JP2537864B2 - Fm復調回路 - Google Patents

Fm復調回路

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JP2537864B2 JP62115055A JP11505587A JP2537864B2 JP 2537864 B2 JP2537864 B2 JP 2537864B2 JP 62115055 A JP62115055 A JP 62115055A JP 11505587 A JP11505587 A JP 11505587A JP 2537864 B2 JP2537864 B2 JP 2537864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気記録再生装置におけるFM復調回路に関
するもので、特にFM変調度が高いFM変調波信号を再生す
る場合に発生しやすい反転現象を防止するものである。
従来の技術 民生用VTRのように低搬送波FM記録再生で、かつFM片
側帯波再生を行なう磁気記録再生装置において、FM変調
指数が大きいFM変調波信号を復調する場合、FM復調器に
おいて零クロス点が忠実に再現できず、反転現象が生じ
やすい。これは、下側帯波成分J1のレベルがFM基本波成
分J0のレベルに比べ、大きくなる時に発生し、さらに再
生ノイズが重畳されている場合では、ノイズの影響で、
J1<J0の場合でも反転現象が発生する。
従来、この反転現象を軽減する復調方式が種々提案さ
れている。たとえば、特開昭57−189311号公報に示され
ているように、再生FM信号の基本波成分をリミッタ回路
により方形波に変換し、この方形波によりパルスを発生
させ、このパルスを再生FM信号に重畳した後、第2のリ
ミッタ回路により復調するものである。これを第7図の
ブロック図、第8図(A)〜(J)の波形図を用いて説
明する。
再生FM信号hをバンドパスフィルタ20により基本波成
分iを取り出し、所定時間遅延し信号jを得る。信号j
をリミッタにかけ信号kを得、信号kよりパルス信号1
を得る。ここで、信号1は基本波信号jの零クロス点の
情報を示すパルスであり、本発明と本質的に異なる点で
ある。そして、再生FM信号hにパルス1を重畳すること
により信号mを得、変調度が高い点においても零クロス
点が存在し、反転現象は生じないというものである。
しかしながら、FM基本波を所定時間遅延した信号jの
零クロス点の時間情報である信号1と、再生FM信号波形
のピーク点との時間情報は本質的に異なった時間情報に
あるにもかかわらず、それを重畳するのはFM信号のもつ
情報を歪ませることになり、次のような問題が生じてい
た。
今、VTRでのFMアロケーションを5〜7M Hzとし、ダー
ククリップを100%,ホワイトクリップを200%とする
と、ダーククリップ周波数は3M Hz,ホワイトクリップ周
波数は9M Hzとなり、基本波の存在する範囲は3〜9M Hz
となる。
つまり基本波の反転周期は約333/2nsec〜111/2nsecの
間で変化することになる。
第11図hに再生FM信号,基本波信号をiに示し、遅延
時間を100nsecとした時の重畳するパルス波形を1に、
重畳した時の波形をmに示す。mを見ると、重畳された
パルスと再生波との位相関係が周波数によってずれる。
つまり基本波信号iが低い周波数のときでは、パルスと
基本波信号のピーク点が一致するが、基本波信号iが高
い周波数のときでは、ずれてくる。そのため、x1ポイン
トでは零クロスが復元できず、いわゆる黒やぶれが発生
し、x2ポイントでは余分に零クロスが発生するいわゆる
白やぶれが発生するのがわかる。
次に遅延時間を短かくし、50nsecとした時のパルス波
形を12に、重畳した時の波形をm2に示す。m2を見ると、
x3ポイントで白やぶれが発生しているのがわかる。さら
に遅延時間を短かく設定すると、パルス波形12を信号h
の零クロス付近に重畳することになり、再生FM信号hの
零クロス点の波形が変化し、復調後の周波数特性に悪影
響を及ぼすことが十分に考えられ、遅延時間を単に短か
く設定するのは好ましくない。
発明が解決しようとする問題点 このように、従来例では再生FM変調波の基本波の零ク
ロス点の有する時間情報を本質的に別の時間情報である
FM再生信号のピーク点に重畳することに無理があり、反
転現象防止の効果がFM基本波の存在するすべての周波数
範囲にわたって成立するものではなく、FM再生信号によ
っては、黒やぶれ,白やぶれ等の反転現象を防止するこ
とはできなかった。また、FM再生信号の高域の周波数成
分を減衰させて再生信号のS/Nを改善しようとすると反
転現象がさらに発生しやすくなるという問題があった。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本発明の復調回路は、FM
変調波信号の基本波のピーク点を検出し、前記ピーク点
において、前記基本波と同極性の微小幅を有するパルス
を前記FM変調波信号に重畳した後、FM復調するように構
成したものであり、さらに再生FM信号のC/Nの低い高域
周波数成分をイコライザーにて減衰することにより、再
生信号のS/Nを改善するものである。
作用 本発明は、上記した構成により、再生FM信号のピーク
点と同一の情報から得られるパルス波形を再生FM信号に
重畳することになり、FM基本波の存在するすべての周波
数範囲にわたって正常なFM信号の零クロス点を変化させ
ることなく反転現象を防止することができ、さらに再生
FM信号のC/Nの低い高域周波数成分をイコライザーにて
減衰することにより、再生信号のS/Nを改善するもので
ある。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。
本発明の第1の実施例のブロック図を第1図に示し、
各部波形a〜eに対応する波形図を第2図(A)〜
(E)に示す。端子1より入力された再生FM信号aは基
本波ピーク検出回路2へ入力される。基本波ピーク検出
回路2は、再生FM信号の基本波成分bのピーク点を示す
情報cを出力する。パルス発生回路3は、信号cよりd
に示すように信号cの立上りエッジでは正方向のパル
ス,立下りエッジでは負方向のパルスを発生するもので
あり、つまりパルス発生回路3は微分回路で良い。一
方、再生FM信号はイコライザー回路に入力される。イコ
ライザー回路の出力とパルス発生回路の出力dは加算器
4にて加算され、信号eが得られる。ここで、信号dの
パルス発生点は信号bのピーク点と完全に一致している
ため、信号eでは常に波形のピーク点にパルスが重畳さ
れることになる。
この信号eは、従来、反転現象が発生していた区間Z
1,Z2での零クロス点を復元しており、従来のパルスカウ
ンタ方式の復調器5に入力しても反転現象は生じず、良
好なFM復調が実現される。
ここで、イコライザー回路12は、基本波ピーク検出回
路2やパルス発生回路3で回路の演算やフィルタによる
微小な遅れを補償する遅延回路であり、かつ、復調信号
のS/N改善を意図して再生FM信号のC/Nの低い高域成分を
減衰させるローパスフィルタの特性を有するものであ
る。つまり、従来復調信号のS/N改善手段として、復調
器5の前段で再生FM信号の高域成分を減衰することが知
られているが、減衰量を大とすると反転現象が生じるた
め、あまり減衰量は大きくできなかった。しかし、本発
明を用いることにより、イコライザー12の高域の減衰量
を大とし、復調後のS/N改善量を大としながら反転現象
を発生させないことが可能となる。
次に基本波のピーク点を検出する検出回路2の第1の
実施例を第3図に示し、各部波形図を第4図(A)〜
(E)に示す。入力されたFM再生信号aをバンドパスフ
ィルタBPF6を通し、FM基本波bを抜き出す。ここでBPF
の通過帯域はおおよそFM信号のデビエーションに設定さ
れる。次に信号bのピーク値を検出するために、信号b
を微分回路7で微分し、信号b2を得る。ここで、信号b2
の零クロス点が信号bのパーク点を示すことになる。そ
こで信号b2をリミッタ回路8によりリミッタすることに
より信号c1を得、c1を反転することにより信号cを得る
ことができる。ここで、リミッタ回路での極性は、再生
されたFM信号と同相になるように調整されるものとす
る。また、信号cは第1図,第2図の信号cと同一のも
のである。
次に、微分回路7の第1の回路例を第5図(A)に示
す。第5図(A)は抵抗RとコンデンサCによる微分回
路である。ここでBPF6と微分回路7の順序が入れかわっ
ても構わない。
次に微分回路の第2の回路例を第5図(B)に示す。
これは微少時間t1遅延する遅延回路9とコンパレータ10
により構成されている。第5図(B)の動作を第6図の
波形図を用いて説明する。ここで、第5図(B)と第6
図(A)、(B)の信号b,b3,cはそれぞれ対応してい
る。FM基本波bと微少時間t1遅延した信号b3をコンパレ
ートすると、信号cが得られる。ここで、cは信号bの
ピーク点とは微小区間t1だけずれているものであるが、
t1を無視できるだけ小さくする(たとえば20nsec)こと
は可能である。さらにコンパレータ10の出力信号cはす
でに方形波になっているため、第3図の微分回路7にこ
の構成を用いた場合、第3図のリミッタ回路8は省略で
きるというメリットがある。
また、上述した実施例において、基本波ピーク検出回
路2の構成要素であるBPF6は、その帯域が狭い程帯域内
のノイズ量が減るためにC/Nが改善され、反転現象の改
善効果が大となる。しかし、反転に狭くしすぎるとFM基
本波が通過できなくなり基本波のピーク検出が不完全に
なる。そこで、再生FM信号のキャリア周波数やC/Nの状
態にあわせ、BPFの帯域が最適値になるようにアダプテ
ィグに制御するように構成してもよい。制御するための
情報としては、再生FM信号の出力レベルや記録再生装置
の記録モード(たとえばVTRでは標準記録,長時間記録
か、もしくはスタンダード記録,ハイバンド記録)等が
考えられる。
また、検出回路2の第1の実施例においてBPF6の帯域
をFM側帯波が入る程広くとり、さらにはBPF6を省いてし
まい、側帯波を含んだ状態のFM信号のピーク点を微分回
路7によって直接検出することも可能である。しかしこ
の場合、BPFでの帯域制限がないため、C/Nの改善効果は
無く、リミッタ回路8の出力信号cの信頼度も上述した
実施例に比べ低くなることになる。BPF6の帯域は、FM信
号のキャリアセンターからデビエーションの高域を含み
つつ、できるだけ狭い方がC/Nの点から考えて好まし
い。
発明の効果 以上のように本発明は、FM再生信号の基本波のピーク
点に基本波の極性と同極性のパルスを微小区間重畳して
から復調器に送ることにより、FM基本波成分が存在する
全帯域でFM基本波のピーク点にパルスが重畳することに
なり、正常なFM信号の零クロス点を変化させることなく
FM反転現象を防止することができ、さらに再生FM信号の
C/Nの低い高域周波数成分をイコライザーにて減衰する
ことにより、再生信号のS/Nを改善するものであり、FM
片側帯波再生を行なうVTR等にとってこの効果は極めて
大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例のブロック図、第2図は
本発明の第1の実施例の波形図、第3図は本発明の基本
波ピーク検出回路の第1の実施例のブロック図、第4図
は本発明の基本波ピーク検出回路の第1の実施例の波形
図、第5図は本発明の基本波ピーク検出回路における微
分回路の回路図、第6図は本発明の基本波ピーク検出回
路における微分回路の波形図、第7図は従来例のブロッ
ク図、第8図は従来例の波形図である。 2……基本波ピーク検出回路、3……パルス発生回路、
4……加算器、5……復調回路、6……バンドパスフィ
ルタ、7……微分回路、8……リミッタ回路、9……遅
延回路、10……コンパレータ、12……イコライザー回
路。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FM変調波を入力とし、前記FM変調波の基本
    波のピーク点を検出する基本波ピーク検出回路と、前記
    基本波ピーク検出回路からの情報により微小幅を有し基
    本波と同一極性のパルスを発生するパルス発生回路と、
    前記FM変調波を入力とし前記基本波ピーク検出回路と前
    記パルス発生回路での演算時間に対応する遅延時間を有
    し、かつ周波数の高域成分を減衰させる特性であるイコ
    ライザー回路と、前記イコライザー回路の出力信号と前
    記パルス発生回路からの出力信号を加算する加算器とを
    具備し、高域成分の減衰した前記FM変調波の基本波のピ
    ーク点に前記パルスが同一極性で重畳された信号である
    前記加算器の出力をFM復調することを特徴とするFM復調
    回路。
  2. 【請求項2】基本波ピーク検出回路は、FM変調波の基本
    波を通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパス
    フィルタの出力を微分する微分回路と、前記微分回路の
    出力信号をリミッタして零クロス点を検出するためのリ
    ミッタ回路より、構成することを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載のFM復調回路。
  3. 【請求項3】基本波ピーク検出回路は、FM変調波を微分
    する微分回路と、前記微分回路の出力よりFM変調波の基
    本波を通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパ
    スフィルタの出力信号をリミッタして零クロス点を検出
    するためのリミッタ回路より、構成することを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載のFM復調回路。
  4. 【請求項4】微分回路は、入力信号を微小時間遅延する
    遅延回路と、コンパレータより構成され、入力信号と遅
    延回路の出力信号を前記コンパレータの2入力に入力す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記載のFM
    復調回路。
  5. 【請求項5】微分回路は、入力信号を微小時間遅延する
    遅延回路と、コンパレータより構成され、入力信号と遅
    延回路の出力信号を前記コンパレータの2入力に入力す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(3)項記載のFM
    復調回路。
  6. 【請求項6】パルス発生回路は、コンデンサと抵抗によ
    り構成される微分回路であることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項記載のFM復調回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60198906A (ja) * 1984-03-21 1985-10-08 Rohm Co Ltd Fm復調回路

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