JP2532928B2 - ゴ―スト除去装置 - Google Patents

ゴ―スト除去装置

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JP2532928B2
JP2532928B2 JP63270042A JP27004288A JP2532928B2 JP 2532928 B2 JP2532928 B2 JP 2532928B2 JP 63270042 A JP63270042 A JP 63270042A JP 27004288 A JP27004288 A JP 27004288A JP 2532928 B2 JP2532928 B2 JP 2532928B2
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裕司 西
達至 高口
一之 海老原
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N5/00Details of television systems
    • H04N5/14Picture signal circuitry for video frequency region
    • H04N5/21Circuitry for suppressing or minimising disturbance, e.g. moiré or halo
    • H04N5/211Ghost signal cancellation

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴースト除去装置に係り、TV(テレビジョ
ン)受像機に代表されるTV映像信号を扱う各種ビデオ機
器において、入力映像信号に含まれるゴースト又は波形
歪を除去する機能を有する装置(ゴーストキャンセラ)
に関する。
〔従来の技術〕
第2図を参照しながら、従来のゴースト除去装置の代
表例について説明する。第2図は従来のゴースト除去装
置1のブロック系統図であり、11はフィルタ部、12は重
み付け設定回路、13は波形抽出回路、14はピーク検出回
路、15は加算平均回路、17は減算器、18は基準波形発生
回路、36は増幅器である。かかる構成にて、ベースバン
ドでゴースト等の波形歪を映像信号より除去せんとして
いる。
次に、ゴースト除去装置1の動作について、第3図以
降を併せ参照し乍ら説明する。ラインl1より入来する入
力映像信号{Xn}はフィルタ部11に供給される。フィル
タ部11は第3図に示す如きFIRフィルタ21{伝達関数:Ga
()}及びIIRフィルタ22[FIRフィルタ23{伝達関
数:Gb()}と減算器39とからなる]の合成フィルタ
であり、その伝達関数G()は、 G()=Ga()/{1+Gb()} で表わされる。FIRフィルタ21及び23は夫々第4図
(A),(B)図示の如く構成される。即ち、FIRフィ
ルタ21は第4図(A)に示すように、遅延時間T(例え
SC≒3.58MHz)の遅延回路25がN個接続された遅延ブ
ロック26、及び各遅延回路25の入,出力端子に接続され
たN+1個の重み付け回路31から成る重み付けブロック
37、更に各重み付け回路31の出力及びラインl5を介して
の主信号出力を加算合成する加算合成回路30から成るト
ランスバーサルフィルタであり、主信号を利得制御する
ときは、各重み付け回路31の利得aNをコントロールし、
前ゴースト又は主信号に先立つ波形歪成分を除去する際
には各重み付け回路31の利得a0〜aN-1をコントロールす
るよう働かせるものである。
IIRフィルタ22中のFIRフィルタ23は、第4図(B)に
示すように遅延時間Tの遅延回路25がM+1個接続され
た遅延ブロック27、及び各遅延回路25の入,出力端子に
図示の如く接続されたM+1個の重み付け回路32から成
る重み付けブロック38、更に各重み付け回路32の出力を
加算合成する加算合成回路30から成るトランスバーサル
フィルタであり、遅れゴースト又は主信号より遅れて付
加されている波形歪成分を除去するよう働く。
以上のように構成されたフィルタ部11のFIRフィルタ2
1,23の重み付け値は重み付け設定回路12によって制御さ
れる。フィルタ部11の出力{Yn}は、ラインl2から出力
映像信号として取り出されるが、同時に波形抽出回路13
にも供給される。
ラインl1より印加される入力映像信号{Xn}のうち、
ゴースト等の波形歪検出のための基準信号が重畳されて
いる1水平走査期間の信号列を第5図(A)に示す。こ
こで、ブランキングレベルの電位はV1に設定されている
ものとする。フィルタ部11の重み付け値が0のときに
は、入力映像信号{Xn}はそのまま出力ラインl2より出
力映像信号{Yn}として取り出される。なお、これらの
回路ブロック図中で発生する処理時間による信号の時間
遅れは、説明の便宜上省略するが、以下の説明でも同様
な信号の扱い方をすることにする。
第5図(A)の信号波形中で、基準信号αを基準にゴ
ースト等の波形歪を検出するために用いる信号区間をTd
とし、これを時間軸方向に拡大して同図(B)に示す。
波形抽出回路13はこのTd区間の信号を抽出する働きをす
る。同図(B)の信号にゴーストや雑音が混入すると同
図(C)に示すような波形となる。かかる信号は次段の
ピーク検出回路14に供給される。ピーク検出回路14は入
力信号のレベルを基準値と比較するコンパレータ,区間
Tdの始点からの経過時間を測定するカウンタ,及びピー
ク位置のカウント値を記憶するメモリ(ラッチ)回路等
から成り、ここで波形歪検出区間Td中の最大値(ピーク
値)を生ずる時刻,即ちピーク位置を検出する。ピーク
検出回路14の出力(ピーク位置が検出された波形抽出回
路13の出力信号と、検出したピーク位置情報)は次段の
加算平均回路15に供給される。この加算平均回路15はTd
区間を記憶するメモリ回路及び加算器等で構成され、こ
こで同図(C)の如き波形(垂直帰線期間中に1フィー
ルド又は1フレーム毎に繰り返し入来する)の信号を、
前記ピーク検出回路14で検出されたピーク位置(基準信
号のピーク位置になる)を基準にして所定回数同期加算
されて平均化される。このような加算平均化処理によっ
て信号と相関の無い雑音成分は充分に抑圧されて、同図
(D)に示すような信号{Yn′}が得られる。第3図
(B)の基準信号αの本来のスペクトル分布が第6図
(A)のように平坦である場合、第5図(D)の如くゴ
ーストδを含む信号のスペクトル分布は、第6図(B)
のような0〜4MHzの間で揺ぎを生じる特性となるが、こ
れはゴーストによる波形歪成分を表わしており、かかる
信号{Yn′}が減算器17の正入力端子に供給される。
基準波形発生回路18はピーク検出回路14が検出したピ
ーク位置に同期させて、第5図(E)の波形図のような
基準波形及び第6図(A)のような理想的なスペクトル
分布を有する基準信号{δn}を発生させる。かかる基
準信号{γn}と加算平均回路15からの信号{Yn′}を
減算器17で減算して、波形歪信号{εn}(第3図
(F)参照)を得る。次段の増幅器36は、波形歪信号
{εn}に適当な倍率aを掛けて、{εn′}={aε
n}(但しa<1)なる信号{εn′}(同図(G)参
照)を得る。そして重み付け設定回路12は供給された波
形歪信号{εn′}からそのピーク位置と波形歪の時間
幅(距離)及びピーク値との振幅比率を検出し、歪が最
少になるような重み付け{ωn}の値を計算し、その値
をフィルタ部11のFIRフィルタ21,23を構成する各重み付
け回路31,32に設定する。この重み付け設定回路12は演
算機能を必要とするので、マイクロプロセッサやマイコ
ン(micro computer)等で構成され、次式に基づいて重
み付け値の計算及び設定が繰返し行なわれる。
{ωn}={ωn}k-1−{εn′} 但し、1≦k≦m(m:収斂するまでの処理回数) n:データ列の中の順番 {ωn}k:k回目の処理の重み付け計算値(同図(H)
参照) なお、重み付け計算値{ωn}は、フィルタ部11を
構成するトランスバーサルフィルタ中の対応するタップ
に設定されることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、検出された波形歪成分を逆極性にて逐
次更新していくやり方は理論的に正しい方法であり、か
かる従来装置でのアルゴリズムはZF(Zero Forcing)法
の一種であって、波形歪の振幅に比例する制御が行なわ
れるので、収束時間が早いという長所を持った好ましい
制御法である。しかも上記のように、歪が最少化される
ようフィルタ部11に重み付けされることにより、ゴース
ト等の波形歪が除去された映像信号が得られるはずであ
るが、かかる従来装置においてはある程度最適値に近付
いた時にノイズ等の外乱が入ると、最適値から外れて別
の安定点に向かったり、IIRフィルタにおいては発振,
発散方向に向かってしまうという問題点があった。
また、検出領域Td期間の波形歪成分データの2乗平均
値を評価関数として見たとき、制御開始後、重み付け設
定の処理回数が増すにつれて徐々に評価関数の値が減少
し、ある極小値に達した後に今度は逆に振動し乍らこの
極小値から離れてゆき、本来の到達点とは異なる値の周
りで微少振動をしたり、徐々に評価関数の値が増加して
発散してしまうことが屡あった。その結果、ゴースト除
去動作に重大な支障を来す等、安定性の面で大きな問題
点があり、実用化し難い方法であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のゴースト除去装置は、 フィルタ部(11)の重み付け値を可変することによ
り、入来するテレビジョン映像信号中のゴーストを除去
するゴースト除去装置であり、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパ
ルス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1
の信号とする波形抽出手段(13)と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置
を検出するピーク位置検出手段(14)と、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパ
ルス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生
手段(18)と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算し
て第2の信号を得る演算手段(17)と、 前記第2の信号が増幅器(16)を介して供給され、前
記第2の信号に応じて前記フィルタ部の重み付け値を設
定し更新する重み付け設定手段(12)とを備えたゴース
ト除去装置において、 前記第2の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平
均値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段(19)
と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評
価関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段(28)
と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ>
1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
と前記最小値Eminとを比較する比較手段(20)と、 前記比較手段での比較結果がE≦βEminの時のみ、最
小値Eminの値に応じた増幅率を設定し、E>βEminの時
には増幅率を0に設定する増幅率設定手段(29)とを設
け、 前記重み付け設定手段の前段の前記増幅器を、増幅率
が前記増幅率設定手段で設定された増幅率となる可変増
幅器(16)とし、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果が
E<Eminの時に、その評価関数Eを新たな最小値Emin
して記憶する構成とする。
上記構成により、本発明は、前記比較手段(20)での
比較結果がE≦βEminの時のみ、前記重み付け設定手段
が重み付け値を更新するようにして、上記問題点を解消
したものである。
〔実施例〕
本発明のゴースト除去装置においては、重み付けを単
純に逐次的に修正していくだけでなく、更にこれに波形
歪成分の量を評価する評価関数を導入し、評価関数が減
少するような条件下で重み付け設定処理を逐次行なわせ
ることにより、ゴースト除去動作を安定化させ得たもの
であり、以下、第1図等を参照しながら、本発明のゴー
スト除去装置の一実施例について説明する。
第1図は本発明のゴースト除去装置10のブロック図で
あり、この図において第2図に示した従来装置と同一構
成個所には同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。両図を比較すると明らかなように、本発明のゴース
ト除去装置10においては、従来装置1における増幅器36
を可変増幅器16に変えて、その増幅率を外部制御可能と
したことと、新に評価関数設定回路19を導入して評価関
数の値が減少する方向に向かっている時にだけ重み付け
設定回路12を動作させるようにした点に最大の特徴があ
る。かかる動作を実現するために、可変増幅器16,評価
関数設定回路19の他に比較器20,最小値設定回路28,及び
増幅率設定回路29を更に備え、これらを第1図示の如く
接続している。
次に、本発明のゴースト除去装置10の具体的な動作に
ついて、第5図の波形図を併せ参照しながら説明する。
ラインl1よりフィルタ部11に供給されるNTSC方式のTV映
像信号{Xn}は、フィルタ部11の重み付け値が0のとき
には、入力映像信号{Xn}はそのまま出力ラインl2より
出力映像信号{Yn}として取り出される。この信号は映
像信号中の垂直帰線消去期間に多重されているゴースト
等の波形歪検出用の基準信号が存在する1水平走査期間
を表わしている。この信号の中で、ゴースト等の波形歪
の検出区間Tdを、波形抽出回路13で抽出する{第5図
(B),(C)参照}。
波形抽出回路13はクランプ機能も持っており、第5図
(B)における基準信号αの少し前の時点PKの電位を検
出し、これを零電位とするようにDC(直流)レベルをシ
フトさせる働きをも有している。この波形抽出回路13の
出力波形中の基準信号αのピーク位置をピーク検出回路
14で検出している。ピーク検出回路14の出力は次段の加
算平均回路15に供給され、ここでピーク位置を基準にし
て所定回数同期加算されて平均化される。このような加
算平均化処理によって信号と相関の無い同図(D)図中
の雑音成分は充分に抑圧されて、同図(D)に示すよう
な信号{Yn′}が得られる。(なお、加算平均回路15は
必要に応じて設ければよい。) 基準波形発生回路18では、上記信号中のピーク位置に
位相同期させた基準波形{基準信号γn,同図(E)参
照}を発生させる。かかる基準信号{γn}と加算平均
回路15からの信号{Yn′}とを減算器17に供給し、ここ
で減算することにより波形歪信号{εn}{同図(F)
参照}が得られ、可変増幅器16と評価関数設定回路19に
供給される。可変増幅器16に入来した波形歪信号{ε
n}は、適当な倍率a(但し、a<1)を掛けられて、
{εn′}={aεn}なる信号{εn′}(同図
(G)参照)となり、重み付け設定回路12に出力され
る。
重み付け設定回路12では入力された波形歪信号{ε
n′}から前述のピーク位置との時間差(距離)及びピ
ーク値との振幅比率を検出され、ゴースト等の波形歪が
最少になるような重み付け{ωn}の値(同図(H)参
照)を計算し、フィルタ部11の各重み付け回路31及び32
に各計算値を設定する。重み付け値の計算及び設定は、
次式に基づいて繰返し行なわれる。
{ωn}={ωn}k-1−{εn′} 但し、{ωn}はk回目の処理の重み付け計算値(同
図(H)参照)であり、これは、フィルタ部11を構成す
るトランスバーサルフィルタ中の対応するタップに設定
されることになる。
次に、本発明の最大の特徴である評価関数の処理系に
ついて説明する。減算器17から評価関数設定回路19に供
給された波形歪信号{εn}は、波形歪検出期間Tdの中
で、実際に重み付け設定に使用する信号区間Te(同図
(F)参照)のNe個のデータの2乗平均値 を求め、これを評価関数Eとする。この評価関数設定回
路19は、2乗計算をさせるための乗算器やループ内に1
クロック分の遅延を発生させるラッチ回路を有するフィ
ードバック回路等で構成できる。ここで求められた評価
関数Eは次段の比較器20に供給される。また、比較回路
20には最小値設定回路28から最小値Eminが供給される。
比較回路20は、評価関数Eと、最小値Eminをβ倍(但し
β>1)した値βEminとを比較すると共に、評価関数E
と最小値Eminとを比較する。比較手段20での比較結果が
E≦βEminの時には、最小値Eminが比較回路20を介して
増幅率設定回路29に供給され、増幅率設定回路29は最小
値Eminの値に応じた増幅率α(α<1)の値を設定す
る。一方、比較手段20での比較結果がE>βEminの時に
は、増幅率設定回路29は増幅率αを0に設定する。この
増幅率aは可変増幅器16における増幅率として設定さ
れ、入力波形歪信号{εn}をa倍して{εn′}=
{aεn}なる値にする。前記最小値設定回路28は、比
較器20から印加されるパルス状の確認信号の終了時点で
評価関数を記憶するラッチ回路で構成され、それまでの
処理過程の中で供給されてきた評価関数E中の最小値を
Eminの値に置き換える。(即ち、比較回路20での比較結
果がE<Eminの時に、最小値設定回路28はその評価関数
Eを新たな最小値Eminとして記憶する) 第7図は本発明装置を構成する評価関数設定回路の評
価関数の1例を示す特性図である。横軸kは評価関数E
が更新されてゆく処理回数を表わしており、・印はEの
値であり、破線がEminの軌跡を,一転鎖線がβEminの値
(この例ではβ≒1.5)の軌跡を夫々表わしている。k
=0の時に設定されていたEminの初期値は、図示の如く
k=7に至るまでE<Eminの条件を満たし、各処理毎に
Eminは更新されている(従って・印を結んだ直線と破線
とが重なっている)。それ以降はk=20に至るまで安定
状態に入り、Eminは更新されないことが第7図より読み
取れる。
可変増幅器16の増幅率aは、増幅率設定回路29で設定
されるが、第7図でEの値がβEmin以下のときだけ有効
な増幅率aが設定され、k=11,12,16,17の時のよう
に、E>β×Eminのときには増幅率aは0となり、重み
付け値{ωn}の更新は行なわれないよう構成されてい
る。従って、増幅率設定回路29はスイッチ機能をも有し
ている。このような評価関数値Eに基づいた重み付け値
{ωn}の更新処理をすることにより、従来装置にて起
こりがちであったトラブル、即ち雑音や異状信号の混入
により誤った安定点にへの突入や動作の発散等が皆無と
なり、絶えず真の安定点に向けて制御されるようにな
り、ゴースト等の波形歪の除去動作を安定,確実化する
ことができる。
第8図は本発明装置の主要構成部分、即ち評価関数設
定回路19,比較器20,最小値設定回路28,増幅率設定回路2
9,及び可変増幅器16の具体的回路構成図である。図示の
如く、可変増幅器16は遅延回路49,スイッチ回路51及び
増幅器52から成り、評価関数設定回路19は乗算器41,加
算器42,遅延回路43,及び減衰器44を有し、これらを図示
の如く結線して構成される。また、増幅率設定回路29は
比較器46と増幅器47とで構成される。
ラインl6を介して供給される加算器17からの波形歪信
号{εn}は、まず可変増幅器16を構成する遅延回路49
で所定の遅延時間(評価関数設定回路19乃至増幅率設定
回路29での信号処理に要する時間)を付与され、増幅器
52にてa倍に増幅された後、スイッチ回路51のA端子に
入力する。スイッチ回路51はそのC端子に供給される比
較器46からの制御信号に基づいて、増幅器52からの信号
{aεn}={εn′}とB端子に供給されている零電
位のいずれかを選択してD端子より出力する。即ち制御
信号に基づいて波形歪信号{εn′}又は0を重み付け
設定回路12にラインl7を介して供給する。
一方、加算器17からの波形歪信号{εn}は評価関数
設定回路を構成する乗算器41にも供給され、ここで波形
歪2乗信号{εn2}が作られる。そして次段の加算器42
と帰還ループ内に入っている遅延回路43{1クロック分
の遅延時間}T SC≒3.58MHz)を付与する}とからなる積算回路45に
よって、波形歪検出区間Tdの波形歪2乗信号{εn2}の
積算値が求められる。この積算値は、次段の減衰器44に
て、積算個数Neの逆数(1/Ne)に圧縮され、相加平均が
取られる。かくして得られた評価関数Eは、次式 で与えられることになる。なお、積算回路45の動作開始
タイミング及び初期化,動作終了タイミング等は説明の
便宜上省略する。この評価関数Eは両比較器20,46のA
端子に供給される。比較器46は評価関数Eの値を、評価
関数最小値Eminを増幅器47でβ(>1)倍されてB端子
に供給されるβEminと比較して、E≦βEminのときだけ
スイッチ回路51におけるA端子の信号をD端子へ送通さ
せ、E>βEminのときにはスイッチ回路51のB端子の零
電位をD端子へ送通させるような制御信号を供給する働
きをしている。一方、比較器20はそのA端子に供給され
る減衰器44からの評価関数Eの値と、そのB端子に供給
される最小値設定回路28からの評価関数最小値Eminとを
比較して、E<Eminの条件が満たされたときだけその状
態を表わすパルス状の制御信号をC端子から出力する働
きをしている。なお、最小値設定回路28はいわゆるプリ
セット端子を持ったラッチ回路である。C端子はプリセ
ット入力端子であり、ゴーストキャンセラの処理動作が
開始されると同時に初期設定としてラインl8からプリセ
ットパルスが供給され、出力端子Dに最大値がセットさ
れて最初のEmin値となる。B端子はデータ入力端子,A端
子はクロック端子である。比較器20からE<Eminの条件
が満たされたときに加えられる制御パルス信号が終了す
る時点でB端子から供給される評価関数Eの値が最小値
設定回路28に取り込まれてEminとなり、最小値が新しい
値に置き換えられる。かくして得られるD端子からの出
力Eminは、前述の如く比較器20及び増幅器47に供給され
る。このように評価関数Eをパラメータとし、評価関数
が常に減少する方向に制御をかけることにより、動作の
安定化を本発明装置では図っている。
なお、以上の説明では評価関数として波形歪信号の2
乗値を用いるものとしたが、これに限らず、例えば波形
歪信号の絶対値 を用いても同様の効果をあげることができる。また、波
形歪検出のための基準信号としては、第5図(A)のよ
うな水平走査期間の中程に設定したパルス状の波形に限
ることなく、例えば第5図(I)に示すようなバー波形
の立ち下がりエッジ又は垂直同期信号の前縁部を微分し
た波形等、波形変換によって抽出して得られるパルス信
号を使用しても本発明装置においては有効である。
〔効 果〕
本発明のゴースト除去装置は以上のように構成したの
で、従来装置における対ノイズ性等の前記問題点を解消
し、評価関数Eを導入して、ゴースト除去動作が収束方
向に向かっているか否かを常に監視しながら処理を進め
ることができ、対ノイズ性が格段に向上し、外乱雑音に
対しても安定,確実なゴースト等の波形歪の除去動作を
精度良く行なうことができ、波形歪を伴わない良質な映
像信号を得ることが出来るという実用的効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々本発明及び従来のゴースト除去
装置のブロック図、第3図は本発明及び従来装置におけ
るフィルタ部の具体的回路ブロック図、第4図(A),
(B)はフィルタ部を構成する各FIRフィルタの回路
図、第5図(A)〜(I)は夫々本発明及び従来のゴー
スト除去装置の各構成部分の動作説明用信号波形図、第
6図(A),(B)は夫々本発明及び従来のゴースト除
去装置の原理説明用スペクトル図、第7図は本発明装置
を構成する評価関数設定回路の評価関数の1例を示す特
性図、第8図は本発明装置の主要構成部分の具体的回路
構成図である。 10……ゴースト除去装置、11……フィルタ部、12……重
み付け設定回路、13……波形抽出回路、14……ピーク検
出回路、15……加算平均回路、16……可変増幅器、17,3
9……減算器、18……基準波形発生回路、19……評価関
数設定回路、20,46……比較器、21,23……FIRフィル
タ、22……IIRフィルタ、25,43,49……遅延回路、26,27
……遅延ブロック、28……最小値設定回路、29……増幅
率設定回路、30……加算合成回路、31,32……重み付け
回路、37,38……重み付けブロック、41……乗算器、42
……加算器、44……減衰器、45……積算回路、47,52…
…増幅器、51……スイッチ回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルタ部の重み付け値を可変することに
    より、入来するテレビジョン映像信号中のゴーストを除
    去するゴースト除去装置であり、 前記テレビジョン映像信号から、ゴースト検出用のパル
    ス状の基準信号を含む所定期間の信号を抽出して第1の
    信号とする波形抽出手段と、 前記第1の信号に含まれる前記基準信号のピーク位置を
    検出するピーク位置検出手段と、 この検出されたピーク位置とタイミングを合わせたパル
    ス状の理想基準波形の信号を発生させる基準波形発生手
    段と、 前記第1の信号と前記理想基準波形の信号とを減算して
    第2の信号を得る演算手段と、 前記第2の信号が増幅器を介して供給され、前記第2の
    信号に応じて前記フィルタ部の重み付け値を設定し更新
    する重み付け設定手段とを備えたゴースト除去装置にお
    いて、 前記第2の信号データの2乗平均値又は絶対値和の平均
    値を求めて評価関数Eを得る評価関数設定手段と、 ある時点での評価関数Eよりも以前に得られている評価
    関数の最小値Eminを記憶する最小値設定手段と、 前記評価関数Eと、前記最小値Eminをβ倍(但しβ>
    1)した値βEminとを比較すると共に、前記評価関数E
    と前記最小値Eminとを比較する比較手段と、 前記比較手段での比較結果がE≦βEminの時のみ、最小
    値Eminの値に応じた増幅率を設定し、E>βEminの時に
    は増幅率を0に設定する増幅率設定手段とを設け、 前記重み付け設定手段の前段の前記増幅器を、増幅率が
    前記増幅率設定手段で設定された増幅率となる可変増幅
    器とし、 前記最小値設定手段は、前記比較手段での比較結果がE
    <Eminの時に、その評価関数Eを新たな最小値Eminとし
    て記憶し、 前記比較手段での比較結果がE≦βEminの時のみ、前記
    重み付け設定手段により重み付け値が更新されることを
    特徴とするゴースト除去装置。
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