メッセージを繰り返し出力して相手機に送出するように
する。

【００１５】上記ファクシミリ装置Ｆにより着信時に実
行される制御動作の詳細が図３のフローチャートに示さ
れている。

【００１６】まず、ファクシミリ装置Ｆに交換機から送
出されてくる呼出信号が検出されると（ｓ１）、ダイヤ
ルイン処理部Ａはダイヤルイン番号を特定するＰＢ信号
の受信有無を判別し（ｓ２）、ＰＢ信号を受信しない場
合には、回線接続を行わずに終了する。一方、記憶部８
に登録されているダイヤルイン番号に対応するＰＢ信号
を受信した場合には、ＰＢ信号で指定される登録ダイヤ
ルイン番号を下１ケタの数字で判別する（ｓ３）。

【００１７】ここにおいて、下１ケタの数字が『２』の
場合には、ファクシミリ部Ｆ１に割当てられているダイ
ヤルイン番号（５３０２）に該当するため、前記スイッ
チ１３の接点をａに切り換えてファクシミリ部Ｆ１を受
信状態に回線接続した後、所定のファクシミリ受信処理
（ｓ４）を行ってから終了する。なお、万一ファクシミ
リ部Ｆ１が受信不能な状態にある場合には、次に述べる
ステップｓ７に移行して着信ベル音を鳴動させるように
してもよい。

【００１８】次に、下１ケタの数字が『１』の場合に
は、付属電話機Ｔ１、Ｔ２…に終日着信用に割当てられ
ているダイヤルイン番号（５３０１）に該当するため、
前記スイッチ１３の接点をｃもしくはｄに切り換える回
線接続してから、ベル鳴動による着信呼出（ｓ７）と引
き続くオフフック状態での通話（ｓ８）とが行われる。

【００１９】一方、受信ＰＢ信号の下１ケタの数字が
『０』の場合には、付属電話機Ｔ１、Ｔ２…に昼間着信
用に割当てられているダイヤルイン番号（５３００）に
該当するため、やはり前記スイッチ１３の接点をｃもし
くはｄに切り換える回線接続切換えが行われれるが、こ
の場合には、着信時間によってその後の処理が区別され
ることになる。即ち、昼間着信用の電話呼出があった場
合は、時計時刻を参照して着信した現在時刻が記憶部８
に予め登録されている指定時間帯（ＡＭ６：００〜ＰＭ
１１：００）の範囲内にあるかどうか判別される（ｓ
５、ｓ６）。指定時間内にあるときには、前記終日着信
用の場合と同じく通常の電話着信処理（ｓ７、ｓ８）が
実行される。これに対して、登録時間外に着信したとき
には、ベル鳴動による着信呼出を行わず、これに代え
て、例えば「本日の業務は終了しました。御用の方は５
３０２番にファックスして下さい。」といった音声メッ
セージを発呼側に繰り返し送出する処理（ｓ９）を実行
して終了する。

【００２０】このように本発明に係るファクシミリ装置
では、予め記憶部８にファクシミリ部Ｆ１と付属電話機
Ｔ１、Ｔ２…に昼間着信用と終日着信用の別に割当てら
れるダイヤルイン番号とを各々登録し、昼間着信用に割
当てられるダイヤルイン番号については当該番号と共に
着信呼出を行う時間帯を登録しておくことを前提とし
て、ダイヤルイン番号の別にファクシミリと電話との接
続切換えが行われ、しかも電話呼出の場合において昼間
着信用のダイヤルイン番号を着信したときには、記憶部
８に登録されている昼間の時間帯でのみ着信呼出が行わ
れることになる。それ故、付属電話機Ｔ１、Ｔ２…に割
当てられるダイヤルイン番号のうち昼間着信用の番号
（５３００）を一般に公開し、終日着信用の番号（５３
０１）については近親者等の特定関係者にのみ知らせる
ようにすれば、特定関係者からの電話呼出については終
日着信呼出を許容しつつ、それ以外の相手からの電話呼
出については夜間の着信呼出を排除し、これにより無用
な着信ベル音の鳴動に悩まされることがなくなる。

【００２１】また、昼間着信用のダイヤルイン番号によ
る登録時間外の電話呼出に対して、着信呼出を拒否する
だけでなく音声メッセージによるファクシミリ番号の報
知機能を追加することにより、終日着信用のダイヤルイ
ン番号を知らない特定関係者以外からの緊急、重要要件
についてもファクシミリ受信による連絡の途を確保する
ことができる。

【００２２】ところで、所謂迷惑電話の着信呼出を排除
する目的では、昼間着信用のダイヤルイン番号に付帯さ
れる着信呼出許容時間は、その名称に拘泥されず当該フ
ァクシミリ装置を利用する者にとって都合のよい自由な
時間帯を選んで登録することができる。この意味で、昼
間着信用のダイヤルイン番号は、任意の時間帯のみ着信
呼出する時限着信用の番号として広く活用することがで
きる。そして、この時限着信用電話には、相手により着
信呼出時間を区分する等の目的により複数のダイヤルイ
ン番号を割当てることができる。一方、ファクシミリ受
信用のものについても、勿論、相手により受信機能を区
分する等の目的により複数のダイヤルイン番号を割当て
ることができる。

【００２３】なお、実施例では、ファクシミリ部Ｆ１と
ダイヤルイン処理部Ａでの処理に信号処理部１を共用す
るものを例示したが、両者が分離されるハード構成を採
用する場合には、勿論、ファクシミリ部Ｆ１とダイヤル
イン処理部Ａとに個別に信号処理部を設けて相互をデー
タ転送回路で接続するようにすればよい。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、本発明に係るファクシミ
リ装置では、ファクシミリ部と付属電話機に昼間着信用
と終日着信用の別に割当てられるダイヤルイン番号を登
録することにより、着信時には着信ダイヤルイン番号の
別にファクシミリと電話との接続切換えが自動で行わ
れ、しかも電話呼出の場合には着信ダイヤルイン番号に
より相手を峻別して、昼間着信用のダイヤルイン番号を
着信したときには夜間等における着信呼出を排除し、こ
れにより利用者をして無用な着信ベル音の鳴動から解放
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るダイヤルイン機能を有したファク
シミリ装置の実施例を示すブロック図である。

【図２】記録部に登録されるダイヤルイン番号等の一例
を示す図である。

【図３】実施例装置の着信処理動作を示すフローチャー
トである。

【符号の説明】

Ｆ ファクシミリ装置 Ｆ１ ファクシミリ部 Ａ ダイヤルイン処理部 Ｔ１、Ｔ２… 付属電話機 Ｌ 電話回線 １ 信号処理部 ８ 記憶部 ９ スピーカ １１ 音声メッセージ発生部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイヤルイン処理部を有し、ファクシミ
   リ部に割当てられるダイヤルイン番号と付属電話機に時
   間帯別に割当てられるダイヤルイン番号を登録する記憶
   部と、着信ダイヤルイン番号の別にファクシミリと電話
   との接続切換えを行い、特定された時間帯に割当てられ
   たダイヤルイン番号を着信した時には当該時間帯でのみ
   着信呼出を行う信号処理部とを備えたファクシミリ装
   置。