JP2533697B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2533697B2
JP2533697B2 JP3105532A JP10553291A JP2533697B2 JP 2533697 B2 JP2533697 B2 JP 2533697B2 JP 3105532 A JP3105532 A JP 3105532A JP 10553291 A JP10553291 A JP 10553291A JP 2533697 B2 JP2533697 B2 JP 2533697B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ送りを停止し
て再生がなされる磁気記録再生装置に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来のVTRには一般に記録・再生兼用
で、互いにアジマスの異なる2つの回転ビデオヘッドを
有した2ヘッドヘリカルスキャン方式が用いられてい
る。このVTRでは、2個のビデオヘッドにより磁気テ
ープの走行方向に対して傾斜したトラックに順次1フィ
ルド分の映像信号を記録し、再生時には、該ビデオトヘ
ッドにより夫々のアジマス角で記録されたビデオラック
を再生するようにされている。 【0003】上記VTRでのスチル再生は、図1(A)
に示すように、各ビデオヘッドは、隣接ビデオトラック
13,14にまたがってトレースし、夫々のアジマス角
のトラックを再生することにより行われる。この場合の
再生FM信号波形を図1(B)に示す。このように、該
スチル再生では、2つのフィルド信号17,18が互い
に1フィルド毎に切替わって再生されるフレームスチル
となる。なお、12は磁気テープ、15はスチル再生時
にヘッドが走査する軌跡を示す。 【0004】このようなフレームスチルでは、2つのフ
ィルド信号17,18の時間差が再生画像上に現われ、
特に動きの速い動画においてはフィルド間の信号差が顕
著となり、スチル再生にもかかわらず再生画像が揺れ、
見苦しいものとなる。 【0005】また、記録時の磁気テープ送り速度を変え
ることにより、記録時間モードを切替えるVTR(例え
ば、VHS方式では2時間・4時間切替記録、2時間・
6時間切替記録、2時間・4時間・6時間切替記録VT
Rがある。)においては、記録時の磁気テープ送り速度
と同じ速度で再生する標準再生画質を夫々の記録時間モ
ードで十分良好なものとするために、ヘッドのトラック
幅を長時間記録モードに適した値としている。例えば、
VHS方式2時間・4時間・6時間切替VTRでは、一
般に6時間モードに適したヘッドのトラック幅(この場
合、約30μmが適値)にされている。 【0006】しかし、このVTRにおいてスチル再生を
行う場合、トラック端における信号レベルの低下が大き
く、再生画像にノイズバーが現われる。ノイズバーが垂
直ブランキング期間に追い込まれて、再生画像に現われ
ないノイズレススチル再生を得るためには、記録ヘッド
のトラック幅よりもより大きいトラック幅をもつ再生ヘ
ッドを設け、トラック端における再生FM信号レベルの
低下を抑制する必要がある。 【0007】VTRでノイズレススチル再生を可能とす
る従来技術として、互いにアジマスの異なる2つのビデ
オヘッドを2対設けた4ヘッド方式がある。この方式で
は、一対の回転ヘッドは長時間記録・再生用(この従来
例では4時間および6時間モード記録・再生用)であ
り、2つのビデオヘッドのトラック幅は、該モードに適
した値(この従来例では30μm/30μm)に作られ
ている。また他の一対のビデオヘッドは2時間モードの
記録・再生用であり、2つのビデオヘッドのトラック幅
は該モードでノイズレススチル再生をも可能とするのに
適した値(この従来例では90μm/75μmのアンバ
ランスヘッド)に作られている。 【0008】この従来例では、2時間モードでのスチル
再生時は記録ビデオトラック幅は60/60μm、再生
ヘッドのトラック幅90/75μmであり、十分なレベ
ルの再生FM信号波形が得られ、ノイズレススチル再生
が可能である。しかし、4時間および6時間モードでの
スチル再生時は、記録ビデオトラック幅は30/30μ
m、再生ヘッドのトラック幅は30/30μmである。
この場合の4時間モードでの再生ヘッドのビデオトラッ
クトレースパターンは図2(A)のようになり、再生F
M信号波形パターンは図2(B)のようになる。図2
(A)において、24,25はトラック、26はスチル
再生時にヘッドが走査する軌跡、27はHのずれ数αH
を示し、また図2(B)において、28,29はそれぞ
れフィールド信号を示す。したがって、トラック端にお
ける再生FM信号レベルは著しく低下し、ノイズレスス
チル再生は困難である。 【0009】また、4時間モードでは図2(A)の示す
Hのずれ数αH27は0.75Hとなっており(Hとは1
ラインに相当するビデオトラック長)、ビデオトラック
パターンにおいて水平同期信号の位置は隣接トラック2
4,25間で0.25H(0.75H−0.5H=0.25
Hとなり、この値が隣接トラック24,25間での水平
同期信号の位置のずれ量となる。)ずれている、いわゆ
るH並びしていないパターンとなっている。このため、
4時間モードでのスチル再生時には第1のビテオトラッ
クの終りで再生FM信号は0.75H長く再生され、第
2のビデオトラックの始めで再生FM信号は0.75H
長く再生される。したがって、第1のビデオトラック再
生から第2のビデオトラック再生に切替わるところで、
0.75H+0.75H=1.5Hだけ長く再生されるこ
とになり、この時点での水平同期信号のずれ量はHの整
数倍とはならず、0.5Hの端数が生じる。この水平同
期ずれの0.5Hの端数は、0.5Hスキューとして再生
画像の上部に現われる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】したがって4時間モー
ドのスチル再生では、0.5Hスキューの生じる画像と
なり、正常な再生画像は得られないという欠点があっ
た。また、上記した従来例の4ヘッド方式でのスチル再
生はフレームスチルであるので、前述したようなフィル
ド間の信号差が再生画像に現われる。このため、従来の
装置では見苦しいスチル画になるという欠点もあった。 【0011】本発明の目的は、上記した従来技術の欠点
をなくし、スチル再生時のスキュー対策をも含んだ全て
のモードでのノイズレススチル再生を可能とした磁気記
録再生装置を提供するにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明では、トラック幅
が20〜35μmに選ばれた一対のビデオヘッドと、ト
ラック幅が約40μmに選ばれた他の一対のビデオヘッ
ドとが設けられ、複数種類のテープ速度で記録/再生が
なされる各モードにおいては上記一対のビデオヘッドが
用いられ、テープを停止して再生するスチル再生モード
においては上記他の一対のビデオヘッドが用いられる。 【0013】 【作用】上記一対のビデオヘッドのトラック幅が20〜
35μmに選ばれたため、いずれのテープ速度モードで
記録された信号の再生においても、ノイズバーが生じな
いスチル画像を得られる共通トラック幅として約40μ
mが得られる。この共通トラック幅約40μmのビデオ
ヘッドの対が別に設けられるので、いずれのモードで記
録された信号のスチル再生であっても、ノイズバーが生
じない再生画像が得られる。 【0014】 【実施例】図3は本発明の基本構成を示す一実施例、図
4は本発明に用いる回転シリンダの上側ブロックの一実
施例である。 【0015】図3をVHS方式のVTRに用いた場合に
ついて説明する。第1のアジマス角−6°を持った第1
のビデオヘッド1と第2のアジマス角+6°を持った第
2のビデオヘッド2は記録と、標準再生に用いられる。
第3,第4のビデオヘッド3,4は−6°のアジマス角
を持ち、スチルなどの特殊再生専用に用いられる。 【0016】先ず記録時について説明する。記録時には
記録、再生切替スイッチ7が記録回路9と第1、第2の
ビデオヘッド1,2とを接続する。したがって第1、第
2のビデオヘッド1,2だけに記録電流が流れ、第3、
第4のビデオヘッド3,4には記録電流が流れない。 【0017】次に標準再生時には、スイッチ7は下側に
接続され、スイッチ8は上側に接続されて再生回路10
と第1、第2のビデオヘッド1,2とを接続する。また
スチル再生時には、スイッチ7は同じく下側に接続さ
れ、スイッチ8は下側に接続されて再生回路10と第
3、第4のビデオヘッド3,4とを接続する。 【0018】次に図4を用いて、ビデオヘッド1,2,
3,4の取り付け位置について説明する。ビデオヘッド
1,2は互換性を必要とするヘッドであり、VHS規格
を満足する必要があり、図4に示すよう相対角度を正確
に180°とし、相対高さを零とする。すなわち、ヘッ
ドの取り付け角間隔を180°とし、取り付け高さを同
じにする。一方、第3、第4のビデオヘッド3,4は再
生専用ヘッドであるので、その取り付け位置は自由であ
る。取り付け位置の自由度として、ビデオヘッド3,4
間の相対角度、相対高さとビデオヘッド1,3間の相対
角度と相対高さの4つがある。ビデオヘッドそのものに
関する自由度としては、ビデオヘッド1,2の各トラッ
ク幅とビデオヘッド3,4のアジマス角と各トラック幅
である。 【0019】これらの自由度の選択の仕方は本発明を用
いるビデオテープレコーダの特殊性と狙いにより若干異
なるので以下に例を挙げて説明する。 【0020】第1の例として、本発明を2時間記録モー
ドのVHS方式ビデオテープレコーダに用い、スチル再
生を行う場合について述べる。 【0021】図5はビデオテープ上に書かれたビデオト
ラックパターン、図6はビデオヘッド3,4から読み出
された再生FM信号波形である。図5において、13は
第1のアジマス角(−6°)を持つ第1のビデオヘッド
で書かれた60μmのトラック幅を持つトラックパター
ン、14は第2のアジマス角(+6°)を持つ第2のビ
デオヘッドで書かれた60μmのトラック幅を持つトラ
ックパターンである。点線で示すトラックパターン15
はテープ12が停止している時、トラック幅60μmの
ビデオヘッド3,4がトレースするトラックパターンで
ある。その特徴は図5に示すようにビデオヘッド3とビ
デオヘッド4がトレースするトラックパターンが全く同
じになる点にある。これはビデオヘッド3とビデオヘッ
ド4との相対高さを等しくしたためである。それに加え
て相対角度を正確に180°とするとビデオヘッド3,
4からの出力信号は夫々アジマス角の一致したトラック
からの信号だけを読み出すので図6の17,18に示す
ように1フレーム周期の信号となり、信号17と信号1
8は時間的に1フィールドずれている以外は全く等しい
は波形となる。このことからスチル再生を考えた場合、
相対高さを零にすることが最も有利となることが明らか
になる。 【0022】図6のFM信号波形17,18は、再生ヘ
ッド3,4のトラック幅を60μmとしたためテープの
最適停止位置においてトラックの端で6dBレベル低下
している。再生ヘッド3,4のトラック幅を120μm
にすればこのレベル低下を防ぐことができる反面、S/
Nの低下、テープの停止位置が若干ずれた時の隣々接ト
ラックからの妨害を受けやすくなるというディメリット
を生ずる。一方、再生ヘッドのトラック幅を60μm以
下にするとトラックの端における信号レベル低下が大き
くなり30μm以下にすると再生画像にノイズバーを生
じる。このことからビデオヘッド3,4のトラック幅と
しては40μm〜90μmが妥当ということになる。 【0023】次にビデオヘッド3と4の相対角度を18
0°とした理由を説明する。図5の16はHのずれ数α
Hと呼ばれるものでVHS方式2HモードにおいてはαH
=1.5Hとなっている。(Hとは1ラインに相当する
ビデオトラック長)NTSC方式の1フィルド分のビデ
オトラック長は262.5Hであり、記録トラックパタ
ーン13,14のビデオトラック長も262.5Hとな
る。しかし、スチル時のビデオトラックパターン15の
トラック長262.5H+αH=264Hとなる。(図5
では記録トラック13のトラック長を262.5Hしか
書いていないが、実際のテープ上には268H程度まで
記録されており、再生時に長くトレースすれば信号が再
生される。)したがってビデオヘッド3からの信号17
とビデオヘッド4からの信号18とを切替えた時に、水
平同期信号の位相が一致する。 【0024】通常のテレビ信号の片側フィールドを繰り
返すことでスチル画像を作る場合は、フィルドとフィル
ドの継ぎ目のところで水平同期信号の位相が継がらず、
0.5Hのスキューを生じる。このため0.5Hの遅延線
を用いて0.5Hスキューを補償している。図5に示す
ようにテープ上に書かれた片側のフィルドに相当するト
ラックを繰り返すことでスチル画を再生する場合は、上
記スキュー補償を再生ビデオヘッド3と4の相対角度を
適切に選ぶことで行うことができる。 【0025】図5のように相対角度を180°ちょうど
に選ぶとヘッド3がスチル時のトラック15の上端に達
した時、ヘッド4の位置はトラック15のちょうど下端
に達し、ヘッド3,4からの信号の水平同期位相は完全
に一致する。この時は、奇数フィールド、偶数フィール
ドとも264Hと同じになり再生映像の垂直ジッタは全
く生じない。 【0026】垂直ジッタ補償とスキュー補償の両者を満
足する最適な相対角度は180°であるが、スキュー補
償だけを満足する相対角度は種々存在する。すなわち、
各々のフィールドのH数が(264+n)Hと、(26
4−n)Hとする場合、相対角度は(180−n×18
0/264)・でもスキューを生じない。 【0027】第2の例として、本発明を2時間、4時
間、6時間という異なった記録モードを持つNTSC用
のVHS方式ビデオテープレコーダに用いスチル再生を
行う場合について述べる。 【0028】VHS方式のビデオトラックピッチは2時
間モード60μm、4時間モード30μm、6時間モー
ド20μm、である。これら3モードを同一のビデオヘ
ッドで記録再生する場合のビデオヘッドのトラック幅は
約30μmが最適とされている。30μmヘッドで記録
された2時間モードのトラックパターンを図7に、4時
間モードのトラックパターンを図9に、6時間モードの
トラックパターンを図11に示す。 【0029】図7から分かるように30μmのトラック
幅を持つビデオヘッドで記録したテープパターンは、ビ
デオトラック19と20の間に30μmのガードバンド
を生じる。点線で示すトラックパターン21はテープ1
2が停止している時、トラック幅60μmのビデオヘッ
ド3,4がトレースするトラックパターンである。図7
は図5に比べガードバンドがある分だけ信号をひろいに
くいが、再生トラック幅として40μmから120μm
の範囲であればノイズバーのないスチル映像を再生でき
る。スチル映像に対する再生ヘッド3,4の最適ヘッド
幅は約60μmとなり、この時の再生FM信号波形2
2,23は図8のようになる。ヘッド3とヘッド4の間
の相対高さ、相対角度については図5の場合と同じであ
る。 【0030】図9は4時間モードのトラックパターンで
あり、ビデオトラック24,25は夫々30μmのビデ
オトラック幅となりガードバンドは生じない。点線で示
すトラックパターン26はテープ12が停止している
時、トラック幅40μmのビデオヘッド3,4がトレー
スするトラックパターンである。図9はガードバンドが
ないのでスチル映像の再生は比較的容易であり、再生ト
ラック幅として30〜60μmの範囲であればノイズバ
ーをなくすことができる。図10の28,29は再生ト
ラック幅を各々40μm、相対高さ零としたときの再生
FM信号波形であり、トラックの両端でも3dB程度のレ
ベル低下しか生じない。 【0031】図9のトラックパターンの特殊性はαH
7が0.75Hとなっていることである。このためビデ
オヘッド3と4の相対角度を180°ちょうどにすると
スチル再生時の1フィルドの長さは、262.5H+αH
=263.25Hとなり、ビデオヘッド3からの再生F
M信号28とビデオヘッド4からの再生FM信号29の
間の水平同期信号位相差は0.25Hとなる。このた
め、相対角度を180°としてスチル再生を行うとフィ
ルドとフィルドの継ぎ目で0.25Hのスキューを生じ
る。0.25Hという大きさのスキューは通常のテレビ
受信機では垂直ブランキング期間にスキューを吸収する
ことができるので、正常なスチル画像が映出される。 【0032】図11は6時間モードのトラックパターン
であり、ビデオトラック30,31は夫々20μmのト
ラック幅となりガードバンドは生じない。点線で示すト
ラックパターン32はテープ12が停止している時、ト
ラック幅26μmのビデオヘッド3,4がトレースする
トラックパターンである。図11もガードバンドがない
のでスチル画像の再生は比較的容易であり、再生トラッ
ク幅として20〜40μmの範囲であればノイズバーを
なくすことができる。図12の34,35は再生トラッ
ク幅を各々26μm、相対高さ零としたときの再生FM
信号波形であり、トラックの両端でも3dB程度のレベル
低下しか生じない。 【0033】図11のトラックパターンの特殊性はαH
33が0.5Hとなっていることである。このためビデ
オヘッド3と4の相対角度を180°ちょうどにする
と、スチル再生時の1フィルドの長さは262.5+αH
=263Hとなり、1フィルド間の水平周期位相差が生
じない。 【0034】以上の考察から、2時間、4時間、6時間
の全てのモードを一対のビデオヘッドで記録再生すると
ともに別の一対のビデオヘッドにより全てのモードにお
けるスチル再生を行う場合、第1、第2のビデオヘッド
1,2のトラック幅は20〜35μm、第3、第4のビ
デオヘッド3,4のトラック幅は約40μmに選ぶこと
が望ましい。ビデオヘッド1,2のトラック幅を広げる
ことは2時間モードのスチル再生を容易にするが、6時
間モードの標準再生画質を低下させる。 【0035】2時間モードのスチルと上記6時間モード
の標準再生画質の両者を改善する方法として、ビデオヘ
ッド1のトラック幅を広く、ビデオヘッド2のトラック
幅を狭くすることが考えられる。たとえばビデオヘッド
1を30μm、ヘッド2を25μm、ヘッド3,4を4
0μmとする。2時間モードのスチル再生はヘッド1の
記録トラックをトレースするものであり、ヘッド2のト
ラック幅を狭くした副作用が全く生じないのは明らかで
ある。ヘッド1,2のトラック幅を30μm,25μm
とすることは図7に示した30μm,30μmとするも
のより6時間の標準画質を向上させることができる。 【0036】次に本発明に用いるロータリトランス6に
ついて説明する。図13は3チャンネルのロータリトラ
ンス6を用いて本発明を実施した一例を示す。図13の
特徴は、スチル再生ヘッド3,4を直列接続することで
ロータリトランスのチャンネル数を減らしていることで
ある。ロータリトランスは回転シリンダ内に設けるもの
であり、その大きさに制限がある場合が多く、チャンネ
ル数を4個とることは難しい場合が多い。一方、二つの
ビデオヘッドを直列接続することはビデオヘッドのイン
ピーダンスノイズを3dB増加させる。このため標準再生
用のヘッド1,2を直列接続することはS/N劣化とな
るのでできない。 【0037】しかし、スチル再生時は記録トラッキ幅よ
り再生トラック幅の方がかなり広いので、再生されるテ
ープノイズが大きくなる。このためヘッド3,4を直列
に接続したことによる上記インピーダンスノイズの占め
る割合は低くなり、ヘッド3,4を直列接続とした弊害
はほとんど現われない。 【0038】3チャンネルロータリトランスの一具体例
として、ビデオヘッド1,2,3,4のインダクタンス
を1.8μHとした場合、第1、第2のチャンネル3
9,41の一次インダクタンスは8μH、巻上げ比1対
2、第3のチャンネル40の一次インダクタンスは16
μH、巻上げ比1対1.414となる。ロータリトラン
スの一次インダクタンスLPはビデオヘッドのインダク
タンスLHとロータリトランスの結合係数Kとから決ま
る。すなわちロータリトランスの二次側から見たインピ
ーダンスをZとし、二次側開放電圧をv0としたときv0
/(Zの平方根)が最大となるよう一次側インダクタン
スを決めるとよい。K=0.95とするとLP≒4LH
5LHが最適となる。 【0039】ビデオヘッド1,2,3,4のインダクタ
ンスを揃えることはビデオヘッドの生産性を上げる点で
メリットがあり、したがって上記のように第3のチャン
ネルのLPを増加させるのがよい。もう一つの条件とし
て再生回路10とのマッチング条件があり、上記Zの値
が各チャンネルでできるだけ揃っていることが望まし
い。このため巻上げ比を1:1.414としてZを揃え
ている。 【0040】図14は3チャンネルロータリトランスを
用いるもう一つの具体例である。図14ではビデオヘッ
ド3,4を並列接続したものであり、性能的には図13
と同じになる。この時のロータリトランスの第3チャン
ネル38の仕様は次のようになる。すなわち、ビデオヘ
ッド3,4のインダクタンスを夫々1.8μHとすると
P=4μH、巻上げ比1対2×1.414となる。 【0041】図15は3チャンネルのロータリトランス
の一実施例を示す図である。一番内側の巻溝42が第1
のチャンネル39、中側の巻溝43が第3のチャンネル
40、外側の巻溝44が第2のチャンネル41に選んで
いる。これは第1チャンネル39と第2チャンネル41
の間のクロストークを軽減するためである。 【0042】ビデオヘッド3,4を使用しない時は図1
3に示すスイッチ45で第3のロータリトランス40の
二次側を短絡することで第1のチャンネル39と第2の
チャンネル40の間のクロストークを大幅に改善できる
とともに、記録時におけるビデオヘッド3,4による不
都合な書き込みを完全に除去できる。 【0043】次に、本発明のフィルドスチル再生に影響
する再生時におけるクロマ信号のローテーション方式に
ついて説明する。 【0044】ます、VHSのNTSC方式の場合につい
て説明する。該方式においては、隣接ビデオトラックの
クロマ信号の影響をさけるためにPS(Phase Shif
t)方式が採用されている。図16は、このPS方式で
の記録クロマ信号の位相ローテーションのパターン図を
示す。3.58MHzのクロマ信号は629KHzに低域
変換される過程で1H毎に90°ずつの位相シフトを受
けて記録される。且つ、この位相シフトの方向がビデオ
トラック毎に、すなわちフィルド毎に逆転するように記
録される。 【0045】再生時には、低域変換されたクロマ信号か
ら元の3.58MHzに周波数変換する過程において、再
生クロマ信号は記録時と同じ位相シフトを、すなわち、
1H毎に90°ずつ位相を進ませて記録したフィルドの
クロマ信号45は1H毎に90°ずつ位相を遅らせて再
生し、逆に1H毎に90°ずつ位相を遅らせて記録した
フィルドのクロマ信号46は1H毎に90°ずつ位相を
進ませて再生される。上記位相ローテーションにより、
連続位相のクロマ信号が得られる。 【0046】しかし、フィルドスチル再生においては、
一方のフィルドのみが繰り返して再生されるため、再生
時の1H毎の90°位相シフトのローテーション方向は
常時一方向となり、ローテーション方向を1フィルド毎
に逆転させる必要はない。例えば、1H毎に90°ずつ
位相を進ませて記録した1フィルドを繰り返して再生す
るフィルドスチルの場合には、常時1H毎に90°ずつ
位相を遅らせて再生する。これによって、連続位相のク
ロマ信号が得られ、正常なカラー画像が得られる。 【0047】すなわち、NTSC方式においては、ノー
マル再生時にはクロマ位相のローテーションの方向をフ
ィルド毎に逆転させ、フィルドスチル再生時には、フィ
ルド再生用ヘッドが再生するフィルド側に適した一方向
のクロマ位相のローテーションに固定させる。 【0048】次にVHSのPAL方式の場合について説
明する。該方式では隣接ビデオトラックのクロマ信号の
影響対策として、NTSC方式とは異なった1トラック
PS方式が採用されている。図17には、このPS方式
での記録クロマ信号の位相ローテーションのパターン図
を示す。すなわち、PAL方式では、NTSCとは異な
り、クロマ信号は1フィルドおきに1H毎の90°位相
遅延を受け、他の側のフィルドは1H毎の位相シフトを
受けずに一定の方向に位相が向いて記録される。再生時
には、1H毎の90°位相遅延を受けたフィルドのクロ
マ信号48は1H毎に90°ずつ位相を進ませて再生さ
れ、一方位相シフトの受けないフィルドのクロマ信号4
7は位相シフトせずに、そのまま再生される。上記位相
ローテーションにより連続位相のクロマ信号が得られ
る。 【0049】上記PAL方式においても、NTSC方式
同様、ノーマル再生時にはクロマ位相のローテーション
を行う場合と行わない場合をフィルド毎に切替え、フィ
ルドスチル再生時には、常時1H毎に90°ずつ進ませ
るクロマ位相ローテーションを行うか、または位相ロー
テーションを行わない場合のどちらか一方に固定させ
る。 【0050】特にPAL方式では、フィルドスチル再生
用ヘッドのアジマスをクロマ位相ローテーションを受け
ないフィルド側のアジマスに選ぶことにより、フィルド
スチル再生時に位相ローテーションを停止することがで
きる。これにより、フィルドスチル再生時のクロマ信号
処理において、位相ローテーションの誤動作を抑制で
き、より良好な画質を得ることができる。 【0051】もう1つの家庭用VTRの方式であるβ規
格のNTSC方式でのクロマ信号処理にはPI(Phase
Invert)方式が採用される。この方式によれば1フ
ィルドおきに180°位相シフトを受け、他の側のフィ
ルドは位相シフトを受けずに記録される。したがって、
VHSのPAL方式に類似した信号処理を行い、かつフ
ィルドスチル再生用ヘッドのアジマスをクロマ位相ロー
テーションを受けないフィルド側のアジマスに選ぶこと
により、より良好なフィルドスチル画が得られる。 【0052】 【発明の効果】以上のように本発明によればスチル再生
時には一対の再生専用ヘッドが同一のフィルドを再生し
たものを1フレームとするので、画ぶれのないスチル映
像を再生することができる。さらにVHS方式の4時間
モードやβ方式の2時間モードのようなαH=0.75H
のものについても画面上部にスキューが現われることな
くスチル映像を再生することができる。またVHS方式
の2時間、4時間、6時間モード切替式VTRやβ方式
の1時間、2時間、3時間モード切替式VTRに本発明
を応用した場合、全てのモードで記録したものについて
ノイズバーのないスチル映像を再生することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】従来方式における2時間モードのトラックパタ
ーンと再生信号波形の説明図である。 【図2】従来方式における4時間モードのトラックパタ
ーンと再生信号波形の説明図である。 【図3】本発明の基本構成を示す概略回路図である。 【図4】回転上シリンダの一具体例の概略図である。 【図5】2時間モードのトラックパターンと再生信号波
形の説明図である。 【図6】2時間モードのトラックパターンと再生信号波
形の説明図である。 【図7】2時間モードのトラックパターンと再生信号波
形の説明図である。 【図8】2時間モードのトラックパターンと再生信号波
形の説明図である。 【図9】4時間モードのトラックパターンと再生信号波
形の説明図である。 【図10】4時間モードのトラックパターンと再生信号
波形の説明図である。 【図11】6時間モードのトラックパターンと再生信号
波形の説明図である。 【図12】6時間モードのトラックパターンと再生信号
波形の説明図である。 【図13】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図14】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図15】ロータリトランスの一具体例を示す正面およ
びXX′断面図である。 【図16】色信号のフィルド毎の位相シフトを示す説明
図である。 【図17】色信号のフィルド毎の位相シフトを示す説明
図である。 【符号の説明】 1〜4…ビデオヘッド 6…ロータリトランス 7,8…スイッチ 9…記録回路 10…再生回路 16,27,33…Hのずれ数(αH
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田▲たかし▼ 茨城県勝田市大字稲田1410番地株式会社 日立製作所東海工場内 (56)参考文献 特開 昭53−110812(JP,A) 特開 昭53−17315(JP,A) 特開 昭49−96619(JP,A) 実開 昭52−50718(JP,U) ナショナルテクニカルレポート、VO L.25,NO.1(1979−2)雑誌ラジ オ技術臨時増刊80−7月号

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】少なくとも標準テープ速度での記録
    /再生モードと、この標準テープ速度の1/2または1
    /3のテープ速度での長時間記録/再生モードとの複数
    のテープ速度モードを備えた磁気記録再生装置におい
    て、互いにアジマス角が異なり、かつビデオヘッドのト
    ラック幅が20〜35μmに設定された第1の一対のビ
    デオヘッドと、互いにアジマス角が同一で、かつビデオ
    ヘッドのトラック幅が40μmに設定された第2の一対
    のビデオヘッドとを備え、前記複数のテープ速度による
    記録/再生モード内のいずれの場合にも、記録時または
    通常再生時には前記第1の一対のビデオヘッドを用い、
    テープ送りを停止して再生するスチル再生には前記第
    2の一対のビデオヘッドを用いることを特徴とする磁気
    記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5250718U (ja) * 1975-10-09 1977-04-11
JPS5317315A (en) * 1976-07-31 1978-02-17 Sony Corp Reproducer
JPS53110812A (en) * 1977-03-09 1978-09-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd Magnetic recording/reproducing method for video signal

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ナショナルテクニカルレポート、VOL.25,NO.1(1979−2)雑誌ラジオ技術臨時増刊80−7月号

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