JP2532931B2 - ゴ―スト除去装置 - Google Patents

ゴ―スト除去装置

Info

Publication number
JP2532931B2
JP2532931B2 JP63292114A JP29211488A JP2532931B2 JP 2532931 B2 JP2532931 B2 JP 2532931B2 JP 63292114 A JP63292114 A JP 63292114A JP 29211488 A JP29211488 A JP 29211488A JP 2532931 B2 JP2532931 B2 JP 2532931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
value
circuit
evaluation function
ghost
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63292114A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02137581A (ja
Inventor
茂広 伊藤
裕司 西
達至 高口
一之 海老原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP63292114A priority Critical patent/JP2532931B2/ja
Publication of JPH02137581A publication Critical patent/JPH02137581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2532931B2 publication Critical patent/JP2532931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴースト除去装置に係り、TV(テレビジョ
ン)受像機に代表されるTV映像信号を扱う各種ビデオ機
器において、入力映像信号に含まれるゴースト又は波形
歪を除去する機能を有する装置(ゴーストキャンセラ)
に関する。
〔従来の技術〕
第2図を参照しながら、従来のゴースト除去装置の代
表例について説明する。第2図は従来のゴースト除去装
置1のブロック系統図であり、11はフィルタ部、12は重
み付け設定回路、13は波形抽出回路、14はピーク検出回
路、15は加算平均回路、57は減算器、18は基準波形発生
回路、36は増幅器である。かかる構成にて、映像信号中
のゴースト等の波形歪をベースバンドで除去せんとして
いる。
次に、ゴースト除去装置1の動作について、第3図以
降を併せ参照し乍ら説明する。ラインl1を介して入来す
るTV映像信号(入力映像信号){Xn}はフィルタ部11に
供給される。フィルタ部11は第3図に示すFIRフィルタ2
1{伝達関数:Ga(f)}およびIIRフィルタ23[FIRフィ
ルタ22{伝達関数:Gb(f)}と減算器56とからなる]
の合成フィルタであり、その伝達関数G(f)は、 G(f)=Ga(f)/{1+Gb(f)} ……(1) で表わされる。FIRフィルタ21及び22は、具体的には夫
々第4図(A),(B)図示の如く構成される。即ち、
FIRフィルタ21は第4図(A)に示すように、遅延時間
T(例えばT=1/4fSC′fSC≒3.58MHz)の遅延回路42が
N個接続された遅延ブロック25、及び角遅延回路42の
入,出力端子に接続されたN+1個の重み付け回路31か
ら成る重み付けブロック37、更に各重み付け回路31の出
力及びラインl3を介しての主信号出力を加算合成する加
算合成回路30から成るトランスバーサルフィルタであ
り、主信号を利得制御するときは、各重み付け回路31の
利得aNをコントロールし、前ゴースト又は主信号に先立
つ波形歪成分を除去する際には各重み付け回路31の利得
a0〜aN-1をコントロールするよう働かせるものである。
IIRフィルタ23中のFIRフィルタ22は、第4図(B)に
示すように遅延時間Tの遅延回路42がM+1個接続され
た遅延ブロック26、及び各遅延回路42の入,出力端子に
図示の如く接続されたM+1個の重み付け回路32から成
る重み付けブロック38、更に各重み付け回路32の出力を
加算合成する加算合成回路30から成るトランスバーサル
フィルタであり、遅れゴースト又は主信号より遅れて付
加されている波形歪成分を除去するよう働く。
以上のように構成されたフィルタ部11のFIRフィルタ2
1,22の重み付け値は重み付け設定回路12によって制御さ
れる。フィルタ部11の出力{Yn}は、ラインl2より出力
映像信号として取り出されるが、同時に波形抽出回路13
にも供給される。
ラインl1より印加される入力映像信号{Xn}のうち、
ゴースト等の波形歪検出のための基準信号が重畳されて
いる1水平走査期間の信号列を第5図(A)に示す。こ
こで、ブランキングレベルの電位はV1に設定されている
ものとする。フィルタ部11の重み付け値が0のときに
は、入力映像信号{Xn}はそのまま出力ラインl2より出
力映像信号{Yn}として取り出される。なお、これらの
回路ブロック図中で発生する処理時間による信号の時間
遅れは、説明の便宜上省略するが、以下の説明でも同様
に扱うことにする。
第5図(A)の信号波形中で、基準信号@を基準にゴ
ースト等の波形歪を検出するために用いる信号区間をTd
とし、これを時間軸方向に拡大して同図(B)に示す。
波形抽出回路13はこのTd区間の信号を抽出する働きをす
る。且つ、基準信号@の少し前のPK点を零電位にクラン
プすることで、ブランキング(基準)レベルを零電位に
設定する働きをも有している。同図(B)の信号にゴー
ストや雑音が混入すると同図(C)に示すような波形と
なる。かかる信号は次段のピーク検出回路14に供給され
る。ピーク検出回路14は入力信号のレベルを基準値と比
較するコンパレータ,区間Tdの始点から経過時間を測定
するカウンタ,及びピーク位置のカウント値を記憶する
メモリ(ラッチ)回路等から成り、ここで波形歪検出区
間Td中の最大値(ピーク値)を生ずる時刻,即ちピーク
位置を検出する。ピーク検出回路14の出力は次段の加算
平均回路15に供給される。この加算平均回路15はTd区間
を記憶するメモリ回路及び加算器等で構成され、ここで
同図(C)の如き波形(垂直帰線期間中に1フィールド
又は1フレーム毎に繰り返し入来する)の信号を、ピー
ク位置(基準信号のピーク位置になる)を基準にして所
定回数同期加算されて平均化される。このような加算平
均化処理によって信号と相関の無い雑音成分は充分に抑
圧されて、同図(D)に示すような信号{Yn′}が得ら
れる。同図(B)の基準信号@の本来のスペクトル分布
が第6図(A)のように平坦である場合、第5図(D)
の如くゴーストgを含む信号のスペクトル分布は、第6
図(B)に示されるような0〜4MHzの間で揺ぎを生じる
特性となるが、これはゴーストgによる波形歪成分を表
わしており、かかる信号{Yn′}が減算器57の正入力端
子に供給される。
基準波形発生回路18はピーク検出回路14が検出したピ
ーク位置に同期させて、第5図(E)の波形図の如き基
準波形及び第6図(A)の如き理想的なスペクトル分布
を有する基準波形信号{γn}を発生させる。かかる基
準波形信号{γn}を、加算平均回路15からの信号{Y
n′}より減算器57で減算して、波形歪信号{ε
(第5図(F)参照)を得る。次段の増幅器36は、波形
歪信号{ε}に所定の倍率αを掛けて、 {ε′}={αε} (但しα<1) なる信号{ε′}(同図(G)参照)を得る。そして
重み付け設定回路12は供給された波形歪信号{ε′}
からそのピーク位置と波形歪の時間幅(距離)及びピー
ク値との振幅比率を検出し、歪が最少になるような重み
付け{ωn}の値を計算し、その値をフィルタ部11のFI
Rフィルタ21,22を構成する重み付けブロック37,38の各
重み付け回路31,32に設定する。この重み付け設定回路1
2は演算機能を必要とするので、マイクロプロセッサや
マイコン(micro computer)等で構成され、次式に基づ
いて重み付け値の計算及び設定が繰返し行なわれる。
{ωn}={ωn}k-1−{ε′} ……(2) 但し、1≦k≦m(m:収斂するまでの処理回数) η:データ列の中の順番 {ωn}k:k回目の処理の重み付け計算値(同図(H)
参照) なお、重み付け計算値{ωn}は、フィルタ部11を
構成するトランスバーサルフィルタ中の対応するタップ
に設定されることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、検出された波形歪成分を逆極性にて逐
次更新していくやり方は理論的に正しい方法であり、か
かる従来装置でのアルゴリズムはZF(Zero Forcing)法
の一種であって、波形歪の振幅に比例する制御が行なわ
れるので、収束時間が早いという長所を持った好ましい
制御法である。しかも上記のように、歪が最少化される
ようフィルタ部11に重み付けされることにより、ゴース
ト等の波形歪が除去された映像信号が得られるはずであ
るが、逐次的に行なう重み付け設定動作が不安定で偽の
安定点に落込んでしまったり、ある程度最適値に近付い
た時にノイズ等の外乱が入ると、最適値から外れて別の
安定点に向かったり、IIRフィルタ23が発散方向に向か
ってしまうという問題点があった。
また、検出領域Td期間の波形歪成分データの2乗平均
値を評価関数として見たとし、制御開始後、重み付け設
定の処理回数が増すにつれて徐々に評価関数の値が減少
し、ある極小値に達した後に今度は逆に振動し乍らこの
極小値から離れてゆき、本来の到達点とは異なる値の周
りで微少振動をしたり、徐々に評価関数の値が増加して
発散してしまうことが屡あった。その結果、ゴースト除
去動作に重大に支障を来す等、安定性の面で大きな問題
点があり、実用化し難い方法であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のゴースト除去装置は、フィルタ部(11)の重
み付け値を可変することにより、入来するテレビジョン
映像信号中のゴーストを除去するゴースト除去装置であ
り、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパ
ルス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1
の信号とする波形抽出手段(13)と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置を
検出するピーク位置検出手段と(14)、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパ
ルス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生
手段(18)と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算し
て第2の信号を得る演算手段(57)と、 前記第2の信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力信号に応じて前記フィルタ部の重み
付け値を設定し更新する重み付け設定手段(12)とを備
えたゴースト除去装置において、 前記第2の信号を累積加算平均化処理することによっ
て第3の信号を得る累積加算平均手段(27)と、 前記第2の信号と第3の信号とをp:1−pの比率で
(但しpは定数)で加算合成して第4の信号を得る合成
手段(24)と、 前記増幅器の代わりに設けられ、第4の信号を増幅率
に従って増幅し前記重み付け設定手段に供給する可変増
幅器(16)と、 前記第2の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平
均値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段(19)
と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評
価関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段(28)
と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ>
1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
と前記最小値Eminとを比較する比較手段(20)と、 前記比較手段での比較結果、前記第3の信号、及び既
に設定されている重み付け値が供給され、前記増幅率を
設定する増幅率設定手段(29)とを設け、 前記増幅率設定手段は、前記第3の信号(▲▼)
の絶対値と第1の定数Paとを比較すると共に、前記既に
設定されている重み付け値(ωn)の絶対値と第2の定
数Pbとを比較し、 |▲▼|>Pa,|ωn|>Pb であり、かつ、前記比較手段での比較結果が、 E≦βEmin の時のみ、最小値Eminの値に応じた前記増幅率を設定
し、その他の場合には、前記増幅率を0に設定し、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果が
E<Eminの時に、その評価関数Eを新たな最小値Emin
して記憶するようにして、 前記増幅率設定手段によって上記第4の信号の値を制
御する可変増幅器の利得を制御することにより、上記フ
ィルタ手段に設定する重み付けの値を逐次更新していく
よう構成することにより、上記問題点を解消した。
〔実施例〕
本発明のゴースト除去装置においては、重み付けを単
純に逐次的に修正していくだけでなく、更にこれに波形
歪成分の量を評価する評価関数や波形歪信号の累積加算
平均値,既に設定されている重み付け値等を重み付け設
定のためのパラメータとして導入し、評価関数が減少す
るような条件下で重み付け設定処理を逐次行なわせるこ
とにより、ゴースト除去動作を安定化させ得たものであ
り、以下、第1図等を参照しながら、本発明のゴースト
除去装置の一実施例について説明する。
第1図は本発明のゴースト除去装置10のブロック図で
あり、この図において第2図に示した従来装置と同一構
成個所には同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。両図を比較すると明らかなように、本発明のゴース
ト除去装置10においては、従来装置1における増幅器36
を可変増幅器16に変え、且つその増幅率を外部制御可能
としたことと、新たに評価関数設定回路19を導入して評
価関数の値が減少する方向に制御を掛けると共に、波形
歪信号の累積加算平均値を求めて現時点の波形歪信号に
適当な割合で調合し、既に設定されている重み付け値,
波形歪信号の累積加算平均値が有為な値を取っているデ
ータについてのみ重み付け設定回路12を動作させるよう
構成した点に最大の特徴がある。かかる動作を実現する
ために、可変増幅器16,評価関数設定回路19の他に比較
器20,最小値設定回路28,増幅率設定回路29,累積加算平
均回路27,及び合成回路24を更に備え、これらを第1図
示の如く接続して実現している。
次に、本発明のゴースト除去装置10の具体的な動作に
ついて、第5図の波形図等を併せ参照しながら説明す
る。ラインl1よりフィルタ部11に供給されるNTSC方式の
TV映像信号(入力映像信号){Xn}は、フィルタ部11の
重み付け値が0のときには、入力映像信号{Xn}はその
まま出力ラインl2より出力映像信号{Yn}として取り出
される。第5図(A)は映像信号{Yn}中の垂直帰線消
去期間に多重されているゴースト等の波形歪検出用の基
準信号が存在する1水平走査期間を表わしている。この
信号{Yn}中のゴースト等の波形歪の検出区間Tdを、波
形抽出回路13で抽出している{第5図(B),(C)が
抽出された信号を示す。} 波形抽出回路13はクランプ機能を持っており、第5図
(B)における基準信号@の少し前の時点PKの電位を検
出し、これを零電位とするように直流レベルをシフトさ
せる働きをも有している。この波形抽出回路13の出力波
形中の基準信号@のピーク位置をピーク検出回路14で検
出している。ピーク検出回路14の出力は次段の加算平均
回路15に供給され、ここでピーク位置を基準にして所定
回数同期加算されて平均化される。このような加算平均
化処理によって信号と相関の無い同図(D)図中の雑音
成分は充分に抑圧されて、同図(D)図示の信号{Y
n′}が得られる。(この加算平均回路15は必要に応じ
て設ければよい。) 基準波形発生回路18では、上記信号中のピーク位置に
位相同期させた基準波形{基準信号γn,同図(E)参
照}を発生させる。かかる基準信号{γn}と加算平均
回路15からの信号{Yn′}とを減算器57に供給し、ここ
で減算することにより波形信号{ε}{同図(F)参
照}が得られ、評価関数設定回路19,累算加算平均回路2
7,及び合成回路24に供給される。累算加算平均回路27は
波形歪検出期間Tdの信号(波形)を記憶する記憶回路や
加算回路等で構成され、到来する波形歪信号{ε}を
ピーク位置を基準にして逐次加算平均化する働きをし、
同図(I)の如き信号(波形歪累積加算平均値){▲
▼}を出力する。合成回路24は減算器57からの波形歪
信号{ε}と累積加算平均回路27からの累積波形歪
{▲▼}とを、次式(但し、pは定数) {ε′}={pε+(1−p)▲▼} ……
(3) に基づいて合成する回路である。この合成出力
{ε′}は、可変増幅器16にて所定の倍率α(但し、
増幅率:α<1)を掛けられて、{ε″}={α
ε′}なる信号{ε″}(同図(J)参照)とな
り、重み付け設定回路12に出力される。
重み付け設定回路12では入力された波形歪信号
{ε″}から前述のピーク位置との時間差(距離)及
びピーク値との振幅比率を検出し、波形歪が小さくなる
ような重み付け値を計算し、その値{ωn}をフィル
タ部11の重み付けブロック37,38の各重み付け回路31,32
に設定する働きをする。重み付け値の計算及び設定は、
一例として次式に基づいて繰返し行なわれる。
{ωn}={ωn}k-1−{ε′} ……(4) 但し、{ωn}はk回目の処理の重み付け計算値
(同図(H)参照)であり、これは、フィルタ部11を構
成するFIRフィルタ21,22中の対応するタップに設定され
ることになる。
次に、本発明の最大の特徴の1つである評価関数の処
理系について説明する。減算器57から評価関数設定回路
19に供給された波形歪信号{ε}は、波形歪検出期間
Tdの中で、実際に重み付け設定に使用する信号区間Te
(第5図(F)参照)のNe個のデータの2乗平均値 を求め、これを評価関数Eとしている。この評価関数設
定回路19は、2乗計算をさせるための乗算器や、ループ
内に1クロック分の遅延を発生させるラッチ回路を有す
るフィードバック回路等で構成できる。ここで求められ
た評価関数Eは次段の比較器20に供給され、ここで最小
値設定回路28から出力される最小値Emin(それまでの処
理過程中の最小の値)と比較される。そして、最小値E
minの値に1より大きな定数値βを掛けた値βEminと評
価関数Eの値とを比較して、 E≦βEmin (但し、β>1なる定数) の条件が成立することが確認された後、Eminの値に応じ
た増幅率α(α<1)の値を増幅率設定回路29に設定す
る。この増幅率αは可変増幅器16における増幅率として
設定され、入力波形歪信号{ε′}をα倍して
{ε″}={αε′}なる値にする。この増幅率設
定回路29には累積加算平均回路27からの波形歪累積加算
平均値{▲▼},及び既に設定されている重み付け
値い{ωn}も供給されており、これらの値が予め設
定されている値と比較して有意な値を持つ時のみ増幅率
αをその値に維持し、それ以外のときには0となるよう
にして、可変増幅器16の波形歪信号{ε′}が通過し
ないよう制御をかける働きをする。従って、増幅率設定
回路29はスイッチの役目をも果している。
一方、比較器20は評価関数設定回路19からの評価関数
Eと最小値設定回路28からの最小値Eminとを比較し、そ
の時点での評価関数Eの値が最小値Eminよい小さい時
に、最小値設定回路28に設定されていた最小値Eminを評
価関数Eの値と入れ換え、その値を最小値Eminとして新
たに設定する。この最小値設定回路28は、E<Eminのと
き比較器20から印加されるパルス状の確認信号の終了時
点で評価関数を記憶するラッチ回路で構成される。
第7図は本発明装置を構成する評価関数設定回路19の
評価関数Eの1例を示す特性図である。横軸kは評価関
数Eが更新されてゆく処理回数を表わしており、・印が
Eの値を,破線がEminの軌跡を,一点鎖線がβEminの値
(この例ではβ≒1.5)の軌跡を夫々表わしている。こ
の図において、k=0の時に設定されていたEminの初期
値は、図示の如くk=6に至るまでE<Eminの条件を満
たし、各処理毎にEminは更新されている(従って・印を
結んだ直線と破線とが重なっている)。k=9以降はk
=21に至るまで動作が安定状態に入り、Eminは更新され
ないことがこの図からわかる。なお、βEminの特性は、
最小値Eminの特性のβ倍(定数)となっている。
可変増幅器16の増幅率αは、増幅率設定回路29で設定
されるが、第7図でEの値がβEmin以下の時で且つ波形
歪信号の累積加算平均値{▲▼}と既に設定されて
いる重み付け計算値{ωn}の各絶対値が有意な値
(|▲▼|>Pa,|ωn|>Pb,但し、Pa,Pbは正の定
数)となるときに、有効な増幅率αが設定されるが、k
=11,12,16,17の時のように、E>β×Eminのときには
増幅率αは0となり、重み付け値{ωn}の更新は行な
われないよう構成されている。従って、増幅率設定回路
29はスイッチの役目をも果している。このような評価関
数値Eに基づいて重み付け値{ωn}を更新処理する
ことにより、従来装置にて起こりがちであったトラブ
ル、即ち雑音や異常信号の混入により誤った安定点への
突入や動作の発散等が皆無となり、絶えず真の安定点に
向けて制御されるようになり、ゴースト等の波形歪の除
去動作を安定,確実化することができる。
第8図は本発明装置の主要構成部分、即ち可変増幅器
16,評価関数設定回路19,比較器20,合成回路24,累積加算
平均回路27,最小値設定回路28,増幅率設定回路29等の、
より具体的な回路の構成図である。以下、この図に基づ
いて回路の動作を説明する。
ラインl6を介して供給される加算器57からの波形歪信
号{ε}は、評価関数処理系と遅延回路49に供給され
るが、遅延回路49において、評価関数処理系で発生する
遅延時間(評価関数設定回路19乃至増幅率設定回路29で
の信号処理に要する時間)を補正するために所定時間遅
延され、合成回路24を構成する増幅器52にてp倍のゲイ
ンを付与された後、加算器62に供給され、累積加算平均
回路27の出力信号{▲▼}を増幅器53にて(1−
p)倍したものとここで加算され、 {ε′}={pε+(1−p)▲▼} ……
(3) なる信号となって、可変増幅器16を構成するデータセレ
クタ61のA端子に入力する。このデータセレクタ61は、
C端子に供給される制御信号に基づいて、A端子入力信
号か又は零電位に保持されたB端子電位のいずれかをD
端子より出力する。51はゲインαの増幅器であり、{ε
′}が供給された場合は、出力信号として{ε″}
={αε′}が得られ、重み付け設定回路12に転送さ
れる。
一方、遅延回路49の出力{ε}は累積加算平均回路
27にも供給される。累積加算平均回路27を構成する減算
器58は、入力信号{ε}より増幅器55からの出力を減
算してメモリ(記憶部)66に記憶させると共に、前述の
増幅器53及び信号処理回路67に出力する。メモリ66は波
形歪検出期間Tdのデータを記憶できる容量を持ってお
り、Td期間が例えば1フィールド又は1フレーム毎に取
り込まれる度に、読み出し,書込みの動作を繰り返すよ
うに働く。このメモリ66の出力は減算器59に供給され、
ここで上記遅延回路49の出力{ε}との差が取られた
後、次段の増幅器55でδ倍のゲインを付与されて、上記
減算器58に出力されるわけである。かかる構成の累積加
算平均回路27は、本来雑音低減回路として働くと共に、
波形歪信号{ε}の累積加算平均値{▲▼}が得
られるように作動する。この{▲▼}なる出力信号
は、増幅器53および信号処理回路67のA端子に供給され
る。
信号処理回路67のC端子には、ラインl9を介して重み
付け設定回路12から既に設定済みの重み付け値{ωn}
が供給され、B端子には増幅率設定回路29からの評価
関数の判定条件E≦βEminが満たされている場合は“H
(High)",満たされない場合は“L(Low)”の情報が
加えられる。この信号処理回路67は例えば比較器であ
り、A,B両端子が有意な値で且つC端子が“H"の時だけ
“H"を、それ以外の時には“L"をD端子より出力するよ
うに構成されている。
一方、減算器57からの波形歪信号{ε}は、ライン
l6を介して評価関数設定回路19を構成する乗算器41にも
供給され、ここで波形歪2乗信号{εn 2}が作られる。
そして、次段の加算器63と帰還ループ内に入っている遅
延回路43{1クロック分の遅延時間T(T=1/4fSC′f
SC≒3.58MHz)を付与する}とからなる積算回路45によ
って、波形歪検出区間Tdの波形歪2乗信号{εn 2}の積
算値が求められる。この積算値は、次段の減衰器65に
て、積算個数Neの逆数(1/Ne)に圧縮され、相加平均が
取られる。かくして得られた評価関数Eは、次式 で与えられることになる。なお、積算回路45の動作開始
タイミング及び初期化,動作終了タイミング等は説明の
便宜上省略する(以下同様に扱う)。この評価関数Eは
両比較器20,46のA端子に供給される。比較器46は評価
関数Eの値を、評価関数最小値Eminを増幅器54でβ(>
1)倍された後B端子に供給されるβEminと比較して、
E≦βEminのときに“H"レベルをC端子にセットし,そ
の他のときには“L"をセットして、信号処理回路67のB
端子に転送する。比較器46のC端子からの判定出力がセ
ットされるのは評価関数Eが積分処理で形成された後で
あるが、1フィールド又は1フレーム毎に評価関数Eが
更新される度に更新されることになる。
次に、比較器20のA端子に供給される減衰器65からの
評価関数Eと、最小値設定回路28のD端子から比較器20
のB端子に供給される評価関数最小値Eminとを比較し
て、E<Eminの条件が満たされたときだけその状態を表
わすパルス状の制御信号をC端子から出力する働きをし
ている。なお、最小値設定回路28はいわゆるプリセット
端子を持ったラッチ回路である。そのC端子はプリセッ
ト入力端子であり、ゴーストキャンセラの処理動作が開
始されると同時に初期設定としてラインl8からプリセッ
トパルスが供給され、出力端子Dに最大値がセットされ
て最初のEmin値となる。又、B端子は評価関数Eのデー
タ入力端子,A端子はクロック端子である。比較器20から
E<Eminの条件が満たされたときに加えらえる制御パル
ス信号が終了する時点でB端子から供給される評価関数
Eの値が最小値設定回路28に取り込まれてEminとなり、
最小値が新しい値に置き換えられる。かくして得られる
D端子からの出力Eminは、前述の如く比較器20及び増幅
器54に供給される。このように評価関数Eをパラメータ
とし、評価関数が常に減少する方向に制御をかけること
により、本発明装置は動作の安定化を図っている。
なお、以上の説明では評価関数として波形歪信号の2
乗値を用いるものとしたが、これに限らず、例えば波形
歪信号の絶対値 として用いても同様の効果をあげることができる。ま
た、波形歪検出のための基準信号としては、第5図
(A)のような水平走査期間の中程に設定したパルス乗
の波形に限ることなく、例えば同図(K)に示すような
バー波形の立ち下がりエッジ又は垂直同期信号の前縁部
を微分した波形等、波形変換によって抽出して得られる
パルス信号を使用しても本発明装置においては有効であ
る。このような異種の波形から波形変換によってパルス
状の波形を得て、基準信号としてゴーストを除去するア
ルゴリズムに対しても、本発明は有効に働く。
〔効 果〕
叙上の如く、本発明のゴースト除去装置においては、
評価関数Eを導入して、ゴースト除去動作が収束方向に
向かっているか否かを常に監視しながら処理を進めると
共に,波形歪累積加算信号及び既に設定済みの重み付け
値が有意な値を取る時にのみ重み付け設定できるように
しているので、従来装置における前記問題点を解消し、
不要な雑音等はマスクして,それまでの処理経過との相
関を見ながら処理を進めることにより、対ノイズ性及び
安定性が格段に向上し、波形歪信号{ε}と波形歪累
積加算信号{▲▼}とを適度に調合することによ
り、逐次処理で波形歪成分が少なくなるように追い込む
ZF(Zero Forcing)法で生じ易い感度不足を補うことが
でき、外乱雑音に対しても安定,確実にゴースト等を除
去し得、波形歪を伴わない良質な映像信号を得られる等
の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々本発明及び従来のゴースト除去
装置のブロック図、第3図は本発明及び従来の装置にお
けるフィルタ部の具体的ブロック図、第4図(A),
(B)はフィルタ部を構成する各FIRフィルタの回路
図、第5図(A)〜(K)は夫々本発明装置及び従来装
置の各構成部分の動作説明用信号波形図、第6図
(A),(B)は本発明及び従来装置における信号処理
の原理説明用スペクトル図、第7図は本発明装置を構成
する評価関数設定回路の評価関数の1例を示す特性図、
第8図は本発明装置の主要構成部分の具体的回路構成図
である。 10……ゴースト除去装置、11……フィルタ部、12……重
み付け設定回路、13……波形抽出回路、14……ピーク検
出回路、15……加算平均回路、16……可変増幅器、18…
…基準波形発生回路、19……評価関数設定回路、20,46
……比較器、21,22……FIRフィルタ、23……IIRフィル
タ、24……合成回路、25,26……遅延ブロック、27……
累積加算平均回路、28……最小値設定回路、29……増幅
率設定回路、30……加算合成回路、31,32……重み付け
回路、37,38……重み付けブロック、41……乗算器、42,
43……遅延回路、45……積算回路、51〜55……増幅器、
56〜59……減算器、62,63……加算器、65……減衰器、6
6……メモリ、67……信号処理回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルタ部の重み付け値を可変することに
    より、入来するテレビジョン映像信号中のゴーストを除
    去するゴースト除去装置であり、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパル
    ス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1の
    信号とする波形抽出手段と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置を
    検出するピーク位置検出手段と、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパル
    ス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生手
    段と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算して
    第2の信号を得る演算手段と、 前記第2の信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力信号に応じて前記フィルタ部の重み付
    け値を設定し更新する重み付け設定手段とを備えたゴー
    スト除去装置において、 前記第2の信号を累積加算平均化処理することによって
    第3の信号を得る累積加算平均手段と、 前記第2の信号と第3の信号とをp:1−pの比率で(但
    しpは定数)で加算合成して第4の信号を得る合成手段
    と、 前記増幅器の代わりに設けられ、第4の信号を増幅率に
    従って増幅し前記重み付け設定手段に供給する可変増幅
    器と、 前記第2の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平均
    値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評価
    関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ>
    1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
    と前記最小値Eminとを比較する比較手段と、 前記比較手段での比較結果、前記第3の信号、及び既に
    設定されている重み付け値が供給され、前記増幅率を設
    定する増幅率設定手段とを設け、 前記増幅率設定手段は、前記第3の信号(▲▼)の
    絶対値と第1の定数Paとを比較すると共に、前記既に設
    定されている重み付け値(ωn)の絶対値と第2の数Pb
    とを比較し、 |▲▼|>Pa,|ωn|>Pb であり、かつ、前記比較手段での比較結果が、 E≦βEmin の時のみ、最小値Eminの値に応じた前記増幅率を設定
    し、その他の場合には、前記増幅率を0に設定し、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果がE
    <Eminの時に、その評価関数Eを新たな最小値Eminとし
    て記憶することを特徴とするゴースト除去装置。
JP63292114A 1988-11-18 1988-11-18 ゴ―スト除去装置 Expired - Lifetime JP2532931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63292114A JP2532931B2 (ja) 1988-11-18 1988-11-18 ゴ―スト除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63292114A JP2532931B2 (ja) 1988-11-18 1988-11-18 ゴ―スト除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02137581A JPH02137581A (ja) 1990-05-25
JP2532931B2 true JP2532931B2 (ja) 1996-09-11

Family

ID=17777728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63292114A Expired - Lifetime JP2532931B2 (ja) 1988-11-18 1988-11-18 ゴ―スト除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2532931B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02137581A (ja) 1990-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2532928B2 (ja) ゴ―スト除去装置
US5121117A (en) Balanced A/D converter
JPH0752922B2 (ja) ゴースト除去装置
JP2532931B2 (ja) ゴ―スト除去装置
JP2532935B2 (ja) ゴ―スト除去装置
JPH0468673A (ja) 波形歪みの除去回路
EP0720359B1 (en) Method and Apparatus for image enhancement
JP2548974B2 (ja) ゴースト除去装置
JPS6359273A (ja) 雑音低減装置
JP3118395B2 (ja) クロマ信号処理装置
JP2548920B2 (ja) テレビジョン信号の波形歪検出方式及び受信装置
JPH08140110A (ja) 画像信号処理装置
JPH05153443A (ja) ゴースト除去装置
JP2597650B2 (ja) クランプ回路
JPS62183689A (ja) Muse方式テレビジヨン受信機のクランプ制御回路
JPS6145915B2 (ja)
JP2822214B2 (ja) 自動振幅レベル制御回路
JP2516829Y2 (ja) ゴースト除去装置
JPH0757010B2 (ja) ゴースト除去装置
JP2785785B2 (ja) サンプリング位相制御回路
JPH0757011B2 (ja) ゴースト除去装置
JPS58117780A (ja) ゴ−スト除去装置
KR100301049B1 (ko) 다중방송규격식별장치및방법
JP2669019B2 (ja) 非標準検出回路
JPH04207371A (ja) 自動利得制御回路

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 13