JP2533276Y2 - い草移植機のタイミングカム取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はい草移植機の苗載台上に
載せる苗を短冊状に一定量ずつ掻き取るフォークシャッ
ターの駆動タイミングを制御するタイミングカムの取付
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のい草移植機の苗載台上にい草苗を
載置して、該い草苗を一定量ずつ植え付け爪により苗載
台の往復動に合わせて切り取り植え付けを行っていたの
である。前記い草苗は稲の苗のようにマット状に成形さ
れていないので、苗載台下部にフォークシャッターを設
けて、該フォークシャッターの所定動作により短冊状に
一定量ずつ掻き取って、残りの苗は掻き取り位置まで落
下しないようにフォークシャッターにて抑えていたので
ある。このフォークシャッターの所定動作を制御するの
がタイミングカムであり、該タイミングカムの取付位置
は従来図７に示すように、植付主軸２３’に設けられて
いたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、タイミングカ
ムが植付主軸２３’上に設けられていると、該タイミン
グカムの取付位置が苗載台裏側の中央部に位置し、メン
テナンス等がやり難く、植付主軸２３’からスプロケッ
トやチェーン、アーム駆動軸を介して植付爪を駆動する
ので、スプロケットやチェーンのバックラッシュ等によ
り植付動作とフォークシャッターの所定動作のタイミン
グがズレたりしていたのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案はこのような問題
点を解消するために、い草移植機の植付装置Ｂの入力軸
３４から植付主軸２３、アーム駆動軸２５、植付アーム
軸３３を介して植付爪１５を駆動する構成において、カ
ムケース１３を駆動経路中途部のアーム駆動軸２５一端
に付設し、該カムケース１３内に前記アーム駆動軸２５
と連設する軸を横架し、該軸上にアクチュエータを制御
するタイミングカムを設けたものである。

【０００５】

【実施例】本考案が解決しようとする課題及び解決する
ための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示し
た実施例の構成を説明すると。図１はい草移植機全体側
面図、図２は植付駆動部平面図、図３はカムケース平面
断面図、図４は同じく側面断面図、図５は電気回路図、
図６はタイミングチャートである。図１において全体構
成から説明すると、走行車両Ａ後端に作業機装着装置Ｃ
を介して植付装置Ｂが設けられ、該植付装置Ｂは下部に
フロート１８を配置し、植付ミッションケース６後方に
チェーンケース１４を突設し、該チェーンケース１４後
端に植付爪１５を設けてその回動により苗を植え付ける
のである。そして、植付ミッションケース６上方に苗載
台１６を配置し、該苗載台１６下部側面にはリフトシリ
ンダー９とスナップシリンダー１０が配設され、この二
つのシリンダーによりフォークシャッター１７が駆動さ
れるのである。

【０００６】該フォークシャッター１７は苗載台１６上
のい草苗を短冊状に一定量ずつ掻き取って残りの苗を掻
き取り位置まで落下しないように抑えてるものであり、
リフトシリンダー９によりフォークシャッター１７が苗
載台１６の苗載面と平行に動かされ、スナップシリンダ
ー１０によりフォークシャッター１７が苗載台１６の苗
載面と直角に動かされて両者をそれぞれ作動させて平行
四辺形状に動かすようにしている。

【０００７】前記リフトシリンダー９とスナップシリン
ダー１０は空圧シリンダーであり、前部中央のボンネッ
ト１２に内装したエンジンＥの動力によりコンプレッサ
ー２が駆動され、該コンプレッサー２にて空気が圧縮さ
れてエアタンクに溜められ、エアフィルター３、カプラ
１９、電磁バルブ５を介してリフトシリンダー９とスナ
ップシリンダー１０に送られるのである。該電磁バルブ
５を制御するのがタイミングカムであり、植付爪１５の
駆動伝達経路に設けられている。

【０００８】即ち、走行車両ＡのＰＴＯ軸より伝動軸１
１を介して植付ミッションケース６に動力が伝えられ、
図２に示すように入力軸３４からベベルギヤを介して植
付主軸２３に動力が伝達され、該植付主軸２３から一方
は植付主軸２３上のトルクリミッタ３５、歯車から送り
軸２４に動力が伝えられ、他方はスプロケット３６、チ
ェーン３７、スプロケット３８を介してアーム駆動軸２
５に動力が伝えられ、該アーム駆動軸２５上のスプロケ
ット３９・３９・３９からチェーン４０・４０・４０、
スプロケット４１・４１・４１を介して回動アーム４２
・４２・４２を駆動し、植付爪１５・１５・・・が回動
されるのである。

【０００９】また、前記アーム駆動軸２５端に本考案の
カムケース１３が設けられており、図３、図４に示すよ
うに、アーム駆動軸２５がカムケース１３内に横架した
パイプ軸４３に挿入され、該パイプ軸４７上にリフトタ
イミングカム２６、スナップタイミングカム２７が固設
され、該リフトタイミングカム２６、スナップタイミン
グカム２７にはそれぞれカムケース１３外側より挿入し
たリミットスイッチ２９・３０が当接されている。

【００１０】また、カムケース１３に減速軸４３とタイ
マー軸４４が横架され、該減速軸４３上に歯車４５が固
設されて、パイプ軸４７上の刻設歯車４７ａと噛合し、
タイマー軸４４上には歯車４６とタイマーカム２８が固
設され、歯車４６は減速軸４３上の刻設歯車４３ａと噛
合して二段の減速がされてタイマー軸４４が回動される
のである。そしてタイマーカム２８にカムケース１３の
外側より挿入したリミットスイッチ３１が当接されてい
るのである。

【００１１】前記リミットスイッチは図５に示すよう
に、リフトシリンダー９を制御する電磁バルブのソレノ
イド５０がリミットスイッチ２９と直列接続され、スナ
ップシリンダー１０を制御する電磁バルブのソレノイド
５１がリミットスイッチ３０と直列接続され、リミット
スイッチ２９と３０が並列接続されたものがリミットス
イッチ３１と直列接続されている。

【００１２】このような構成により植付主軸２３に伝え
られた動力がチェーン、スプロケットを介してアーム駆
動軸２５に伝えられてカムケース１３内のカムが回動さ
れ、苗載台１６が送り軸２４の回動により一端に至る
と、図６に示すようにリミットスイッチ３１がタイマー
カム２８の回転によりＯＮし、次にリミットスイッチ２
９がリフトタイミングカム２６によりＯＮされてソレノ
イド５０が作動してリフトシリンダー９が伸長されてフ
ォークシャッター１７が苗載台から離れる方向に動き、
続いてリミットスイッチ３０がスナップタイミングカム
２７によりＯＮされてソレノイド５１が作動してスナッ
プシリンダー１０が伸長し、フォークシャッター１７が
苗載台上方へ移動して、リフトタイミングカム２６の回
転によりリミットスイッチ２９がＯＦＦされてリフトシ
リンダー９が縮小してフォークシャッター１７がい草苗
に差し込み、リミットスイッチ３０がＯＦＦとなってス
ナップシリンダー１０が縮小してフォークシャッター１
７が苗載台下方へ移動してい草苗を掻き取るのである。
以上が繰り返されて苗の掻き取りが行われるのである。

【００１３】

【考案の効果】以上のように構成したので本考案は次の
ような効果を奏するものである。即ち、カムケースはア
ーム駆動軸の一端に設けられるので、植付装置の側部に
位置して脱着を容易に行うことができるようになり、カ
ムの変更やメンテナンス等も容易に行えるようになった
のである。また、タイミングカムが入力軸から植付爪を
駆動する伝達経路の中途部の軸に連設されているので、
植付爪を駆動する植付アームとタイミングカムとの間の
スプロケットやギアが減少し、故に、バックラッシュ等
の時間的誤差が減少し、植付動作とのタイミングのズレ
を減少できるようになったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】い草移植機全体側面図である。

【図２】植付駆動部平面図である。

【図３】カムケース平面断面図である。

【図４】同じく側面断面図である。

【図５】電気回路図である。

【図６】タイミングチャートである。

【図７】従来のタイミングカムの取付を示す平面略図で
ある。

【符号の説明】

Ｂ 植付装置 １３ カムケース １５ 植付爪 １７ フォークシャッター ２３ 植付主軸 ２５ アーム駆動軸 ２６ リフトタイミングカム ２７ スナップタイミングカム ２８ タイマーカム ３３ 植付アーム軸 ３４ 入力軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 い草移植機の植付装置Ｂの入力軸３４か
   ら植付主軸２３、アーム駆動軸２５、植付アーム軸３３
   を介して植付爪１５を駆動する構成において、カムケー
   ス１３を駆動経路中途部のアーム駆動軸２５一端に付設
   し、該カムケース１３内に前記アーム駆動軸２５と連設
   する軸を横架し、該軸上にアクチュエータを制御するタ
   イミングカムを設けたことを特徴とするい草移植機のタ
   イミングカム取付構造。