JPH0765423A - 光磁気記憶素子 - Google Patents

光磁気記憶素子

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JPH0765423A
JPH0765423A JP21295393A JP21295393A JPH0765423A JP H0765423 A JPH0765423 A JP H0765423A JP 21295393 A JP21295393 A JP 21295393A JP 21295393 A JP21295393 A JP 21295393A JP H0765423 A JPH0765423 A JP H0765423A
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JP
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magneto
layer
light beam
transparent substrate
track
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Application number
JP21295393A
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English (en)
Inventor
Michinobu Saegusa
理伸 三枝
Hiroyuki Katayama
博之 片山
Akira Takahashi
明 高橋
Kenji Ota
賢司 太田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明基板1の少なくとも片面に光ビームを案
内するためのグルーブ部を有し、グルーブ部側の透明基
板1上に光磁気記録層3が設けられており、グルーブ部
の幅とグルーブ部間のランド部の幅とがほぼ等しく、グ
ルーブ部上のトラックおよびランド部上のトラックに対
し、情報の記録再生を行う光磁気ディスクであって、グ
ルーブ部の深さd(トラック深さ)は、光ビームの波長
をλ、透明基板1の屈折率をnとしたとき、 0.10×λ/n≦d≦0.14×λ/n を満足するように設定されている光磁気ディスク。 【効果】 トラック密度を高くしても、すなわち、グル
ーブ部の幅およびランド部の幅を小さくしても、良好な
信号品質が得られる。つまり、高記録密度の光磁気ディ
スクを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録装置に用い
られる光磁気ディスク、光磁気テープ、光磁気カード等
の光磁気記憶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、書き換えが可能な光
ディスクとして研究開発が進められ、その一部はすで
に、コンピューター用の外部メモリーとして実用化がな
されている。
【0003】光磁気ディスクは記録媒体として垂直磁化
膜を用い、光を用いて記録再生を行うため、面内磁化膜
を用いたフロッピーディスクあるいはハードディスクに
比べて記憶容量が大きいことが特徴である。
【0004】しかしながら、近年では、より大容量なメ
モリーが要求され、ハードディスクをはじめ、光磁気デ
ィスクにおいても、記録密度をより向上させるための研
究が精力的になされている。
【0005】特公昭63−57859号公報では、透明
基板上に凹部(グルーブ部)と凸部(ランド部)の幅を
ほぼ1:1としたガイドトラックを設け、グルーブ部の
上のトラックとランド部の上のトラックとに対し、情報
の記録再生を行うことにより高記録密度を実現する光学
式記録再生装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、トラック密度を高くすると、グルーブ部
(または、ランド部)の上のトラックを再生したとき、
両隣のランド部(または、グルーブ部)の上のトラック
からのクロストークが大きくなる。このため、記録密度
をあまり上げることができないという問題点を有してい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光磁気記憶
素子は、上記の課題を解決するために、透明基板の少な
くとも片面に光ビームを案内するためのグルーブを有
し、グルーブ側の透明基板上に光磁気記録層が設けられ
ており、グルーブの幅とグルーブ間のランドの幅とがほ
ぼ等しく、グルーブ上のトラックおよびランド上のトラ
ックに対し、情報の記録再生を行う光磁気記憶素子であ
って、グルーブの深さdは、光ビームの波長をλ、透明
基板の屈折率をnとすると、 0.10×λ/n≦d≦0.14×λ/n を満足するように設定されていることを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、グルーブ(または、ラン
ド)の上のトラックを再生したとき、両隣のランド(ま
たは、グルーブ)の上のトラックからのクロストーク
が、上記条件を満足しない場合と比較して大幅に少なく
なる。これにより、トラック密度を高くしても、すなわ
ち、グルーブの幅およびランドの幅を小さくしても、良
好な信号品質が得られる。つまり、高記録密度の光磁気
記憶素子を実現できる。
【0009】
【実施例】本発明の第1の実施例について図1ないし図
3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0010】本実施例の光磁気ディスクは、図1に示す
ように、透明基板1、透明誘電体層2、光磁気記録層
3、透明誘電体層4、反射層5、オーバーコート層6が
この順に積層された構成を有している。
【0011】透明基板1は、直径130mm、厚さ1.
2mmの円盤状のガラス基板で、表面には光ビーム案内
用の凹凸のガイドトラックが1.6μmピッチ、グルー
ブ部の幅が0.8μm、ランド部の幅が0.8μmで形
成されている。
【0012】この透明基板1のガイドトラックがある面
側に、透明誘電体層2として、AlNが厚さ80nmで
形成されている。
【0013】この透明誘電体層2上に、光磁気記録層3
として、希土類遷移金属合金であるDyFeCoが厚さ
20nmで形成されている。DyFeCoの組成は、D
0. 23(Fe0.82Co0.180.77で、そのキュリー温度
は約200℃である。
【0014】光磁気記録層3上には、透明誘電体層4と
して、AlNが厚さ20nmで形成されている。透明誘
電体層4上には、反射層5として、Alが厚さ40nm
で形成されている。反射層5上には、オーバーコート層
6として、ポリウレタンアクリレート系の紫外線硬化型
樹脂が厚さ5μmで形成されている。
【0015】透明基板1の表面のガイドトラックは、反
応性イオンエッチング法により、ガラス表面に直接形成
した。
【0016】透明誘電体層2、光磁気記録層3、透明誘
電体層2及び反射層5は、いずれもスパッター法によ
り、同一スパッター装置内で、真空を破らずに形成し
た。
【0017】透明誘電体層2及び4のAlNは、Alタ
ーゲットをN2 ガス雰囲気中でスパッターする反応性ス
パッター法により形成した。
【0018】光磁気記録層3は、FeCo合金ターゲッ
ト上にDyのチップを並べた、いわゆる複合ターゲッ
ト、もしくはDyFeCoの3元合金ターゲットを用い
て、Arガスでスパッターすることにより形成した。
【0019】オーバーコート層6は、スピンコーターに
より樹脂を塗布した後、紫外線照射装置で紫外線を当
て、硬化させることで形成した。
【0020】上記の構成において、グルーブ部の上の光
磁気記録層3からなるトラックと、ランド部の上の光磁
気記録層3からなるトラックとに対して、情報の記録再
生が行われる。
【0021】グルーブ部の深さとクロストーク量との関
係を調べるために、グルーブ部の深さが40nm、50
nm、60nm、70nm、80nmのサンプルを作製
した。
【0022】各サンプルのランド部の上の光磁気記録層
3にのみ信号を記録し、図2(a)に示すように、ビッ
ト長0.765μmの記録ドメイン7a…を形成した。
それから、ランド部に光ビームスポット8を追従させな
がら、ランド部の上の光磁気記録層3に記録した信号を
再生し、信号レベルを測定した。
【0023】また、各サンプルのグルーブ部の上の光磁
気記録層3にのみ信号を記録し、同図(b)に示すよう
に、ビット長0.765μmの記録ドメイン7b…を形
成した。それから、ランド部に光ビームスポット8を追
従させながら、グルーブ部の上の光磁気記録層3に記録
した信号、すなわち漏れ信号を再生し、信号レベルを測
定した。
【0024】そして、上記の二つの信号レベルの差をク
ロストーク量とした。測定に用いた光ビームの波長は7
80nm、光ビームを光磁気ディスク上に光ビームスポ
ット8として収斂させると共に、光磁気ディスクからの
反射光を集光する対物レンズの開口数は0.55、光ビ
ーム径、すなわち、光ビームスポット8において光強度
が中心の光強度の1/e2 になる位置での大きさは1.
2μmである。
【0025】表1に、測定結果を示す。これより、トラ
ック深さ、すなわち、グルーブ部の深さが60nm近傍
で、クロストークが激減することが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】トラック深さとクロストーク量との関係に
ついて、シミュレーションで得られた計算曲線を図3に
示す。計算曲線は、○印で示された実測値とほぼ一致し
ている。曲線よりトラック深さが61nm(0.117
×λ/n、λは光ビームの波長、nは透明基板1の屈折
率)近傍で、クロストークが最小となる。また、トラッ
ク深さが52〜73nmの範囲で、クロストーク量は−
20dB以下となる。すなわち、ガイドトラックの深さ
を、k×λ/nとすると、0.10≦k≦0.14のと
き、隣接トラックからのクロストークが低減され、良好
な再生信号品質が得られ、高密度記録が可能となる。
【0028】また、光ビーム径r0 、トラックピッチp
をそれぞれ変化させたときのクロストーク量の変化をシ
ミュレーションした結果、上記トラック深さの範囲にお
いて、光ビーム径r0 とトラックピッチpが、0.5≦
0 /p≦0.9の条件を満たすとき、上記と同様のク
ロストーク低減の効果が得られた。なお、上記の表1
は、r0 /p=0.75(=1.2μm/1.6μm)
の下で得られたものである。
【0029】上記実施例では光磁気記録層3の材料とし
てDyFeCoを採用したが、これに限る必要はなく、
従来の光磁気ディスクで開発、使用されている材料、す
なわち、室温からキュリー温度まで垂直磁化を示す材料
で、そのキュリー温度が記録に適した温度範囲、すなわ
ち、150〜250℃であればよい。実施例で示したD
yFeCo以外に、TbFeCo、GdTbFe、Nd
DyFeCo、GdDyFeCo、GdTbFeCoが
好適である。
【0030】透明誘電体層2、4の材料としては、Al
N以外に、SiN、AlSiN、AlTaN、SiAl
ON、TiN、TiON、BN、ZnS、TiO2 、B
aTiO3 、SrTiO3 等が好適である。
【0031】透明基板1としては、ガラス基板以外、化
学強化されたガラスからなる基板、ガラス基板上に紫外
線硬化型樹脂を形成した、いわゆる2P層付きガラス基
板、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)、アモルファスポリオレフィン(AP
O)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビフェニール
(PVC)、エポキシのいずれかからなる基板が好適で
ある。
【0032】透明基板1に化学強化されたガラスからな
る基板を採用した場合、機械特性(面振れ、偏心、反
り、傾き)に優れていること、硬度が高いため砂や埃に
より傷が付きにくいこと、化学的に安定であるため各種
溶剤に溶けないこと、プラスチック基板に比べて帯電し
にくいため埃や塵が付着しにくいこと、化学的に強化さ
れているため割れにくいこと、耐湿性、耐酸化性、耐熱
性に優れているため光磁気ディスクの長期信頼性が向上
すること、光学特性が優れているため高い信号品質が得
られること等が利点として挙げられる。
【0033】透明基板1にPC基板を採用した場合、射
出成形ができるため同一の基板を大量に安価に供給でき
ること、他のプラスチック基板に比べて吸水性が低いた
め光磁気ディスクの長期信頼性が向上すること、耐熱
性、耐衝撃性に優れていること等が利点として挙げられ
る。
【0034】なお、PCを含め、射出成形が可能な材料
を採用した透明基板1については、ガイドトラック、プ
リピット等は、射出成形時にスタンパーを成形用金型の
表面に取り付けておけば、成形と同時に基板表面に形成
される。
【0035】なお、上記実施例では、反射層5を設けた
構成を示したが、反射層5を除いた構成でもかまわな
い。また、光磁気記録層3として、通常の、垂直磁化を
示す単層膜について示したが、光変調オーバーライトあ
るいは超解像を目的とした多層膜であってもかまわな
い。
【0036】本発明の第2の実施例について図4ないし
図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。な
お、説明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と
同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0037】本実施例の光磁気ディスクは、図4に示す
ように、透明基板1、透明誘電体層2、読み出し層9、
光磁気記録層3、透明誘電体層4、オーバーコート層6
がこの順に積層された構成を有している。
【0038】透明基板1は、直径130mm、厚さ1.
2mmの円盤状のガラス基板で、表面には光ビーム案内
用の凹凸のガイドトラックが1.6μmピッチ、グルー
ブ部の幅が0.8μm、ランド部の幅が0.8μmで形
成されている。
【0039】この透明基板1のガイドトラックがある面
側に、透明誘電体層2として、AlNが厚さ80nmで
形成されている。
【0040】透明誘電体層2上に、読み出し層9とし
て、希土類遷移金属合金であるGdFeCoが厚さ50
nmで形成されている。GdFeCoの組成は、Gd
0.26(Fe0.82Co0.180.74で、そのキュリー温度は
約300℃である。
【0041】上記の読み出し層9の磁化の方向は、室温
ではほぼ面内にあり、100〜125℃の範囲で面内方
向から垂直方向に移行する。
【0042】この読み出し層9上に、光磁気記録層3と
して、希土類遷移金属合金であるDyFeCoが厚さ5
0nmで形成されている。DyFeCoの組成は、Dy
0.23(Fe0.82Co0.180.77で、そのキュリー温度は
約200℃である。
【0043】光磁気記録層3上には、透明誘電体層4と
して、AlNが厚さ20nmで形成されている。透明誘
電体層4上には、オーバーコート層6として、ポリウレ
タンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂が厚さ5μmで
形成されている。
【0044】透明基板1、透明誘電体層2、光磁気記録
層3、透明誘電体層4、オーバーコート層6に関して
は、上記第1の実施例と同一の材料が用いられており、
同一の製法で形成された。
【0045】読み出し層9は、FeCo合金ターゲット
上にGdのチップを並べた、いわゆる複合ターゲット、
もしくはGdFeCoの3元合金ターゲットを用いて、
Arガスでスパッターすることにより形成された。
【0046】上記読み出し層9の材料として使用される
希土類遷移金属合金の磁気状態図は、図5に示すように
なり、垂直磁化を示す組成範囲(図中、Aで示す)は非
常に狭い。これは希土類金属と遷移金属の磁気モーメン
トが釣り合う補償組成(図中、Pで示す)の近辺でしか
垂直磁化が現れないからである。
【0047】ところで、希土類金属と遷移金属の磁気モ
ーメントは、それぞれの温度特性が異なるため、高温で
は遷移金属の磁気モーメントが希土類金属に比べて大き
くなる。このため、室温の補償組成よりも希土類金属の
含有量を多くしておき、室温では垂直磁化を示さずに面
内磁化を示すようにしておく。そして、光ビームが照射
されることにより、照射部位の温度が上昇すると、遷移
金属の磁気モーメントが相対的に大きくなって、希土類
金属の磁気モーメントと釣り合うようになり、垂直磁化
を示すようになる。
【0048】図6ないし図9は、読み出し層9のヒステ
リシス特性の一例を示した図で、各図とも横軸が読み出
し層9の膜面に垂直方向に印加される外部磁界(He
x)、縦軸が同じく膜面に垂直な方向から光を入射させ
た場合の極カー回転角(θk)を示している。図6は、
図5の磁気状態図における組成P点の、室温から温度T
1 間のヒステリシス特性を示し、図7ないし図9は、そ
れぞれ、温度T1 から温度T2 のヒステリシス特性、温
度T2 から温度T3 のヒステリシス特性、温度T3 から
キュリー温度Tcのヒステリシス特性を示している。
【0049】温度T1 から温度T3 の範囲では、外部磁
界に対して極カー回転角の立ち上がりが急峻なヒステリ
シス特性を示すが、それ以外の温度範囲では極カー回転
角はほとんど0である。
【0050】読み出し層9を設けることにより、記録密
度を高くすることができる。次に、記録密度を高めるこ
とができる理由を説明する。
【0051】光磁気記録媒体における記録密度は、記
録、再生に使用される光ビームの光磁気記録媒体上での
大きさに依存する。読み出し層9を用いることで、光ビ
ームの大きさよりも小さな記録ビットの再生が可能にな
る。
【0052】再生時、図10に示すように、透明基板1
の側から集光レンズ10を介して再生用の光ビーム11
が読み出し層9に照射される。このとき、光磁気記録層
3には、図に矢印で示されている磁化の向きに記録がな
されているとする。
【0053】再生光ビーム11が照射された読み出し層
9の部位は、その中心部近傍が最も温度が上昇し、周辺
の部位の温度よりも高くなる。これは、再生光ビーム1
1が、集光レンズ10により回折限界まで絞り込まれて
いるため、その光強度分布がガウス分布になり、光磁気
ディスク上の再生部位の温度分布もほぼガウス分布にな
るからである。ここで、中心近傍の温度が前述の図5中
の温度T1 以上に達するような光ビーム11の強度が与
えられたとする。このとき、周辺部位の温度は温度T1
以下となる。この温度T1 以上の温度を有する領域のみ
を再生に関与させるので、光ビーム11の径よりも小さ
な記録ビットの再生が行え、記録密度は著しく向上する
ことになる。
【0054】つまり、温度T1 以上の温度を有する領域
の磁化は、面内磁化から垂直磁化に移行する(図6から
図7もしくは図8へ)。この時、読み出し層9及び光磁
気記録層3の2層間の交換結合力により、光磁気記録層
3の磁化の向きが読み出し層9に転写される。一方、再
生光ビーム11の中心近傍に対応する以外の、周辺部位
では温度が温度T1 以下であるため、面内磁化の状態
(図6)が保持される。この結果、膜面に垂直方向か照
射された光ビーム11に対しては、極カー効果を示さな
い。
【0055】このようにして、温度上昇部位が面内磁化
から垂直直に移行すると、再生光ビーム11の中心近傍
のみが極カー効果を示すようになり、該部位からの反射
光に基づいて光磁気記録層3に記録された情報が再生さ
れる。
【0056】そして、再生光ビーム11が移動して(光
磁気ディスクが回転して)、次の記録ビットを再生する
ときは、先の再生部位の温度は温度T1 以下に下がり、
垂直磁化から面内磁化に移行する。これに伴い、この温
度が低下した部位は極カー効果を示さなくなる。したが
って、該温度の低下した部位からは情報が再生されなく
なり、雑音の原因である隣接ビットからの信号混入がな
くなる。
【0057】以上のように、読み出し層9を用いれば、
光ビーム11の径よりも小さな記録信号の再生が行え、
隣接する記録信号の影響を受けないため、記録密度を高
めることが可能となる。
【0058】上記の構成において、グルーブ部の上の光
磁気記録層3からなるトラックと、ランド部の上の光磁
気記録層3からなるトラックとに対して、情報の記録再
生が行われる。
【0059】グルーブ部の深さとクロストーク量との関
係を調べるために、グルーブ部の深さが40nm、50
nm、60nm、70nm、80nmのサンプルを作製
した。さらに、トラックピッチとクロストーク量との関
係を調べるために、グルーブ部の深さが60nmであ
り、トラックピッチが1.2μm、1.3μm、1.4
μmのサンプルを作製した。
【0060】これらのサンプルについて、前記実施例と
同じ方法でクロストーク量を測定した。
【0061】表2に、測定結果を示す。これより、トラ
ック深さ、すなわち、グルーブ部の深さが60nm近傍
で、前記実施例と同様に、クロストークが激減すること
が分かる。
【0062】
【表2】
【0063】トラック深さとクロストーク量との関係に
ついて、前記実施例と同様のシミュレーションで得られ
た計算曲線を図11に示す。計算曲線は、△印で示され
た実測値とほぼ一致している。トラック深さが61nm
近傍で、クロストーク量が最小となっており、その値は
前記実施例と比べて小さくなっている。
【0064】また、光ビーム径r0 、トラックピッチp
をそれぞれ変化させたときのクロストーク量の変化をシ
ミュレーションした結果、上記トラック深さの範囲にお
いて、光ビーム径r0 とトラックピッチpが、0.5≦
0 /p≦0.9の条件を満たすとき、上記と同様のク
ロストーク低減の効果が得られた。したがって、前記実
施例と比べてトラックピッチをさらに詰めることが可能
となる。
【0065】トラック深さが60nmのサンプルでは、
トラックピッチを1.2μmにしても、クロストーク量
は−30dB以下である。したがって、より高密度記録
が可能である。
【0066】以上の実施例において、読み出し層9のG
dFeCoの組成は、上記のGd0. 26(Fe0.82Co
0.180.74に限定されるものではない。読み出し層9と
しては、室温でほぼ面内磁化を有し、室温以上の温度で
面内磁化から垂直磁化に移行すればよい。実施例で示し
たGdFeCo以外に、GdCo、GdFe、TbFe
Co、DyFeCo、HoFeCoが好適である。
【0067】なお、上記実施例では、読み出し層9およ
び光磁気記録層3を透明誘電体層2と4とで挟んだ構成
を示したが、透明誘電体層4とオーバーコート層6との
間に反射層5を形成した構成あるいは、透明誘電体層4
の代わりに放熱層(図示されていない)を設けた構成で
もかまわない。また、光磁気記録層3として、通常の光
磁気記録媒体の単層膜について示したが、光変調オーバ
ーライトを目的とした多層膜であってもかまわない。
【0068】以上の実施例では、光磁気ディスクについ
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、光磁気テープ、光磁気カード等の光磁気記憶素子に
も適用できる。
【0069】本発明に対応する光磁気ディスクは、透明
基板1の少なくとも片面に光ビーム11を案内するため
のグルーブ部を有し、グルーブ部側の透明基板1上に光
磁気記録層3が設けられており、グルーブ部の幅とグル
ーブ部間のランド部の幅とがほぼ等しく、グルーブ部上
のトラックおよびランド部上のトラックに対し、情報の
記録再生を行う光磁気ディスクであって、グルーブ部の
深さd(トラック深さ)は、光ビーム11の波長をλ、
透明基板1の屈折率をnとすると、 0.10×λ/n≦d≦0.14×λ/n を満足するように設定されている構成である。
【0070】これによれば、グルーブ部(または、ラン
ド部)の上のトラックを再生したとき、両隣のランド部
(または、グルーブ部)の上のトラックからのクロスト
ークが、上記条件を満足しない場合と比較して大幅に少
なくなる。これにより、トラック密度を高くしても、す
なわち、グルーブ部の幅およびランド部の幅を小さくし
ても、良好な信号品質が得られる。つまり、高記録密度
の光磁気ディスクを実現できる。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る光磁気記憶素子は、以上の
ように、グルーブの深さdは、光ビームの波長をλ、透
明基板の屈折率をnとすると、 0.10×λ/n≦d≦0.14×λ/n を満足するように設定されているので、グルーブ(また
は、ランド)の上のトラックを再生したとき、両隣のラ
ンド(または、グルーブ)の上のトラックからのクロス
トークが、上記条件を満足しない場合と比較して大幅に
少なくなる。これにより、トラック密度を高くしても、
すなわち、グルーブの幅およびランドの幅を小さくして
も、良好な信号品質が得られる。つまり、高記録密度の
光磁気記憶素子を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、光磁
気ディスクの概略の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の光磁気ディスクのクロストーク量の測定
方法を示すための説明図である。
【図3】図1の光磁気ディスクのクロストークのトラッ
ク深さ依存性を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施例を示すものであり、光磁
気ディスクの概略の構成を示す縦断面図である。
【図5】図1の光磁気ディスクの読み出し層に使用され
る材料の磁気状態図である。
【図6】図5の磁気状態図における組成P点の、室温か
ら温度T1 間のヒステリシス特性を示すグラフである。
【図7】図5の磁気状態図における組成P点の、温度T
1 から温度T2 のヒステリシス特性を示すグラフであ
る。
【図8】図5の磁気状態図における組成P点の、温度T
2 から温度T3 のヒステリシス特性を示すグラフであ
る。
【図9】図5の磁気状態図における組成P点の、温度T
3 からキュリー温度Tcのヒステリシス特性を示すグラ
フである。
【図10】図4の光磁気ディスクの再生方法を示すため
の説明図である。
【図11】図4の光磁気ディスクのクロストークのトラ
ック深さ依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 透明基板 3 光磁気記録層 9 読み出し層 11 光ビーム
フロントページの続き (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板の少なくとも片面に光ビームを案
    内するためのグルーブを有し、グルーブ側の透明基板上
    に光磁気記録層が設けられており、グルーブの幅とグル
    ーブ間のランドの幅とがほぼ等しく、グルーブ上のトラ
    ックおよびランド上のトラックに対し、情報の記録再生
    を行う光磁気記憶素子であって、 グルーブの深さdは、光ビームの波長をλ、透明基板の
    屈折率をnとすると、 0.10×λ/n≦d≦0.14×λ/n を満足するように設定されていることを特徴とする光磁
    気記憶素子。
JP21295393A 1993-08-27 1993-08-27 光磁気記憶素子 Pending JPH0765423A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08306089A (ja) * 1995-05-10 1996-11-22 Nec Corp 光磁気記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08306089A (ja) * 1995-05-10 1996-11-22 Nec Corp 光磁気記録媒体

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