JPH0720230Y2 - 脱臭便座ボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は便鉢内の臭気がトイレルーム内に拡散しないよ
うに排気管や排水管を通して外部に排出するための脱臭
便座ボックスに関する。

［従来の技術］ この種の脱臭便座ボックスは、洋風便器の後部上面に設
置されるケーシングと、このケーシング内に設けられた
脱臭ファンとを備えている。この脱臭ファンは、吸込側
が例えばダクト等を介して便鉢内に臨むように設けられ
る。また、脱臭ファンの排風側には適宜のダクトが設け
られ、脱臭ファンの排風を排気管や排水管に導くように
している。

［考案が解決しようとする課題］ 十分な脱臭効果をあげるためには、脱臭ファンの排風量
及び排風圧を大きくすることが必要である。そのために
は、脱臭ファンの回転数を高くすることが考えられる。
ところが、この種の脱臭ファンにあっては、回転数が高
くなると騒音が著しく大きくなるため、脱臭便座ボック
スの作動音も大きくなるという欠点があった。

また、脱臭ファンの回転数を高くする代わりに大型の脱
臭ファンを設けることも考えられる。しかしながら、脱
臭便座ボックス内には、脱臭ファンやダクトのほかに、
便座暖房装置や、人体臀部の温水洗浄装置等を組み込む
ことが通常であり、脱臭便座ボックス内にはまとまった
十分なスペースがないことが多く、大型の脱臭ファンを
設置するだけのスペースはないのが一般的である。

［課題を解決するための手段］ 本考案の脱臭便座ボックスは、洋風便器の後部上面に設
置される便座ボックスであって、その内部には便鉢内の
臭気を外部に排出するための流路と、該流路の途中に設
けられた脱臭ファンとを備える脱臭便座ボックスにおい
て、前記流路に脱臭ファンを複数台直列に設けたことを
特徴とするものである。

［作用］ 本考案の脱臭便座ボックスにおいては、脱臭ファンを複
数台設置したので、脱臭ファンの回転数を高くすること
なく排風圧及び排風量をともに大きくできる。この場
合、各脱臭ファンは小型のもので良いから、脱臭便座ボ
ックス内の空いたスペースを利用して設置できる。

［実施例］ 以下、図面を参照して実施例について説明する。第１図
は実施例に係る脱臭便座ボックス１の斜視図であり、ケ
ーシングを一部破断して内部構造を示している。

符号２は脱臭便座ボックス１が取り付けられた洋風便器
であり、便鉢３の上面には便座４が設けられている。こ
の便座４は脱臭便座ボックス１に枢着されている。脱臭
便座ボックス１は便鉢３よりも後部側の上面に固定設置
されている。

符号５は脱臭便座ボックス１のケーシングであり、その
内部には、便鉢３内の臭気を排気管又は排水管（本実施
例では排水管。ただし図示略）に導くためのダクト６が
設けられている。該ダクト６は、その上流側開口（臭気
吸込口）6aが便鉢３の後部に設けられている。ダクト６
の途中には第１の脱臭ファン７、第２の脱臭ファン８、
臭気逆流防止用のチャッキ弁９が設けられている。

ケーシング５内には、温水洗浄装置が設置されている。
符号10は温水タンクであり、ポンプ（図示略）により温
水が洗浄用シリンダ11に供給可能とされている。このシ
リンダ11は温水の供給水圧により突出するノズル12を有
し、該ノズル12の先端から洗浄水が噴出される。

ケーシング５内には、人体臀部の乾燥を行なうための温
風装置が設けられている。温風装置は、温風用ファン13
と、該ファン13に連設された温風用ダクト14とを備えて
いる。この温風用ダクト14内にはヒータ（図示略）が設
けられており、温風用ファン13から送られてきた空気が
加熱され、温風となって人体臀部に向って吹き出される
よう構成されている。

ケーシング５は、その一端が便器２の側端からはみ出す
ように横長に設けられており、該一端部には制御装置15
が設けられている。符号16はスイッチであり、上記の脱
臭装置や温水洗浄装置、温風装置のON、OFF、水量調
節、温度調節等を行なうためのものである。

このように構成された脱臭便座ボックスにあっては、脱
臭ファン７、８が直列に設けられており、排風量及び排
風圧がともに大きい。従って、便鉢３内の臭気を十分に
排出できる。各脱臭ファン７、８は比較的小型のもので
足り、ダクト６の途中の箇所に容易に設置できる。

なお、前記チャッキ弁９はソレノイド9aにより開閉され
るよう構成されており、脱臭ファン７、８が作動される
ときにはソレノイド9aが励磁されてチャッキ弁９が開放
する。脱臭ファン７、８が停止されるときにはソレノイ
ド9aは消磁され、リターンスプリング（図示略）の作用
によりチャッキ弁９は閉弁される。

上記実施例では脱臭ファンが２台設置されているが、本
考案では脱臭ファンを３台以上設置しても良い。

また、本考案においては、第２図に示す如く、ダクト６
を途中から分岐させ、分岐流路19に第３の脱臭ファン20
を設けても良い。この場合、例えば人体が便座に座って
いるときには脱臭ファン６、７を作動させ、立ち上がっ
てから所定時間は脱臭ファン６、７、20を作動させるよ
うにしても良い。この場合には、人体着座時には、人体
臀部に沿って通り抜ける空気流量が小さくなり、いわゆ
るスカスカした冷気感が解消ないし減少される。また、
人体が立ち上がった後は強力に臭気排出がなされ、十分
な脱臭が行なえる。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案の脱臭便座ボックスによると、便鉢
内の臭気を排出するための排風量及び排風圧をいずれも
大きくでき、十分な脱臭が可能である。また、脱臭ファ
ンとしても大型のものを採用する必要がなく、スペース
の狭い脱臭便座ボックス内にも容易に設置できる。しか
も、脱臭ファンの回転数も低くて足り、作動音も小さ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す斜視図である。第２図は別の実施
例を示す系統図である。 １……脱臭便座ボックス、２……洋風便器、３……便
鉢、５……ケーシング、６……ダクト、７……第１の脱
臭ファン、８……第２の脱臭ファン、９……チャッキ
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洋風便器の後部上面に設置される便座ボッ
   クスであって、その内部には便鉢内の臭気を外部に排出
   するための流路と、該流路の途中に設けられた脱臭ファ
   ンとを備える脱臭便座ボックスにおいて、前記流路に脱
   臭ファンを複数台直列に設けたことを特徴とする脱臭便
   座ボックス。