JP2539401B2 - 光磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2539401B2
JP2539401B2 JP61273034A JP27303486A JP2539401B2 JP 2539401 B2 JP2539401 B2 JP 2539401B2 JP 61273034 A JP61273034 A JP 61273034A JP 27303486 A JP27303486 A JP 27303486A JP 2539401 B2 JP2539401 B2 JP 2539401B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic film
film
magneto
recording medium
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61273034A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63127450A (ja
Inventor
勝輔 島崎
典之 荻原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP61273034A priority Critical patent/JP2539401B2/ja
Publication of JPS63127450A publication Critical patent/JPS63127450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2539401B2 publication Critical patent/JP2539401B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する非
晶質合金薄膜から成る磁性膜を備えた光磁気記録媒体に
関する。
〔従来技術〕
近年、磁気記録媒体と同様に、情報を繰り返し消去再
書込み可能な記録媒体として、膜面と垂直な方向に磁化
容易方向を有し、所望のパターンで反転磁区を作ること
により情報の記録を行い、磁気カ−効果などの磁気光学
効果を利用して情報の読み出しを行う光磁気記録媒体が
実用化されようとしている。かかる光磁気記録媒体とし
ては、従来より種々のものが提案されているが、任意の
基体上に作製可能であるところから、例えばTbCo,TbFe,
GdCo,TbDyFe,GdTbFe,TbFeCo,GdTbFeGe,GdTbFeCo,TbDyFe
Coなど、非晶質金属薄膜が有望視されている。
ところで、光磁気記録媒体には、記録特性と再生特性
の両方が優れていることのほか、情報の保存安定性を保
証するために耐食性に優れていることが要求される。記
録特性を向上するためにはキユリー点が低く保磁力の大
きい材料を用いる必要があり、また、再生特性を向上す
るためにはカー回転角の大きな材料を用いることが必要
である。さらに、耐食性を向上するためには化学的安定
性に優れた材料を用いる必要がある。
しかしながら、光磁気記録媒体は、同じ元素の組合せ
であつても各成分の組成(含有率)によつてそれぞれ特
有の特性を発揮するので、記録と再生と耐食性という相
反する条件を全て満足する光磁気記録媒体を単一層にて
作製することはできない。このため、特定の組成の単一
層から成る光磁気記録媒体では、記録特性と再生特性と
耐食性とをそれぞれある程度犠牲にし、許容できる範囲
内で全ての特性を一応満足するという平均的、中性的な
特性を有する光磁気記録媒体しか得ることができない。
一方、例えばTbFe/GdFe,TbFe/GdFeCoなどのように、
再生感度が良好な元素の組合せから成る光磁気記録媒体
と、記録感度が良好な他の元素の組合せから成る光磁気
記録媒体を多層に積層し、記録特性及び再生特性双方の
向上を図つた光磁気記録媒体も提案されている(NIKKEI
ELECTRONICS 1985.3.25 176頁)。しかしながら、かか
る多層構造の光磁気記録媒体は、各膜の構成元素及び組
成が全く異なるため、各膜の界面においてレーザ光が散
乱し易く、また、保磁力や最小ドメイン径等の磁気的性
質の相違が大きいため記録ピツトに適した垂直磁区がで
きにくく、記録、再生特性が低下するという問題があ
る。さらに、成膜時に熱膨脹率の差によつて各膜の間に
応力差が生じるため媒体の表面が荒れ易く、この点から
もレーザ光が散乱し易くなつて記録、再生特性が低下す
るという問題がある。
上記した従来の光磁気記録媒体の欠点を解消するた
め、構成元素が同一な単一膜内で情報読み出し側の面で
は読み出し特性の優れた組成になり、他の側の面では記
録特性の優れた組成になるように膜厚方向に組成勾配を
もたせたものが提案されている(特開昭58-73030)。
この光磁気記録媒体は、構成元素が同一な膜内におい
て記録特性に優れた組成の領域と読み出し特性に優れた
領域とを分離し、それぞれの特性を必要に応じて適宜調
整できるようにしたので、レーザ光の散乱や熱応力差に
起因する媒体表面の荒れといつた欠点もなく、記録特性
及び再生特性のいずれにも優れた光磁気記録媒体とする
ことができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
然るに、組成勾配をもたせた上記の光磁気記録媒体
は、もう1つの重要なフアクタである耐食性については
何ら考慮されておらず、このままでは到底実用に供する
ことができない。
本願発明者は、研究の結果、テルビウムと鉄とコバル
トを主成分とする三元合金系の光磁気記録媒体は、各成
分の組成を変えることによつて、記録特性に優れた光磁
気記録媒体、再生特性に優れた光磁気記録媒体、耐食性
に優れた光磁気記録媒体をそれぞれ作製可能であるとい
う知見を得た。また、これに併せて、第8図に示すよう
に、テルビウム15〜30原子%、鉄50〜73原子%、コバル
ト12〜22原子%の組成(第8図のA領域)にすると再生
感度が良好な光磁気記録媒体が得られること、また、テ
ルビウム20〜32原子%、コバルト10原子%以下(残部は
鉄)の組成(第8図のB領域)にすると記録特性が良好
な光磁気記録媒体が得られること、さらには、テルビウ
ム30原子%以下、コバルト15原子%以上(残部は鉄)の
組成(第8図のC領域)にすると耐食性に優れた光磁気
記録媒体が得られるという事実を知得した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであっ
て、光磁気記録媒体の構成に関しては、膜面に垂直な方
向に磁化容易軸を有する非晶質合金薄膜から成る磁性膜
を備えた光磁気記録媒体において、上記磁性膜の膜厚方
向に、基板側より、〔テルビウム15〜30原子%、鉄50〜
73原子%、コバルト15〜22原子%〕の組成を有する第1
の磁性膜と、〔テルビウム20〜32原子%、鉄58〜80原子
%、コバルト10原子%以下〕の組成を有する第2の磁性
膜と、〔テルビウム10〜28原子%、鉄50〜68原子%、コ
バルト22〜40原子%〕の組成を有する第3の磁性膜とを
この順に形成する構成にした。
また、光磁気記録媒体の製造方法に関しては、真空槽
内にテルビウム製ターゲット、鉄製ターゲット、及び少
なくともコバルトを含む合金製ターゲットを内装し、こ
れら各ターゲットに接続された高周波電源からの投入電
力及び投入時間を調整しながら、基板側より、〔テルビ
ウム15〜30原子%、鉄50〜73原子%、コバルト15〜22原
子%〕の組成を有する第1の磁性膜と、〔テルビウム20
〜32原子%、鉄58〜80原子%、コバルト10原子%以下〕
の組成を有する第2の磁性膜と、〔テルビウム10〜28原
子%、鉄50〜68原子%、コバルト22〜40原子%〕の組成
を有する第3の磁性膜とをこの順に形成する構成にし
た。
〔作用〕
テルビウムと鉄とコバルトを主成分とする合金の組成
(含有率)を適宜調整すると、記録特性に優れた光磁気
記録媒体、再生特性に優れた光磁気記録媒体、耐食性に
優れた光磁気記録媒体をそれぞれ作製することができ
る。従つて、単一の磁性膜内に上記各特性を発揮する組
成の領域を所望の配列で形成することによつて、記録特
性及び再生特性、それに耐食性の全てに優れた光磁気記
録媒体を作製することができる。また、このようにして
作製された磁性膜は、膜厚方向に合金の組成が変化する
だけで同一元素の組合せからなるので、種類の異なる元
素の組合せからなる多層構造の光磁気記録媒体と異な
り、各領域の界面においてレーザ光が散乱したり垂直磁
区が乱れるということが少なく、記録、再生特性に優れ
る。
なお、光磁気記録媒体は、一般に、ミリメータ単位の
厚さの透明基板上に形成された磁性膜を、マイクロメー
タ単位の保護膜にて覆う構造になっており、透明基板側
より磁性膜に記録・再生用光を入射して、情報の記録再
生が行われる。前記手段に示した第1の磁性膜は、再生
特性及び耐食性の双方に優れた組成になっているので、
この第1の磁性膜を基板側に配置すると、耐食性を犠牲
にすることなく、良好な再生特性を得ることができる。
また、磁性膜の腐食は、磁性膜の基板側及び保護膜側の
双方から進行するが、厚みが小さな保護膜側からより早
く腐食が進行する。前記手段に示した第3の磁性膜は、
基板側に配置された第1の磁性膜よりもさらに耐食性が
高いので、この膜を保護膜側に配置すると、磁性膜の腐
食を有効に防止できる。
また、1つの真空槽内にテルビウム製ターゲツト、鉄
製ターゲツト、及び少なくともコバルトを含む合金製タ
ーゲツトを同時に内装し、これら各ターゲツトに接続さ
れた高周波電源からの投入電力及び投入時間を適宜調整
することによつて所望の組成の各領域を成膜するように
したので、組成を変更する毎にターゲツトを変更したり
あるいは真空槽内を移動したりする必要がなく、磁性膜
を高効率で成膜することができる。
〔実施例〕
第1図は本発明にかかる光磁気記録媒体の膜構成を模
式的に示す断面図であつて、1は基板、2はエンハンス
膜、3は磁性膜、4は保護膜、5はプリグルーブやプリ
ピットの信号パターンが転写された転写層を示してい
る。
基板1は、例えばガラス、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシなどの透
明物質をもつて構成されており、その片面にプリグルー
ブやプリピツト等の信号パターン(図示せず)が転写さ
れた転写層5が形成されている。
エンハンス膜2は、見掛け上のカー回転角を大きくす
るためのものであつて、例えばSi3N4などの誘電体をも
つて上記基板1の転写層5上に約800Å〜900Åの厚さに
形成される。
磁性膜3は、例えばTbFeCoあるいはこれにニオブ、白
金、クロム、それにチタン等を少量添加したものなど、
テルビウムと鉄とコバルトを主成分とし、膜面に垂直な
方向に磁化容易軸を有する非晶質合金薄膜から成り、上
記エンハンス膜2上に形成される。この磁性膜3は、情
報読み出し側(例えば、基板1側)より、再生感度及び
耐食性に優れた組成の領域3aと、記録感度に優れた組成
の領域3bと、耐食性に優れた組成の領域3cとから成る。
上記3つの領域のうち再生感度及び耐食性に優れた組
成の領域3aは、テルビウム15〜30原子%、鉄50〜73原子
%、コバルト15〜22原子%の組成(第8図のA領域及び
C領域参照)に調整される。また、記録感度に優れた組
成の領域3bは、テルビウム20〜32原子%、鉄58〜80原子
%、コバルト10原子%以下の組成(第8図のB領域参
照)に調整される。さらに、耐食性に優れた組成の領域
3cは、テルビウム10〜28原子%、鉄50〜68原子%、コバ
ルト22〜40原子%、又はテルビウム10〜15原子%、鉄63
〜75原子%、コバルト15〜22原子%の組成(第8図のC
領域参照)に調整される。
これら3つの領域3a,3b,3cは、第2図に示すように、
基板1側から保護膜4側まで主成分であるテルビウムと
鉄とコバルトの組成(含有率)が連続的に変化するよう
に組成勾配をもたせても良いし、また、第3図に示すよ
うに、各領域毎に主成分であるテルビウムと鉄とコバル
トの組成を均一に調整し、各領域を直接接触させても良
い。
上記3つの領域3a,3b,3cの厚さは、再生用レーザ光の
到達深度及び記録用レーザ光照射時の膜厚方向の温度分
布を考慮して形成される。即ち、コストや重量それに設
置体積等の観点から再生用レーザとしては出力が1〜2m
W程度のものが実用的であると考えられるが、このレー
ザをTbFeCo磁性膜に照射した場合の到達深度は約200〜4
00Åであるので、再生感度及び耐食性に優れた組成の領
域3aは約200〜400Åの厚さに形成される。また、同じく
実用上の問題から記録用レーザとしては出力が6〜10mW
程度のものが実用的であると考えられるが、このレーザ
を照射した場合、TbFeCo磁性膜がキユリー温度(約160
〜220℃)以上となる厚さ方向の範囲は基板表面から約7
00Åであるので、記録感度に優れた組成の領域3bは500
〜700Åの厚さに形成される。尚、耐食性に優れた組成
の領域3cの厚さは、耐食性の観点からは厚いほど好まし
いが、あまり厚くすると熱伝導率が低下する等の不具合
を生じるため、300〜700Å程度とすることが好ましい。
保護膜4は、例えばSiO2など、空気中の水分などを透
過しない材料をもつて上記磁性膜3上に形成される。
上記のように構成された光磁気記録媒体に記録用レー
ザ光を照射すると、磁性膜3の当該レーザ光照射部分の
温度が上昇し、主として再生感度及び耐食性に優れた組
成の領域3a及び記録感度に優れた組成の領域3bの保磁力
が低下する。このため、領域3a,3bのレーザ光照射部分
の磁区が外部磁界の方向に磁化反転し、情報信号の記録
が行われる。この場合、領域3aは再生感度及び耐食性を
優先した組成になつているためキユリー温度が比較的高
い(約250℃〜300℃)が、レーザ照射時の温度が最も高
くなる範囲、即ち基板1の表面から200〜400Åの範囲に
形成されているため、レーザ照射時の温度がキユリー温
度に到達し、この領域にも情報が書き込まれる。
これらの領域3a,3bに記録された情報は,交換相互作
用によつて、耐食性に優れた組成の領域3cに転写され保
存される。
上記のようにして情報が記録された光磁気記録媒体か
ら情報を読み出す場合は、再生用レーザ光を照射し、磁
性膜3からの反射光のカー回転角を検知することによつ
て行う。
以下、上記光磁気記録媒体の製造装置及び製造方法の
一例について説明する。
第9図は、上記基板1上にエンハンス膜2、磁性膜
3、保護膜4を成膜する真空成膜装置の一例を示す断面
図であつて、3つの作業用真空槽11,12,13と、搬入口14
aを有する搬入用真空槽14と、搬出口15aを有する搬出用
真空槽15と、上記作業用真空槽11と搬入用真空槽14の間
に設けられたバルブ16と、上記作業用真空槽13と搬出用
真空槽15の間に設けられたバルブ17と、上記作業用真空
槽11及び12との間に設けられたバルブ18と、上記作業用
真空槽12及び13との間に設けられたバルブ19とを備えて
いる。
上記作業用真空槽11内には、上記エンハンス膜2のも
とになるSi3N4製ターゲツト20と対向電極21とが内装さ
れている。また、上記作業用真空槽12内には、上記磁性
膜3のもとになる3つのターゲツト、即ちテルビウム製
ターゲツト22aと鉄製ターゲツト22bと少なくともコバル
トを含む合金製ターゲツト22cと対向電極23とが内装さ
れている。さらに、上記作業用真空槽13内には、上記保
護膜4のもとになるSiO2製ターゲツト24と対向電極25と
が内装されている。上記各ターゲツト20,22a,22b,22c,2
4には高周波電源26が接続され、また、上記対向電極21,
23,25には必要に応じてバイアス電源27が接続されてい
る。
上記真空成膜装置を用いて各膜の成膜を行うに先立
ち、まず、基板1の片面に信号パターンの転写層5を形
成する。この転写層5の形成手段としては、基板材料に
応じて任意の手段を採ることが可能であるが、例えば、
基板1がガラス製である場合には所謂2P法(感光性樹脂
プロセス)が適する。また、基板1がPMMAやPC等の熱可
塑性樹脂である場合には、射出成形法が適する。さら
に、基板1がエポキシ等の熱硬化性樹脂である場合に
は、注型法や2P法が適する。
次いで、上記真空成膜装置の搬入口14aを開いて、上
記のようにして転写層5が形成された基板1を搬入用真
空槽14内に所要枚数搬入する。
次いで、上記搬入口14aを閉じて上記搬入用真空槽14
を真空引きする。この搬入用真空槽14内が所定の真空度
に達したら、バルブ16を開いて搬入用真空槽14内の基板
1を第1の作業用真空槽11内に搬入し、対向電極21に取
り付けて回転する。この状態で当該作業用真空槽11内が
所定の真空度に達したら、スパツタガスを導入し、ター
ゲツト20に所定の電力を投入して所定時間スパツタリン
グを行い、基板1上に膜厚が800〜900Åのエンハンス膜
2を成膜する。
このときのスパツタ条件は、作業用真空槽11内の真空
度を2×10-6Torr、スパツタガスをアルゴンガス、スパ
ツタガス圧を約7.5mTorr、投入電力密度を8W/cm2、スパ
ツタ時間を基板1枚当り3分とする。
次いで、作業用真空槽11内を再度排気したのち、バル
ブ18を開いてエンハンス膜2が成膜された基板1を作業
用真空槽12内に搬送し、対向電極23に取り付けて回転す
る。この状態で当該作業用真空槽12内が所定の真空度に
達したら、スパツタガスを導入し、ターゲツト22a,22b,
22cに投入する電力を時間とともに調整しながら所定時
間スパツタリングを行い、エンハンス膜2上に膜厚が約
1000Åの磁性膜3を成膜する。
このときのスパツタ条件は、作業用真空槽12内の真空
度を1×10-6Torr、スパツタガスをアルゴンガス、スパ
ツタガス圧を約7.5mTorrとし、投入電力密度及びスパツ
タ時間を第1表のように調整する。尚、第1表中の時間
(スパツタ時間)は基板1枚当りの時間を示し、真空槽
中に基板を複数枚収納した場合には、これに比例してス
パツタ時間も長くなる。また、第1表の第3実施例は、
上記コバルト製ターゲツト22cにクロム、白金、チタン
等の第4元素を添加した場合について示している。
次いで、作業用真空槽12内を再度排気したのち、バル
ブ19を開いて磁性膜3が成膜された基板1を作業用真空
槽13内に搬送し、対向電極25に取り付けて回転する。こ
の状態で当該作業用真空槽13内が所定の真空度に達した
ら、スパツタガスを導入し、ターゲツト24に所定の電力
を投入して所定時間スパツタリングを行い、磁性膜3上
に膜厚が1500Åの保護膜4を成膜する。
このときのスパツタ条件は、作業用真空槽13内の真空
度を2×10-6Torr、スパツタガスをアルゴンガス、スパ
ツタガス圧を約7.5mTorr、投入電力密度を8W/cm2、スパ
ツタ時間を基板1枚当り5分とする。
これによつて、転写層5上にエンハンス膜2と磁性膜
3と保護膜4が積層された光磁気記録媒体が作製され
る。
最後に、搬入用真空槽14内の基板1が全て搬出用真空
槽15内に搬送されたのち、バルブ17を閉じ、搬出口15a
を開いて、製品である光磁気記録媒体を搬出する。
以下、具体的な実施例を三例掲げ、本発明の効果に言
及する。
第2表及び第4図乃至第6図に三実施例の組成及び厚
さを示す。但し、製造条件は上記第1表に示した通りで
あり、表中の数値は原子%を示す。
上記第1実施例乃至第3実施例の磁性膜について、実
効カー回転角とキユリー温度を測定したところ、第3表
の結果を得た。尚、比較例として、Tb25Fe70Co5を掲
げ、上記実施例の効果を明らかにする。
第3表から明らかなように、上記第1実施例乃至第3
実施例の磁性膜は、キユーリー温度が5%乃至10%低下
すると共に、カー回転角が14%乃至29%も向上してお
り、記録感度及び再生感度の双方を向上するに効果があ
ることが判る。特に、クロムまたは白金またはチタンを
少量添加した第3実施例の磁性膜は、記録感度及び再生
感度の向上に顕著な効果があることが判る。
第7図に上記第1実施例乃至第3実施例の磁性膜を2
規定の塩化ナトリウム水溶液に浸したときの光透過率の
経時変化を示し、Tb25Fe70Co5単一層の磁性膜と比較す
る。この図に示すように、第1実施例、第2実施例、第
3実施例の磁性膜はいずれも比較例に比べて光透過率の
経時変化が小さく、耐食性に優れていることが判る。特
に、クロムまたは白金またはチタンを少量添加した第3
実施例の磁性膜は、耐食性の改善に顕著な効果があるこ
とが判る。
さらに、第4表に、上記第1実施例乃至第3実施例の
磁性膜を有する第1図の膜構造の光磁気記録媒体を作製
して計測したC/N比を示し、Tb25Fe70Co5単一層から成る
磁性膜を有する光磁気記録媒体と比較する。但し、表中
の数値の単位はデシベル(dB)である 第4表から明らかなように、上記第1実施例乃至第3
実施例の磁性膜を備えた光磁気記録媒体は、いずれも比
較例に比べてC/N比が改善される。特に、書込みパワー
を5mWに調整した場合に著効が認められる。
尚、上記実施例においては光磁気記録媒体デイスクを
例に採つて説明したが、本発明の要旨はこれに限定され
るものではなく、例えば光カードなど、他の任意の光磁
気記録媒体にも応用することができることは勿論であ
る。
また、上記実施例において示した数値は実施の一例を
示すものであつて、本発明の製造方法がこれに限定され
るものではない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によると、基板側に、再
生特性及び耐食性の双方に優れた組成の第1の磁性膜を
設けたので、耐食性を犠牲にすることなく、良好な再生
特性を得ることができる。また、保護膜側に第1の磁性
膜よりもさらに耐食性が高い第3の磁性膜を設けたの
で、最も磁性膜の腐食が問題になる保護膜側の耐食性を
改善でき、磁性膜の腐食を有効に防止できる。
また、本発明の光磁気記録媒体の製造方法は、1つの
真空槽中に所要数のターゲツトを内装し、各ターゲツト
に投入される電力を時間の経過とともに適宜調整するこ
とによつて膜厚方向に組成勾配を有する磁性膜を成膜す
るようにしたので、成膜効率が高く、光磁気記録媒体の
生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光磁気記録媒体を模式的に示す断
面図、第2図は磁性膜の膜構成の一例を示すグラフ、第
3図は磁性膜の膜構成の他の例を示すグラフ、第4図は
本発明の第1実施例に係る磁性膜の組成勾配を示すグラ
フ、第5図は本発明の第2実施例に係る磁性膜の組成勾
配を示すグラフ、第6図は本発明の第3実施例に係る磁
性膜の組成勾配を示すグラフ、第7図は耐食性の経時変
化を示すグラフ、第8図はTeFeCo三元合金系の組成と特
性の関係を示す三角グラフ、第9図は本発明の光磁気記
録媒体の製造に適用される真空成膜装置の一例を示す断
面図である。 1:基板、2:エンハンス膜、3:磁性膜、4:保護膜、5:信号
パターン、11,12,13:作業用真空槽、20,22a,22b,22c,2
4:ターゲツト、21、23、25:対向電極

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する非
    晶質合金薄膜から成る磁性膜を備えた光磁気記録媒体に
    おいて、上記磁性膜の膜厚方向に、基板側より、〔テル
    ビウム15〜30原子%、鉄50〜73原子%、コバルト15〜22
    原子%〕の組成を有する第1の磁性膜と、〔テルビウム
    20〜32原子%、鉄58〜80原子%、コバルト10原子%以
    下〕の組成を有する第2の磁性膜と、〔テルビウム10〜
    28原子%、鉄50〜68原子%、コバルト22〜40原子%〕の
    組成を有する第3の磁性膜とを、この順に形成したこと
    を特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の光磁気記録媒
    体において、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜、及
    び前記第2の磁性膜と前記第3の磁性膜とが直接接して
    いることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の光磁気記録媒
    体において、前記第1の磁性膜と前記第2の磁性膜との
    間、及び前記第2の磁性膜と前記第3の磁性膜との間
    に、他の組成の磁性膜が介在していることを特徴とする
    光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項記載の光
    磁気記録媒体において、前記第1の磁性膜の膜厚が200
    〜400Å、前記第2の磁性膜の膜厚が500〜700Å、前記
    第3の磁性膜の膜厚が300〜700Åであることを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】真空槽内にテルビウム製ターゲット、鉄製
    ターゲット、及び少なくともコバルトを含む合金製ター
    ゲットを内装し、これら各ターゲットに接続された高周
    波電源からの投入電力及び投入時間を調整しながら、基
    板側より、〔テルビウム15〜30原子%、鉄50〜73原子
    %、コバルト15〜22原子%〕の組成を有する第1の磁性
    膜と、〔テルビウム20〜32原子%、鉄58〜80原子%、コ
    バルト10原子%以下〕の組成を有する第2の磁性膜と、
    〔テルビウム10〜28原子%、鉄50〜68原子%、コバルト
    22〜40原子%〕の組成を有する第3の磁性膜を、この順
    に形成することを特徴とする光磁気記録媒体の製造方
    法。
JP61273034A 1986-11-18 1986-11-18 光磁気記録媒体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2539401B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61273034A JP2539401B2 (ja) 1986-11-18 1986-11-18 光磁気記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61273034A JP2539401B2 (ja) 1986-11-18 1986-11-18 光磁気記録媒体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63127450A JPS63127450A (ja) 1988-05-31
JP2539401B2 true JP2539401B2 (ja) 1996-10-02

Family

ID=17522246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61273034A Expired - Fee Related JP2539401B2 (ja) 1986-11-18 1986-11-18 光磁気記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2539401B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003272264A (ja) 2002-03-14 2003-09-26 Sony Corp 光磁気記録媒体およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6299935A (ja) * 1985-10-25 1987-05-09 Canon Inc 光磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63127450A (ja) 1988-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5414652A (en) Magneto-optical memory element
US4995024A (en) Magneto-optical recording element
JP2539401B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその製造方法
US4777082A (en) Optical magnetic recording medium
JP4224062B2 (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法、光磁気記録媒体用基板、並びに、母型スタンパおよびその製造方法
JPS61258353A (ja) 光磁気記録媒体
JPH08180482A (ja) 光磁気記録媒体及び該媒体を用いた情報再生方法
JP2932687B2 (ja) 光磁気記録媒体
EP1158508A2 (en) Magneto-optical recording medium and manufacturing method therefor
JP2528184B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP3205921B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH0644624A (ja) 光磁気記録媒体
JPH02128346A (ja) 光磁気デイスク
JPS61172236A (ja) 光磁気記録素子
JPH0684216A (ja) 光磁気記録媒体の製造方法
JPH0855375A (ja) 光磁気記憶素子
JPH0896429A (ja) 光磁気記録媒体
JPS62109247A (ja) 光学的磁気記録媒体
JPS615460A (ja) GeNで保護された光熱磁気記録媒体
JPS59201248A (ja) 光磁気デイスク
JPH02292753A (ja) 光磁気記録媒体
JPS6289255A (ja) 光磁気記録媒体
JPH03269848A (ja) 光磁気記録媒体
JPH0765423A (ja) 光磁気記憶素子
JPH01208750A (ja) 光磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees