JP2540653Y2 - 刈取穀稈株元側掻込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、植立穀稈を刈取りその
刈取られた穀稈を直ちに脱穀して処理するところのコン
バインや、刈取った穀稈を所定量ずつ結束して圃場に放
出するバインダ−等の刈取部に用いる刈取穀稈株元側掻
込装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来このような刈取部においてその刈取
穀稈株元側の掻込装置なるものには実公昭５３−１５７
０１号公報に記載されるような構成のものが公告されて
はいる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、この同公報に
記載されるような従来の構成のものでは刈取穀稈を集合
しつつ後送させる手段として良策であるとは言えないの
であって、本考案はこの従来のものよりも一段と搬送性
能の良いものを具現しようとするもので、特に刈取穀稈
を集合挟持して後送するとき稈こぼれやズレによる穀稈
の乱れの生じないものを提供するを目的として改良考案
されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本考案のものは、
前記記載の目的を遂行し得るものを具現するために、刈
刃によって刈取られた穀稈の株元側を、左右に対設する
掻込ホイルとその上方に前方開きでハの字形にした一対
の掻込ベルトとこの掻込ベルトにより形成される空間に
平面視で菱形状にして掻込ベルトの作用側に刈取穀稈を
案内する株元ガイドと株元ガイドバネにより挟持して後
送する装置において、前記株元ガイドバネを菱形状に形
成するに、前部は切離して遊端にし後部を連続状にする
とともに、その後部をフレ−ム側に固定して取付け、か
つ株元ガイドバネの前記掻込ベルトに対設する後部側部
分の前方への延長線を掻込ベルトの延長線に対して交叉
させて後端の間隔より前側の間隔を小に設定して構成し
たのである。

【０００５】

【作用】このように構成されているから、刈刃によって
刈取られた穀稈は、掻込ベルトにより掻込まれながら掻
込ホイルと掻込ベルトと菱形状の株元ガイドと株元ガイ
ドバネとによって掻込ベルトの作用側に案内され挟持さ
れて後送されるようになるが、その場合、前端が遊端と
なっている株元ガイドバネは掻込ベルトにより掻込まれ
る穀稈の株元によってこの掻込ベルトから離れる側に押
され前側の間隔は拡がり穀稈の量の変化に柔軟に対応し
てこれをスム−ズに受入れながら掻込み、後端の間隔は
適宜のものに設定されていて掻込まれた穀稈の後送作用
を確実に行い、また、株元ガイドバネの後端は連続上に
なっていて後送されてきた穀稈がこの菱形状の株元ガイ
ドバネの内部に後部側からはいり込まず乱れることがな
いのである。

【０００６】

【実施例】以下本考案による装置に関して実施例図に基
き具体的に説明するのであるが、この例図はコンバイン
の刈取部に施したもので示してあるので先ずコンバイン
全体の概略を「図４」と「図５」および「図２」と「図
３」により記載すると、図中、（１１）は走行クロ−ラ
（１２）を装設するトラックフレ−ム、（１３）はトラ
ックフレ−ム（１１）上に架設する機台、（Ｂ）はフィ
−ドチエン（１４）を左側に張設し扱胴（１５）等を内
蔵する脱穀部、（Ａ）は引起ケ−ス（１６）・刈刃
（１）・株元搬送チエン（１７）・穂先搬送タイン（１
８）などを具備する刈取部、（Ｃ）は排藁チエン（１
９）の終端部をのぞませる排藁処理部、（Ｄ）は運転席
（２０）および運転操作部（２１）を備える操縦部、
（Ｅ）はエンジン、（２２）は前記エンジン（Ｅ）の前
方に配設して脱穀部（Ｂ）からの穀粒を揚穀筒（２３）
介して貯溜する穀粒タンク、（２４）は前記穀粒タンク
（２２）内の穀粒を機外に取出す排出オ−ガであって、
連続的に植立穀稈を刈取りその刈取った穀稈を脱穀処理
するように構成されている。

【０００７】また、前記の刈取部（Ａ）は、大形分草板
（２５）と小形分草体（２６）を介し受入れる植立穀稈
を引起す横回し形の引起タイン（２７）を有し後傾姿勢
にして横方向に数本のものを列設する４条刈用の引起ケ
−ス（１６）と、この引起された穀稈の株元側を掻込む
ところの２組の掻込ホイル（２）（３）と掻込ベルト
（４）（５）と、穀稈の株元を刈取る刈刃（１）と、刈
取穀稈の右側２条分の穀稈の株元側を左斜め後方に挟持
搬送する右株元搬送チエン（１７ａ）と右側２条分の穀
稈の穂先側を左斜め後方のフィ−ドチエン（１４）の送
り始端近傍部まで係止後送する右穂先搬送タイン（１８
ａ）と、左側２条分の穀稈の株元側および穂先側を右斜
め後方に搬送し右株元搬送チエン（１７ａ）の送り終端
部位置近傍に合流させる左株元搬送チエン（１７ｂ）お
よび左穂先搬送タイン（１８ｂ）と、前記右株元搬送チ
エン（１７ａ）の送り終端部に合流する４条分の株元側
を前記フィ−ドチエン（１４）の送り始端部に搬送受継
ぎするため始端部を右株元搬送チエン（１７ａ）終端部
の下側に位置させた縦搬送チエン（２８）と、前記右穂
先搬送タイン（１８ａ）と縦搬送チエン（２８）の送り
終端部上下略中間高さ位置に設けてフィ−ドチエン（１
４）に適正姿勢で穀稈を受継がせる補助搬送チエン（２
９）とを備え、刈取られた４条分の穀稈をＹ字形に後送
してフィ−ドチエン（１４）に受継がせ脱穀処理するよ
うに構成し、その刈取脱穀作業にあたっては、刈取部
（Ａ）は刈取入力ケ−ス（３０）の軸芯を支点にしてシ
リンダ−機構（３１）により上下動調節可能になってい
て、刈り高さの調節や回行時における上昇を行なわせな
がら作業を続行するのである。

【０００８】次に本考案の要部である刈取穀稈株元側掻
込装置について「図１」および「図２」「図３」により
記載すると、このものは前述したように、数本の引起ケ
−ス（１６）を横方向に列設するとともに２組の掻込ホ
イル（２）（３）・（２）（３）と掻込ベルト（４）
（５）・（４）（５）が設けられて引起して刈取った２
条分ずつを掻込み挟持して後送するところの、いわゆる
４条刈りのもので、左側のものと右側のものとは同一の
構成になっているので一方側のものについて記載し他方
側のものは同じ符号を付してその説明を省略する。

【０００９】即ち、前記の掻込ホイル（２）（３）は星
形に形成されて左右に互いに係合状態で対設されてい
て、一方の掻込ホイル（３）の回転駆動によって他方の
ものが異方向に回転して穀稈を挟扼し繰り出すように構
成され、この対設する掻込ホイル（２）（３）の上方に
は後退角をもたせた係送棒（３２）を適当間隔おきに一
体成形してなるゴム製無端帯の掻込ベルト（４）（５）
を前方開きにしてハの字形になるように一対配設して前
記の掻込ホイル（２）（３）と一体となって回転するよ
うに装着され、各掻込ベルト（４）（５）の上側はベル
トカバ−（３３）によって覆われてそのベルト（４）
（５）の係送棒（３２）のみがベルトカバ−（３３）の
周縁部（３３ａ）から突出しながら回転するのである。

【００１０】また、前記の小形分草体（２６）は大形分
草板（２５）（２５）間の中間部に位置して植立穀稈を
分草しながら引起ケ−ス（１６）の引起タイン（２７）
側に穀稈を向かわせるものであって、刈取部（Ａ）のフ
レ−ム（１０）先端部に一体的に取着され、その小形分
草体（２６）後側のフレ−ム（１０）部分からは取付体
（３４）が上向きに突設されて、この取付体（３４）か
ら前記一対の掻込ベルト（４）（５）の間に形成された
空間（６）に向け株元ガイド（８）を平面視で菱形状に
して掻込ホイル（２）（３）の回転軌跡近くまで延出さ
せている。

【００１１】そして、この株元ガイド（８）の上方側に
は株元ガイド（８）よりも大形の菱形状に形成した株元
ガイドバネ（９）が設けられて空間（６）内に位置させ
掻込ベルト（４）（５）と共働して穀稈の掻込作用を行
わせているが、この株元ガイドバネ（９）は前部を切離
して遊端にし、後部を連結して菱形状に形成するととも
に、その後部を抑え板（３５）と前記フレ−ム（１０）
から上向きに突出するステ−（３６）とによって挟持し
て固定され、前部の遊端は取付体（３４）と一体成形の
覆板（３７）の下側に位置させてある。

【００１２】また、菱形状に形成された株元ガイドバネ
（９）はその掻込ベルト（４）（５）に対設する後部側
部分（９ａ）の前方への延長線を掻込ベルト（４）
（５）の延長線に対して交叉させるようにして適宜掻込
ベルト（４）（５）より離間した後端の間隔（Ｍ）より
前側の間隔（ｍ）を小に設定してある。

【００１３】このような構成であるから、大形分草板
（２５）と小形分草体（２６）によって分草され引起タ
イン（２７）によって引起され刈刃（１）によって刈取
られた穀稈は、掻込ベルト（４）（５）の係送棒（３
２）により掻込まれながら菱形状の株元ガイド（８）と
株元ガイドバネ（９）とによって掻込ベルト（４）
（５）の作用側（７）に案内され挟持されて後送される
ようになるが、この場合、前端が遊端となっている株元
ガイドバネ（９）は「図１」に示す矢印（イ）方向の前
方に向けての進行によって穀稈の株元（Ｐ）への当接と
その後掻込ベルト（４）（５）により掻込まれる穀稈に
よってこの掻込ベルト（４）（５）から離れる側に押さ
れ仮想線（ロ）のように変形するようになって前側の間
隔（ｍ）は拡がり穀稈の量の変化に柔軟に対応してこれ
をスム−ズに受入れながら掻込み、後端の間隔（Ｍ）は
適宜のものに設定されていて掻込まれる穀稈の後送作用
を確実に行い、また、株元ガイドバネ（９）の後端は連
結しているので後送されてきた穀稈がこの菱形状の株元
ガイドバネ（９）の内部に後部側からはいり込まず乱れ
を起こすことがないのである。

【００１４】

【考案の効果】本考案による装置は以上詳述したよう
に、刈刃（１）によって刈取られた穀稈の株元側を、左
右に対設する掻込ホイル（２）（３）とその上方に前方
開きでハの字形にした一対の掻込ベルト（４）（５）と
この掻込ベルト（４）（５）により形成される空間
（６）に平面視で菱形状にして掻込ベルト（４）（５）
の作用側（７）に刈取穀稈を案内する株元ガイド（８）
と株元ガイドバネ（９）により挟持して後送する装置に
おいて、前記株元ガイドバネ（９）を菱形状に形成する
に、前部は切離して遊端にし後部を連続状にするととも
に、その後部をフレ−ム（１０）側に固定して取付け、
かつ株元ガイドバネ（９）の前記掻込ベルト（４）
（５）に対設する後部側部分（９ａ）の前方への延長線
を掻込ベルト（４）（５）の延長線に対して交叉させて
後端の間隔（Ｍ）より前側の間隔（ｍ）を小に設定して
あるから、刈刃（１）によって刈取られた穀稈は、掻込
ベルト（４）（５）により掻込まれながら掻込ホイル
（２）（３）と掻込ベルト（４）（５）と菱形状の株元
ガイド（８）と株元ガイドバネ（９）とによって掻込ベ
ルト（４）（５）の作用側（７）に案内され挟持されて
後送されるようになるが、その場合、株元ガイドバネ
（９）は前端が遊端となっているのでこの株元ガイドバ
ネ（９）は掻込ベルト（４）（５）により掻込まれる穀
稈の株元（Ｐ）によって掻込ベルト（４）（５）から離
れる側に押され前側の間隔（ｍ）は拡がり穀稈の量の変
化に柔軟に対応できて穀稈をスム−ズに受入れながら掻
込むから、穀稈の後送作用を確実に行って搬送性能が向
上し、特に穀稈を集合挟持して後送するときの稈こぼれ
やズレによる穀稈の乱れを解消するものとなり、加え
て、株元ガイドバネ（９）の後端は連続上になっていて
後送されてきた穀稈がこの菱形状の株元ガイドバネ
（９）の内部に後部側からはいり込むようなことがない
から一層穀稈の乱れを起すことがないのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による装置の要部を示す平面図である。

【図２】刈取部の側面図である。

【図３】同刈取部の各部の配置を示す平面図である。

【図４】コンバイン全体の平面図である。

【図５】同コンバイン全体の側面図である。

【符号の説明】

１ 刈刃 ２ 掻込ホイル ３ 掻込ホイル ４ 掻込ベルト ５ 掻込ベルト ６ 空間 ７ 作用側 ８ 株元ガイド ９ 株元ガイドバネ １０ フレ−ム Ｍ 間隔 ｍ 間隔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刈刃（１）によって刈取られた穀稈の株
   元側を、左右に対設する掻込ホイル（２）（３）とその
   上方に前方開きでハの字形にした一対の掻込ベルト
   （４）（５）とこの掻込ベルト（４）（５）により形成
   される空間（６）に平面視で菱形状にして掻込ベルト
   （４）（５）の作用側（７）に刈取穀稈を案内する株元
   ガイド（８）と株元ガイドバネ（９）により挟持して後
   送する装置において、前記株元ガイドバネ（９）を菱形
   状に形成するに、前部は切離して遊端にし後部を連続状
   にするとともに、その後部をフレ−ム（１０）側に固定
   して取付け、かつ株元ガイドバネ（９）の前記掻込ベル
   ト（４）（５）に対設する後部側部分（９ａ）の前方へ
   の延長線を掻込ベルト（４）（５）の延長線に対して交
   叉させて後端の間隔（Ｍ）より前側の間隔（ｍ）を小に
   設定してあることを特徴とする刈取穀稈株元側掻込装
   置。