JP3007239B2 - 光磁気記録媒体用ガーネット二層膜及び光磁気記録ディスク - Google Patents

光磁気記録媒体用ガーネット二層膜及び光磁気記録ディスク

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JP3007239B2
JP3007239B2 JP9671893A JP9671893A JP3007239B2 JP 3007239 B2 JP3007239 B2 JP 3007239B2 JP 9671893 A JP9671893 A JP 9671893A JP 9671893 A JP9671893 A JP 9671893A JP 3007239 B2 JP3007239 B2 JP 3007239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体用ガー
ネット二層膜及び光磁気記録ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】基本組成がRFe12(ここで、R
はイットリウムを含む希土類元素)で表される希土類鉄
ガーネットは、希土類サイトにBiを置換することによ
り、現行媒体である非晶質希土類遷移金属合金膜よりも
極めて大きな磁気光学効果を短波長において示す。ま
た、酸化物であるため高耐食性を示す。この様なBi置
換ガーネットは、短波長レーザーを用いた高密度光磁気
記録用の媒体として有望視されている。
【0003】一般にレーザーで加熱することによってビ
ット書き込みを行う場合、加熱するレーザーのパワーと
媒体のキューリー温度の相関が重要であり、現行媒体の
キューリー温度は、200℃程度に設計されている。ガ
ーネット結晶の場合も、キューリー温度を200℃程度
に設計して書き込みの実験が行われている。ガーネット
結晶において、キューリー温度を調節するには、鉄のサ
イトにGaやAl等の3価の金属を置換する。
【0004】単結晶基板上に形成したガーネット膜は高
性能を示すが、光磁気記録媒体として利用する場合には
大面積かつ安価なガラス基板を用いることが必須であ
る。しかし、ガラス基板上に形成したガーネットは必然
的に多結晶膜であり、粒界に由来する光学的不均一のた
め媒体ノイズが大きいという欠点があった。そのため結
晶粒径を微細化し、媒体ノイズを減少させる試みが報告
されている。その場合、以下に述べる様にガーネット多
結晶を二層に積層した構造が有効である。
【0005】中川等は、Rbを添加した多結晶ガーネッ
ト膜を第1層として、その上にスパッタ法にて微結晶ガ
ーネット膜を形成することにより、単層のガーネット膜
よりも記録再生時に媒体ノイズを小さく、かつ信号雑音
比を増大させることが出来たと報告している(A.It
oh and K.Nakagawa:Jpn.J.A
ppl.Phys.31 part2(1992) L
790)。また、庄野等は、面内磁化膜であるYFe
12多結晶を第1層として、その上にガーネット微
結晶を生成して、単層のガーネット膜よりも特性が向上
したことを報告している(K.Shono,K.Tam
anoi,S.Kuroda andS.Ogawa:
Digests of The 6th Intern
ational Conference of Fer
rites(1992) 428)。さらに、本発明者
等は、二層のガーネット多結晶の格子定数差を±0.3
%以上にして、ガラス基板直上の第1層のガーネット多
結晶膜上に成長させた第2層のガーネット多結晶の粒径
が1μm以下にまで、すなわちレーザースポットに比べ
て十分微細化することによって、媒体ノイズの小さい光
磁気記録媒体を提案した(特願平02−307600
号、特願平03−299284号)。
【0006】現行媒体である希土類遷移金属非晶質合金
においては、新しい記録方式(中木義幸、深見達也、徳
永隆志、堤和彦:日本応用磁気学会誌15(1991)
229)や記録密度の向上(M.Kaneko, K.Aratani and
M.Ohta: Japanese Journalof Applied Physics 31(199
2)568)を可能にするために、異なる磁性層を多層に積層
し、それらの間の磁気的な結合を積極的に利用するとい
う報告がある。上記ガーネット二層膜では、いずれの場
合も第1層、第2層共に磁性ガーネットから成り、第1
層の磁気的性質が二層膜の記録再生特性に及ぼす影響に
ついては、未検討の課題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Bi
3-x+u Fe5-y+v 12(ここで、0≦x≦3、0≦
y≦5、−3≦u≦3、−5≦v≦5、Rはイットリウ
ムを含む1種類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な
3価の金属を表す)の組成で代表される多結晶ガーネッ
トの二層膜において、ビット形状の乱れ及び媒体ノイズ
を改善することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】ガーネット膜を光磁気媒
体として利用する場合、それを形成する基板に求められ
る要因は、透明であること、安価であることの他に、結
晶化させるために500〜700℃程度にまで加熱する
必要があるため耐熱性が高いことが上げられる。これら
をすべて満たす基板は、今のところガラス基板しかな
い。しかしながら、ガラス基板上に形成したガーネット
膜は、単層では光学的不均一の大きな多結晶であり、ビ
ット形状の乱れ、媒体ノイズが大きいという欠点があっ
た。ガーネット多結晶を二層に積層した構造は、前記課
題解決のために有効であるが、本発明により記録再生特
性はさらに向上する。
【0009】希土類鉄ガーネットは、基本組成がR
12(ここで、Rはイットリウムを含む希土類元
素)で表され、本発明においては、RをBiに、Feを
Gaなどの金属と置換してBi3-x Fe5-y
12(ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、Rはイットリウ
ムを含む1種類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な
3価の金属を表す)の組成で光磁気記録媒体として主に
利用する。しかし、スパッタ法を用いて作製する薄膜の
場合、前記の組成からズレたBi3-x+u Fe
5-y+v 12(ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、−3≦
u≦3、−5≦v≦5、Rはイットリウムを含む1種類
以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を表
す)で表される組成においても、ガーネット多結晶相が
得られることが知られている。ただし、u=0、かつv
=0の時に最もガーネットが単相で得られ易く、通常最
も記録再生特性が高いが、−0.3≦u≦0.3、かつ
−0.5≦v≦0.5であれば、ガーネット以外の化合
物相やアモルファス相(両者を含めて異相と呼ぶ)は確
認されず、u≠0、もしくはv≠0の組成で記録再生特
性が最高になる場合もある。−1.0≦u≦1.0、か
つ−1.7≦v≦1.7で、−0.3≦u≦0.3、か
つ−0.5≦v≦0.5に含まれない場合は、異相の生
成が確認され、したがって記録再生特性が悪化する場合
もあるが、記録再生特性が高い場合もある。さらに、−
3.0≦u≦3.0、かつ−5.0≦v≦5.0で、−
1.0≦u≦1.0、かつ−1.7≦v≦1.7に含ま
れない場合は、−1.0≦u≦1.0、かつ−1.7≦
v≦1.7で、−0.3≦u≦0.3、かつ−0.5≦
v≦0.5に含まれい場合よりも、異相の生成が確認さ
れたり、記録再生特性が悪化したりする場合が多い。
【0010】前記の組成で代表される多結晶ガーネット
の二層膜において、基板直上に形成する第1層のキュー
リー温度を後述する方法によって室温以下に調節する。
さらに、第2層はキューリー温度が室温以上である多結
晶ガーネットを形成して、磁気記録層としての役割を第
2層のみに付与する。以上の構造の膜によって前記課題
を解決する。
【0011】本発明者等は、二層のガーネット多結晶の
格子定数差を±0.3%以上にして、ガラス基板直上の
第1層のガーネット多結晶膜上に成長させた第2層のガ
ーネット多結晶の粒径が1μm以下にまで、すなわちレ
ーザースポットに比べて十分微細化することによって、
媒体ノイズの小さい光磁気記録媒体を提案した(特願平
02−307600号、特願平03−299284
号)。そのとき、Bi3-x+u Fe5-y+v
12(ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、−3≦u≦3、
−5≦v≦5、Rはイットリウムを含む1種類以上の希
土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を表す)の組
成で代表される多結晶ガーネットのx、y、u、vおよ
びR、Mの互いに異なる二層を形成することで格子定数
差を0.3%以上とすることができる。特に、Bi組成
量xを制御することによって、大きな格子定数差を付与
できる。この場合でも第1層のキューリー温度を室温以
下に調節すれば、前記課題はさらに改善される。
【0012】また、二層膜の第2層に酸素を除いた原子
量比で5at%以下のCuを添加することによって、第
2層の保磁力を大幅に増大させることができる。本方法
も前記課題解決のために有効であるが、この場合におい
ても第1層のキューリー温度を室温以下に調節すれば、
前記課題がさらに改善される。
【0013】次いで、ガーネット多結晶を非磁性化する
原理について詳述する。Bi3-x+u Fe5-y+v
12(ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、−3≦u≦
3、−5≦v≦5、Rはイットリウムを含む1種類以上
の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を表す)
の組成で代表されるガーネット酸化物の磁性において
は、Fe原子間における交換相互作用が支配的であり、
キューリー温度はその交換結合のエネルギーによって決
まっている。3価の金属MをGaやAlなどの非磁性金
属としてFeと置換した場合には、交換エネルギーを持
つFe−Fe対の割合は減少して、キューリー温度が低
下することになる。通常、レーザーで光磁気記録を行う
ために、キューリー温度は約200℃に調整する。その
とき例えば、BiDy3-x GaFe5-y 12なら
ば、yは約1.0程度にしておく。ところが、GaやA
lの置換量を増やしてゆくと、例えばYGaFe
5-y 12ではy≧2のとき、キューリー温度が20℃以
下になることが報告されている(LANDORT-BORNSTEIN, G
roup III, Vol.12, Prat a, Springer-VerlagBerlin (1
978) 64p)。
【0014】本発明の実施例ではBiDyGa2.3
Fe2.7 12、Bi1.2 Tb1.8 Ga2.3 Fe
2.7 12、BiGdGa2.3 Fe2.7 12、Bi
0.7 Dy1.8 Ga2.3 Fe2.7 12、Bi0.7 Dy1.0
Ga2.3 Fe2.7 12、BiDyGa1.9 Fe2.3
12、Bi1.4 Dy1.6 Al2.2 Fe2.8 12、Bi
TbAl2.2 Fe2.8 12、BiGdAl2.2
2.8 12においてキューリー温度が20℃以下になる
ことが示されており、従って、BiDyGaFe
5-y 12、Bi1.2 Tb1.8 GaFe5-y 12、Bi
GdGaFe5-y 12、Bi0.7 Dy1.8 Ga
Fe5-y 12、Bi0.7 Dy1.0 GaFe5-y 12
おいてはy≧2.3、Bi1.4 Dy1.6 AlFe5-y
12、BiTbAlFe5-y 12、BiGd
AlFe5-y 12においてはy≧2.2、BiDy
GaFe4.2-y 12においてはy≧1.9のとき
に、キューリー温度が20℃以下になる。
【0015】ガーネット多結晶は、可視光に対し透明も
しくは透明褐色を示し、光を透過しやすい性質を持って
いる。そのため、光磁気記録ディスクとして利用する場
合にはガーネット二層膜の上にさらにCrやAlなどの
金属反射層を形成する必要がある。それによって、レー
ザー光の入射系と検出系がディスクに対して同じ側にあ
る現行の光磁気ディスクドライブを使用できる。また、
同反射層を設けることによりレーザー光のエネルギーを
効率よく吸収することができ、光磁気記録ディスクとし
て利用できるようになる。
【0016】
【作用】ガーネット二層膜の記録再生特性を決定してい
る要素として、各々のガーネット層のファラデー回転
角、磁化の大きさ、保磁力、磁気異方性定数、結晶粒
径、及び両ガーネット層間の磁気的な結合の度合、さら
にガーネット層、ガラス基板、反射層の誘電率を合成し
た媒体全体の誘電率が挙げられる。そのうち、第1層の
磁気光学的性質については、特にビット形状、媒体ノイ
ズ等に与える影響について未検討の課題であった。本発
明者等は、様々な磁気光学特性を示すガーネット多結晶
を第1層とし、さらにその上に記録層としていつも全く
同じ条件で作製した第2層を積層して、それらの記録再
生特性を評価した。その結果、第1層の磁気光学的性質
が二層膜の記録再生特性に大きな影響を及ぼすことを見
いだした。
【0017】ガーネット二層膜において、記録層として
の役割を第2層にのみ持たせるならば、第2層の磁化容
易方向は膜面に対して垂直方向であることが必須である
(光磁気記録媒体においては膜面に対して垂直方向に
上、もしくは下向きに磁化したビットを情報として記録
再生する)。さらに、記録層のファラデー回転角と保磁
力を大きく設計することが要求される。しかし、ガーネ
ット二層膜の記録再生特性について、第1層の磁気光学
特性が及ぼす効果については、これまで未検討の課題で
あった。
【0018】二層膜に反射層を積層して透明基板側より
測定したカー回転角の磁場依存曲線(カーヒステリシス
ループ)の形状は、記録再生特性と大きな相関がある。
例えば、第1層のキューリー温度を室温以下にしたり、
保磁力の大きさを変化させる。もしくは、同じく第1層
の磁化容易方向を膜面内に設計するなど、第1層の磁気
的特性に応じて様々な形状のカーヒステリシスループが
得られる。そのとき、第1層のキューリー温度が室温以
下の場合、最も単純な形状のカーヒステリシスループが
得られ、ビット形状が最も良く、しかも媒体ノイズの小
さな、最も記録再生特性の高い二層膜が得られる。第1
層のキューリー温度が室温以上であると、カーヒステリ
シスループは第1層、第2層のループを足し合わせた複
雑形状となるが、そのような試料では書き込み時に複雑
な磁化過程を経ることになり、ビット形状は大きく乱れ
る。
【0019】また、ガーネット二層膜の記録再生特性
は、第1層の磁気的性質だけでなく、第1層、第2層の
粒径との相関も持っている。通常書き込める最小ビット
径の大きさは、粒界で磁壁移動が止まるため、粒径の大
きさと同程度である。第1層のキューリー温度が室温以
上で、かつ粒径がレーザースポット径に比べて大きい場
合には、第2層の粒径が十分微細化していても、二層膜
としたときに書き込めるビット径の大きさは第1層と第
2層の粒径の大きさの間にあり、レーザースポット以下
の大きさのビットを書き込むことは難しい。第1層のキ
ューリー温度が室温以下ならばビット形状に影響を及ぼ
すのは第2層の粒径だけであり、第2層がレーザースポ
ットに比べて十分微細化していれば、そのレーザースポ
ット以下の大きさの形状良好なビットが書き込み可能で
ある。
【0020】以上、二層膜に記録したビットの形状及び
媒体ノイズは、第1層の磁気光学特性に極めて敏感であ
り、特に第1層のキューリー温度を室温以下にすること
によりビット形状、媒体ノイズが改善されることを述べ
た。
【0021】また、通常、光磁気記録媒体においては、
非磁性の誘電体層を磁気記録層と積層し、誘電体層と磁
性層の多重干渉によって光学特性を改善する。その様な
非磁性誘電体層は、エンハンス層と呼ばれている。前記
のキューリー温度が室温以下のガーネット第1層は、室
温で磁性を持たないのでエンハンス層としても利用可能
である。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基いてさらに説明
する。まず、ガラス基板上に第1層のガーネット多結晶
膜を製膜させた。30mTorrのAr雰囲気中でセラ
ミックターゲットを用いて、高周波スパッタ法により製
膜した。投入高周波パワーは、250〜450Wであ
る。スパッタ直後の膜は、非晶質であるので、アルゴン
と酸素の混合ガス中で500〜750℃にて20〜18
0分間熱処理して結晶化させた。さらに、その膜の上に
同様の条件で第2層をスパッタし、熱処理を施し、ガー
ネット多結晶を製膜した。この時、基板温度を500℃
以上として製膜中に直接第2層を結晶化しても良い。ス
パッタ条件、熱処理条件は、第1層と同様である。ガー
ネット結晶は、光を良く透過するので、さらに3層目に
反射および熱吸収層としてCr金属を同様の条件でスパ
ッタした。ただし、熱処理は施していない。膜構成を図
1に示す。記録再生特性は、514nmのレーザーを用
いて、1μm以下のビットを書き込んで評価した。
【0023】実施例1 本実施例では、様々な磁気光学特性を示すガーネット多
結晶を第1層とし、さらにその上にいつも全く同じ条件
で作製した第2層を積層して、それらの記録再生特性を
評価した。第1層の膜厚は、40nmである。第2層
は、120nm膜厚のBiDyGa0.8 Fe4.2
12とした。どの実施例においても第2層の結晶粒径は、
1μm以下、もしくは1μm程度に微細化されている。
第2層の保磁力は、約1.6kOeである。
【0024】表1に試料A〜Gにおけるガーネット第1
層の組成、主要な磁気特性および粒径と、第1層と第2
層の格子定数差、第2層の粒径、試料A〜Gのカールー
プ形状、記録再生時の信号雑音比(C/N値)の結果お
よびビット形状を3段階(良好、乱れあり、不良)に評
価した結果をまとめた。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように第1層のキューリー温度
が室温以下の試料A、E、Fの記録再生特性が高く、ビ
ット形状も良好である。特に、試料Aは、1μm以下の
ビット径で43dBという高いC/N比を示す。その理
由を端的に示すのは、図2の試料A、Bの20℃におけ
るカーヒステリシスループの比較である。第1層が非磁
性の試料Aにおけるカーヒステリシスループは、通常み
られる単純形状のヒステリシスループである。一方、第
1層のキューリー温度が室温以上、かつ磁化容易方向が
第2層と同じく膜面に対して垂直である試料Bにおいて
は、段差のある複雑形状のヒステリシスループを示し、
したがってビット形状は大きく乱れ、C/N値も低い。
同じく第1層のキューリー温度が室温以上、かつ保磁力
の大きな試料C、磁化容易方向が膜面内である試料Dも
カーループの形状は複雑で、やはり記録再生時のC/N
比が低く、ビット形状が乱れている。
【0027】結晶粒径の影響については、第1層と第2
層の格子定数差が0.3%以内の試料Eも第1層の粒径
が大きい試料Fも、第1層のキューリー温度が室温以下
であるために高特性が得られている。第1層の粒径が大
きく、かつキューリー温度が室温以上の試料Gでは1μ
m以下のビットを書き込むことは非常に困難であり、C
/N値も最小である。
【0028】実施例2 本実施例でも、様々な磁気光学特性を示すガーネット多
結晶を第1層とし、さらにその上にいつも全く同じ条件
で作製した第2層を積層して、それらの記録再生特性を
評価した。第1層の膜厚は、40nmである。第2層
は、120nm膜厚のCuを1.0at%添加したBi
DyGa0.8 Fe4.2 12とした。どの実施例にお
いても第2層の結晶粒径は、1μm以下に微細化されて
いる。第2層の保磁力は、Cuを添加した効果で約4.
0kOeである。様々な組成でキューリー温度が室温以
下の第1層を作製し、その記録再生特性を評価した。表
2にそれら第1層の組成をまとめた。
【0029】
【表2】
【0030】試料I〜Mの記録再生特性はCuを添加し
た効果でさらに改善されており、特に試料Iは、48d
Bという非常に高いC/N比を示した。
【0031】実施例3 本実施例でも、様々な磁気光学特性を示すガーネット多
結晶を第1層とし、さらにその上にいつも全く同じ条件
で作製した第2層を積層して、それらの記録再生特性を
評価した。実施例1および2では、Bi3-x+u
Fe5-y+v 12(ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、−
3≦u≦3、−5≦v≦5、Rはイットリウムを含む1
種類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属
を表す)の組成で代表される多結晶ガーネットにおい
て、第1層、第2層ともにu=0、かつv=0の場合で
あった。本実施例では、前記のように表される第1層、
第2層の組成がu≠0、もしくはv≠0である場合につ
いて評価した。第1層の膜厚は、40nmである。第2
層は、120nm膜厚のBi1.6 DyGa0.8 Fe
4.2 12とした。いずれの実施例においても、第2層の
結晶粒径は、1μm以下に微細化されている。第2層の
保磁力は、実施例1の場合、約1.8kOeである。様
々な組成でキューリー温度が室温以下の第1層を作製
し、その記録再生特性を評価した。表3にそれら第1層
の組成をまとめた。
【0032】
【表3】
【0033】第1層の組成がu=0、かつv=0の試料
Nよりも試料Oの方が若干特性が良く、必ずしもu=
0、かつv=0の試料が良いとは限らない。しかし、試
料Pは、uが最も0からズレた組成で、かつ最も特性が
悪い結果となった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、多結晶ガーネット
二層膜を光磁気媒体として利用した場合、基板直上の第
1層の多結晶ガーネットのキューリー温度が室温以下で
あるように組成を調整すると、二層構造にした場合のビ
ット形状の乱れ及び媒体ノイズが改善され、ガーネット
光磁気媒体ではこれまでにない1μmのビット径で48
dBという高い信号雑音比を得た。本発明によるガーネ
ット膜は、短波長での高密度光磁気記録媒体として有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光磁気媒体の構造である。
【図2】実施例1に示す試料A、Bのカー回転角の磁場
依存曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−182032(JP,A) 特開 平3−178105(JP,A) 特開 平5−101935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/10 501 G11B 11/10 506 H01F 10/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に形成された下記の式の組成
    で表される多結晶ガーネットであって、ガラス基板直上
    に形成された第1層が室温以下のキューリー温度を有す
    るガーネット多結晶であり、前記第1層上に形成された
    第2層が室温以上のキューリー温度を有する多結晶ガー
    ネットであることを特徴とする光磁気記録媒体用ガーネ
    ット二層膜。 Bi3-x+u Fe5-y+v 12 ここで、0≦x≦3、0≦y≦5、−3≦u≦3、−5
    ≦v≦5、Rはイットリウムを含む1種類以上の希土類
    元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を表す。
  2. 【請求項2】請求項1における二層の各々のガーネット
    多結晶膜の格子定数が互いに±0.3%以上異なり、第
    2層の結晶粒径が1μm以下であることを特徴とする光
    磁気記録媒体用ガーネット二層膜。
  3. 【請求項3】請求項1、2記載のガーネット二層膜の第
    2層に酸素を除いた原子量比で5at%以下のCuを添
    加することを特徴とする光磁気記録媒体用ガーネット二
    層膜。
  4. 【請求項4】請求項1、2、3記載のガーネット二層膜
    を利用し、さらに反射層として金属層を形成した光磁気
    記録ディスク。
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