JP2532827Y2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2532827Y2
JP2532827Y2 JP9254891U JP9254891U JP2532827Y2 JP 2532827 Y2 JP2532827 Y2 JP 2532827Y2 JP 9254891 U JP9254891 U JP 9254891U JP 9254891 U JP9254891 U JP 9254891U JP 2532827 Y2 JP2532827 Y2 JP 2532827Y2
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induction heating
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靖通 若松
哲嗣 土斐崎
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Toshiba Corp
Kitashiba Electric Co Ltd
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Toshiba Corp
Kitashiba Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は連続的に搬送されてくる
被加熱材をC形鉄心で誘導加熱する装置のブロック鉄心
の取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄鋼圧延ラインなどでは被加熱
材を予め所定の温度に加熱してから連続的に搬送させ
て、順次圧延ミルで圧延して薄板に成形する過程で、被
加熱材の端部側の温度が次第に降下して行く問題があ
る。このように端部側が温度降下して全体に温度が不均
一のまま圧延すると品質が一定せず、端部側の硬度が高
くなって被加熱材が割れたり、圧延ミルのローラが摩耗
するなどの問題が発生するため、鉄鋼圧延ラインの圧延
ミルの上流側に被加熱材の端部を加熱する誘導加熱装置
が設置されている。
【0003】この従来の誘導加熱装置は、E形鉄心に加
熱コイルを巻回し、その表面に耐熱板を被覆したインダ
クターを被加熱材の両端部の上下に対向して配置し、上
部インダクターと下部インダクターとの間で磁束を発生
させ、この磁束を被加熱材に鎖交させることにより渦電
流を誘起させ、この電流と被加熱材自身の抵抗によりジ
ュール熱を発生させて加熱するようになっている。
【0004】この誘導加熱装置のインダクターは、被加
熱材とのギャップが少ないほど加熱効率が良いので、被
加熱材との衝突を防止すると共に加熱効率を考慮して20
〜30mm程度に設定されている。このためインダクターは
被加熱材に近接しているので常時、輻射熱を受けて1200
℃程度の高温に加熱されるためインダクターの表面に耐
熱板を取付けて被加熱材の輻射熱から加熱コイルを保護
している。
【0005】しかしながら、長期間使用しているうちに
耐熱板が高温により次第に劣化してきて亀裂が入り耐熱
板の強度が低下すると共に剥離脱落する恐れがある。ま
た亀裂が入ると加熱コイルが輻射熱に直接さらされ、加
熱コイルの絶縁被覆を破壊してコイル間の短絡事故を引
き起こす恐れもある。
【0006】そこで短絡事故を防止するため、通常はラ
イン停止時に目視で確認しているが、細い割れが発生し
ている場合には確実に検出することができない恐れがあ
り、通常は2週間に1回程度の短期間で表面の耐熱板を
交換している。
【0007】またこれとは別にC形鉄心を用いた誘導加
熱装置も従来開発されている。このC形鉄心1は図5に
示すように、円柱状のブロック鉄心2の外周に加熱コイ
ル3を巻回し、このブロック鉄心2をコ字形鉄心4の開
口部5を挟んで上下の脚部6A、6Bに取付けボルトを
兼ねるニップル7を上下に貫通させてナット8で固定し
てC形状に形成している。
【0008】また上下のブロック鉄心2、2の間を通過
する被加熱材9との間隔を調整できるようにするととも
に、ブロック鉄心2を開口部5から挿入して上下の脚部
6A、6Bに取付けるための間隔を得るために、コ字形
鉄心4の中央部に凹部10と凸部11を形成してこれを組合
わせ、ここをピン12で回動自在に連結して開閉構造に形
成されている。
【0009】このC形鉄心1を用いた誘導加熱装置は、
上下にE形鉄心で構成されたインダクターを分離して配
置した誘導加熱装置に比べて、磁束の通路に大きなエア
ーギャップがなく、C形鉄心1の内部に磁束が通過する
ループが形成されるため加熱効率が優れ、上下のブロッ
ク鉄心2、2の間隔を大きくとっても効率の低下が少な
いので被加熱材9からの輻射熱の影響を少なくできる利
点がある。
【0010】しかしながら、このように構成されたC形
鉄心1は、コ字形鉄心4の中央部を円弧状に切断し、こ
れを積層して凹部10と凸部11を形成してこれを組合わ
せ、ここをピン12で回動自在に連結するため、けい素鋼
板の加工や鉄心の組立作業が面倒であると共に凹部10と
凸部11の間の摺動摩耗や、ピン12の挿着部で磁束の乱れ
などの問題がある。
【0011】またブロック鉄心2の表面に取付けた耐熱
板13は使用中に輻射熱の影響を受けて次第に劣化するた
め定期的に交換する必要がある。この交換時にはブロッ
ク鉄心2、2の間隔が狭いためコ字形鉄心4の中央部の
連結部分で回動させて上下のブロック鉄心2、2の間隔
を図5に仮想線で示すように広げてから、上下方向沿っ
て内側に引き抜いて取外さなければならずこの作業に手
間がかかる問題があった。
【0012】またC形鉄心1は図7に示すように、コ字
形鉄心4の脚部6Aにブロック鉄心2を当接して取付け
られているので、脚部6Aとブロック鉄心2との間にエ
アーギャップ14を生じこの部分で磁束15のループが曲が
るので漏洩磁束が多くなり、またブロック鉄心2の端部
側はけい素鋼板の長手方向に対して磁束15のループが斜
めに侵入するのでここが局部的に加熱される。しかもブ
ロック鉄心2の水冷板16は図6に示すように内部に埋設
され、内側からだけ水冷されるので冷却面積が少なく、
その分、水冷板16を厚くして内部の通水路断面を大きく
形成しなければならずブロック鉄心2が大型化する問題
があった。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】本考案は上記欠点を除
去し、ブロック鉄心2の交換作業を容易にすると共に、
ブロック鉄心2と脚部6A、6Bとの接合面での発熱を
少なくして加熱効率を向上させ、しかもブロック鉄心2
の冷却効果を高めて小型化した誘導加熱装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1記載の
考案は、コ字形鉄心の開口部を挟んで上下の脚部に、先
端側が開口し上下に貫通する凹溝を形成すると共に、け
い素鋼板を積層して中央部を突出させた断面凸形状のブ
ロック鉄心の外周に加熱コイルを巻回し、このブロック
鉄心の突出部を前記脚部の凹溝に着脱自在に嵌合してC
形鉄心を構成したことを特徴とするものである。
【0015】更に本考案の請求項2記載の考案は、断面
凸形状をなすブロック鉄心の突出部を形成する中央部分
が、短冊状のけい素鋼板を積層してその両側から当板と
なる水冷板で挟持されていることを特徴とするものであ
る。
【0016】
【作用】本考案の誘導加熱装置は、コ字形鉄心の上下の
脚部に先端側が開口し上下に貫通する凹溝が形成され、
ここに断面凸形状をなすブロック鉄心の中央の突出部を
前面開口部の前方から嵌合してボルトで横方向から固定
するので、C形鉄心の組立が容易である。また使用中に
耐熱板が劣化して交換する場合にもボルトを外して前方
にそのまま引出せばよいので交換作業も容易である。ま
たブロック鉄心の突出部が脚部の凹溝に嵌合され、この
凹溝と突出部との間のエアーギャップの部分では磁束の
ループがこれと直交して通過するのでの端部の加熱が少
ない。
【0017】更にブロック鉄心の突出部の両側が当板と
なる水冷板で挟持されている構造では冷却面積が大きい
ので水冷板を薄くでき、ブロック鉄心を小型化すること
もできる。
【0018】
【実施例】以下本考案を図1ないし図4を参照して詳細
に説明する。けい素鋼板を積層したコ字形鉄心4は図2
に示すように開口部5を挟んで上下の脚部6A、6B
に、先端側が開口し上下に貫通する凹溝17、17が形成さ
れている共に、凹溝17、17の両側の脚部6A、6Bの側
面に横方向にボルト孔18…が開孔されている。
【0019】またブロック鉄心2は図3に示すように短
冊状のけい素鋼板を積層し、その両側から当板となる水
冷板16、16で挟持されて直方体ブロック2Aが形成さ
れ、この水冷板16の長手方向に沿った両端にニップル
7、7が一体に接合されている。更にこの直方体ブロッ
ク2Aの両側に、けい素鋼板を半円柱状に積層した半円
ブロック2B、2Bを接合して、中央部を突出させた断
面凸形状のブロック鉄心2を構成し、この外周に加熱コ
イル3が巻回されている。
【0020】このブロック鉄心2は図1に示すように被
加熱材9と対向する表面に耐熱板13を取付けて支持枠20
で囲い、ブロック鉄心2の中央の突出部2Cを前記コ字
形鉄心4の凹溝17の前面開口部の前方から嵌合し、ボル
ト孔18…にボルト19を通してブロック鉄心2のボルト孔
18…を貫通させて固定してC形鉄心1を形成する。
【0021】従って上記構成の誘導加熱装置は、コ字形
鉄心4の上下の脚部6A、6Bに、先端側が開口し上下
に貫通する凹溝17、17が形成され、ここにブロック鉄心
2の中央の突出部2Cを前面開口部の前方から嵌合して
ボルト19で固定するので、従来のようにコ字形鉄心4の
中央部を分割してピン12で開閉自在に連結する必要がな
くC形鉄心1の組立が容易である。また使用中に耐熱板
13が劣化して交換する場合にもボルト19を外して前方に
そのまま引出せばよいので交換作業も容易である。
【0022】またブロック鉄心2の突出部2Cは、図3
に示すように積層した短冊状のけい素鋼板の両側から当
板となる水冷板16、16で挟持された直方体ブロック2A
で形成され、この突出部2Cが脚部6A、6Bの凹溝17
の内側に挿着されているので、この凹溝17と突出部2C
との間のエアーギャップ14の部分では図4に示すよう
に、磁束15のループが直交して通過するので端部の加熱
が少ない。しかも直方体ブロック2Aは突出部2Cまで
全体が水冷板16、16で挟持されて冷却面積が大きいので
水冷板16を薄くしてブロック鉄心2を小型化することも
できる。
【0023】なお上記実施例では、固定式のコ字形鉄心
4にブロック鉄心2を取付ける場合について示したが、
中央部を分割してピンで開閉自在に連結したコ字形鉄心
4の場合にも適用することもできる。
【0024】
【考案の効果】以上説明した如く本考案によれば、断面
凸形状をなすブロック鉄心の突出部をコ字形鉄心の脚部
の前面に形成した凹溝に前方側から嵌合させてC形鉄心
を形成することができるので、ブロック鉄心の取付けや
耐熱板の交換時の取外し作業が容易である。更にブロッ
ク鉄心の取付け部となる突出部が脚部の内側の凹溝に挿
着されているので接合面での発熱が少なく、しかも突出
部の両側が水冷板で挟持されているものは冷却面積が大
きく冷却効果が大きいので、水冷板を薄くしてブロック
鉄心の小型化を図った誘導加熱装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による誘導加熱装置を示す斜
視図である。
【図2】図1のコ字形鉄心を示す斜視図である。
【図3】図1のブロック鉄心を拡大して示す斜視図であ
る。
【図4】図1のブロック鉄心の突出部とこれが嵌合する
脚部の凹溝との接合部における磁束の流れを示す説明図
である。
【図5】従来の誘導加熱装置を示す斜視図である。
【図6】図5のブロック鉄心を拡大して示す斜視図であ
る。
【図7】図5のブロック鉄心と脚部の接合部における磁
束の流れを示す説明図である。
【符合の説明】
1 C形鉄心 2 ブロック鉄心 2A 直方体ブロック 2B 半円ブロック 2C 突出部 3 加熱コイル 4 コ字形鉄心 5 開口部 6A 脚部 6B 脚部 7 ニップル 12 ピン 13 耐熱板 15 磁束 16 水冷板 17 凹溝 18 ボルト孔 19 ボルト

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コ字形鉄心の開口部を挟んで上下の脚部
    に、先端側が開口し上下に貫通する凹溝を形成すると共
    に、けい素鋼板を積層して中央部を突出させた断面凸形
    状のブロック鉄心の外周に加熱コイルを巻回し、このブ
    ロック鉄心の突出部を前記脚部の凹溝に着脱自在に嵌合
    してC形鉄心を構成したことを特徴とする誘導加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 断面凸形状をなすブロック鉄心の突出部
    を形成する中央部分が、短冊状のけい素鋼板を積層して
    その両側から当板となる水冷板で挟持されていることを
    特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
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JPH0534696U JPH0534696U (ja) 1993-05-07
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