JP2541073Y2 - 温水洗浄装置の温風吹出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、便器に設けられて人体
臀部の洗浄を行なう温水洗浄装置に関するものであり、
特に、人体臀部の乾燥を行なうための温風の吹出ダクト
の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】洋風便器等に設けられ、人体臀部の温水
洗浄を行なう温水洗浄装置は公知である。また、この温
水洗浄装置にさらに温風吹出装置を設けたものも公知で
ある。この温風吹出装置は、ファン、エアヒータ及びダ
クトを主要構成部材とするものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この種の温風ダクト
は、汚水（特に洋風便器を男子小用として用いた場合の
小水）が入り易い。そして、入り込んだ汚水が乾固して
臭気を発生させるという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の温水洗浄装置の
温風吹出装置は、送風用のファン、該ファンからの空気
を便鉢へ向けて導くダクト及びエアヒータを備えてなる
温水洗浄装置の温風吹出装置において、該ダクト内に洗
浄水を供給するための洗浄水供給機構を設けたことを特
徴とするものである。

【０００５】

【作用】かかる本考案の温水洗浄装置の温風吹出装置に
あっては、ダクト内を洗浄水で洗浄できるため、ダクト
内の臭気源物質を洗浄排出することができる。

【０００６】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本考案の実施例に係る温風吹出装置の構成
を示すブロック図、第２図はこの温風吹出装置を備えた
温水洗浄装置の全体構成を示す内部透視斜視図である。

【０００７】第２図を参照してまずこの温水洗浄装置の
全体構成について説明する。洋風便器１０の上側に便座
１２及び便蓋１４が設けられている。これら便座１２及
び便蓋１４は、洋風便器１０の後部上面に取り付けられ
た便座ボックス１６の前面側に枢支されている。該便座
ボックス１６は、その側方に張り出す機能部１８を備え
ており、この機能部１８及び便座ボックス１６の本体部
分の内部に各種温水洗浄用機器が設置されている。

【０００８】即ち、便座ボックス１６の本体部の内部に
は温水タンク２０や、電磁弁２２、２４が設置されると
共に、洋風便器１０の便鉢２６内に突出するシャワー用
ノズル２８及びチャームノズル３０が設置されている。
さらに、この洗浄により濡れた臀部を乾燥するための温
風を吹き出すために、ファン３２と、該ファン３２に接
続されたダクト３４とが設置され、このダクト３４の奥
側にはエアヒータ３６（第１図参照）が設置されてい
る。

【０００９】前記温水タンク２０へは、トイレルームの
壁面の止水栓３８から配管４０及び逆止弁４２を介して
水道水が導入される。この温水タンク２０内に設けられ
た水加熱用のヒータ（図示略）により水が加熱されて温
水とされる。

【００１０】機能部１８の上面に設けられたスイッチ４
４又は４６を操作すると、シャワー用電磁三方弁２２又
はチャーム用電磁三方弁２４が開弁し、温水タンク２０
内の温水がシャワー用ノズル２８又はチャームノズル３
０に供給され、該ノズル２８又は３０が便鉢２６内に前
進すると共に、その先端から温水が上向きに噴出され、
人体臀部の洗浄が行なわれる。なお、機能部１８の上面
の洗浄強さダイヤル５０を操作することにより、この洗
浄強さ（温水の噴出量）を調節することができる。

【００１１】また、機能部１８の上面のスイッチ５２を
操作することにより、ファン３２及びエアヒータ３６を
作動させ、ダクト３４から温風を便鉢２６内（便座１２
に着座した人体の臀部）に向けて吹き出すことができ
る。

【００１２】しかして、このダクト３４には、第１図に
示す如く洗浄水の受入口５４と、洗浄水の排出用の排出
口５６が設けられている。本実施例では、人体の臀部に
向けて温風が効率良く当たるように、ダクト３４の吹出
口部分は斜め上向きとなっている。そして、ダクト３４
の途中の最低レベル部分に排出口５６が設けられてお
り、この排出口５６は便鉢２６に臨む位置に設けられて
いる。また、ダクト３４は、その入口側が汚水の侵入を
受け易く、最も汚れ易いから、このダクト３４の入口部
分に洗浄水を供給すべく、前記受入口５４をダクト３４
の先端近傍に配置している。

【００１３】この受入口５４は、前記電磁三方弁２２、
２４に対しホース６２、６４を介して接続されている。
なお、ホース６２、６４はその途中で合流し、１本とな
って前記受入口５４に接続されている。

【００１４】本実施例では、スイッチ４４又は４６を操
作してノズル２８又は３０から温水を噴出させると、電
磁三方弁は第１図の２２で示したもののように温水タン
ク２０とノズルとを連通させ、ノズル先端から温水を噴
出させる。また、スイッチ４４又は４６を再度操作して
この洗浄操作を終了させると、第１図の２４で示す電磁
三方弁の如く、ノズルと受入口５４とを連通させるよう
に流路選択が切替わる。これにより、シリンダ６６又は
６８内の残留水が受入口５４に供給され、ダクト３４の
洗浄が行なわれる。

【００１５】即ち、この種の温水洗浄用のノズル２８、
３０は、それらの基端側がピストン部２８ａ、３０ａと
なっており、このピストン部２８ａ、３０ａがシリンダ
６６、６８内に摺動自在に挿入されている。そして、こ
のノズル２８、３０がシリンダ６６、６８内に引き込ま
れる方向に付勢するリターンスプリング７０、７２が該
シリンダ６６、６８内に設置されている。

【００１６】電磁三方弁２２又は２４がシリンダ６６、
６８と温水タンク２０とを連通するように流路選択がな
されると、シリンダ６６又は６８内に供給された温水の
水圧によってノズル２８又は３０が前進する。その後、
電磁三方弁が第１図の２４で示すもののように流路選択
がなされると、リターンスプリング７０又は７２の付勢
力によりノズル２８又は３０が後退し、シリンダ６６又
は６８内に残存していた水がホース６２又は６４を介し
て受入口５４に送り込まれるのである。

【００１７】なお、前記機能部１８内には、これらの一
連の制御を行なうための電気回路を搭載したコントロー
ル基板７４が設置されている。

【００１８】このように、ダクト３４内を水で洗浄する
ことにより、ダクト３４内の臭気発生源を排出すること
ができ、臭気発生を防止することができる。

【００１９】本実施例では、ノズル２８又は３０による
臀部洗浄を行なう度に、その終了後にダクト３４内に洗
浄水が確実に供給されるため、ダクト３４の洗浄忘れが
なく、臭気発生を確実に防止することができる。

【００２０】第３図は本考案の別の実施例に係る洗浄水
供給機構を示すブロック図である。本実施例では、ダク
ト３４の受入口５４がバルブ７８付の配管８０を介して
給水源（例えば温水タンク２０など）に直接に接続され
ている。このバルブ７８は、洋風便器１０の使用者を検
知するための人体検知センサ８４からの信号を受けた弁
制御器８２によって開閉作動される。即ち、洋風便器１
０の使用者が洋風便器１０から立ち去ることがセンサ８
４によって検知されると、弁制御器８２はバルブ７８を
所定時間だけ開弁させ、ダクト３４に洗浄水を所定時間
だけ供給するのである。

【００２１】この第３図の実施例によれば、多量の洗浄
水をダクト３４に供給し、該ダクト３４内を十分に洗浄
することが可能である。

【００２２】第４図はさらに別の実施例に係る洗浄水供
給機構を示すブロック図である。本実施例では、弁制御
器はセンサ８４と共にタイマ８６から信号を受けてい
る。このタイマ８６が所定時間に達したことを示す信号
を弁制御器８２に出力すると、そのときに洋風便器１０
の使用者が存在しないことをセンサ８４で確かめた上で
バルブ７８を所定時間開弁させる。これにより、ダクト
３４が十分な量の洗浄水で洗浄される。

【００２３】上記実施例では、いずれもダクト３４はそ
の先端側が斜め上向きとなっているが、本考案では第５
図の如くダクト３４Ａを単調な下り勾配としても良い。
この場合には、洗浄水の受入口５４をダクト３４Ａの比
較的奥側に配置し、ダクト３４Ａ内の洗浄水をダクト３
４の先端から便鉢内に排出する。

【００２４】第６図ないし第８図にダクトの好適な断面
形状を例示する。なお、第６図は第４図のVI−VI線に沿
う部分に相当する断面を示している。第６図では、ダク
ト３４Ｂの幅方向の中央部分に排出口５６が設けられて
おり、かつダクト３４Ｂの底面部分はこの排出口５６部
分に向って下り勾配となっている。

【００２５】第７図のダクト３４Ｃでは、ダクトの幅方
向の一端側に排出口５６を配置し、ダクト３４Ｃの底面
部分をこの排出口５６に向って下り勾配としている。

【００２６】第８図は洗浄水の受入口５４部分を改良し
たダクト３４Ｄの断面図であり、第４図のVIII−VIII線
に相当する部分の断面を示している。本実施例では、受
入口５４の下面部分に分散板８８を設け、受入口５４か
ら導入された水をダクト３４Ｄの幅方向に均一に分散さ
せるようにしている。このようにすると、ダクト３４Ｄ
内の全域をくまなく洗浄することができ、臭気発生を一
層確実に防止することが可能となる。

【００２７】上記実施例で示した温水洗浄装置の外観形
状やダクト３４の形状などはいずれも本考案の一例に係
るものであり、本考案は図示以外の各種形状の温水洗浄
装置やダクトを有する温風吹出装置にも適用できること
は明らかである。

【００２８】

【考案の効果】以上の通り、本考案の温水洗浄装置の温
風吹出装置は、ダクト内が洗浄水で洗浄されるため、臭
気発生源が洗浄除去されるようになり、臭気発生が確実
に防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る温風吹出装置の構成を示
すブロック図である。

【図２】実施例に係る温水洗浄装置を備えた洋風便器の
全体斜視図である。

【図３】別の実施例に係る温風吹出装置のブロック図で
ある。

【図４】さらに別の実施例に係る温風吹出装置のブロッ
ク図である。

【図５】ダクトの別の形状例を示す断面図である。

【図６】ダクト３４Ｂの断面図である。

【図７】ダクト３４Ｃの断面図である。

【図８】ダクト３４Ｄの断面図である。

【符号の説明】

１０ 洋風便器 １２ 便座 １４ 便蓋 １６ 便座ボックス ２０ 温水タンク ２２，２４ 電磁三方弁 ３２ ファン ３４ ダクト ３６ エアヒータ ５４ 洗浄水の受入口 ５６ 洗浄水の排出口

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 送風用のファン、該ファンからの空気を
   便鉢へ向けて導くダクト及びエアヒータを備えてなる温
   水洗浄装置の温風吹出装置において、 該ダクト内に洗浄水を供給するための洗浄水供給機構を
   設けたことを特徴とする温水洗浄装置の温風吹出装置。