JP2533355Y2

JP2533355Y2 - リバウンドシート固定構造

Info

Publication number: JP2533355Y2
Application number: JP1989068480U
Authority: JP
Inventors: 和夫浜野
Original assignee: Showa Corp
Current assignee: Showa Corp
Priority date: 1989-06-12
Filing date: 1989-06-12
Publication date: 1997-04-23
Anticipated expiration: 2004-06-12
Also published as: JPH037545U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は緩衝器等の中空ピストンロッド及び中空ピス
トンロッドに固定するリバウンドシートの固定構造に関
する。

（従来の技術）従来車両等で使用する緩衝器としては、シリンダ内に
中実のピストンロッドを挿通し、このピストンロッド先
端部にはピストンを摺動自在に嵌装したものがあり、こ
のような緩衝器においては、中実のピストンロッド外周
面に溝部を形成して、この溝部にリバウンドシートを加
締めにて固定するようにしている。

（考案が解決しようとする課題）ところで、ピストンロッドとして中実ロッドを使用す
ることは、重量が増す等の不具合があり、ピストンロッ
ドとして中空ロッドを使用することが考えられるが、中
空ロッド外周面にリバウンドシートを固定する場合、中
芯がないためにロッドの溝部の加工が不安定になってリ
バウンドシートの固定が不安定になる。

（課題を解決するための手段）上記課題を解決するために本考案は、円柱の途中に縮
径してテーパ部を形成し、このテーパ部の小径部に続け
てリング溝を形成し、このリング溝にＯリングを嵌め、
このＯリングを嵌めたプラグを、中空ピストンロッド内
に挿入し、この中空ピストンロッドの一部をテーパ部、
Ｏリング及びリング溝に向けて縮径して溝部を形成する
ことで、中空ピストンロッドにプラグを気密に固定し、
溝部にリバウンドシートを嵌合することで中空ピストン
ロッドにリバウンドシートを固定した。

又、中空ピストンロッドのプラグの直下に油孔を開け
る。

（作用）中空ピストンロッドにはプラグを固定しているので、
中空ピストンロッド外周面にリバウンドシートを固定し
たときに、プラグが中芯となりリバウンドシートを確実
に中空ピストンロッド外周面の溝部に固定することがで
きる。

また、プラグを上述のように形成することにより、中
空ピストンロッド内周面との間を確実にシールすること
ができ、しかも、中空ピストンロッド内にプラグを挿入
するときにＯリングが中空ピストンロッド内周面に摺接
せず、Ｏリングが破損することはない。

又、プラグの直下に油孔を開けたことにより、中空ピ
ストンロッド内のエア溜りをなくすことができ減衰力を
安定させることができる。

（実施例）以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案のかかる中空ピストンロッド及びリバ
ウンドシートの固定構造を実施した緩衝器の断面図、第
２図は同緩衝器の中空ピストンロッドへのプラグ固定方
法の説明に供する説明図、第３図は中空ピストンロッド
にプラグを固定した状態を示す断面図、第４図は同プラ
グの断面図である。

油圧緩衝器は、アウタチューブ1aとインナチューブ1b
とからなるダブルチューブ１内に上方から中空ピストン
ロッド２を挿通し、アウタチューブ1aの上端部内周面に
は中空ピストンロッド２を案内するロッドガイド３及び
シールホルダ４に保持したオイルシール５を装着してい
る。

中空ピストンロッド２は、パイプ材を塑性加工して下
端部を拡管することによりピストン部６を、上端部を絞
ることによりアッパピン部７を一体的に形成している。

そして、中空ピストンロッド２のピストン部６内には
バルブ機構８を設け、また、外周面にはエンドレスピス
トンリング９を固定している。

バルブ機構８は、ピストン部６内周面に軸方向に複数
本の油溝11を形成し、また、ピストン部６内周面にはチ
ェックバルブシート12を摺動自在に嵌装して、チェック
バルブシート12には油路13を形成して、この油路13を開
閉するバルブ14を装着し、ピストン部６内の段部との間
にリターンスプリング15を介設し、更に、ピストン部６
の下端部にはバルブシート16を固定し、このバルブシー
ト16には油孔17を形成している。

また、中空ピストンロッド２の中間部内にはプラグ20
を気密に固定し、中空ピストンロッド２の外周面にはプ
ラグ20を固定した位置に対応してリバウンドシート22を
固定し、このリバウンドシート22上にリバウンドラバー
23を取付け、また、プラグ20の直下に横方向の油孔24を
形成している。

第４図において、プラグ20は、円柱の途中に縮径して
形成したテーパ部20aと、このテーパ部20aの小径部に続
けて形成したリング溝20bとを備え、このリング溝20bに
は、シールリングとしてＯリング21を嵌める。

リング溝20bの深さは、リング溝20bにＯリング21を嵌
めたときに、このＯリング21の外径がプラグ20の最大外
径よりも小さくなるように設定する。

即ち、リング溝20bにＯリング21を嵌めたときにＯリ
ング21の外径をφｄ、プラグ20の最大外径をφＤとする
と、φＤ＞φｄである。

更に、中空ピストンロッド２のアッパピン部７の外周
面にはインナベース27をナット28にて装着し、インナベ
ース27の下側にはアッパスプリングシート29を取付け
て、このアッパスプリングシート29とアウタチューブ1a
外周面に取付けたアンダスプリングシート30との間に懸
架ばね31を介設し、また、アッパスプリングシート29の
下面にはストッパラバー32を設け、このストッパラバー
32の下端部からはダストカバー33を一体的に垂下してい
る。

更に、インナベース27上面にはマウントラバー34を固
着し、このマウントラバー34にアウタベース35を固着し
て、このアウタベース35をボルト36にて図示しない車体
に取付けている。また、アウタチューブ1aの下端部外周
面には取付けブラケット37を取付けている。

次に、中空ピストンロッド２へのリバウンドシート22
の取付けについて説明する。

まず、第２図に示すように、Ｏリング21を嵌めたプラ
グ20を中空ピストンロッド２内に挿入して、位置決め治
具25によってプラグ20の位置決めをした後、中空ピスト
ンロッド２の外周側からプラグ20のテーパ部20aと対応
する形状をなした加締めローラ26,26によって中空ピス
トンロッド２を加締めて、第３図に示すように、プラグ
20を中空ピストンロッド２内に固定して、中空ピストン
ロッド中空ピストンロッド２の外周面に溝部2aを形成す
る。そして、中空ピストンロッド２の溝部2a内にリバウ
ンドシート22を加締めにて固定する。

この場合、プラグ20の最大外径φＤとＯリング21の外
径φｄがφＤ＞φｄとなるように形成しているので、プ
ラグ20を中空ピストンロッド２内に挿入し、油孔24の側
方を通過させるときに中空ピストンロッド２の油孔24の
エッジによってＯリング21外周面が切断されてシール性
能が低下するようなことがなくなる。

また、プラグ20の直下に油孔24を形成することによ
り、油室S2でのエア溜りがなくなり、減衰力の発生が安
定する。更に、プラグ20にて中空ピストンロッド２内を
封止しているので、パイプ材を絞ることによって生じる
隙間を閉塞して気密性を確実に保持することができる。

次に、この緩衝器の作用について説明する。

圧縮工程で中空ピストンロッド２が下動することによ
り、下部油室S1内の作動油はバルブシート16の油孔17か
らピストン部６内に流入してチェックバルブシート12を
リターンスプリング15の付勢力に抗して上動させて油溝
11を開き、この油溝11から中空ピストンロッド２内油室
S2内に流入し、また、中空ピストンロッド２のインナチ
ューブ1bへの進入体積分の作動油は、インナチューブ1b
下端に設けられたボトムバルブ機構38を介してリザーバ
室S4に流入し、その時、減衰力を発生させる。

また、伸び工程で中空ピストンロッド２が上動するこ
とにより、上部油室S3内の作動油は、中空ピストンロッ
ド２の油孔24から油室S2内に流入し、油室S2内の作動油
は、チェックバルブシート12の油路13からバルブ14を押
下げて油路13を開き、この油路13を通ってバルブシート
16の油孔17から下部油室S1内に流入して減衰力を発生さ
せる。

（考案の効果）以上説明したようにリバウンドシート固定構造は、円
柱の途中に縮径してテーパ部を形成し、このテーパ部の
小径部に続けてリング溝を形成し、このリング溝にＯリ
ングを嵌め、このＯリングを嵌めたプラグを、中空ピス
トンロッド内に挿入し、この中空ピストンロッドの一部
をテーパ部、Ｏリング及びリング溝に向けて縮径して溝
部を形成することで、中空ピストンロッドにプラグを気
密に固定し、溝部にリバウンドシートを嵌合することで
中空ピストンロッドにリバウンドシートを固定したの
で、リバウンドシートを確実に中空ピストンロッド外周
面の溝部に固定することができる。

また、中空ピストンロッド内周面とプラグとの間を確
実にシールすることができ、しかも、中空ピストンロッ
ド内にプラグを挿入するときに、Ｏリングが中空ピスト
ンロッド内周面に摺接せず、Ｏリングが破損することは
ない。

更に、リバウンドシート固定構造は、中空ピストンロ
ッドのプラグの直下に油孔を開けたので、中空ピストン
ロッド内のエア溜りをなくすことができ減衰力を安定さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる中空ピストンロッド及びリバウ
ンドシート固定構造を実施した緩衝器の断面図、第２図
は同緩衝器の中空ピストンロッドへのプラグ固定方法の
説明に供する説明図、第３図は中空ピストンロッドにプ
ラグを固定した状態を示す断面図、第４図は同プラグの
断面図である。尚、図面中、１はダブルチューブ、２は中空ピストンロ
ッド、2aは溝部、６はピストン部、７はアッパピン部、
８はバルブ機構、20はプラグ、20aはテーパ部、20bはリ
ング溝、21はＯリング、22はリバウンドシート、23はリ
バウンドラバー、24は油孔である。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】油圧緩衝器のピストンから延ばした中空ピ
ストンロッドにリバウンドシートを固定するときのリバ
ウンドシートの固定構造において、円柱の途中に縮径し
てテーパ部を形成し、このテーパ部の小径部に続けてリ
ンク溝を形成し、このリンク溝にＯリングを嵌め、この
Ｏリングを嵌めたプラグを、前記中空ピストンロッド内
に挿入し、この中空ピストンロッドの一部を前記テーパ
部、Ｏリング及びリング溝に向けて縮径して溝部を形成
することで、中空ピストンロッドにプラグを気密に固定
し、前記溝部にリバウンドシートを嵌合することで中空
ピストンロッドにリバウンドシートを固定したことを特
徴とするリバウンドシート固定構造。
【請求項２】前記中空ピストンロッドには、プラグの直
下に油孔を開けたことを特徴とする請求項１記載のリバ
ウンドシート固定構造。