JP2948589B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JP2948589B2 JP2948589B2 JP62248585A JP24858587A JP2948589B2 JP 2948589 B2 JP2948589 B2 JP 2948589B2 JP 62248585 A JP62248585 A JP 62248585A JP 24858587 A JP24858587 A JP 24858587A JP 2948589 B2 JP2948589 B2 JP 2948589B2
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- Japan
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- magneto
- rare earth
- transition metal
- amorphous alloy
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- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(イ)産業上の利用分野
この発明は光磁気記録媒体に関し、更に詳しくは、レ
ーザによる磁気光学効果を利用して磁気記録の書き込
み、読み出し等を行なうことができ、大容量外部メモリ
媒体として有用な光磁気記録媒体(以下、光磁気媒体と
いう)に関するものである。 (ロ)従来の技術 近年、大容量・高密度記録を目的として光ディスクメ
モリ技術の研究開発が活発である。特に、書換え可能な
メモリとして光磁気媒体が注目されている。 光磁気媒体は大きく分けて、希土類−遷移金属系非晶
質合金とMn系の結晶質合金とがあるが、粒界雑音等の点
から現在は前者が主流である。この希土類−遷移金属系
非晶質合金としては、通常、Gd,Tb等の希土類金属とFe
やCoのごとき、鉄属遷移金属とを蒸着形成した薄膜状の
一軸磁気異方性を有する非晶質合金が用いられている。
そして、係る非晶質合金からなる光磁気媒体もキュリー
点記録材料と補償点記録材料とに分けられ、前者として
はTbFe,GdFe,TbGdFe,や軽希土類金属とFeの合金、後者
としては、TbFeCo,GdCo等が知られている。そして、係
る光磁気媒体としては、その光学的性質の一つである、
いわゆるカ−回転角およびファラデー回転角や、磁気的
性質の一つである室温での保磁力がともに大きい材料が
記録安定性の点で望ましいとされている。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかるに、レーザ照射による書き込みに用いる半導体
レーザの出力が現在のところ未だ低いため、上記したキ
ュリー点記録材料および補償点記録材料のいずれについ
ても、低温で磁気記録が行えるようにそのキュリー点が
低いものが記録感度の点でさらに望まれる。 この点、従来、希土類−遷移金属系非晶質合金中の希
土類金属(Gd,Tb等)の種類を変えたりその量を合金中T
bの場合30at.%(原子モル%)程度まで増加させて記録
感度を向上させる方法もある。しかし、この手法によれ
ば、記録感度が改善されても、上記した保磁力が減少す
る傾向があり、しかも高価で入手し難いGdやTb等の希土
類金属を多く必要とするといった問題があった。 この発明は、希土類金属を添加することなく記録感度
および保磁力を向上できる希土類−遷移金属系非晶質合
金からなる光磁気記録媒体を提供することを目的の一つ
とするものである。 (ニ)問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは上記観点から鋭意研究を行った結果、上
記希土類−遷移金属系非晶質合金中にTa(タンタル)を
含有させることにより、キュリー温度が低下して記録感
度が向上するとともに、保磁力も増大する事実を見出
し、この発明に到達した。 かくして、この発明によれば、GdとTbとの原子モル比
が3:2〜1:4である希土類金属と、Feからなる遷移金属と
から構成された一軸異方性の希土類−遷移金属系非晶質
合金からなり、この非晶質合金中にTaを2〜5原子モル
%含有してキュリー温度を低下させるとともに保磁力を
増大させた光磁気記録媒体が提供される。 この発明における希土類金属としては、Gd,Tbが好ま
しく、GdとTbを混合したものでも良い。この場合に混合
比率は原子モル比で3:2〜1:4が好ましく、1:1がより好
ましい。 この発明における鉄属遷移金属としては、Feが好まし
い。 そして、上記希土類金属と鉄属遷移金属との混合比率
は原子モル比で3.5:6.5〜1:4が好ましく、1:3がより好
ましい。 この発明において、Taの量は少なくとも2at.%(原子
モル%)とされる。上限は、非晶質合金の一軸磁気異方
性が保持されうる限り、特に限定はない。通常2〜5at.
%が好ましい。 これらの合金は、通常、適当な基板上に各元素の同時
蒸着法、同時スパッタリング法等により薄膜状に形成さ
れる。 具体的な方法は、当該分野で公知な種々の手法を適用
できる。 (ホ)実施例 以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳述する。な
お、この発明はこれによって限定されるものではない。 本実施例では、希土類−遷移金属系非晶質合金として
{(Gd0.5Tb0.5)0.25Fe0.75}1-zTazの組成を有するも
のを作成した。 この薄膜を形成するには、まず{(Gd0.5Tb0.5)0.25
Fe0.75}組成(at%)の4inchφ合金ターゲット上に5
×5mm(厚さ1mm)のTaチップを配置し、Ar圧10mmTorr,D
C150Wにてスパッタリングを行い、ガラス基板上(厚さ1
mm)に膜厚2000Åの非晶質合金{(Gd0.5Tb0.5)0.25Fe
0.75}1-zTazを得る。 第1図はTa組成によるカ−回転角θkの変化を示す。
Taの添加により、カ−回転角は単調に減少しているのが
分かる。 第2図はTa組成による室温での保磁力Hcの変化を示
す。 Taの添加により保磁力は増大することが分かる(Taの
添加量が2〜3.5at%程度の範囲)。 次に、第3図にTa組成によるキュリー温度Tc(Curie
Temperature)の変化を示す。 Taの添加によりキュリー温度はX(Ta濃度)=1.5(a
t.%Ta)以降で単調に低下していることが分かる。 更に、第4図はTa添加および無添加による{(GdxTb
1-x)1-yFey}1-zTazのキュリー温度Tcの変化を比較し
たものであり、これにより全組成域にわたってTa添加
(Z=0.02)のものが、Ta無添加(Z=0.00)のものよ
りキュリー点が低下しているのが分かる。なお、YはX
により垂直磁化膜となる組成範囲が変化するため一定で
はなく、0.75(X=0)〜0.80(X=1)である。 (ヘ)発明の効果 以上のようにこの発明によれば、希土類金属と鉄属遷
移金属から構成された一軸磁気異方性の希土類−遷移金
属系非晶質合金をTaを2at.%以上含有して形成したの
で、高価な希土類を増加させずに記録感度を向上でき、
しかも保磁力を向上でき、これにより大容量磁気記録媒
体としてその効果は多大なものがある。
ーザによる磁気光学効果を利用して磁気記録の書き込
み、読み出し等を行なうことができ、大容量外部メモリ
媒体として有用な光磁気記録媒体(以下、光磁気媒体と
いう)に関するものである。 (ロ)従来の技術 近年、大容量・高密度記録を目的として光ディスクメ
モリ技術の研究開発が活発である。特に、書換え可能な
メモリとして光磁気媒体が注目されている。 光磁気媒体は大きく分けて、希土類−遷移金属系非晶
質合金とMn系の結晶質合金とがあるが、粒界雑音等の点
から現在は前者が主流である。この希土類−遷移金属系
非晶質合金としては、通常、Gd,Tb等の希土類金属とFe
やCoのごとき、鉄属遷移金属とを蒸着形成した薄膜状の
一軸磁気異方性を有する非晶質合金が用いられている。
そして、係る非晶質合金からなる光磁気媒体もキュリー
点記録材料と補償点記録材料とに分けられ、前者として
はTbFe,GdFe,TbGdFe,や軽希土類金属とFeの合金、後者
としては、TbFeCo,GdCo等が知られている。そして、係
る光磁気媒体としては、その光学的性質の一つである、
いわゆるカ−回転角およびファラデー回転角や、磁気的
性質の一つである室温での保磁力がともに大きい材料が
記録安定性の点で望ましいとされている。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかるに、レーザ照射による書き込みに用いる半導体
レーザの出力が現在のところ未だ低いため、上記したキ
ュリー点記録材料および補償点記録材料のいずれについ
ても、低温で磁気記録が行えるようにそのキュリー点が
低いものが記録感度の点でさらに望まれる。 この点、従来、希土類−遷移金属系非晶質合金中の希
土類金属(Gd,Tb等)の種類を変えたりその量を合金中T
bの場合30at.%(原子モル%)程度まで増加させて記録
感度を向上させる方法もある。しかし、この手法によれ
ば、記録感度が改善されても、上記した保磁力が減少す
る傾向があり、しかも高価で入手し難いGdやTb等の希土
類金属を多く必要とするといった問題があった。 この発明は、希土類金属を添加することなく記録感度
および保磁力を向上できる希土類−遷移金属系非晶質合
金からなる光磁気記録媒体を提供することを目的の一つ
とするものである。 (ニ)問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは上記観点から鋭意研究を行った結果、上
記希土類−遷移金属系非晶質合金中にTa(タンタル)を
含有させることにより、キュリー温度が低下して記録感
度が向上するとともに、保磁力も増大する事実を見出
し、この発明に到達した。 かくして、この発明によれば、GdとTbとの原子モル比
が3:2〜1:4である希土類金属と、Feからなる遷移金属と
から構成された一軸異方性の希土類−遷移金属系非晶質
合金からなり、この非晶質合金中にTaを2〜5原子モル
%含有してキュリー温度を低下させるとともに保磁力を
増大させた光磁気記録媒体が提供される。 この発明における希土類金属としては、Gd,Tbが好ま
しく、GdとTbを混合したものでも良い。この場合に混合
比率は原子モル比で3:2〜1:4が好ましく、1:1がより好
ましい。 この発明における鉄属遷移金属としては、Feが好まし
い。 そして、上記希土類金属と鉄属遷移金属との混合比率
は原子モル比で3.5:6.5〜1:4が好ましく、1:3がより好
ましい。 この発明において、Taの量は少なくとも2at.%(原子
モル%)とされる。上限は、非晶質合金の一軸磁気異方
性が保持されうる限り、特に限定はない。通常2〜5at.
%が好ましい。 これらの合金は、通常、適当な基板上に各元素の同時
蒸着法、同時スパッタリング法等により薄膜状に形成さ
れる。 具体的な方法は、当該分野で公知な種々の手法を適用
できる。 (ホ)実施例 以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳述する。な
お、この発明はこれによって限定されるものではない。 本実施例では、希土類−遷移金属系非晶質合金として
{(Gd0.5Tb0.5)0.25Fe0.75}1-zTazの組成を有するも
のを作成した。 この薄膜を形成するには、まず{(Gd0.5Tb0.5)0.25
Fe0.75}組成(at%)の4inchφ合金ターゲット上に5
×5mm(厚さ1mm)のTaチップを配置し、Ar圧10mmTorr,D
C150Wにてスパッタリングを行い、ガラス基板上(厚さ1
mm)に膜厚2000Åの非晶質合金{(Gd0.5Tb0.5)0.25Fe
0.75}1-zTazを得る。 第1図はTa組成によるカ−回転角θkの変化を示す。
Taの添加により、カ−回転角は単調に減少しているのが
分かる。 第2図はTa組成による室温での保磁力Hcの変化を示
す。 Taの添加により保磁力は増大することが分かる(Taの
添加量が2〜3.5at%程度の範囲)。 次に、第3図にTa組成によるキュリー温度Tc(Curie
Temperature)の変化を示す。 Taの添加によりキュリー温度はX(Ta濃度)=1.5(a
t.%Ta)以降で単調に低下していることが分かる。 更に、第4図はTa添加および無添加による{(GdxTb
1-x)1-yFey}1-zTazのキュリー温度Tcの変化を比較し
たものであり、これにより全組成域にわたってTa添加
(Z=0.02)のものが、Ta無添加(Z=0.00)のものよ
りキュリー点が低下しているのが分かる。なお、YはX
により垂直磁化膜となる組成範囲が変化するため一定で
はなく、0.75(X=0)〜0.80(X=1)である。 (ヘ)発明の効果 以上のようにこの発明によれば、希土類金属と鉄属遷
移金属から構成された一軸磁気異方性の希土類−遷移金
属系非晶質合金をTaを2at.%以上含有して形成したの
で、高価な希土類を増加させずに記録感度を向上でき、
しかも保磁力を向上でき、これにより大容量磁気記録媒
体としてその効果は多大なものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による{(Gd0.5Tb0.5)
0.25Fe0.75}1-zTazにおけるカ−回転角θkのTa組成依
存性を示す特性図、第2図は上記実施例における保磁力
Hc(室温)のTa組成依存性を示す特性図、第3図は上記
実施例におけるキュリー温度TcのTa組成依存性を示す特
性図、第4図は{(GdxTb1-x)1-yFey}1-zTazのTa添加
および無添加時におけるキュリー温度特性を示す特性図
である。
0.25Fe0.75}1-zTazにおけるカ−回転角θkのTa組成依
存性を示す特性図、第2図は上記実施例における保磁力
Hc(室温)のTa組成依存性を示す特性図、第3図は上記
実施例におけるキュリー温度TcのTa組成依存性を示す特
性図、第4図は{(GdxTb1-x)1-yFey}1-zTazのTa添加
および無添加時におけるキュリー温度特性を示す特性図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 伴 和夫
大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
シャープ株式会社内
(72)発明者 高橋 明
大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
シャープ株式会社内
(72)発明者 三枝 理伸
大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
シャープ株式会社内
(72)発明者 太田 賢司
大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
シャープ株式会社内
(56)参考文献 特開 昭61−87307(JP,A)
特開 昭63−122034(JP,A)
特開 昭61−196445(JP,A)
特開 昭61−53703(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.GdとTbとの原子モル比が3:2〜1:4である希土類金属
と、Feからなる遷移金属とから構成された一軸異方性の
希土類−遷移金属系非晶質合金からなり、 この非晶質合金中にTaを2〜5原子モル%含有してキュ
リー温度を低下させるとともに保磁力を増大させた光磁
気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62248585A JP2948589B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62248585A JP2948589B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 光磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0191341A JPH0191341A (ja) | 1989-04-11 |
JP2948589B2 true JP2948589B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=17180311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62248585A Expired - Fee Related JP2948589B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2948589B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6153703A (ja) * | 1984-08-23 | 1986-03-17 | Seiko Instr & Electronics Ltd | 光磁気記録媒体 |
JPS6187307A (ja) * | 1984-10-03 | 1986-05-02 | Oki Electric Ind Co Ltd | 光磁気記録用材料 |
JPS61196445A (ja) * | 1985-02-27 | 1986-08-30 | Toshiba Corp | 光磁気デイスク |
JP2539397B2 (ja) * | 1986-11-12 | 1996-10-02 | 株式会社日立製作所 | 光磁気記録媒体 |
-
1987
- 1987-09-30 JP JP62248585A patent/JP2948589B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0191341A (ja) | 1989-04-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |