JP2534086Y2 - 手摺り用支柱の取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本考案は、手摺りに対して取付け
られた支柱の下端部を取付け台を介して床面に後付けす
るようにした手摺り用支柱の取付け構造に関するもので
ある。

【従来の技術】従来、プレハブ式の手摺りを施設する場
合、予め、支柱を手摺り部材に装着しておいて、上記支
柱の下端部に取付け台の筒状部を嵌合し、後から上記取
付け台を床面に取付ける後付けの施工法が知られてい
る。

【考案が解決しようとする課題】この方式で問題になる
のは、床面の仕上りが悪いと、取付け台が床面に対して
きちんと取付けできず、見栄えが悪くなることである。
そこで、上記筒状部の大きさを、そこに上記支柱の下端
を緩く嵌合させることができるように、予め余裕をもっ
て構成しておき、支柱に対する取付け台の取付け調整が
若干可能なようにしている。このため、上記取付け台を
床面にタッピングねじなどで、固定した後、上記筒状部
を介して支柱にドリル穴を明けて、螺子止めしたとき、
水平方向に対する支柱の支持強度が十分でないという欠
点が残される。

【考案の目的】本考案は上記事情に基いてなされたもの
で、取付け台を床面に対して取付けた後、螺子止めによ
って、支柱を上記取付け台の筒状部に固定しても、水平
方向に対する十分な支持強度を確保できる手摺り用支柱
の取付け構造を提供しようとするものである。

【課題を解決するための手段】このため、本考案では、
図示の実施例にも明らかにしているように、手摺り
（２）に対して取付けられた角筒形支柱（１）の下端部
を取付け台（３）を介して床面（４）に後付けするよう
にした手摺り用支柱の取付け構造において、上記取付け
台（３）は、支柱（１）の下端を嵌合する角筒状部（３
Ａ）を台板（３Ｂ）上に形成し、かつ、上記支柱（１）
の中空内部に挿入される外形を有する中子（５）を有
し、該中子（５）の対向外壁面は支柱（１）内空の対向
内壁面に略接する形状とされるとともに、該中子（５）
の他の対向外壁面は対称方向に略コ形に折曲されて支柱
（１）内空の対向内壁面との間に空間部が形成される形
状とされ、上記中子（５）を上記台板（３Ｂ）を介して
ビス止めしてなり、上記中子（５）と筒状部（３Ａ）と
の間に形成された空間に上記支柱（１）の下端を挿入
し、上記台板（３Ｂ）をタッピングねじ（９）などで床
面に固定した状態で、上記筒状部（３Ａ）側面から上記
支柱（１）を介して中子（５）にドリル穴を穿孔し、筒
状部（３Ａ）と支柱（１）と中子（５）とをドリル穴を
介して螺挿される結合ねじ（１０）により螺子止め結合
するのである。

【作用】従って、上記中子（５）を上記台板（３Ｂ）に
ビス止めするとき、上記支柱（１）に対して上記取付け
台（３）の調整をすることができるから、上記取付け台
（３）が床面（４）に沿うように見栄えよくセットで
き、また、その後、上記筒状部（３Ａ）側面から上記支
柱（１）を介して上記中子（５）にドリル穴を穿孔し、
結合ねじ（１０）により螺子止めした場合、水平方向に
ついては、上記中子（５）が支柱（１）を支え、十分な
支持強度を確保できるのである。

【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基いて具体的
に説明する。図において符号１は上端に手摺り部材２を
装着した角筒形支柱であり、インジェクション成形法な
どで形成された、例えばアルミ合金などの中空成形品で
ある。上記支柱１の下端部は、取付け台３を介して床面
４に後付けされるのであって、ここで使用される上記取
付け台３は、特に、図２ないし図４に示すように、上記
支柱１の下端を嵌合する角筒状部３Ａを台板３Ｂ上に形
成し、かつ、上記支柱１の中空内部の断面形状に適合す
る外形断面を有する中子５を上記台板３Ｂを介してビス
止めできるようになっている。即ち、上記中子５は、略
断面エ形をなし、その対向外壁面は支柱１内空の対向内
壁面に略接する形状とされるとともに、該中子５の他の
対向外壁面は対称方向に略コ形に折曲されて支柱１内空
の対向内壁面との間に空間部が形成される形状とされて
いる。しかして、中子５は、その四隅に、ビス６を受け
入れるタッピング穴７を穿っていて、上記台板３Ｂに穿
った挿通穴８を介して上記ビス６を下から上向きに上記
タッピング穴７にねじ込むことで、上記筒状部３Ａ内に
取付けられている。そして、上記中子５と筒状部３Ａと
の間に形成された空間に、上記支柱１の下端を挿入し、
その状態で、床面４に対しての上記取付け台３の納まり
が良くなるように、上記ビス６のねじ込み調整を行い、
上記支柱１に対して上記取付け台３の姿勢を調整するの
である。このようにした後、上記台板３Ｂをタッピング
ねじよりなる固定ねじ９で床面４に固定し、この状態
で、上記筒状部３Ａの側面から上記支柱１を介して上記
中子５にドリル穴を穿孔し、結合ねじ１０をねじ込むこ
とで、螺子止めするのである。このような構成では、た
とえ、床面４の仕上りが悪くても、上記台板３Ｂに対す
る中子５の取付け調整で、支柱１に対する取付け台の姿
勢制御が若干可能で、結果として、床面４に対して上記
取付け台３が見栄えよく取り付けられることになる。し
かも、結合ねじ１０での螺子止めを行った場合、水平方
向には、取付け第３の筒状部３Ａに対し支柱１と中子５
との嵌合が確実に行われているために、十分な支持強度
を確保できることになる。

【考案の効果】本考案は、以上詳述したように、取付け
台は、支柱の下端を嵌合する筒状部を台板上に形成し、
かつ、上記支柱の中空内部の断面形状に適合する外形断
面を有する中子を上記台板を介してビス止めする構成に
なっていて、上記中子と筒状部との間に形成された空間
に上記支柱の下端を挿入し、上記台板をタッピングねじ
などで床面に固定した状態で、上記筒状部側面から上記
支柱を介して中子にドリル穴を穿孔し、結合ねじで螺子
止めするので、上記中子を上記台板にビス止めすると
き、上記支柱に対して上記取付け台の調整をすることが
できるから、上記取付け台が床面に沿うように見栄えよ
くセットでき、また、その後、上記筒状部側面から上記
支柱を介して上記中子にドリル穴を穿孔し、結合ねじで
螺子止めした場合、水平方向については、上記中子が支
柱を支え、十分な支持強度を確保できるという実用上の
効果が得られる。また、上述したように、取付け台の筒
状部側面から上記支柱を介して中子にドリル穴を穿孔
し、結合ねじで螺子止めして上記３部材を結合させるよ
うにしたので、その結合が容易かつ強固となる。さら
に、上記の結合作業の際、筒状部内に切り屑等のゴミが
挿入されていたり付着物があることがしばしばあるが、
本考案では、中子５が略断面エ形に形成され、すなわち
そのの対向外壁面は支柱１内空の対向内壁面に略接する
形状とされるが、中子５の他の対向外壁面は対称方向に
略コ形に折曲されて支柱１内空の対向内壁面との間に空
間部が形成される形状とされているので、上記ゴミをこ
の空間部内に寄せて支柱を挿入させることができ、さら
に支柱内壁や中子外壁の付着物による嵌合不能も大幅に
避けることが出来、支柱及び中子の現場での挿入結合作
業が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を説明するための手摺り構造の
概略側面図である。

【図２】上記実施例の要部の横断平面図である。

【図３】上記実施例の要部の側面図である。

【図４】上記実施例の要部の正面図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 手摺り部材 ３ 取付け台 ３Ａ 筒状部 ３Ｂ 台板 ４ 床面 ５ 中子 ６ ビス ７ タッピング穴 ８ 挿通穴 ９ 固定ねじ １０ 結合ねじ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手摺りに対して取付けられた角筒形支柱
   の下端部を取付け台を介して床面に後付けするようにし
   た手摺り用支柱の取付け構造において、上記取付け台
   は、支柱の下端を嵌合する角筒状部を台板上に形成し、
   かつ、上記支柱の中空内部に挿入される外形を有する中
   子を有し、該中子の対向外壁面は支柱内空の対向内壁面
   に略接する形状とされるとともに、該中子の他の対向外
   壁面は対称方向に略コ形に折曲されて支柱内空の対向内
   壁面との間に空間部が形成される形状とされ、上記中子
   を上記台板を介してビス止めしてなり、上記中子と筒状
   部との間に形成された空間に上記支柱の下端を挿入し、
   上記台板をタッピングねじなどで床面に固定した状態
   で、上記筒状部側面から上記支柱を介して中子にドリル
   穴を穿孔し、筒状部と支柱と中子とをドリル穴を介して
   螺挿される結合ねじにより螺子止め結合することを特徴
   とする手摺り用支柱の取付け構造。