JP2539388Y2 - 眼底カメラ用立体撮影装置 - Google Patents

眼底カメラ用立体撮影装置

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JP2539388Y2
JP2539388Y2 JP3448391U JP3448391U JP2539388Y2 JP 2539388 Y2 JP2539388 Y2 JP 2539388Y2 JP 3448391 U JP3448391 U JP 3448391U JP 3448391 U JP3448391 U JP 3448391U JP 2539388 Y2 JP2539388 Y2 JP 2539388Y2
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joystick
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嘉裕 ▲高▼橋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、眼底カメラを左右
(横)および上下に移動させて、被検眼眼底を左右また
は上下に2つの位置から撮影する眼底カメラ用立体撮影
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種装置は、例えば特開昭59
−49735号公報によって開示されている。この装置
は、被検眼配置部に対して前後動可能な可動部材を設け
て、その可動部材に眼底カメラ付きの架台を横動自在に
保持させている。また、架台には横方向に間隔をおいた
一対の位置規制部を設けると共にその位置規制部間に配
設した中間部材を、前記の可動部材に横動自在で且つ、
任意の位置に固定可能に保持させており、中間部材側と
各位置規制部側との間にスプリングを介装する構成を有
する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、眼底の立体
撮影を行なう眼底カメラ用立体撮影装置においては、一
般に、まず眼底カメラを、被検眼に対し最適な位置まで
移動させて配置し、さらにその位置を基準として左右同
量ずつ移動させて左右の各撮影を行なうことが望まし
い。図2は前記手順で撮影した時の被検眼と照明光の好
適な関係を示す図であり、基準から左右同量ずつ移動し
た状態を示し、左方への移動量をL1、右方への移動量
をL2とすると、L1=L2である。また、図3は左右
の移動量に差が生じた状態を示し、L1<L2である。
この場合、照明がけられてしまうので撮影結果が不満な
ものとなってしまう。なお、図2、図3においてEは被
検眼、R1,R2はリング状の照明光の照射範囲、Dは
瞳孔、Fは虹彩である。
【0004】また、変倍機能を有する眼底カメラにおい
ては、低倍にて使用する場合は高倍に比して平行移動量
を大きくしないと立体感が出しにくいという問題があ
り、そのため立体撮影時には倍率に対応して平行移動量
を変える必要がある。
【0005】しかしながら上記の如き従来の技術におい
ては、バネで基準位置を保持すると共に両端の制限で平
行移動量を規制しているので、基準位置が常に不安定で
あり、立体撮影時に基準位置から左右同量ずつ移動せし
める時、その移動量の差が生じ、好適な撮影結果が得ら
れないという問題点があった。また、倍率に対応した正
確なる複数の平行移動量が設定できないという問題点も
あった。
【0006】さらに、リング照明が上記のように左右に
平行移動するに充分な瞳孔領が必要であり、この要求は
一般には満足される。しかし、被検眼によっては、中間
透光体の左右方向上に局所的な濁りがあったり、図12
に示すように瞳孔領が左右に狭かったりする場合があ
り、このような場合には、図13に示すように、左右方
向でなく上下方向に平行移動して立体撮影を行なうこと
が望まれた。しかし、従来の装置では、左右方向にしか
移動できず、上記のような場合に対処することが困難で
あった。
【0007】本考案はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、基準位置が安定し、常に等量左右動が
得られると共に複数の平行移動量が設定出来る眼底カメ
ラ用立体撮影装置を提供することを目的とする。
【0008】本考案は、また、左右方向だけでなく上下
方向の等量平行移動も行なえる眼底カメラ用立体撮影装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案による眼底カメラ用立体撮影装置は、被検眼
配置部に対して前後動可能に配置された摺動軸に滑動台
が横方向摺動自在に取付けられ、該滑動台に眼底カメラ
が支持される眼底カメラ用立体撮影装置において、前記
滑動台を前後左右に移動操作する操作部材と、該操作部
材による前記滑動台の少なくとも横動を阻止する固定手
段と、該固定手段により横動が阻止された位置を基準位
置として、前記操作部材による横動範囲より小さい移動
範囲で、前記滑動台を左右に移動させる横動手段と、該
横動手段による前記滑動台の横動時に、前記小さい移動
範囲内において、前記基準位置から左右双方に予め定め
た移動量単位での横動を可能とするクリック機構とを備
えたものである。
【0010】本発明による他の眼底カメラ用立体撮影装
置は、被検眼配置部に対して、前後動可能、横動可能か
つ上下動可能な眼底カメラ保持部を有する眼底カメラ用
立体撮影装置において、前記眼底カメラ保持部を前後左
右に移動操作するジョイスティックと、該ジョイスティ
ックの軸を中心とした回転運動を前記眼底カメラ保持部
の上下方向直線運動に変換する運動変換機構と、前記ジ
ョイスティックの回転運動に応じて回転する回転軸と、
該回転軸の回りに回転自在に配置された中間部材と、該
中間部材を前記回転軸に固定する固定手段と、前記滑動
台の一部をなす静止部材と前記中間部材との間に設けた
クリック機構とを備えたものである。
【0011】本発明の他の構成は、後述する実施例の説
明により明らかとなろう。
【0012】
【作用】本考案においては、横方向および上下方向の少
なくとも一方において、基準位置を含む予め定めた大き
さの範囲内で、基準位置を中心とした複数組の対称位置
に眼底カメラ保持部の停止を許容するクリック機構を設
けることにより、基準位置を確実に設定することことが
可能になる。また、基準位置を挾む双方向へ同量ずつの
移動量確保が可能となり、好適な立体撮影結果が得られ
る。
【0013】被検眼の個人差及び倍率の差による移動量
の変化に対しては、クリック機構における落ち込み溝の
複数化によって対応しているので、従来の如き移動量の
変化に確実に対応出来ないという不都合は解消される。
【0014】さらに、基準位置からの所定量の平行移動
は、左右方向だけでなく、上下方向にも可能としたの
で、立体撮影において被検眼の個体差に容易に対処する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本考案
を説明する。
【0016】図1、図4、図5は、本考案による眼底カ
メラ用立体撮影装置の一実施例を説明するための図であ
る。図4に本実施例装置の使用状態を説明する一部省略
の概略平面図を示す。図1はその要部の説明図、図1
(a)は図4におけるA−A′矢視断面図、図1(c)
は滑動台8に形成された傾斜カム12と直線孔13の位
置関係の説明図、図1(b)は駆動部材3の右側面図で
ある。また、図5は図4の側面図である。尚、同一部分
には同一符号を付して説明の重複は省略する。
【0017】図4および図5に示すように、基台21の
上面には、2本のラック19が平行に固設され、回転軸
(摺動軸)9の両端に設けられたピニオン18が歯合し
ており、該ピニオン18の回転軸9側には歯合の外れ防
止のためのつば11が形成されている。このラック19
とピニオン18によって滑動台8の前後移動を可能とし
ている。回転軸9には滑動台8に固設されたリニアボー
ルベアリング軸受10が嵌合しており、回転軸9に沿っ
て滑動台8を左右移動自在となしている。また、滑動台
8にはファインダ14を備えた眼底カメラ16が調整環
15(図5参照)によって上下移動が可能である如く載
置されていると共に、ジョイスティック17が設けら
れ、その下端が基台上面に当接している。よって滑動台
8は回転軸9の両端に設けられたピニオン18とジョイ
スティック17によって基台21上に配置され、ラック
19、ピニオン18、回転軸9、調整環15、及びジョ
イスティック17によって前後、左右、上下に自在に移
動する。それに伴い滑動台8に載置された眼底カメラ1
6も移動する。
【0018】滑動台8と回転軸9との係合部に形成され
た中空部26(図1(a)参照)には、駆動部材3が、
滑動台8の内径に回転軸を中心として回転自在かつ回転
軸方向に摺動自在に嵌合している。図1(a)に於ける
駆動部材3の右側面図である図1(b)から分かるよう
に、駆動部材3には、その外周長手方向に複数のクリッ
ク溝20が所定の間隔で形成されている。駆動部材3に
は、滑動台8に形成された傾斜カム12を外部から貫通
する駆動レバー2が植設されている。また、滑動台8の
下面に形成された穴22から中空部26に突出する如く
挿入されたボール6を押圧するバネ5の押圧力によっ
て、ボール6がクリック溝20に落ち込むようになって
いる。これによりクリック機構が構成されている。回転
軸9が貫通した駆動部材3の内部には、中間部材4が回
転軸9にその内径で回転摺動自在に嵌合している。さら
に、中間部材4には、滑動台8に形成された直線孔13
と駆動部材3に形成された貫通孔とを貫通する止めネジ
1が螺合しており、止めネジ1の先端1aは中間部材4
の内径から回転軸9側へ突出せしめる如くなっている。
また、中間部材4のスラスト方向の駆動部材3との調節
は押え環7によって好適に保たれる。したがって、中間
部材4と駆動部材3とは、回転軸方向に共に移動する
が、回転軸を中心としては別個に回転しうる。
【0019】上述の如く構成された本実施例の動作につ
いて以下に説明する。
【0020】まず止めネジ1を緩めて、回転軸9を中間
部材4との緊定から開放すると共に駆動レバー2を複数
のクリックの中央、すなわち立体撮影時の基準位置に設
定する。この状態で眼底カメラ16のファインダー14
を覗きながら滑動台8を、ラック19、ピニオン18に
よる回転軸9の移動によって前後動させるとともに、回
転軸9上を軸受10を介して左右動させる。この際、止
めネジ1を緩ませてあるので、回転軸9は、中間部材4
および駆動部材3の内径内で自由に回転摺動する。一
方、調整環15によって眼底カメラ16を上下動させ
て、この眼底カメラ16の光軸Cを被検眼の光軸Cに合
致させる(図5参照)。
【0021】次に止めネジ1をねじ込み、中間部材4の
内径と止めネジ1の先端部1aによって中間部材4が回
転軸9に緊定される。これによって、ジョイスティック
17の操作による滑動台8の自由動は阻止される。すな
わち、中間部材4が回転軸9に固定されたことにより、
滑動台8の横動は駆動レバー2と傾斜カム12との係合
により阻止され、滑動台8の前後動は止めネジ1と直線
孔13との係合により阻止される。この状態で立体撮影
を開始する。前述の通り、駆動レバー2は複数のクリッ
ク溝の中央位置にあり、また眼底カメラ16の光軸Cと
被検眼の光軸C′とは一致しており、この位置が立体撮
影時の基準位置となっている。
【0022】この基準位置が決まった状態で、図4に示
すように、基準位置から左右に離れた第1位置および第
2位置でそれぞれ撮影を行なう。本来は眼底カメラ16
が移動するように構成されているが、説明の都合上、被
検眼Eが移動する如く図示してある。図中において、C
は眼底カメラの光軸、aは前記の第1位置での被検眼E
の光軸、及びbは前記の第2位置での被検眼の光軸を示
している。
【0023】第1位置での撮影を行なうために、まず、
駆動レバー2を一方向に徐々に回転させる。この駆動レ
バー2の回転に従って、滑動台8に形成された傾斜カム
12の傾斜面による押圧力が発生し、この押圧力により
駆動部材3が相対的に滑動台8に対して回転軸9の軸方
向(すなわち左右方向)に移動する。なお、止めネジ1
も駆動部材3とともに、滑動台8に対して相対的に移動
するが、この移動は軸方向に伸びる直線孔13により許
容される。駆動部材3と中間部材4とは軸方向には滑動
台8に対して一体となって移動しようとするが、中間部
材4が回転軸9に緊定されているので、結局、回転軸9
に対して滑動台8が横動することになる。この移動量は
駆動レバー2の回転(移動)量に比例するが、クリック
機構の存在により、所定の移動量単位での移動が許容さ
れることになる。即ち、クリック機構の落ち込み数を確
認しながら駆動レバー2を回転させることにより、予め
定まった所望の量だけ滑動台8を移動させることが可能
になる。このようにして、図2に示す例えば基準位置か
ら左へL1隔たった第1の位置を決める。そこで、この
第1位置にて撮影を行なう。
【0024】次に、先程とは逆方向に前記の基準位置か
ら同量の落ちこみ数を計数するまで駆動レバー2を回転
させる。その結果、例えば図2に示す基準位置から右へ
L2隔たった第2の位置が決まる。前回と同量の移動量
を得るには、すなわちL2=L1とするには、クリック
機構のクリック溝を、図1(b)に示したように一定間
隔で多数形成しておけばよい。あるいは、一定間隔でな
くとも、基準位置に対応する中央のクリック溝を基準に
して、両側に対称的に複数組のクリック溝を形成してお
けばよい。この第2位置が決まったところで、2回目の
撮影を行なう。第1位置、第2位置における2回の撮影
結果が組となり立体写真が出来あがる。
【0025】次に、本考案の第2の実施例について説明
する。前記第1の実施例は、滑動台8の左右方向の微小
移動に関するものであったが、本実施例は、眼底カメラ
本体(または眼底カメラ保持部)16の上下方向の微小
移動に関するものである。本実施例は、第1の実施例と
別個に実施することも可能であるが、好ましくは第1実
施例と共に実施する。但し、以下では、重複説明を避け
て、上下動に関する部分のみ説明する。
【0026】先の実施例では、眼底カメラの上下動を調
整環15(図5)で行なうものを示したが、図6および
図7に示すように、ジョイスティック17の軸を中心と
した回転動作を直線運動に変換する運動変換機構を用い
て行なうものも知られている。本実施例は、このような
立体撮影装置に本考案を適用した例を示す。図示しない
が、図6の符号27の部分には第1実施例の微小横動手
段を設ける。
【0027】第1実施例と同様、ジョイスティック17
の操作により、滑動台ボディ8を前後左右動自在となっ
ている。すなわち、滑動台基部63とこれに固設される
ベアリングマウント71との間に配される摺動板22の
穴部にジョイスティック17の下部先端が入り込み、ジ
ョイスティック17を傾けることにより、滑動台8を前
後左右動させることができる。
【0028】一方、滑動台基部63から直立した垂直動
ガイド軸64により、リニアベアリング65を介して、
眼底カメラ保持部である上下動部材61をガイドし、か
つ、垂直バランスバネ66で上下動部材61および眼底
カメラ本体16の荷重を支えている。また、上下動部材
61に下向きの雄ネジ25を固設し、この雄ネジ25と
かむギア付き雌ネジ24を回転自在に滑動台基部63に
配している。また、ギア付き回転部材69を、ベアリン
グマウント71回りにベアリング70を介して回転可能
に設けており、このギア付き回転部材69に対して、ジ
ョイスティック17は、ユニバーサルジョイント68を
介して回転運動成分のみを伝達できるように配置されて
いる。ギア付き回転部材69のギアは、前記ギア付き雌
ネジ24のギアとかみあうように配される。その結果、
ジョイスティック17をその軸を中心として回転させる
ことにより、上下動部材61を上下動させることができ
る。
【0029】さて、第2の実施例は、このような上下動
手段を有する立体撮影装置に対して、クリック機構付き
の微小上下動を可能する手段を付加したものであり、そ
の構成を図8、図9に示す。図8は装置の上面図、図9
はその断面A−A矢視図である。
【0030】図9に示すように、本実施例ではジョイス
ティック17に隣接して、滑動台ボディ8に軸受32を
固設する。この軸受32の上面には、放射状に配置され
た複数のV溝(クリック溝)79を有する(図10参
照)。この例では、45゜の間隔で7個のV溝79を設
けている。1箇所だけV溝の欠けた部分を設けているの
は、基準位置からの移動量が図示の範囲で足りるからで
ある。勿論、欠けた部分にもV溝を形成してもよい。そ
の他、V溝を設ける角度も45゜に限るものではない。
回転範囲を制限するストッパを設けることも可能であ
る。軸受32内で回転可能な軸31の下端には、ギア付
き回転部材69とかみあうギア30を固設する。一方、
軸受32の上面に面して、軸31回りに回転自在に中間
部材36を設ける。中間部材36には、軸受32のV溝
79に落ちこむクリック機構用部品(ここでは、押えバ
ネ34、ボール33)を備え、かつ、中間部材36の軸
31回りの回転を任意の位置で固定するためのクランプ
ネジ37を備えている。
【0031】上述の如く構成された第2の実施例の動作
について以下に説明する。
【0032】まず、クランプネジ37を緩めた状態で、
ジョイスティック17の操作により前後左右および上下
方向に眼底カメラを移動させ、基準位置が定まったとす
る。中間部材36は、ボール33が軸受32の中央のク
リック溝に位置するよう設定しておく。なお、図10の
ように一部クリック溝の欠けた部分を設けず、軸受32
の上面全面に等間隔に設けた場合には、この中間部材3
6の操作は不要である。そこで、クランプネジ37を閉
めて、中間部材36を軸31に固定する。これにより、
ジョイスティック17を回転させると(あるいは、クラ
ンプネジ37を軸31回りに回転させると)、軸31と
ともに、この軸に固定された中間部材36が軸受32に
対して回転し、クリック機構が働く。したがって、第1
の実施例の場合と同様、ボール33のV溝への落ちこみ
回数を計数することにより、所定角度単位で微細にジョ
イスティック17を回転させる(即ち、カメラ保持部を
微小量単位に上下動させる)ことが可能になる。
【0033】図11は、本考案の第3の実施例の構成を
示す。同図(a)は、主要部の上面図、同図(b)はそ
の断面B−B矢視図、同図(c)は断面C−C矢視図で
ある。本実施例は、クリック機構を用いずに基準位置の
上下に所定量微小移動させることができるようにしたも
のである。すなわち、上下動部材61にガイド部材40
を固設し、このガイド部材40に上下動自在にガイドさ
れる上下動制限部材(中間部材)39を配置している。
上下動制限部材39は、クランプネジ41によりガイド
部材40に任意の位置で固定できる。上下動制限部材3
9の側面には溝83が切ってあり、この溝83の中に、
一定の隙間を有して滑動台ボディ8の一端84が入り込
んでいる。さらに、上下動制限部材39はバネ38を有
しており、クランプネジ41の開放時には、上下動制限
部材39の自重と釣り合って、滑動台ボディ8の一端8
4の上下に等量の隙間ができるよう、バネ38のバネ力
が選定されている。バネ38は、図14に示すように、
滑動台ボディ8の一端84の上下両方に設けるようにし
てもよい。
【0034】この実施例では、クランプネジ41を緩め
た状態でカメラ保持部の上下方向の位置を決定した後、
クランプネジ41を締め付ける。以後、ジョイスティッ
ク17により上下動部材61を移動させた場合、上下動
部材61に固設されたガイド部材40の上下動に伴って
上下動制限部材38も上下動することとなり、基準位置
から予め設定された上記隙間の分だけの上下動が可能に
なる。
【0035】図15は、本発明による第4の実施例の構
成を示す。この実施例では、第3の実施例における上下
動制限部材39を、側面に複数のV溝を有する上下動制
限部材39′に変更するとともに、図16の要部拡大図
から分かるように、滑動台ボディ8の一部に上下動制限
部材39′の側面に面するクリック機構部品(ボール8
1および押えバネ80)を配置したものである。動作
は、第3の実施例とほぼ同様である。但し、クリック機
構を設けたので、基準位置から上下各方向へ微小移動量
単位にカメラ保持部の所望量の移動が行なえる。
【0036】
【考案の効果】以上の様に本考案によれば、クリック機
構の採用により撮影基準位置が確実に設定され、眼底カ
メラを等量平行移動させて立体撮影ができるので、良質
の立体撮影が行なえる。また、倍率の変化に対応して眼
底カメラの移動量が変えられるので、変倍撮影時に倍率
に影響されず、常に同じ立体感を有する撮影をすること
ができる。同様に、被検眼瞳孔径に応じて移動量を変え
て立体撮影をすることができる。さらに、左右方向のみ
ならず上下方向にも微小平行移動を可能としたことによ
り、被検眼の個人差によらず、最良の位置で立体撮影を
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による装置の第1の実施例の要部の説明
図。
【図2】被検眼と照明光の好適な関係を示す説明図。
【図3】被検眼と照明光の左右の移動量差が生じた場合
の関係を示す説明図。
【図4】第1の実施例による装置の使用状態を説明する
一部省略の概略平面図。
【図5】図6の装置の側面図。
【図6】従来の装置の上面図。
【図7】図6の装置の側面図。
【図8】本考案による第2の実施例の上面図。
【図9】図8のA−A矢視断面図。
【図10】図9内に示した軸受の上面図。
【図11】本考案の第3の実施例の要部の説明図。
【図12】左右移動による立体撮影が困難な場合の説明
図。
【図13】上下方向移動による立体撮影の説明図。
【図14】図11の実施例の変形例の説明図。
【図15】本考案の第4の実施例の要部の説明図。
【図16】図15の一部拡大図。
【符号の説明】
1…止めネジ、2…駆動レバー、3…駆動部材、4…中
間部材、5…バネ、6…ボール、7…押え環、8…滑動
台、9…回転軸、10…軸受、11…つば、12…傾斜
カム、13…直線孔、14…ファインダー、15…調整
環、16…眼底カメラ本体、17…ジョイスティック、
18…ピニオン、19…ラック、20…クリック溝、2
1…基台、22…摺動板、23…ベアリング、24…ギ
ア付き雌ネジ、25…雄ネジ、30…ギア、31…軸、
32…軸受、33ボール、34…バネ、35…押え部
材、36…中間部材、37…クランプ部材、38…バ
ネ、39…上下動制限部材、40…ガイド部材、41…
クランプネジ、58…対物レンズ、61…上下動部材、
63…滑動台基部、64…垂直動ガイド軸、65…リニ
アベアリング、66…垂直バランスバネ、68…ユニバ
ーサルジョイント、69…ギア付き回転部材、70…ベ
アリング、71…ベアリングマウント、79…V溝、8
0…押えバネ、81…ボール、82…クリック溝。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−134830(JP,A) 特開 昭58−118729(JP,A) 特開 昭59−49735(JP,A) 特開 昭63−99838(JP,A) 特開 昭60−64314(JP,A) 実開 昭63−74104(JP,U)

Claims (7)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検眼配置部に対して前後動可能に配置さ
    れた摺動軸に滑動台が横方向摺動自在に取付けられ、該
    滑動台に眼底カメラが支持される眼底カメラ用立体撮影
    装置において、前記滑動台を前後左右に移動操作する操
    作部材と、該操作部材による前記滑動台の少なくとも横
    動を阻止する固定手段と、該固定手段により横動が阻止
    された位置を基準位置として、前記操作部材による横動
    範囲より小さい移動範囲で、前記滑動台を左右に移動さ
    せる横動手段と、該横動手段による前記滑動台の横動時
    に、前記小さい移動範囲内において、前記基準位置から
    左右双方に予め定めた移動量単位での横動を可能とする
    クリック機構と、を備えたことを特徴とする眼底カメラ
    用立体撮影装置。
  2. 【請求項2】前記固定手段は、前記摺動軸と前記滑動台
    との係合部に形成された中空部において前記摺動軸に対
    して摺動可能に配置された中間部材と、該中間部材の摺
    動軸に対する摺動を阻止する摺動阻止部材とからなり、
    前記横動手段は、前記中間部材とともに前記摺動軸方向
    に移動し且つ前記中間部材と別個に前記摺動軸の回りに
    回転自在に配置された駆動部材と、前記滑動台に設けら
    れた傾斜カムに係合する、前記駆動部材に固着された駆
    動レバー部材とからなることを特徴とする請求項1記載
    の眼底カメラ用立体撮影装置。
  3. 【請求項3】前記滑動台上で前記眼底カメラを保持する
    眼底カメラ保持部を上下動させる機構と、前記滑動台の
    一部をなす静止部材に対して予め定めた範囲内で上下動
    自在に配置された中間部材と、該中間部材を前記予め定
    めた範囲の中央位置に保持する弾性部材と、前記中間部
    材を前記眼底カメラ保持部に対して固定する固定手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載
    の眼底カメラ用立体撮影装置。
  4. 【請求項4】被検眼配置部に対して、前後動可能、横動
    可能かつ上下動可能な眼底カメラ保持部を有する眼底カ
    メラ用立体撮影装置において、前記眼底カメラ保持部を
    前後左右に移動操作するジョイスティックと、該ジョイ
    スティックの軸を中心とした回転運動を前記眼底カメラ
    保持部の上下方向直線運動に変換する運動変換機構と、
    前記ジョイスティックの回転運動に応じて回転する回転
    軸と、該回転軸の回りに回転自在に配置された中間部材
    と、該中間部材を前記回転軸に固定する固定手段と、前
    記滑動台の一部をなす静止部材と前記中間部材との間に
    設けたクリック機構と、を備えたことを特徴とする眼底
    カメラ用立体撮影装置。
  5. 【請求項5】被検眼配置部に対して前後動可能に配置さ
    れた摺動軸に滑動台が横方向摺動自在に取付けられ、該
    滑動台に眼底カメラが支持される眼底カメラ用立体撮影
    装置において、前記滑動台を前後左右に移動操作する操
    作部材と、前記眼底カメラを保持する眼底カメラ保持部
    を上下動させる上下動手段と、前記滑動台の一部をなす
    静止部材に対して予め定めた範囲内で上下動可能に配置
    された中間部材と、該中間部材と前記静止部材との間に
    設けたクリック機構と、前記中間部材を前記眼底カメラ
    保持部に対して固定する固定手段と、を備えたことを特
    徴とする記載の眼底カメラ用立体撮影装置。
  6. 【請求項6】被検眼配置部に対して前後動可能に配置さ
    れた摺動軸に滑動台が横方向摺動自在に取付けられ、該
    滑動台に眼底カメラが支持される眼底カメラ用立体撮影
    装置において、前記滑動台を前後左右に移動操作するジ
    ョイスティックと、該ジョイスティックによる前記滑動
    台の少なくとも横動を阻止する第1の固定手段と、該第
    1の固定手段により横動が阻止された位置を基準位置と
    して、前記ジョイスティックによる横動範囲より小さい
    移動範囲で、前記滑動台を横動させる横動手段と、該横
    動手段による前記滑動台の横動時に、前記小さい移動範
    囲内で、前記基準位置から左右双方に予め定めた移動量
    単位での横動を許容する第1のクリック機構と、前記ジ
    ョイスティックの軸を中心とした回転運動を、前記眼底
    カメラを保持する眼底カメラ保持部の上下方向直線運動
    に変換する運動変換機構と、前記ジョイスティックの回
    転運動に応じて回転する回転軸と、該回転軸の回りに回
    転自在に配置された中間部材と、該中間部材を前記回転
    軸に固定する第2の固定手段と、前記滑動台の一部をな
    す静止部材と前記中間部材との間に設けた第2のクリッ
    ク機構と、を備えたことを特徴とする眼底カメラ用立体
    撮影装置。
  7. 【請求項7】被検眼配置部に対して前後動可能に配置さ
    れた摺動軸に滑動台が横方向摺動自在に取付けられ、該
    滑動台に眼底カメラが支持される眼底カメラ用立体撮影
    装置において、前記滑動台を前後左右に移動操作するジ
    ョイスティックと、該ジョイスティックによる前記滑動
    台の少なくとも横動を阻止する第1の固定手段と、該第
    1の固定手段により横動が阻止された位置を基準位置と
    して、前記ジョイスティックによる横動範囲より小さい
    移動範囲で、前記滑動台を横動させる横動手段と、該横
    動手段による前記滑動台の横動時に、前記小さい移動範
    囲内で、前記基準位置から左右双方に予め定めた移動量
    単位での横動を許容する第1のクリック機構と、前記眼
    底カメラを保持する眼底カメラ保持部を上下動させる機
    構と、前記滑動台の一部をなす静止部材に対して予め定
    めた範囲内で上下動可能に配置された中間部材と、該中
    間部材と前記静止部材との間に設けた第2のクリック機
    構と、前記中間部材を前記眼底カメラ保持部に対して固
    定する第2の固定手段と、を備えたことを特徴とする眼
    底カメラ用立体撮影装置。
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