JP2533530Y2 - サーマルプリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ラベルプリンタ等に利
用されるサーマルプリンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、各種のプリンタ装置が実用化され
ており、例えば、ラベルプリンタ等の機器としては簡易
な構造で静粛に画像印刷が行なえるサーマルプリンタが
利用されている。そこで、このようなサーマルプリンタ
の従来例を図４及び図５に基づいて説明する。まず、こ
のサーマルプリンタであるラベルプリンタ１では、図５
に例示するように、回転自在に軸支されたプラテンロー
ラ２に記録媒体(図示せず)の搬送路３を介して接離自在
に対向する発熱素子アレイ(図示せず)がラインヘッド４
の表面の前縁部近傍に形成されており、このラインヘッ
ド４は後縁部近傍で回動自在に軸支されたブラケット５
の表面に微動自在に連結されている。ここで、このブラ
ケット５は、前記ラインヘッド４を裏面から被う下面開
口のボックス状に形成されており、後縁部近傍で下方に
突設された側面に回動軸６用の円形の貫通孔７と後述す
るハーネス８用の矩形の貫通孔９とが形成されている。
そして、この貫通孔９に挿通されたハーネス８は、図４
に例示するように、前記ブラケット５の後部壁前面にベ
ルト１０で締結されて前記ラインヘッド４の後縁部に接
続されている。

【０００３】なお、このラベルプリンタ１では、実際に
は上述のようにブラケット５の下面両側部にスプリング
(図示せず)が装着されており、これらのスプリングがブ
ラケット５に可動自在に連結されたラインヘッド４の両
端部に当接している。

【０００４】このような構成において、このラベルプリ
ンタ１では、回動自在なブラケット５でラインヘッド４
がプラテンローラ２に接離自在に支持されているので、
このプラテンローラ２上に感熱紙等の記録媒体を簡易に
セットできるようになっている。そして、このようにし
て記録媒体がセットされたプラテンローラ２上にブラケ
ット５の回動でラインヘッド４が位置決め保持されるこ
とで、プラテンローラ２上を搬送される感熱紙等の記録
媒体にラインヘッド４の発熱走査で画像印刷が行なわれ
る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上述したラベルプリン
タ１では、記録媒体のセット等を簡易にするためにプラ
テンローラ２に対向するラインヘッド４を回動自在なブ
ラケット５で支持しているので、ラインヘッド４の後縁
部に接続されたハーネス８をブラケット５内に保持する
必要がある。

【０００６】そこで、上述したラベルプリンタ１では、
このブラケット５の後部壁前面にハーネス８をベルト１
０で締結するようになっているが、これでは小さなベル
ト１０を手作業で固定する必要があるので生産性が低下
することになる。

【０００７】さらに、上述したラベルプリンタ１では、
ブラケット５は下面が開口したボックス状に形成されて
いるが、これは主走査方向に細長いので長手方向の強度
が低下しており、機器の耐久性や信頼性を阻害してい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】表面側が開口したボック
ス状に形成されて後縁部近傍で回動自在に軸支されたブ
ラケットを設け、このブラケットの開口部内に少なくと
も裏面が位置して後縁部近傍にハーネスが接続されたラ
インヘッドを設け、このラインヘッドの表面に形成され
た発熱素子アレイが接離自在に対向する位置にプラテン
を配置したサーマルプリンタにおいて、前記ブラケット
の後縁部近傍の表面に前記ラインヘッドの裏面に対向す
るリブを突設し、このリブの後面と前記ラインヘッドの
裏面と前記ブラケットの内面とで囲まれた空隙内に前記
ハーネスを配置した。

【０００９】

【作用】ラインヘッドのハーネスをベルト等の部品でブ
ラケットに固定することを要しないので、その構造が簡
易でサーマルプリンタの生産性の向上に寄与することが
でき、さらに、ラインヘッドと同様に主走査方向に細長
く形成されるブラケットの長手方向の強度もリブによっ
て向上するので、サーマルプリンタの信頼性や耐久性の
向上にも寄与することができる。

【００１０】

【実施例】本考案の実施例を図１ないし図３に基づいて
説明する。まず、このサーマルプリンタであるラベルプ
リンタ１１では、図３に例示するように、本体ハウジン
グ１２の前後に画像印刷部１３とシート供給部１４とが
設けられており、このシート供給部１４はロール状に巻
回されたラベルシートやタグシート等の記録媒体１５を
回転自在に軸支する構造となっている。そして、この記
録媒体１５に画像印刷を行なう前記画像印刷部１３は、
図１及び図２に例示するように、表面側が開口したボッ
クス状のブラケット１６が後縁部近傍で回動自在に軸支
されており、このブラケット１６の前縁部近傍の開口部
内に連結されたラインヘッド４の発熱素子アレイが記録
媒体１５の搬送路３を介してプラテンローラ２に接離自
在に対向配置されている。

【００１１】ここで、このラベルプリンタ１１では、ラ
インヘッド４を裏面から被う下面開口のボックス状に形
成された前記ブラケット１６は、後縁部近傍で下方に突
設された側面に回動軸６用の円形の貫通孔７が形成され
ており、後縁部近傍の表面にラインヘッド４の裏面に対
向するリブ１７が突設されている。そして、このブラケ
ット１６では、前記リブ１７より後方の部分に上方に突
出した台形の凸部１８が形成されており、この凸部１８
の側面にハーネス８用の貫通孔１９が形成されている。

【００１２】そこで、このラベルプリンタ１１では、上
述のようなブラケット１６の貫通孔１９を介してライン
ヘッド４の後縁部に接続されたハーネス８は、前記ブラ
ケット１６の凸部１８の内面と前記リブ１７の後面とラ
インヘッド４の裏面とで形成された空隙２０内に配置さ
れている。

【００１３】なお、このラベルプリンタ１１では、ブラ
ケット１６の下面両側部にスプリング２１が装着されて
おり、これらのスプリング２１が前記ブラケット１６に
微動自在に連結されたラインヘッド４の両端部に当接し
ている。また、このラベルプリンタ１１では、図３に例
示したように、上述のような構造の画像印刷部１３の前
方に、所望により記録媒体１５の一つであるラベルシー
トの台紙を急角度に曲折してラベル(図示せず)を剥離さ
せるラベル剥離部２２が突設されており、このラベル剥
離部２２下に記録媒体１５であるラベルシートの台紙
(図示せず)を搬送して外部に排出する台紙搬送装置２３
が設けられている。

【００１４】このような構成において、このラベルプリ
ンタ１１では、回動自在なブラケット１６でラインヘッ
ド４がプラテンローラ２上に接離自在に支持されている
ので、このプラテンローラ２上に感熱紙等の記録媒体１
５を簡易にセットできるようになっている。そして、こ
のようにして記録媒体１５がセットされたプラテンロー
ラ２上にスプリング２１の弾発力でラインヘッド４が押
圧されて位置決め保持されるので、このラインヘッド４
がプラテンローラ２上を搬送される記録媒体１５に発熱
走査で所定の画像印刷を行なうようになっている。

【００１５】ここで、このラベルプリンタ１１では、上
述のように記録媒体１５のセット等を簡易にするために
プラテンローラ２に対向するラインヘッド４を回動自在
なブラケット１６で支持しているので、やはり従来のラ
ベルプリンタ１と同様にラインヘッド４の後縁部に接続
されたハーネス８をブラケット１６内に保持する必要が
ある。そして、このラベルプリンタ１１では、このよう
なラインヘッド４のハーネス８を、ブラケット１６の凸
部１８の内面とリブ１７の後面とラインヘッド４の裏面
とで形成された空隙２０内に配置しており、ハーネス８
をベルト等の部品でブラケット１６に締結するようなこ
とを要しないので、その構造が簡易で生産性が良好であ
る。

【００１６】さらに、このラベルプリンタ１１では、下
面が開口したボックス状のブラケット１６は主走査方向
に細長く形成されているが、これは内部にリブ１７が突
設されているので長手方向の強度が良好であり、画像印
刷部１３の耐久性や信頼性の向上に寄与することができ
る。

【００１７】なお、本明細書で云うサーマルヘッド４や
ブラケット１６の表裏及び前後とは、サーマルヘッド４
の発熱素子アレイが位置する面を表面と表現すると共
に、回動中心に対してサーマルヘッド４の発熱素子アレ
イが位置する側を前方として表現しており、ラベルプリ
ンタ１１内における部品の配置や方向等を規定するもの
ではない。

【００１８】

【考案の効果】本考案は上述のように、表面側が開口し
たボックス状に形成されて後縁部近傍で回動自在に軸支
されたブラケットを設け、このブラケットの開口部内に
少なくとも裏面が位置して後縁部近傍にハーネスが接続
されたラインヘッドを設け、このラインヘッドの表面に
形成された発熱素子アレイが接離自在に対向する位置に
プラテンを配置したサーマルプリンタにおいて、前記ブ
ラケットの後縁部近傍の表面に前記ラインヘッドの裏面
に対向するリブを突設し、このリブの後面と前記ライン
ヘッドの裏面と前記ブラケットの内面とで囲まれた空隙
内に前記ハーネスを配置したことにより、ラインヘッド
のハーネスをベルト等の部品でブラケットに固定するこ
とを要しないので、その構造が簡易でサーマルプリンタ
の生産性の向上に寄与することができ、さらに、ライン
ヘッドと同様に主走査方向に細長く形成されるブラケッ
トの長手方向の強度もリブによって向上するので、サー
マルプリンタの信頼性や耐久性の向上にも寄与すること
ができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断側面図である。

【図２】斜視図である。

【図３】全体の構造を示す縦断側面図である。

【図４】従来例を示す分解斜視図である。

【図５】縦断側面図である。

【符号の説明】

２ プラテン ４ ラインヘッド ８ ハーネス １１ サーマルプリンタ １６ ブラケット １７ リブ １９ 貫通孔 ２０ 空隙

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面側が開口したボックス状に形成され
   て後縁部近傍で回動自在に軸支されたブラケットを設
   け、このブラケットの開口部内に少なくとも裏面が位置
   して後縁部近傍にハーネスが接続されたラインヘッドを
   設け、このラインヘッドの表面に形成された発熱素子ア
   レイが接離自在に対向する位置にプラテンを配置したサ
   ーマルプリンタにおいて、前記ブラケットの後縁部近傍
   の表面に前記ラインヘッドの裏面に対向するリブを突設
   し、このリブの後面と前記ラインヘッドの裏面と前記ブ
   ラケットの内面とで囲まれた空隙内に前記ハーネスを配
   置したことを特徴とするサーマルプリンタ。