JP2532935B2 - ゴ―スト除去装置 - Google Patents

ゴ―スト除去装置

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JP2532935B2
JP2532935B2 JP63314467A JP31446788A JP2532935B2 JP 2532935 B2 JP2532935 B2 JP 2532935B2 JP 63314467 A JP63314467 A JP 63314467A JP 31446788 A JP31446788 A JP 31446788A JP 2532935 B2 JP2532935 B2 JP 2532935B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴースト除去装置に係り、TV(テレビジョ
ン)受像機に代表されるTV映像信号を扱う各種ビデオ機
器において、入力映像信号に含まれるゴーストや波形歪
を除去する装置(ゴーストキャンセラ)に関する。
〔従来の技術〕
第2図を参照しながら、従来のゴースト除去装置の代
表例について説明する。第2図は従来のゴースト除去装
置1のブロック系統図であり、11はフィルタ部、12は重
み付け設定回路、13は波形抽出回路、14はピーク検出回
路、15は加算平均回路、57は減算器、18は基準波形発生
回路、36は増幅器である。かかる構成にて、映像信号中
のゴースト等の波形歪をベースバンドで除去しようとし
ている。
次に、ゴースト除去装置1の動作について、第3図以
降を併せ参照し乍ら説明する。ラインl1を介して入来す
るVT映像信号(入力映像信号){Xn}はフィルタ部11に
供給される。フィルタ部11は第3図に示すFIRフィルタ2
1{伝達関数:Ga(f)}およびIIRフィルタ23[FIRフィ
ルタ22{伝達関数:Gb(f)}と減算器56とからなる]
の合成フィルタであり、その伝達関数G(f)は、 G(f)=Ga(f)/{1+Gb(f)} ……(1) で表わされる。FIRフィルタ21及び22は、具体的には夫
々第4図(A),(B)図示の如く構成される。即ち、
FIRフィルタ21は第4図(A)に示すように、遅延時間
T(例えばT=1/4fSC′fSC≒3.58MHz)の遅延回路42が
N個接続された遅延ブロック25、及び各遅延回路42の
入,出力端子に接続されたN+1個の重み付け回路31か
ら成る重み付けブロック37、更に各重み付け回路31の出
力及びラインl3を介しての主信号出力を加算合成する加
算合成回路30から成るトランスバーサルフィルタであ
り、主信号を利得制御するときは、各重み付け回路31の
利得aNをコントロールし、前ゴースト又は主信号に先立
つ波形歪成分を除去する際には各重み付け回路31の利得
a0〜aN-1をコントロールするよう働かせるものである。
IIRフィルタ23中のFIRフィルタ22は、第4図(B)に
示すように遅延時間T遅延回路42がM+1個接続された
遅延ブロック26、及び各遅延回路42の入,出力端子に図
示の如く接続されたM+1個の重い付け回路32から成る
重み付けブロック38、更に各重み付け回路32の出力を加
算合成する加算合成回路30から成るトランスバーサルフ
ィルタであり、遅れゴースト又は主信号より遅れて付加
されている波形歪成分を除去するように働く。
以上のように構成されたフィルタ部11のFIRフィルタ2
1,22の重み付け値は重み付け設定回路12によって制御さ
れる。フィルタ部11の出力{Yn}は、ラインl2より出力
映像信号として取り出され、同時に波形抽出回路13にも
供給される。
ラインl1より印加される入力映像信号{Xn}のうち、
ゴースト等の波形歪検出のための基準信号が重畳されて
いる1水平走査期間の信号列を第5図(A)に示す。こ
こで、ブランキングレベルの電位はV1に設定されている
ものとする。フィルタ部11の重み付け値が0のときに
は、入力映像信号{Xn}はそのまま出力ラインl2より出
力映像信号{Yn}として取り出される。なお、これらの
回路ブロック図中で発生する処理時間による信号の時間
遅れは、説明の便宜上省略するが、以下の説明でも同様
に扱うことにする。
第5図(A)の信号波形中で、基準信号@を基準にゴ
ースト等の波形歪を検出するために用いる信号区間をTd
とし、これを時間軸方向に拡大して同図(B)に示す。
波形抽出回路13はこのTd区間の信号を抽出する働きをす
る。且つ、基準信号@の少し前のPK点を零電位にクラン
プすることで、ブランキングレベルを零電位に設定する
働きをも有している。同図(B)の信号にゴーストや雑
音が混入すると同図(C)に示すような波形となる。か
かる信号は次段のピーク検出回路14に供給される。ピー
ク検出回路14は入力信号のレベルを基準値と比較するコ
ンパレータ,区間Tdの始点からの経過時間を測定するカ
ウンタ,及びピーク位置のカウント値を記憶するメモリ
(ラッチ)回路等から成り、ここで波形歪検出区間Td中
の最大値(ピーク値)を生ずる時刻,即ちピーク位置を
検出する。ピーク検出回路14の出力は次段の加算平均回
路15に供給される。この加算平均回路15はTd区間を記憶
するメモリ回路及び加算器等で構成され、ここで同図
(C)の如き波形(垂直帰線期間中に1フィールド又は
1フレーム毎に繰り返し入来する)の信号を、ピーク位
置(基準信号のピーク位置になる)を基準にして所定回
数同期加算されて平均化される。このような加算平均化
処理によって信号と相関の無い雑音成分は充分に抑圧さ
れて、同図(D)に示すような信号{Yn′}が得られ
る。同図(B)の基準信号@の本来のスペクトル分布が
第6図(A)のように平坦である場合、第5図(D)の
如くゴーストgを含む信号のスペクトル分布は、第6図
(B)に示されるような0〜4MHzの間で揺ぎを生じる特
性となるが、これはゴーストgによる波形歪成分を表わ
しており、かかる信号{Yn′}が減算器57の正入力端子
に供給される。
基準波形発生回路18はピーク検出回路14が検出したピ
ーク位置に同期させて、第5図(E)の波形図の如き基
準波形及び第6図(A)の如き理想的なスペクトル分布
を有する基準波形信号{γn}を発生させる。かかる基
準波形信号{γn}を、加算平均回路15からの信号{Y
n′}より減算器57で減算して、波形歪信号{ε
(第5図(F)参照)を得る。次段の増幅器36は、波形
歪信号{ε}に所定の倍率αを掛けて、 {ε′}={αε}(但しα<1) なる信号{ε′}(同図(G)参照)を得る。そして
重み付け設定回路12は供給された波形歪信号{ε′}
からそのピーク位置と波形歪の時間幅(距離)及びピー
ク値との振幅比率を検出し、歪が最少になるような重み
付け{ωn}の値を計算し、その値をフィルタ部11のFI
Rフィルタ21,22を構成する重み付けブロック37,38の各
重み付け回路31,32に設定する。この重み付け設定回路1
2は演算機能を必要とするので、マイクロプロセッサや
マイコン(micro computer)等で構成され、次式に基づ
いて重み付け値の計算及び設定が繰返し行なわれる。
{ωn}={ωn}k-1−{ε′} ……(2) 但し、1≦k≦m (m:収斂するまでの処理回数) n:データ列の中の順番 {ωn}k:k回目の処理の重み付け計算値 (同図(H)参照) なお、重み付け計算値{ωn}は、フィルタ部11を
構成するトランスバーサルフィルタ中の対応するタップ
に設定されることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、検出された波形歪成分を逆極性にて逐
次更新していくやり方は理論的に正しい方法であり、か
かる従来装置でのアルゴリズムはZF(Zero Forcing)法
の一種であって、波形歪の振幅に比例する制御が行なわ
れるので、収束時間が早いという長所を持った好ましい
制御法である。しかも上記のように、歪が最少化される
ようフィルタ部11に重み付けされることにより、ゴース
ト等の波形歪が除去された映像信号が得られるはずであ
るが、逐次的に行なう重み付け設定動作が不安定で偽の
安定点に落込んでしまったり、ある程度最適値に近付い
た時にノイズ等の外乱が入ると、最適値から外れて別の
安定点に向かったり、IIRフィルタ23が発散方向に向か
ってしまうという問題点があった。
また、検出領域Td期間の波形歪成分データの2乗平均
値を評価関数として見たとき、制御開始後、重み付け設
定の処理回数が増加するにつれて徐々に評価関数の値が
減少し、あるい極小値に達した後に今度は逆に振動し乍
らこの極小値から離れてゆき、本来の到達点とは異なる
値の周りで微少振動をしたり、徐々に評価関数の値が増
加して発散してしまうことが屡あった。その結果、ゴー
スト除去動作に重大な支障を来す等、安定性の面で大き
な問題点があり、実用化し難いという欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のゴースト除去装置は、フィルタ部(11)の重
み付け値を可変することにより、入来するテレビジョン
映像信号中のゴーストを除去するゴースト除去装置であ
り、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパ
ルス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1
の信号とする波形抽出手段(13)と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置
を検出するピーク位置検出手段(14)と、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパ
ルス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生
手段(18)と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算し
て第2の信号を得る演算手段(57)と、 前記第2の信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力信号に応じて前記フィルタ部の重み
付け値を設定し更新する重み付け設定手段(12)とを備
えたゴースト除去装置において、 前記第2の信号を累積加算平均化処理することよって
第3の信号を得る累積加算平均手段(27)と、 前記第2の信号と第3の信号とをp:1−pの比率で
(但しpは定数)で加算合成して第4の信号を得る合成
手段(24)と、 前記増幅器の代わりに設けられ、第4の信号を増幅率
に従って増幅し前記重み付け設定手段に供給する可変増
幅器(16)と、 前記第4の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平
均値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段(19)
と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評
価関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段(28)
と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ<
1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
と前記最小値Eminとを比較する比較手段と(20)、 前記比較手段での比較結果、前記第3の信号、及び既
に設定されている重み付け値が供給され、前記増幅率を
設定する増幅率設定手段(29)とを設け、 前記増幅率設定手段は、前記第3の信号(▲▼)
の絶対値と第1の定数Paとを比較すると共に、前記既に
設定されている重み付け値(ωn)の絶対値と第2の定
数Pbとを比較し、 |▲▼|>Pa,|ωn|>Pb であり、かつ、前記比較手段での比較結果が、 E≦βEmin の時のみ、最小値Eminの値に応じた前記増幅率を設定
し、その他の場合には、前記増幅率を0に設定し、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果が
E<Eminの時に、その評価関数Eを新たに最小値Emin
して記憶するようにして、 前記増幅率設定手段によって上記第4の信号の値を制
御する可変増幅器の利得を制御することにより、上記フ
ィルタ手段に設定する重み付けの値を逐次更新していく
よう構成したものであり、これにより上記問題点を解消
した。
〔実施例〕
本発明のゴースト除去装置においては、重み付けを単
純に逐次的に修正していくだけでなく、更にこれに波形
歪成分の量を評価する評価関数や波形歪信号の累積加算
平均値,既に設定されている重み付け値等を重み付け設
定のためのパラメータとして導入し、評価関数が減少す
るような条件下で重み付け設定処理を逐次行なわせると
共に、重み付け設定処理の条件として累積加算平均値又
は既に設定されている重み付け値が有為な値であるとき
にのみ重み付け設定処理を行なわせることにより、ゴー
スト除去動作を安定化させ得たものであり、以下、第1
図等を参照しながら、本発明のゴースト除去装置の一実
施例について説明する。
第1図は本発明のゴースト除去装置10のブロック図で
あり、この図において第2図に示した従来装置と同一構
成個所には同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。両図を比較すると明らかなように、本発明のゴース
ト除去装置10においては、従来装置1における増幅器36
を可変増幅器16に変え、且つその増幅率を外部制御可能
としたことと、新たに評価関数設定回路19を導入して評
価関数の値が減少する方向に制御を掛けると共に、波形
歪信号の累積加算平均値を求めて現時点の波形歪信号に
適当な割合で調合し、既に設定されている重み付け値,
波形歪信号の累積加算平均値が有為な値を取っているデ
ータについてのみ重み付け設定回路12を動作させるよう
構成した点に最大の特徴がある。かかる動作を実現する
ために、可変増幅器16,評価関数設定回路19の他に比較
器20,最少値設定回路28,増幅率設定回路29,累積加算回
路27,及び合成回路24を更に備え、これらを第1図示の
如く接続して実現している。
次に、本発明のゴースト除去装置10の具体的な動作に
ついて、第5図の波形図等を併せ参照しながら説明す
る。ラインl1よりフィルタ部11に供給されるNTSC方式の
TV映像信号(入力映像信号){Xn}は、フィルタ部11の
重み付け値が0のときには、入力映像信号{Xn}はその
まま出力ラインl2より出力映像信号{Yn}として取り出
される。第5図(A)は映像信号{Yn}中の垂直帰線消
去期間に多重されているゴースト等の波形歪検出用の基
準信号が存在する1水平走査期間を表わしている。
この信号{Yn}の中で、ゴースト等の波形歪検出区間
Tdを、波形抽出回路13では第5図(B)又は(C)のよ
うに抽出している。この波形抽出回路13はクランプ機能
をも持っており、第5図(B)のように基準レベル(ブ
ランキングレベル)を零電位に固定させる働きをも有し
ている。この波形抽出回路13の出力波形の中の基準信号
@のピーク位置をピーク検出回路14で検出している。次
段の加算平均回路15では、同図(C)に示すような雑音
が混入している信号を、ピーク位置を基準に加算平均
し、相関の無い雑音が充分に抑圧された、同図(D)の
如き信号(Yn′)を得て出力している。(この加算平均
回路15は必要に応じて設ければよい。) 基準波形発生回路18では、上記信号{Yn′}中のピー
ク位置に位相同期させた基準波形{基準信号γn,同図
(E)参照}を発生させる。かかる基準信号{γn}と
加算平均回路15からの信号{Yn′}とを減算器57に供給
し、ここで減算することにより波形歪信号{ε}{同
図(F)参照}が得られ、累積加算回路27と合成回路24
に供給される。累積加算回路27は波形歪検出期間Tdの信
号(波形)を記憶する記憶回路や加算回路等で構成され
(第8図参照)、到来する波形歪信号{ε}をピーク
位置を基準にして逐次加算平均化する働きをし、同図
(I)の如き信号(波形歪累積加算平均値){▲
▼}を出力する。合成回路24は減算器57からの波形歪信
号{ε}と累積加算回路27からの累積波形歪{▲
▼}とを、次式、 {ε′}={pε+(1−p)▲▼} ……
(3) (但し、pは定数)に基づいて合成する回路である。こ
の合成出力{ε′}は、可変増幅器16にて所定の倍率
α(但し、増幅率:α<1)を掛けられて、{ε″}
={αε′}なる波形歪信号{ε″}(同図(J)
参照)となり、重み付け設定回路12に出力される。
重み付け設定回路12では入力された波形歪信号
{ε″}から前記ピーク位置と波形歪までの時間差
(距離)及びピーク値との振幅比率を検出し、波形歪が
小さくなるような重み付け値を計算し、その値{ωn}
をフィルタ部11の重み付けブロック37,38の各重み付
け回路31,32に設定する働きをする。重み付け値の計算
及び設定は、一例として次式に基づいて繰返し行なわれ
る。
{ωn}={ωn}k-1−{ε″} ……(4) 但し、{ωn}はk回目の処理の重み付け計算値
(同図(H)参照)であり、これは、フィルタ部11を構
成するFIRフィルタ21,22中の対応するタップに設定され
ることになる。
次に、本発明の最大の特徴の1つである評価関数の処
理系について説明する。合成回路24から出力される波形
歪信号{ε′}は評価関数設定回路19に供給される。
この評価関数設定回路19では、波形歪検出期間Tdの中
で、実際に重み付け設定に使用する信号区間Te(第5図
(F)参照)のNe個のデータの2乗平均値 E=(Σε)/Ne ……(5) を求め、これを評価関数Eとしている。この評価関数設
定回路19は、2乗計算をさせるための乗算器や、ループ
内に1クロック分の遅演を発生させるラッチ回路を有す
るフィードバック回路等で構成できる(第8図参照)。
このようにして求められた評価関数Eは次段の比較器20
に供給され、ここで最小値設定回路28から出力される最
小値Emin(それまでの処理過程中の最小の値)と比較さ
れる。そして、最小値Eminの値に1より大きな定数値β
を掛けた値βEminと評価関数Eの値とを比較して、 E≦βEmin(但し、β>1なる定数) の条件が成立することが確認された後、Eminの値に応じ
た増幅率α(α<1)の値を増幅率設定回路29に設定す
る。この増幅率αは可変増幅器16における増幅率として
設定され、入力波形歪信号{ε′}をα倍して
{ε″}={αε′}なる値にする。この増幅率設
定回路29には累積加算回路27からの波形歪累積加算平均
値{▲▼},及び既に設定されている重み付け値
{ωn}も供給されており、これらの値が予め決めら
れた値に比較して有意な値を持つ時のみ増幅率αをその
値に維持し、それ以外のときには増幅率を0となるよう
にして、可変増幅器16を波形歪信号{ε′}が通過し
ないよう制御をかける働きをする。従って、増幅率設定
回路29はスイッチの役目をも果している。
一方、比較器20は評価関数設定回路19からの評価関数
Eと最小値設定回路28からの最小値Eminとを比較し、そ
の時点での評価関数Eの値が最小値Eminより小さい時
に、最小値設定回路28に設定されていた最小値Eminを評
価関数Eの値と入れ換え、その値を最小値Eminとして新
たに設定する。この最小値設定回路28は、E<Eminのと
き比較器20から印加されるパルス状の確認信号の終了時
点で評価関数を一時的に記憶するラッチ回路で構成され
る(第8図参照)。
第7図は本発明装置を構成する評価関数設定回路19に
おける評価関数Eの1例を示す特性図である。横軸kは
評価関数Eが更新されてゆく処理回数を表わしており、
・印がEの値を表わし、破線がEminの軌跡を,一点鎖線
がβEminの値(この例ではβ≒1.5)の軌跡を夫々表わ
している。この図において、k=0の時に設定されてい
たEminの初期値は、図示の如くk=6に至るまでE<E
minの条件を満たし、各処理毎にEminは更新されている
(従って・印を結んだ直線と破線とが重なっている。)
k=9以降はk=21に至るまで動作が安定状態に入り、
Eminは更新されないことがこの図からわかる。なお、β
Eminの特性は、最小値Eminの特性のβ倍(定数)となっ
ている。
可変増幅器16の増幅率αは、増幅率設定回路29で設定
されるが、第7図でEの値がβEmin以下の時で且つ波形
歪信号の累積加算平均値{▲▼}と既に設定されて
いる重み付け計算値{ωn}の各絶対値が有為な値
(|▲▼|>Pa,|ωn|>Pb,但し、Pa,Pbは正の定
数)となるときに、有効な増幅率αが設定されるが、k
=11,12,16,17の時のように、E>β×Eminのときには
増幅率αは0となり、重み付け値{ωn}の更新は行な
われないよう構成されている。従って、増幅率設定回路
29はスイッチの役目をも果している。このような評価関
数値Eに基づいて重み付け値{ωn}を更新処理する
ことにより、従来装置にて起こりがちであったトラブ
ル、即ち雑音や異常信号の混入により誤った安定点への
突入や動作の発散等が皆無となり、絶えず真の安定点に
向けて制御されるようになり、ゴースト等の波形歪の除
去動作を安定,確実化することができる。
第8図は本発明装置の主要構成部分、即ち可変増幅器
16,評価関数設定回路19,比較器20,合成回路24,累積加算
回路27,最小値設定回路28,増幅率設定回路29等の、具体
的な回路図である。以下、この図に基づいて回路の機
能,動作を説明する。
ラインl6を介して供給される減算器57からの波形歪信
号{ε}は、まず、合成回路24を構成する増幅器52に
てp倍のゲインを付与された後、加算器62に供給され、
累積加算回路27の出力信号{▲▼}を増幅器53にて
(1−p)倍したものとここで加算され、 {ε′}=(pε+(1−p)▲▼} ……
(6) なる信号出力となる。
なお、減算器57の出力{ε}は、累積加算回路27を
構成する減算器58にも供給され、ここで増幅器55からの
出力を入力信号{ε}より減算してメモリ(記憶部)
66に記憶させると共に、前記増幅器53及び増幅率設定回
路29に出力する。メモリ66は波形歪検出期間Tdのデータ
を記憶できる容量を持っており、Td期間が例えば1フィ
ールド又は1フレーム毎に取り込まれる度に読み出し,
書込みの動作を繰り返すように働く。このメモリ66の出
力は減算器59に供給され、ここで上記減算器57の出力
{ε}との差が取られた後、次段の増幅器55でδ倍の
ゲインを付与されて、上記減算器58の負入力端子に出力
されるわけである。かかる構成の累積加算回路27は、本
来雑音低減回路として働くと共に、波形歪信号{ε
の累積加算平均値{▲▼}が得られるように作動す
る。この{▲▼}なる出力信号は、増幅器53および
増幅率設定回路29のA端子に供給される。
一方、合成回路の出力{ε′}は遅延回路49に供給
され、この遅延回路49において、評価関数処理系で発生
する遅延時間(評価関数設定回路19,比較器20,最小値設
定回路28,増幅率設定回路29での信号処理に要する時
間)を補正するために所定時間遅延される。なお、ここ
での遅延時間は入力信号の形を変えるわけではないの
で、説明の便宜上、出力信号も入力信号と同じく
“ε′”と記載することにする。遅延回路49の出力
は、可変増幅器16を構成するデータセレクタ61のA端子
に入力する。このデータセレクタ61は、C端子に供給さ
れる制御信号に基づいて、A端子入力信号か又は零電位
に保持されたB端子電位のいずれかをD端子より出力す
る。51はゲインαの増幅器であり、{ε′}が供給さ
れた場合は、出力信号として{ε″}={αε′}
が得られ、重み付け設定回路12に転送されて、重み付け
制御に使用される。
次に、評価関数について説明する。24からの波形歪信
号{ε′}は評価関数設定回路19を構成する乗算器41
にも供給され、ここで波形歪2乗信号{(ε′)
が作られる。そして、次段の加算器63と帰還ループ内に
入っている遅延回路43{1クロック分の遅延時間T(T
=1/4fSC′fSC≒3.58MHz)を付与する}とからなる積算
回路45によって、波形歪検出区間Tdの波形歪2乗信号
{(ε′)}の積算値が求められる。この積算値
は、次段の減衰器65にて、積算個数Neの逆数(1/Ne)に
圧縮され、相加平均が取られる。かくして得られた評価
関数Eは、次式 E=Σ(ε′)2/Ne ……(7) で与えられることになる。なお、積算回路45の動作開始
タイミング及び初期化,動作終了タイミング等における
時間調整は説明の便宜上省略する(以下同様に扱う)。
以上のようにして求められた評価関数Eは、比較器20
に供給される。比較器46は、そのA端子に供給される評
価関数Eの値を、評価関数最小値Eminを増幅器54でβ
(<1)倍された後B端子に供給されるβEminと比較し
て、E≦βEminのときに“H"レベルをC端子にセット
し,その他のときには“L"をセットして、増幅率設定回
路29のB端子に転送する。比較器46のC端子からの判定
出力がセットされるのは評価関数Eが積分処理で形成さ
れた後であるが、1フィールド又は1フレーム毎に評価
関数Eが更新される度に更新されることになる。
また、比較器47においては、そのA端子に供給される
減衰器65からの評価関数Eと、最小値設定回路28のD端
子から比較器47のB端子に供給される評価関数最小値E
minとを比較して、E<Eminの条件が満たされたときだ
けその状態を表わすパルス状の制御信号をC端子から出
力する働きをしている。なお、最小値設定回路28はいわ
ゆるプリセット端子を持ったラッチ回路である。そのC
端子はプリセット入力端子であり、ゴーストキャンセラ
の処理動作が開始されると同時に初期設定としてライン
l8からプリセットパルスが供給され、出力端子Dに最大
値がセットされて最初のEmin値となる。又、B端子は評
価関数Eのデータ入力端子,A端子はクロック端子であ
る。比較器47からE<Eminの条件が満たされたときに加
えられる制御パルス信号が終了する時点でB端子から供
給される評価関数Eの値が最小値設定回路28に取り込ま
れてEminとなり、最小値が新しい値に置き換えられる。
かくして得られるD端子からの出力Eminは、前述の如く
比較器47のB端子及び増幅器54に供給される。このよう
に評価関数Eをパラメータとし、評価関数が常に減少す
る方向に制御をかけることにより、本発明装置は動作の
安定化を図っている。
次に、増幅率設定回路29の機能,動作について説明す
る。増幅率設定回路29のA端子には、前述の如く累積加
算回路27からの波形歪累積加算平均値{▲▼}が供
給される。又、C端子には、ラインl9を介して重み付け
設定回路12から既に設定済みの重み付け値{ωn}
符号情報が供給される。B端子には比較器20からの評価
関数の判定条件E≦βEminが満たされている場合は“H
(High)",満たされない場合は“L(Low)”の情報が
加えられる。この増幅率設定回路29は例えば比較器で構
成され、A及びC端子入力が有為な値で且つB端子入力
が“H"の時だけ“H"を、それ以外の時には“L"をD端子
より出力するように働く。増幅率設定回路29の出力信号
は前記データセレクタ61のC端子に供給される。データ
セレクタ61のD端子からは、このC端子入力信号が“H"
のときにA端子入力{ε′}が選択され、C端子入力
信号が“L"のときにはB端子入力である零電位が選択さ
れて出力される。
以上が第8図に示した評価関数Eの制御系に関する具
体回路例の詳細な説明である。このように、評価関数E
をパラメータとし、常に減少する方向に制御をかけてゆ
くことにより、動作の安定化を本発明装置では図ってい
るわけである。
なお、以上の説明では評価関数として波形歪信号の2
乗値を要いるものとしたが、これに限らず、例えば波形
歪信号の絶対値(Σ|εn|)/Ne=Eとして用いても同
様の効果をあげることができる。また、波形歪検出のた
めの基準信号としては、第5図(A)のような水平走査
期間の中程に設定したパルス状の波形に限ることなく、
例えば同図(K)に示すようなバー波形の絶ち下がりエ
ッジ又は垂直同期信号の前縁部を微分した波形等、波形
変換によって抽出して得られるパルス信号を使用しても
本発明装置においては有効である。このような異種の波
形から波形変換によってパルス状の波形を得て、基準信
号としてゴーストを除去するアルゴリズムに対しても、
本発明は有効に働く。
〔効 果〕
叙上の如く、本発明のゴースト除去装置においては、
評価関数Eを導入して、ゴースト除去動作が収束方向に
向かっているか否かを常に監視しながら処理を進めると
共に,波形歪累積加算信号及び既に設定済みの重み付け
値が有為な値を取る時にのみ重み付け設定できるように
しているので、従来装置における前記問題点(即ち対ノ
イズ性が悪く、ゴースト除去動作が安定に収斂できなか
った)を解消し、不要な雑音等はマスクして,それまで
の処理経過との相関を見ながら処理を進めることによ
り、対ノイズ性及び安定性が格段に向上し、波形歪信号
{ε}と波形歪累積加算信号{▲▼}とを適度に
調合することにより、逐次処理で波形歪成分が少なくな
るように追い込む,いわゆるZF(Zero Forcing)法で起
こりがちな感度不足を補うことができ、除去精度を向上
し得、波形歪を伴わない良質な映像信号を得ることがで
きる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々本発明及び従来のゴースト除去
装置のブロック図、第3図は本発明及び従来の装置にお
けるフィルタ部の具体的ブロック図、第4図(A),
(B)はフィルタ部を構成する各FIRフィルタの回路
図、第5図(A)〜(K)は夫々本発明装置及び従来装
置の各構成部分の動作説明用信号波形図、第6図
(A),(B)は本発明及び従来装置における信号処理
の原理説明用スペクトル図、第7図は本発明装置を構成
する評価関数設定回路の評価関数の1例を示す特性図、
第8図は本発明装置の主要構成部分の具体的回路構成図
である。 10……ゴースト除去装置、11……フィルタ部、12……重
み付け設定回路、13……波形抽出回路、14……ピーク検
出回路、15……加算平均回路、16……可変増幅器、18…
…基準波形発生回路、19……評価関数設定回路、20,46,
47……比較器、21,22……FIRフィルタ、23……IIRフィ
ルタ、24……合成回路、25,26……遅延ブロック、27…
…累積加算回路、28……最小値設定回路、29……増幅率
設定回路、30……加算合成回路、31,32……重み付け回
路、37,38……重み付けブロック、41……乗算器、42,43
……遅延回路、45……積算回路、51〜55……増幅器、56
〜59……減算器、61……データセレクタ、62,63……加
算器、65……減衰器、66……メモリ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルタ部の重み付け値を可変することに
    より、入来するテレビジョン映像信号中のゴーストを除
    去するゴースト除去装置であり、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパル
    ス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1の
    信号とする波形抽出手段と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置を
    検出するピーク位置検出手段と、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパル
    ス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生手
    段と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算して
    第2の信号を得る演算手段と、 前記第2の信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力信号に応じて前記フィルタ部の重み付
    け値を設定し更新する重み付け設定手段とを備えたゴー
    スト除去装置において、 前記第2の信号を累積加算平均化処理することよって第
    3の信号を得る累積加算平均手段と、 前記第2の信号と第3の信号とをp:1−pの比率で(但
    しpは定数)で加算合成して第4の信号を得る合成手段
    と、 前記増幅器の代わりに設けられ、第4の信号を増幅率に
    従って増幅し前記重み付け設定手段に供給する可変増幅
    器と、 前記第4の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平均
    値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評価
    関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ>
    1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
    と前記最小値Eminとを比較する比較手段と、 前記比較手段での比較結果、前記第3の信号、及び既に
    設定されている重み付け値が供給され、前記増幅率を設
    定する増幅率設定手段とを設け、 前記増幅率設定手段は、前記第3の信号(▲▼)の
    絶対値と第1の定数Paとを比較すると共に、前記既に設
    定されている重み付け値(ωn)の絶対値と第2の定数
    Pbとを比較し、 |▲▼|>Pa,|ωn|>Pb であり、かつ、前記比較手段での比較結果が、 E≦βEmin の時のみ、最小値Eminの値に応じた前記増幅率を設定
    し、その他の場合には、前記増幅率を0に設定し、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果がE
    <Eminの時に、その評価関数Eを新たな最小値Eminとし
    て記憶することを特徴とするゴースト除去装置。
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