JP2539398B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2539398B2 JP61267517A JP26751786A JP2539398B2 JP 2539398 B2 JP2539398 B2 JP 2539398B2 JP 61267517 A JP61267517 A JP 61267517A JP 26751786 A JP26751786 A JP 26751786A JP 2539398 B2 JP2539398 B2 JP 2539398B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザー用を用いて情報の記録・再生・消
去を行なう光磁気デイスクにおいて、特に高耐食性及び
高再生出力を得るのに好適な光磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
近年、情報化社会の進展により、高密度,大容量でラ
ンダムアクセス及び書き換えが可能な光磁気デイスクが
注目されている。このうち、光磁気デイスクの記録材料
として、希土類−鉄族元素が注目されており、中でも比
較的大きな、カー回転角及び保磁力を有するTbFeCo系が
研究開発の中心にある。しかしながら、これらの材料は
環境中の酸素や水分と反応して、容易に酸化物や水酸化
物を形成する。その結果、光磁気デイスクの光磁気特性
が低下していた。現在、この問題を解決するのに大きく
分けて3つの手法が考えられている。1つ目は、光磁気
記録膜を保護膜で覆うこと、2つ目は、光磁気記録膜自
身の耐食性を向上させること、そして3つ目は、希土類
−鉄族を主体とした合金系以外の材料系を見出すこと、
の3つである。この3つの手法のうち、3番目の新材料
系の検討より酸化物系が、希土類−鉄族元素系合金の置
換わる材料として注目されている。その代表的な例とし
て、特開昭60−231303,特開昭60−231304をあげること
ができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術により得られている酸化物光磁気記録媒
体の多くは、カー回転角は大きいが、保磁力が1.5KOe以
下で、その大半が特に1.0KOe以下の材料が多く実用上問
題があつた。
そこで本発明の目的は、カー回転角が大きく、かつ保
磁力の大きい酸化物光磁気記録媒体材料を提供すること
にある。
〔問題点を解決するため手段〕
上記目的は、スピネル型遷移金属酸化物を基体とし、
この化合物の結晶構造中に存在する空格子のサイトに金
属元素及び希土類元素或いはどちらか一元素を配置する
ことで達成される。
〔作用〕
スピネル構造は、立方最密にならんだ酸素イオンの格
子の格子間位置に金属イオンが入つたものである。この
構造においては、結晶構造中に原子やイオンが配位でき
る空格子が数多く存在する。結晶構造中の空格子サイト
に希土類元素やFe,Co,Cr,Ni,Cu,Mn,Mg等の金属元素を配
置し、製造方法を制御することで、垂直磁気異方性を強
く誘起することができ、良好な特性を有する光磁気記録
膜を得ることができる。また、光磁気特性の制御は、配
置する元素の種類やそう入量を変化させることで可能と
なる。酸化物の磁性は、金属単体の場合と異なり強磁性
金属イオンのもつスピン磁気能率がそのまま表れるので
はなく、内部的にさらに複雑なスピンの構造が存在した
結果が表われてくる。これは、スピネル構造の単位胞周
囲の空格子サイトに配置する元素の種類や配置量を変え
ると、このスピン状態が変わることに基づく。
このように、スピネル構造を有する酸化物の空格子サ
イトに各種元素を添加し、スピン状態を変えることで、
光磁気特性を制御することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細を実施例1〜3を用いて説明す
る。
実施例1 作成したデイスクの断面を表わす模式図を第1図に示
す。基板1として、ガラスまたは耐熱性樹脂製の5イン
チ円板を用いた。光磁気デイスクの作成は次の手順によ
り行なつた。まず最初に、光磁気記録膜2をマグネトロ
ンスパツタ法により作成した。ターゲツトにはFe3O4
結体ターゲツトを用い、その表面にCo及びTb,Mn及びGd
50Dy50合金、或いはCr及びGd50Ho50合金の各チツプを均
一になるように配置した。放電ガスには、Ar−H2標準混
合ガス(Ar/H2=90%/10%)を使用した。スパツタ条件
は、投入PF出力1W/cm2、放電ガス圧;5×10-3(Torr)、
スパツタ時間:7分である。このようにして作成した薄膜
の膜厚は500Åであつた。この薄膜は顕微鏡観察の結果
微結晶から成つていた。つづいて、記録膜上に反射膜3
として2Alを真空蒸着法で0.5μm膜厚に形成し、最後に
保護膜として、Si3N4をスパツタ法で形成した。その時
の条件は、ターゲツトはSi3N4焼結体ターゲツトを用
い、放電ガスとしてAr/N2(=60%/40%)を使用した。
また、スパツタ条件は、投入PF電力1W/cm2、放電ガス
圧;5×10-3(Torr)、スパツタ時間:15分である。この
ようにして作成した薄膜の膜厚は1500Åであつた。X線
回析の結果、得られた膜はFe3O4を基体とした膜である
ことがわかつた。
上述のようにして作成した光磁気デイスクの磁気・磁
気光学特性を測定した。その結果を第1表にまとめる。
まず、出発組成のFe3O4膜は、Kerr回転角θ=0.53,保
磁力:Hc=0.4KOe,キユリー温度Tc=320℃であつた。Fe3
O4にCo,Taを空格子サイトに配置すると、カー回転角は
やや上昇し、保磁力は1桁大きくなり、キユリー温度は
逆に110(deg)低下 した。そして、この材料を用いたデイスクのC/N比(キ
ヤリア対ノイズ比)は47dBであつた。また、結晶構造に
床みを加えるとノイズレベルの低下がみられた。このTa
とCoの他に、Gd−DyとMn,Gd−HoとCrを配置した場合
も、ほぼ同様の効果が得られた。このように、面内磁化
膜(磁化容易軸が基板と平行方向)のFe3O4にTaとCo,Gd
−DyとMn,Gd−HoとCrをスピネルの空格子サイトに配置
することで、垂直磁化膜を得ることができ、かつ保磁力
も大幅に増大させことができた。また、X線回折法によ
り格子定数を測定したところ、添加金属元素はスピネル
の空格子位置に存在していた。
この試料を高温高湿度環境(80℃−95℃RH)中に500
時間保存したが、磁気特性の変化はみられず、耐食性に
関する問題は存在しなかつた。
実施例2 作成した光磁気デイスクの断面の構造は、実施例1と
同様で、その模式図を第1図に示す。光磁気デイスクの
作成は、まず基板1としてガラスまたは耐熱性樹脂の5
インチ円板を用い、この上に光磁気記録膜2をスパツタ
法により形成した。ターゲツトにはFe3O4焼結体ターゲ
ツトを用い、その表面にNi50Co50合金とNd,或いはMnとP
rの各チツプを均一になるように配置した。放電ガスに
は、Ar/He標準混合ガス(Ar/He=50%/50%)を使用し
た。そして、スパツタの条件は、投入RF出力1W/cm2、放
電ガス圧5×10-3Torr,スパツタ時間は17分である。こ
のようにして作成した薄膜は、膜厚が600Å、X線回折
の結果よりγ−Fe2O3を基体としていた。つづいて、こ
の記録膜上に反射膜3としてAlを真空蒸着法で膜厚0.5
μmに形成し、最後に保護膜4として、テフロン膜
(4)をスパツタ法で形成し光磁気デイスクを得た。ス
パツタは、ターゲツトに0.2mmtのテフロンフイルムを、
そして放電ガスにArをそれぞれ用い、投入RF電力01W/cm
2、放電ガス圧5×10-3(Torr),スパツタ時間10分
で、得られた膜は、膜厚が2000Åであつた。テフロン膜
の作成に際しターゲツトの冷却には十分注意しなければ
ならない。
上述のようにして作成した光磁気ディスクの磁気・磁
気光学特性を測定した。その結果を第2表にまとめる。
まず、出発組成のγ−Fe2O3は、Kerr回転角θc=0.50
゜,保磁力:Hc=0.6KOe,キユリー温度:Tc=330℃であつ
た。γ−Fe2O3にNi−CoとNd,MnとPrを空格子サイトに配
置すると、カー回転角は0.51゜〜0.52゜と大きな変化は
みられないが、保磁力は6.0〜6.2KOeと1桁以上大きく
なり、またキユリー温度は220℃とγ−Fe2O3より130℃
低かつた。そして、この材料を用いたデイスクのC/Nは4
3〜44dBとTdFeCo系を記録材料として用いた場合よりや
や小さかつた。このように、面内磁化膜のγ−Fe2O3にN
dとNiCo或いはMnとPrを添加すると垂直磁気異方性を誘
起することができ、かつ保磁力を大幅に向上させること
ができた。
そして最後に、この光磁気記録膜の耐食性について検
討した。評価法は、実施例1と同様、80℃95%RH中に50
0時間保存したときのKerr回転角及び飽和磁化の経時変
化を測定した。その結果、Kerr回転角及び飽和磁化とも
変化はみられず、耐食性には、問題はなかつた。
作成した光磁気記録膜の格子定数をX線回折法により
測定したところ、結晶形に多少歪みがあるものの、ほぼ
スピネルの空格子サイトにインタカレートした元素が存
在していることがわかる。
実施例3 作成した光磁気デイスクの断面構造は、実施例1と同
様で、その模式図を第1図に示す。光磁気デイスクの作
成は、まず基板1としてガラスまたは耐熱性樹脂の5イ
ンチ円板上に光磁気記録膜2をスパツタ法により形成し
た。ターゲツトにはCo3O4焼結体ターゲツトを用い、そ
の表面にFeとGd70Sm30合金,Mg30Fe70とGd80Er20、或い
はTbとFeをそれぞれ均一になるよう配置した。放電ガス
には、Ar/H2(=80%/20%)を使用した。そして、スパ
ツタの条件は、投入RF出力IW/cm2,放電ガス圧5×10-3T
orr,スパツタ時間は7分である。このようにして作成し
た薄膜は、膜厚が600Å、X線回折結果よりCo3O4を基体
としているが、ピーク形状及び強度より非晶質に近かつ
た。次に、この記録膜作成後、反射膜3としてAlを真空
蒸着法で膜厚0.5μmに形成し、最後に保護膜4とし
て、Si3N4をスパツタ法で作成し、光磁気デイスクを得
た。その時のスパツタ条件は、実施例1と同様である。
このようにして作成した光磁気デイスクの磁気及び光
学特性を測定した。その結果を第3表に示す。まず、出
発組成のCo3O4は、Kerr回転角:θc=0.55゜,保磁力:
Hc=0.3KOe,キユリー温度:Tc=370℃であつた。Co3O4
Feと(Gd・Sm),(Mg・Fe)と(Gd・Er)、或いはTbと
Feをスピネル中に配置(インタカレート)すると、垂直
磁気異方性を誘起することができ、かつ保磁力を3.5〜
3.8KOeと大幅に向させることができた。また、キユリー
温度は200〜210℃と実用上問題なかつた。また、C/N比
も42〜44dBとTbFeCo系を記録材料に用いた場合とほぼ同
様であつた。
また、この各種金属元素をインタカレートした酸化物
光磁気材料の耐食性について検討した。評価法は、実施
例1と同様、80℃〜95%RH中に500時間保存したときのK
err回転角及び飽和磁化の経時変化を測定した。その結
果、Kerr回転角及び飽和磁化とも変化はみられず、耐食
性には問題はない。
Co3O4を基板として、これに各種金属をインタカレー
トするとそれらの金属はスピネルの空格子サイトに存在
していることをX線的に確認した。
以上の各実施例の如く記録膜が微結晶、あるいはスピ
ネル構造が歪んだ構造となつている場合には、媒体ノイ
ズが低減できるという効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、スピネル構造を有する金属酸化物を
基体として、この化合物の結晶構造中に存在する空格子
サイトに各種原子を配置することで垂直磁気異方性を誘
起する効果を有する。また、キユリー温度は、実用上問
題のない値の200℃であり、かつ保磁力も3KOe以上と大
きくなる。このことにより、高耐食性を有する光磁気記
録膜を得ることができるという効果がある。さらに、こ
の光磁気材料を用いると、表面保護膜を形成する必要が
なく、プロセスの簡略化につながるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は光磁気デイスクの断面構造を示す模式図であ
る。 1……基板、2……光磁気記録膜、3……反射膜、4…
…保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 憲雄 国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式 会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−263357(JP,A) 特開 昭62−204505(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁気異方性を有する材料を記録媒体と
    して用いた光磁気記録媒体において、スピネル型構造を
    有するFe3O4,Fe2O3,Co3O4のうちから選ばれるいずれか
    1種類の遷移金属酸化物を基体とし、結晶構造中に存在
    する空格子位置に、Fe,Co,Cr,Ni,Cu,Mn,Mgのうちから選
    ばれる少なくとも1種類の元素とNd,Pr,Gd,Tb,Dy,Ho,E
    r,Smのうちから選ばれる少なくとも1種類の元素の両方
    あるいはいずれか一方を配置し、層間化合物を形成した
    ことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の光磁気記録媒
    体において、記録膜が基体のスピネル構造が歪んだ構造
    であることを特徴とする光磁気記録媒体。
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