JP2538850B2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP2538850B2
JP2538850B2 JP2281096A JP28109690A JP2538850B2 JP 2538850 B2 JP2538850 B2 JP 2538850B2 JP 2281096 A JP2281096 A JP 2281096A JP 28109690 A JP28109690 A JP 28109690A JP 2538850 B2 JP2538850 B2 JP 2538850B2
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栄司 立見
雅夫 木下
久幸 山中
英之 小坂
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【発明の詳細な説明】 (a).産業上の利用分野 本発明は、地震や風等により高層建築物等の構造物に
生じる振動を低減する際に適用するに好適な制振装置に
関する。
(b).従来の技術 第2図は従来のアクティブ・コントロール型の制振装
置の一例が設けられた構造物の正面図、 第3図は従来のアクティブ・コントロール型の制振装
置の別の例が設けられた構造物の正面図である。
高層建築物等の構造物に対する従来からの制振手法の
一つとして、アクティブ・コントロール型の制振手法が
挙げられる。この制振手法においては、例えば第2図又
は第3図に示すように、地震や風等による振動を検出す
る加速度計等のセンサ12を構造物1に取り付けており、
該センサ12が振動を検出した際には、アクチュエータ5
のラム5aを駆動して、ラム5aの先端部に直結した付加振
動体7を水平な矢印A又はB方向に、コンピューター等
により計算された適切な加速度で移動させる。すると、
その反作用として、アクチュエータ5及びブラケット2
を介して構造物1に対して逆方向、即ち矢印B又はA方
向に制振力が働き、その結果、構造物1の振動が低減さ
れる。
(c).発明が解決しようとする問題点 しかし、構造物1の振動を低減する制振力は付加振動
体7の質量とアクチュエータ5のラム5aの加速度との積
に比例することから、制振効果を高めるためには、重量
のある付加振動体7を使用するか、或いはストロークの
長いラム5aを有するアクチュエータ5を設置する必要が
あり、何れにせよ制振装置3全体が大型化する問題点が
あった。また、付加振動体7に直接アクチュエータ5の
ラム5aが接続しているので、何らかの原因でアクチュエ
ータ5のラム5aが作動しない場合には、制振装置3全体
が構造物1に対して剛に固定された状態となり、制振効
果が期待出来ない不都合があった。
本発明は、上記事情に鑑み、装置全体を大型化するこ
となく高い制振効果を発揮することが出来ると共に、ア
クチュエータのラム等の加力装置の移動駆動体が作動し
ない場合でも、ある程度の制振効果を発揮することが可
能な制振装置を提供することを目的とする。
(d).問題点を解決するための手段 即ち、本発明は、水平方向(矢印A、B方向)に駆動
駆動自在に支持された移動駆動体(5a)を有する加力装
置(5)を有し、前記加力装置(5)の移動駆動体に第
1の付加振動体(15)を当該駆動駆動体の移動方向に移
動自在に接続すると共に、第2の付加振動体(16)を前
記第1の付加振動体の移動方向に移動自在に設け、前記
第1の付加振動体に少なくとも弾性手段(17)を介して
前記第2の付加振動体(16)を、前記第1の付加振動体
の移動により該第2の付加振動体を移動駆動し得るよう
に接続して構成される。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素
を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の
記載に限定拘束されるものではない。以下の「(e).
作用」の欄についても同様である。
(e).作用 上記した構成により、本発明は、第1の付加振動体
(15)が、移動駆動体(5a)の移動動作により水平方向
(矢印A、B方向)に移動駆動されるように作用する。
また、本発明は、第2の付加振動体(16)が、第1の
付加振動体(15)に対して時間的にずれた形で水平方向
(矢印A、B方向)に振動するように作用する。
(f).実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
第1図は本発明による制振装置の一実施例が設けられ
た構造物の正面図である。
構造物1の屋上等の上面1aには、第1図に示すよう
に、ブラケット2が立設されており、ブラケット2に
は、本発明による制振装置3Aが設けられている。制振装
置3Aは、ブラケット2に対して水平に設けられたアクチ
ュエータ5を有しており、アクチュエータ5は、水平方
向である矢印A、B方向に突出・後退駆動自在に設けら
れたラム5aを有している。ラム5aの先端には第1付加振
動体15が直結された形で、ローラ9、10を介して構造物
1に対して矢印A、B方向に移動自在に設けられてお
り、第1付加振動体15の上方にはバネ17を介して第2付
加振動体16が中空支持された形で設けられている。な
お、ここで言う中空支持とは、第2付加振動体16が適宜
な手段で矢印A、B方向に移動自在に設けられており、
第2付加振動体16は、第1付加振動体15の移動によりバ
ネ17を介して矢印A、B方向に自由に駆動され得る状態
を示すものである。
なお、構造物1には、第1図に示すように、該構造物
1の振動を検出する加速度計等のセンサ12が取り付けら
れており、センサ12は、図示しない振動制御装置を介し
て前記アクチュエータ5に接続されている。
制振装置3Aは以上のような構成を有するので、通常の
状態では図中一点鎖線で示すように構造物1に振動は生
じないので、第1付加振動体15にバネ17を介して中空支
持された第2付加振動体16は、構造物1に対して静止状
態を保持する。次に、構造物1が地震や風等により水平
な矢印A又はB方向に振動した場合には、第1付加振動
体15は、アクチュエータ5及びブラケット2を介して構
造物1に対して剛に固定されているので、構造物1の振
動に同期した形で矢印A又はB方向に移動する。しか
し、第2付加振動体16は、既に述べたように、第1付加
振動体15にバネ17を介して中空支持されているので、第
2付加振動体16の慣性により、すぐには矢印A又はB方
向に移動出来ず、その結果、第1付加振動体15に対して
相対的に逆方向、即ち矢印B又はA方向に移動した状態
となる。一方、構造物1の振動を検出したセンサ12は、
前記振動制御装置に対して所定の信号を出力し、振動制
御装置は、該出力された信号に基づいて構造物1の振動
状態を解析し、該解析結果に基づいてアクチュエータ5
のラム5aを駆動して、ラム5aの先端部に直結した第1付
加振動体15を矢印A又はB方向に所定の加速度で移動さ
せる。すると、その反作用として、アクチュエータ5及
びブラケット2を介して構造物1に対して逆方向、即ち
矢印B又はA方向に制振力が働く。この際、前述の第2
付加振動体16、即ち第1付加振動体15に対して相対的に
矢印B又はA方向に移動した状態の第2付加振動体16
が、バネ17の弾性により復元し、その反作用としてバネ
17を介して第1付加振動体15、従って構造物1に対して
矢印B又はA方向の制振力が前記制振力に付加された形
で働く。その結果、構造物1の振動が低減される。
従って、制振装置3Aは、第2図及び第3図に示すよう
な、アクチュエータ5のラム5aに1個の付加振動体7が
設けられた従来の制振装置3と比べて、第2付加振動体
16の復元力による制振力が付加される分だけ制振効果を
高めることが出来る。換言すれば、ストロークの短いラ
ム5aを有するアクチュエータ5を用いても同程度の制振
効果を得ることが可能となる。また、何らかの原因でア
クチュエータ5のラム5aが作動しない場合においても、
ラム5aの先端に直結された第1付加振動体15には、第1
図に示すように、バネ17を介して第2付加振動体16が中
空支持された形で設けられているので、バネ17のバネ剛
性を適宜調節して構造物1の基本周期と同調させること
により、第2付加振動体16が通常の同調質量ダンパとし
ての制振効果を発揮することが可能である。
更に、第1図に示す制振装置3Aにおいて、アクチュエ
ータ5のラム5aと第1付加振動体15とを直結するのでは
なく、バネ等の伸縮手段を介して接続することも可能で
ある。即ち、アクチュエータ5のラム5aにバネ等の伸縮
手段を介して第1付加振動体15を接続すると共に、第1
付加振動体15に第2付加振動体16を中空支持する形で設
けても構わない。
(g).発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、水平方向(例
えば、第1図矢印A、B方向)に移動駆動自在に支持さ
れたラム5aなどの移動駆動体を有するアクチュエータ5
などの加力装置を有し、前記加力装置の移動駆動体に第
1付加振動体15などの第1の付加振動体を当該移動駆動
体の移動方向に移動自在に接続すると共に、第2深振動
体16などの第2の付加振動体を前記第1の付加振動体の
移動方向に移動自在に設け、前記第1の付加振動体に少
なくともバネ17などの弾性手段を介して前記第2の付加
振動体を、前記第1の付加振動体の移動により該第2の
付加振動体を移動駆動し得るように接続して構成したの
で、第2の付加振動体が、第1の付加振動体に対して時
間的にずれた形で水平方向に振動することから、移動駆
動体のストロークの短い加力装置でも高い制振効果を発
揮することが出来る。その結果、コンパクトで経済的な
制振装置の提供が可能となる。また、加力装置の移動駆
動体が作動しない場合でも、第1の付加振動体に弾性手
段を介して中空支持された第2の付加振動体が通常の同
調質量ダンパとして機能するので、ある程度の制振効果
を発揮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による制振装置の一実施例が設けられた
構造物の正面図、 第2図は従来のアクティブ・コントロール型の制振装置
の一例が設けられた構造物の正面図、 第3図は従来のアクティブ・コントロール型の制振装置
の別の例が設けられた構造物の正面図である。 3A……制振装置 5……加力装置(アクチュエータ) 5a……移動駆動体(ラム) 15……第1の付加振動体(第1付加振動体) 16……第2の付加振動体(第2付加振動体) 17……弾性手段(バネ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 英之 千葉県流山市駒木518番地1号 三井建 設株式会社技術開発本部技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−76974(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平方向に移動駆動自在に支持された移動
    駆動体を有する加力装置を有し、 前記加力装置の移動駆動体に第1の付加振動体を当該移
    動駆動体の移動方向に移動自在に接続すると共に、第2
    の付加振動体を前記第1の付加振動体の移動方向に移動
    自在に設け、 前記第1の付加振動体に少なくとも弾性手段を介して前
    記第2の付加振動体を、前記第1の付加振動体の移動に
    より該第2の付加振動体を移動駆動し得るように接続し
    て構成した制振装置。
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