JP2901646B2 - 波形等化器 - Google Patents

波形等化器

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JP2901646B2 JP1156807A JP15680789A JP2901646B2 JP 2901646 B2 JP2901646 B2 JP 2901646B2 JP 1156807 A JP1156807 A JP 1156807A JP 15680789 A JP15680789 A JP 15680789A JP 2901646 B2 JP2901646 B2 JP 2901646B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アナログ信号で伝送されてくる映像信号の
伝送路上での特性歪によって生じる信号波形歪を補正す
る映像信号用波形等化器及び波形等化方法に関する。
〔従来の技術〕 従来より映像信号の波形等化を行なう方法として、ア
ナログ映像信号をデジタル信号に変換した後にデジタル
のトランスバーサルフィルタを用いて補正する方法があ
る。特に、ハイビジョン受信機のように、帯域圧縮した
映像信号がサンプル値伝送された信号を受信する装置に
おいては、伝送路特性の歪がサンプル値間の干渉とな
り、画面上にリンギングとして現われ、視覚的に画質劣
化が目立ち易い。このため、岩館他「MUSEデコーダ内蔵
型波形等化器」信学会技術研究報告IE88−72(1988年11
月)に論じられているように、性能の良い波形等化器が
必要となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では帯域圧縮されたMUSE信号の本線系を
サンプル値データサイクルでA/D変換器によりサンプリ
ングするとともに、補正系をサンプル値データサイクル
の1/2でA/D変換器によりサンプリングし、デジタル的に
波形等化を行なっている。しかし、この従来技術では、
同期が安定していないときや、クランプレベルがずれて
いる場合については配慮されておらず、この場合には本
線系及び補正系でのMUSE信号のサンプリング位相が大き
くずれ、サンプル値データ間に大きな符号間干渉を生
じ、正常な波形等化が困難となる。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、正常な波形等
化システムを提供し、良好な画素を得ることを目的とす
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、同期がロックしたか否か
を判別する第1の判別回路と、クランプレベルが或る一
定の範囲内の値となっているか否かを判別する第2の判
別回路と、上記の各回路からの出力信号により波形等化
器を制御する手段を設け、この制御手段より波形等化器
での波形等化の開始または停止などの動作を実施させる
手段を設けたものである。
〔作用〕
上記手段において、第1の判別回路は同期処理回路が
到来入力信号の同期信号と位相ロックしたか否かを判別
する回路であり、例えば到来MUSE信号のフレーム同期信
号に同期処理回路が位相ロックすると、“High"となる
信号を出力する。第2の判別回路は到来信号をサンプリ
ングするA/D変換器の前段に設けられたクランプ回路で
到来信号が正規のレベルにクランプされているか否かを
判別する回路であり、例えば到来MUSE信号の正極水平同
期信号がA/D変換器での電子化値のほぼ中間値である
と、“High"となる信号を出力する。
波形等化器では、上記2つの判別回路出力は例えば共
に“High"となると、同期処理回路が到来信号に位相ロ
ックし、かつクランプレベルが正常であると判断し、例
えば下記のようにして波形等化を開始する。
(1)到来信号内に多重されている波形等化基準信号を
検出する。
(2)検出した波形等化基準信号の歪を求め、この歪を
補正するように補正用トランスバーサルフィルタのタッ
プ係数を求める。
(3)求めたタップ係数値を、上記補正用トランスバー
サルフィルタの各タップ係数器に転送し、フィルタによ
る補正を実行する。
以上のように、同期処理回路が到来信号の同期信号に
位相ロックし、かつA/D変換器前段でのクランプレベル
が安定することにより、到来信号をサンプリングするク
ロック位相を最適化することができ、これによりサンプ
リングするクロック位相ずれによって生じる波形歪を補
正する必要がなくなり、波形等化器としては伝送路特性
歪による波形歪を補正するだけで良くなり、最適な波形
等化が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明を用いた波形等化を実現する一実施例を
第1図に、第1図の一実施例により実行される本発明の
波形等化アルゴリズムの一例を第2図に示す。
第1図において、1は到来映像信号の入力端子、2は
波形等化された映像信号の出力端子、3は到来映像信号
を基準レベルにクランプするクランプ回路、4はクラン
プされた映像信号をサンプリングしてデジタル値に変換
するA/D変換器、5はA/D変換器でサンプリングされた映
像信号に多重されている同期信号またはクランプ基準信
号などのコントロール信号の振幅レベルまたはDC(直
流)レベルを検出するレベル検出回路、6はレベル検出
回路5で検出された同期信号の振幅またはDCレベルやそ
の他のコントロール信号などの振幅またはDCレベルより
到来映像信号がクランプ回路3で基準レベルに安定して
クランプされているか否かを判別するクランプ判別回
路、7は到来映像信号内より同期信号を検出する同期検
出回路、8は検出された同期信号と位相ロックして発振
する電圧制御型発振器(以後、VCOと記す)であり、A/D
変換器4で到来映像信号をサンプリングするクロックを
も発生する。9は同期検出回路7での同期検出が安定し
ているか否かを判別する同期安定判別回路、10はクラン
プ判別回路6と同期安定判別回路9からの信号により波
形等化を実行するか否かを指示する等化コントロール回
路である。11は遅延回路、12は加算器(又は減算器)で
あり、波形等化を施される側の系、すなわち本線系の処
理回路を構成する。破線で囲んだ13は波形等化を施す側
の系、すなわち補正系の処理回路であり、トランスバー
サルフィルタ14と波形等化基準信号抽出器15(一般に波
形等化基準信号は垂直同期サイクルで多重されているも
のが多く、このような信号をVITSと呼び、MUSEシステム
でも用いられているため、ここではVITS抽出器と記
す。)と抽出した波形等化基準信号(以後、VITSと記
す。)と理想値との誤差を検出する誤差検出手段16と理
想VITS17とVITSの基準値19とコンボリュージョン計算器
18と減算手段20とタップ係数レジスタ21とゲイン設定値
22とで構成されている。
第2図は、第1図の一実施例における補正系処理回路
13のアルゴリズムを示すものであり、等化コントロール
回路10からの制御信号を受け、同期が安定し、かつクラ
ンプレベルが正常であると判断し補正系処理回路13での
波形等化アルゴリズムをスタートする。まず、トランス
バーサルフィルタ14のタップ係数とタップ係数レジスタ
21とを初期化するとともに、初期化されたトランスバー
サルフィルタ14からの補正値により波形等化された映像
信号からVITSを抽出回路15で抽出し、誤差検出手段16に
導く。誤差検出手段16では抽出されたVITSと理想VITS17
との誤差を検出し、誤差値が十分に小さい値が否かを判
別し、小さい場合には初期化されたトランスバーサルフ
ィルタによる補正を実行する。大きい場合には、検出し
た誤差とVITSの基準値19とのコンボリュージョンをコン
ボリュージョン計算器18で求め、タップ係数レジスタ21
に保持されている前タップ係数から求めたコンボリュー
ジョン値を減算し、新しいタップ係数としてレジスタ21
に保持する。新しく求めたタップ係数にゲイン設定値K2
2を乗算し、トランスバーサルフィルタ14の各タップ係
数を更新する。このタップ係数を更新したトランスバー
サルフィルタ14で波形等化補正を実行し、再度VITSを抽
出し、理想VITS17との誤差を検出し、この誤差が十分に
小さくなるまで上記の等化アルゴリズムのループを繰り
返す。
以上が本発明の波形等化アルゴリズムの一例である。
次に、上記の本発明の一例により波形等化の精度が向
上することを第3図を用いて説明する。
第3図は第1図のクランプ回路3でのクランプレベル
差によるサンプリング状態の違いを示したものである。
図において、上下の一点鎖線はA/D変換器4のダイナミ
ックレンジを示しており、中央の破線はダイナミックレ
ンジの中間値である。また、到来信号としてMUSE信号の
場合を示しており、信号波形の白丸印(○)はMUSE信号
の正規のサンプル点であり、ダイナミック線0%からMU
SE信号に到る矢印はA/D変換器4でのサンプリングレベ
ルを示す。第3図(a)はクランプレベルが正しい場合
のサンプリング状態を示すもので、水平同期信号HDをち
ょうどダイナミックレンジ50%のところでサンプリング
するようにVCO8からのサンプリングクロックが位相ロッ
クし、A/D変換器4でのサンプリング位相とMUSE信号の
正規のサンプル点とが一致する。一方、(b)はクラン
プレベルがずれている場合のサンプリング状態を示すも
ので、VCO8からのサンプリングクロックが水平同期信号
HDのサンプル点とはずれて位相ロックするため、A/D変
換器4でのサンプリング位相とMUSE信号の正規のサンプ
ル点とがずれる。このため、サンプル値間で大きな符号
間干渉を生じる。この場合、トランスバーサルフィルタ
14からの補正値を大きくする必要があり、誤差検出手段
16での誤差値が大きくなり過ぎ、誤差値とVITSの基準値
とのコンボリュージョン値を前タップ係数より減算して
更新しても、更新したタップ係数は大きく変化し、第2
図に示す波形等化アルゴリズムにおけるループを繰り返
してもタップ係数は一定値に収束せず、正常な波形等化
が不可能となる。したがって、第2図の本発明の一実施
例に示すように同期の安定およびクランプレベルの安定
を判定した後に補正系13での波形等化をスタートさせる
ことにより、第3図(a)のように正常なサンプリング
が可能となり、波形等化の精度も向上する。
第5図に本発明を用いた波形等化アルゴリズムの他の
一例を示すフローチャートを、第4図に第5図の一例を
実現する一実施例を示す。以下、第4,5図を用いて、本
発明の他の一実施例について説明する。
第4図の一実施例は第1図の一実施例とほぼ同じであ
るが、破線で囲んだ補正系処理部に新たに複数のタップ
係数レジスタ23,24と同期またはクランプレベルが不安
定状態になったことを検出する手段25を設けたことが第
1図の一実施例と異なる。動作としては、第2図の本発
明の波形等化アルゴリズムと同様に同期およびクランプ
レベルが安定していることを検出した後に波形等化に最
適なトラスバーサルフィルタのタップ係数を求めて補正
を実行するが、補正実行中にチャンネルを切換えた場合
や到来信号の条件が変化した場合に、すばやく最適な波
形等化が実行できるように配慮している。どのように配
慮しているかを第5図のフローチャートを用いて説明す
る。
波形等化を実行している際中、到来信号の同期検出が
不可能、検出した同期信号が不安定または同期信号に大
きな位相シフト有りなどの異状がなかったかを常時チェ
ックし、異状がない場合はそのまま波形等化を続ける。
また、クランプレベルが正常かどうかを常時チェック
し、大きなクランプレベル変動がない場合には、同様に
そのまま波形等化を続ける。しかし、上記チェックで異
状が検出されると等化コントロール回路10から同期また
はクランプレベルの不安定検出手段25に異状を知らせる
制御信号が導かれ、波形等化を停止し、再度同期および
クランプレベルが安定するのを待つ。同期およびクラン
プレベルの安定が確認されると、トランスバーサルフィ
ルタ14のタップ係数および第1のタップ係数レジスタ23
に初期値として異常を検出する前に使用していたタップ
係数を導く。そして、第2図の一例と同様に最適なタッ
プ係数を求めるための繰り返し動作を行なう。この場
合、例えば伝送路上でのトランケーションノイズやパッ
ケージメディア(VTRやVDPなど)におけるドロップアウ
トなどによる一時的な同期またはクランプレベルの不安
定による再度化時には、すぐに最適なタップ係数が求ま
る。一方、チャンネル切換えやパッケージメディアとの
切換えなどにより伝送路特性が前回の波形等化時と大き
く変化した場合に、例えば最適なタップ係数を求める動
作をN回繰り返しても求まらないと、トランスバーサル
フィルタ14のタップ係数および第1のタップ係数レジス
タを他の値に初期化し、同様に最適なタップ係数を求め
る動作を繰り返すことで、チャンネル切換時やパッケー
ジメディアにも対応できる。
上記のアルゴリズムにおいて、例えば第2のタップ係
数レジスタ24の他のチャンネル用のタップ係数の初期
値、またはパッケージメディア用の初期値を保持してお
くことにより、最適なタップ係数を求めるのをより早め
ることも可能となる。
次に、本発明の波形等化を実現する波形等化システム
に用いられる同期安定判別回路について説明する。
第6図は、この同期安定判別回路の一実施例である。
第6図において、30は第1図および第4図の一実施例
におけるA/D変換器4から導かれるデジタル化された映
像信号の入力端子、31は同期検出が安定しているか否か
を判別した信号の出力端子であり、破線で囲んだ7は同
期検出回路、破線で囲んだ9は同期安定判別回路であ
る。この一実施例では、同期検出回路7は入力端子31か
らの映像信号より垂直同期信号またはフレーム同期信号
を検出するV同期検出回路32と水平同期信号を検出する
H同期検出回路34と垂直同期サイクルまたはフレーム同
期サイクルをカウントするVカウンタ33と水平同期サイ
クルをカウントするHカウンタ35とVCO8出力を水平同期
サイクルまでカウントダウンする分周器36と位相検波器
37とで構成される。また、同期安定判別回路9は、位相
比較器38と積分器39とで構成される。
この一実施例の特徴は、V同期検出回路32で検出され
た到来信号内の垂直同期信号またはフレーム同期信号と
Vカウンタ33でVCO8からの出力クロックにより垂直同期
またはフレーム同期サイクルまでカウントダウンした信
号とを同期安定判別回路9内の位相比較器38で位相比較
し、上記の両信号の位相が同期しているか否かを判別
し、例えば同期している期間を積分器39でカウントし、
この同期している期間が或る一定期間以上続くと同期は
安定であると判断していることである。これにより、例
えば電源投入時や到来映像信号が不安定な場合には、V
同期検出回路32で垂直同期信号またはフレーム同期信号
を誤まって検出した場合にも位相比較器38で誤検出であ
ると判別できる。また、積分器39により安定期間または
不安定期間を或る一定期間カウントして判別することに
より、安定/不安定の判断にチャタリング現象を生じる
のを抑えることができる。
以上により、第1図および第4図におけるトランスバ
ーサルフィルタ14のタップ係数を求める際中や波形等化
実施中での誤動作を抑えることができ、より良好な波形
等化が可能となる。
第7図は、第6図とは異なった同期安定判別回路の一
実施例である。以下、第7図の一実施例について説明す
る。
第7図の一実施例が第6図の一実施例と異なるところ
は、同期安定判別回路9がレベル検出回路40と積分器41
とで構成され、この同期安定判別回路9には同期検出回
路7内の位相検波器37の出力信号が導かれていることで
ある。通常VCO8と分周器36と位相検波器37とで構成され
るPLL回路がH同期検出回路34からの到来信号に位相ロ
ックしている場合、V同期検出回路32での垂直同期信号
またはフレーム同期信号の検出およびH同期回路34での
水平同期検出が正常に行なわれている。したがって、レ
ベル検出回路40により位相検波器37の検波出力信号レベ
ルが或る一定のレベル内の値であるか否かを検出し、例
えば或る一定レベル内にある場合に上記PLL回路が到来
映像信号に位相ロックしていると判断し、積分器41によ
りこの位相ロックしていると判別している期間が或る一
定期間以上続くと同期は安定であると判断する。これに
より、第6図の一実施例と同様に良好な波形等化が可能
となる。
続いて、本発明の波形等化を実現する波形等化システ
ムに用いられるクランプ判別回路について説明する。
第8図は、このクランプ判別回路の一実施例である。
第8図において、50は本発明の波形等化を施す補正回
路、54は破線で囲んだクランプ判別回路6においてクラ
ンプ状態が安定しているか否かを判別した信号の出力端
子であり、他の基本構成は第1図及び第4図の実施例と
同じである。この一実施例ではクランプ判別回路6は2
つのレベル比較器51,52と論理回路53とで簡単に構成さ
れる。第1のレベル比較器51ではクランプレベル検出器
5で検出されたクランプレベルとリファレンスレベルVH
と比較し、第2のレベル比較器52ではリファレンスレベ
ルVLと比較し、例えばクランプレベルがリファレンスレ
ベルVHより小さく、かつリファレンスレベルVLより大き
いことを論理回路53で検出し、クランプレベルが安定し
ていると判断した信号を出力する。この場合、リファレ
ンスレベルVHとVLとで少しレンジに幅を設けることで、
クランプレベルが或る一定範囲内で安定していることが
検出でき、かつこの一定範囲内でクランプレベルが微少
なアップまたはダウンへと制御されている場合にクラン
プの安定判別が微妙に変化するのを防ぐことができる。
第9図は、クランプ判別回路の他の一実施例である。
第9図において、55は到来信号内に多重されている例
えば垂直同期信号やVITSなどの基準信号レベルを検出す
る回路、56は到来信号レベルを最適化する自動制御回路
(以後、AGC回路と記す。)であり、他は第8図の一実
施例と同じである。この一実施例の特徴は、AGC回路56
の制御信号として用いられる基準信号レベル検出回路55
で検出された基準信号レベルを、クランプレベル判別回
路6へのレベル検出用信号と兼用していることである。
この場合、例えばクランプ判別回路6はレベル比較器57
と積分器58とで構成され、基準信号レベル検出回路55で
検出された基準信号のレベルとリファレンスレベルVR
をレベル比較器57で比較し、基準信号のレベルがリファ
レンスレベルVRの範囲内であるか否かを検出し、この検
出出力を積分器58で積分し、基準信号レベルが一定期間
以上リファレンスレベルVR範囲内にある場合に、クラン
プレベルは安定していると判断する。これは、基準信号
レベルがクランプレベルのずれとともにシフトすること
に着眼したものであり、第8図の一実施例とほぼ同等な
性能のクランプ判別が可能である。
次に、クランプレベルの安定判別を第9図の一実施例
と同様に例えばVITSのレベルを検出し、VITSのレベルが
或る一定レベル範囲内となった時にクランプレベルが安
定したと判断する本発明の一実施例について説明する。
第10図は、前記考えに基づいた本発明を実現する一実
施例であり、第11図はこの波形等化のアルゴリズムを示
すフローチャート図である。
第10図において、56はAGC回路、60はVITS抽出器15で
抽出された波形等化基準信号となるVITSのレベルを評価
するVITS評価手段、61は同期安定判別回路9からの信号
のVITSレベル評価手段60からの信号とにより同期および
クランプレベルが安定しているか否かを判別する安定判
別手段、他は第1図および第4図の一実施例と同じであ
る。
この一実施例の動作を第11図の波形等化アルゴリズム
を用いて説明する。
まず、同期安定判別回路9で同期が安定しているか否
かを判別し、安定していると判断すると、トランスバー
サルフィルタ14のタップ係数を初期化し、VITS抽出器15
によるVITS抽出を実行する。この抽出されたVITSをVITS
レベル評価手段60に取込み、VITSレベルが適当なレベル
か否かを判別し、不適当ならばAGC回路56にフィードバ
ックし、利得を制御し、抽出されたVITSレベルが最適化
されるまでVITS抽出から利得制御までのフィードバック
ループを繰返す。VITSレベルが適当であると判別する
と、第2図のアルゴリズムと同様に理想VITS17との誤差
を検出し、誤差値が充分に小さくなるまで補正タップ係
数を求める動作のイタレーションを実行する。そして、
誤差値が充分に小さくなった時点で上記インレーション
を停止し、そのときのタップ係数で波形等化補正を実行
する。
この本一実施例を用いると、第1図および第4図の一
実施例に用いられているクランプ判別回路6が不要とな
るとともに、波形等化用に抽出されたVITSによるAGC回
路56の利得制御が可能となり、波形等化と到来信号レベ
ルの最適化を同時に行なうことができる。
第12図は本発明の他の一例を実現する一実施例であ
り、第10図の一実施例ではAGC回路56を設けていたが、
この一実施例ではAGC回路56を設けずにA/D変換器4での
アナログ値をデジタル値に変換する変換レンジを制御す
ることで、利得制御を行なう。
この一実施例の動作は、第10図の一実施例と同様、第
11図に示す波形等価アルゴリズムで波形等化と到来信号
レベルの最適化が図られる。
第13図は、クランプ安定判別回路6をMUSEデコーダに
設け、このクランプ安定判別回路6の出力を本発明の波
形等化器に応用した一実施例である。
第13図において破線で囲んだ72はMUSEデコーダのクラ
ンプ処理回路の一例、破線で囲んだ73は同期処理回路、
破線で囲んだ74は波形等化処理回路、75はMUSEの映像信
号を元の広帯域な映像信号に復元する映像デコード、76
はMUSEの音声信号を復元する音声デコード、77と78は映
像と音声のミュート回路、79と80はD/A変換器、81はMUS
Eデコーダの映像出力端子、82は音声出力端子である。
また、クランプ処理回路72内の70はクランプ値の固定値
を出力する固定レベル回路、71は固定レベル回路70から
のクランプレベルとクランプレベル検出回路5からのク
ランプレベルとを切換えるスイッチであり、切換えた出
力はクランプ回路3に導かれる。
このMUSEデコーダの一実施例では、端子1からの到来
MUSE信号のクランプ値が安定した値であるとクランプ安
定判別6が判別すると、クランプレベル検出回路5から
のクランプ値をスイッチ回路71を介してクランプ回路3
にフィードバックする。一方、検出したクランプ値が不
安定であると判別すると、固定レベル回路70からの固定
値をクランプ回路3に導く。このようにすることで、例
えば電源投入以後のクランプの安定を早めることが可能
となる。
本実施例では、このMUSEデコーダに用いられるクラン
プ安定判別信号を波形等価器74に導き、波形等化の最適
化を図れるようにしている。
また、このクランプ安定判別回路6の出力は、例えば
クランプレベルの変動が大きい場合に、ミュート回路77
で映像デコード75の出力をミュートする制御信号とに応
用することができ、例えば電源投入後のクランプ不安定
時の劣化した画像をミュートすることが可能となる。
〔発明の効果〕
本発明を用いることにより、MUSE信号のようにサンプ
ル値伝送されている映像信号の正規のサンプル値をサン
プリングした後に波形等化用トランスバーサルフィルタ
のタップ係数を求めるため、精度良いタップ係数を求め
ることが可能となり、波形等化の性能が向上する。
また、波形等化実行時にチャンネル切換やパッケージ
メディア等との切換え時にも再度最適なタップ係数が求
まり、性能の良い波形等化ができるとともに、トランス
ケーションノイズやパッケージメディアにおけるドロッ
プアウト等による短時間の同期やクランプレベル変動時
にもすぐに元の性能の良い波形等化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の波形等化アルゴリズムの一例を実現す
る一実施例を示す波形等化システム図、第2図は本発明
の波形等化アルゴリズムの一例を示すフローチャート
図、第3図は本発明を用いることにより性能の良い波形
等化が可能なことを説明する説明図、第4図は本発明の
波形等化アルゴリズムの他の一例を実現する一実施例を
示す波形等化システム図、第5図は本発明の波形等化ア
ルゴリズムの他の一例を示すフローチャート図、第6図
は本発明に用いられる同期安定判別回路の一実施例を示
す図、第7図は本発明に用いられる同期安定判別回路の
他の一実施例を示す図、第8図は本発明に用いられるク
ランプ判別回路の一実施例を示す図、第9図は本発明に
用いられるクランプ判別回路の他の一実施例を示す図、
第10図は本発明の波形等化アルゴリズムの他の一例を実
現する一実施例を示す波形等化システム図、第11図は本
発明の波形等化アルゴリズムの他の一例を示すフローチ
ャート図、第12図は第11図の本発明の波形等化アルゴリ
ズムを実現する一実施例を示す波形等化システム図、第
13図は本発明の波形等化器をMUSEデコーダに応用した一
実施例のブロック図である。 3……クランプ回路、4……A/D変換器、5……レベル
検出回路、6……クランプ判別回路、7……同期検出回
路、8……VCO、9……同期安定判別回路、10……等化
コントロール回路、11……遅延回路、12……加算器、
(又は減算器)、13……補正系処理部、14……トランス
バーサルフィルタ、15……VITS抽出器、16……誤差検出
手段、17……理想VITS値、18……コンボリュージョン計
算器、19……VITSの基準値、20……減算器、21……タッ
プ係数レジスタ、22……ゲイン設定値、23……第1のタ
ップ係数レジスタ、24……第2のタップ係数レジスタ、
25……同期/クランプはずれ検出手段、23……V同期検
出回路、33……Vカウンタ、34……H同期検出回路、35
……Hカウンタ、36……分周器、37……位相検波器、38
……位相比較器、39,41,58……積分器、40……レベル検
出回路、50……波形補正回路、51,52,57……レベル比較
器、53……論理回路、55……基準信号レベル検出回路、
56……AGC回路、60……VITSレベル評価手段、61……安
定判別手段、70……固定レベル回路、71……スイッチ、
72……クランプ処理回路、73……同期処理回路、74……
波形等化処理回路、75……映像デコード、76……音声デ
コード、77,78……ミュート回路、79,80……D/A変換
器、81……映像出力端子、82……音声出力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 巧 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (72)発明者 高田 春樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (72)発明者 二宮 祐一 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 大村 俊郎 東京都渋谷区神南2丁目2番1号 日本 放送協会放送センター内 (56)参考文献 特開 昭54−153529(JP,A) 特開 昭63−164767(JP,A) 特開 昭64−89825(JP,A) 特開 平1−23721(JP,A) 三田 他、”波形等化技術の画像機器 への応用”、テレビジョン学会誌、Vo l.45,No.5(1991−5−20)P. 592−600 大村、”ハイビジョンの方式”、エレ クトロニクス Vol.33,No.5 (1988−5−1)P.30−36 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/00 - 3/18 H04N 7/00 H04N 5/00 - 5/21

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプル値伝送された映像信号を波形等化
    する装置において、到来した映像信号をクランプするク
    ランプ回路と、クランプ回路によりクランプされた映像
    信号をサンプリングしてサンプル値をデジタル的に検出
    して出力するA/D変換器と、該A/D変換器より出力された
    出力信号より前記クランプ回路でのクランプレベルが正
    常か否かを判別する第1の判別回路と、到来した映像信
    号内の同期信号を検出する回路と、検出した同期信号が
    安定しているか否かを判別する第2の判別回路と、波形
    等化手段とを具備し、該波形等化手段は少なくともトラ
    ンスバーサルフィルタと、波形等化された後の映像信号
    から波形等化基準信号(VITS)を抽出する抽出手段と、
    抽出した波形等化基準信号(VITS)から前記トランスバ
    ーサルフィルタの特性を定めるタップ係数を求める計算
    手段と、求めたタップ係数を保持する保持手段と、該保
    持手段により保持されたタップ係数を前記トランスバー
    サルフィルタに転送する転送手段と、前記クランプ回路
    によりクランプされた映像信号のクランプレベルおよび
    前記検出した同期信号が安定していることを判別する安
    定判別手段を有して成ることを特徴とする波形等化器。
  2. 【請求項2】前記第1と第2の判別回路からの信号によ
    り前記安定判別手段が前記クランプレベルおよび同期信
    号が安定していると判断した後に、前記トランスバーサ
    ルフィルタのタップ係数を初期値化するとともに、前記
    抽出手段による波形等化基準信号の抽出と、前記計算手
    段によるタップ係数を求める計算を実行することを特徴
    とする請求項1記載の波形等化器。
  3. 【請求項3】前記安定判別手段は、前記第1と第2の判
    別回路からの信号により、前記クランプレベルおよび同
    期信号が安定状態から少なくとも一方が不安定状態に移
    行したと判別する機能を有し、該安定判別手段が上記の
    ごとく不安定状態に移行したと判別すると、波形等化を
    停止することを特徴とする請求項1記載の波形等化器。
  4. 【請求項4】前記安定判別手段により同期およびクラン
    プレベルが安定状態から少なくとも一方が不安定状態に
    移行したと判別し、波形等化を停止した後、再び安定状
    態に移行したと判別すると、前記トランスバーサルフィ
    ルタのタップ係数を初期値化した後、前記波形等化基準
    信号抽出手段による波形等化基準信号の抽出と、前記計
    算手段によるタップ係数を求める計算を実行することを
    特徴とする請求項3記載の波形等化器。
  5. 【請求項5】サンプル値伝送された映像信号を波形等化
    する装置において、到来した映像信号をクランプするク
    ランプ回路と、クランプされた映像信号をサンプリング
    してサンプル値をデジタル的に検出して出力するA/D変
    換器と、該A/D変換器より出力された出力信号より前記
    到来信号内の同期信号または波形等化基準信号のレベル
    を検出する手段と、到来した映像信号内の同期信号を検
    出する回路と、検出した同期信号が安定しているか否か
    を判別する判別回路と、波形等化手段とを具備し、該波
    形等化手段は少なくともトランスバーサルフィルタと、
    波形等化後の映像信号から波形等化基準信号を抽出する
    手段と、抽出した波形等化基準信号から前記トランスバ
    ーサルフィルタの特性を定めるタップ係数を求める計算
    手段と、求めたタップ係数を保持する保持手段と、該保
    持手段により保持されたタップ係数を前記トランスバー
    サルフィルタに転送する転送手段と、前記検出手段によ
    り検出された同期信号または波形等化基準信号のレベル
    が適した値で安定し、かつ同期が安定していることを判
    別する安定判別手段とを有して成ることを特徴とする波
    形等化器。
  6. 【請求項6】前記判別回路からの信号により同期が安定
    していると判断した後、前記検出手段により同期信号ま
    たは波形等化基準信号のレベルを検出し、この検出した
    信号により前記安定判別手段が同期信号または波形等化
    基準信号のレベルが適した値で安定していると判断した
    後、前記計算手段によるタップ係数を求める計算を実行
    することを特徴とする請求項5記載の波形等化器。
  7. 【請求項7】帯域圧縮され、かつサンプル値伝送される
    MUSE信号を元の広帯域な映像信号に戻すデコード装置内
    に前記安定判別手段と前記波形等化手段とを設け、この
    安定判別手段により波形等化手段を制御することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の波形等化器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
三田 他、"波形等化技術の画像機器への応用"、テレビジョン学会誌、Vol.45,No.5(1991−5−20)P.592−600
大村、"ハイビジョンの方式"、エレクトロニクス Vol.33,No.5(1988−5−1)P.30−36

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